試合結果6月

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6月5日(木) 島根県くにびきメッセ


第1試合30分一本勝負
×神西志乃水瀬沙夜
(11分59秒、スモールパッケージホールド)
キャノンボール焔&○マンティス笹倉<アンバランス>

水瀬、神西ともにカードに対する不満の表情を見せながらのリングイン。一方アンバランスは負けて元々という勢いでぶつかっていく。神西、水瀬は連携を取らずとも十分とアンバランスを攻め込んでいく。個人の力では歯が立たないアンバランスだが、細かいタッチワークで1対2の形を作って反撃。
そして12分を前にして、組み付いた神西を丸め込んだ笹倉。これがなんと3カウント。取られた神西も、余裕と思ったかコーナーに控えたままの水瀬もあっけにとられた表情。


キャノンボール焔「・・・う〜ん、まだ本気で相手されて無いのが悔しいなぁ〜。まずは本気にさせて、それに打ち勝って見せないとっ! 勝負はこれからですよっ、これから!!」
マンティス笹倉「タッグ戦ってよか、1対2んハンディ戦みたぁな形やったから、楽はさせち貰いましたねぇ〜。楽ついでの固め技が決まったとは助かりましたけんど、ね。まともに倒すとは往生しますけぇ。(苦笑)」

神西志乃「ふん、3カウントさえ取ればプロレスでは勝利だったな。今日は良い勉強になった」



第2試合30分一本勝負
望月登子&○高村あかね(KIZUNA)<エクストリームストーム>
(15分56秒、片エビ固め:ジェットスクランダー)
ブラック・ブリザード(KIZUNA)&×荒谷久美(KIZUNA)

高村、望月の持つ世界ジュニアタッグに挑戦が決まっているブラック・ブリザード。荒谷のサポートを受けて果敢に挑む。ところがエクストリームストームは、ブラックは眼中にないと言わんばかりの勢いで荒谷に襲いかかる。
望月の場外パワーボムでブラックがダウンする間に、リング上で高村が荒谷をダイビングセントーンで沈めた。

高村あかね 「よしっ! ヘビーだろうがジュニアだろうが関係ないんだよ、あかねともっちーには! ブラック、なっちゃん組にはQOJで連敗したから、きっちりタイトルマッチで借りは返すから。次はダブドラ、そしてめぐちぐ、JBも全部、飲み込んでやるから!!」

荒谷久美 「さすがに分断されたらね。あのふたりはジュニアとかそんな枠ないわ。悔しいけど認めざるを得ない。ま、ウチ(KIZUNA)のレスラーはどこでもトップ取れるんだから、それは証明してやるわよ。ま、最後にトップに立つのは私だけど」

ブラック・ブリザード 「ふむ‥‥。タイトルマッチまで正パートナーとの前哨戦が1度もないのがちょっと‥‥。まあ、QOJも同じでしたから。勝負はタイトルマッチで、ですから」



第3試合30分一本勝負
高岡ユーリ&木佐深月(A☆F)<クライシス>
MACHIKO&ラブリーベル<ビューティ・コネクション>
セラフィム・レイ&川部雪江

セラフィム・レイ(5分29秒、反則)MACHIKO

川部がクライシスとやり合う間にBコネがレイを襲う。鞭、スタンガン、ブルーボックスなどで傍若無人なBコネに、反則負けの裁定が下った。

ラブリーベル「あら、少し人気があると危なくなったら反則勝ちをもらえるの?ずいぶん良いご身分ですわね〜」
MACHIKO「ま、こんな試合勝ったって負けたって関係ないしねえ。やる気も失せるわ、あんな連中だと」
ラブリーベル「それにしても、川部さんがクライシスを抑えて下さったおかげで本当に楽でしたわ。感謝しないと行けませんわね?ふふ」
MACHIKO「確かにこの前といい、ナイスアシストしてくれてるわ。あははははは、可笑しい」

 流血させられたレイは、傷口をタオルで押さえながらのコメント。
セラフィム・レイ「う〜。勝ったって嬉しくないよ、こんなのじゃ」
川部雪江「すみません…」
セラフィム・レイ「もう、ちゃんと周り見てよ。自分の世界だけじゃなくてさあ」
川部雪江「…」

木佐深月「全然試合させてもらえなかった……Bコネにも川部さんにも。ああもう、やってられないわよこんなの!!」



第4試合30分一本勝負
ソフィーヤ・パーリィ(EWA)&○ディアナ・アームストロングインフェルナルREIKO
(16分28秒、アトランティックタイフーン)
ファニー・ライトニング(SPWA)ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)&×坂倉宏子(KIZUNA)

ほとんどの時間帯を二人がかりで相手を迎え撃つファニーウイングスの二人。赤い衣装に身を包んで登場のパーリィも、化粧道具を使った反則技を繰り出して合わせていく。
激しい攻撃を仕掛けていく青コーナー側だが、要所でペースを乱されてしまい敗北の結果に終わった。

インフェルナルREIKO「いいわねえソーニャは。Bコネと組んでたときも思ったんだけど、いい素質持ってるわ〜。今度もまたお願いしようかしらね」
ディアナ・アームストロング「エクストリームが何?あの程度ならパワーで叩きつぶせそう。ストームも、エキスプレスも、小鳥みたいなものね。私達大鷲に、勝てるはずがないわ」
ソフィーヤ・パーリィ「さすがにファニーウィングスはレベル高いわ。なんとか合わせる事は出来たけどそれだけだったし、正直今日の出来は甘く見ても65点ってところかしら。でもその程度でも沈んじゃう訳だ、あの連中。……つまらないわね」

ファニー・ライトニング 「覚えてなさい!! これで終わりだと思わないことね!!」
ロナ・ヴァン・ダム 「面白いじゃない。‥‥人のこと舐めてるとケガするわよ!! 後悔させてやるから」

坂倉宏子 「こっちにあいてる小さなアナを的確についてくるんだもんなあ。上手いよ、ホント。自分のプロレス頭に自信持ってたんだけど、最近、少し自信なくなってきたわ。まあ、それだけやりがいがあるんだけどね。渡辺、ファニーウィングス、Bコネと、この辺に対抗するには本気でユニット作りしないとマズイかも。ここで潰されるわけにもいかないしね。こういう頭使った攻防で、あいつら活かせるのは私くらいだろうし。ダブドラや豊多摩さんよりも自信あるからね、こういう試合には。ホント、こういうプロレスでしかできない試合にこそ、価値がある。そう思ってるから。ま、面白くしましょうか、もっとね」



第5試合30分一本勝負
カーシャ・イワノヴナ渡辺智美&×豊多摩奈美
(21分30秒、片エビ固め:ブラックドラゴン・ドライバー)
サイフィス真美芹沢すずな&○松井香織

ダブルドラゴンの巧みな連携に真美も上手く動きを合わせて終始優勢に。
松井が豊多摩から3カウントを奪い、タッグ戦での強さを見せつけた。


6月8日(日) 和歌山県岩出町立町民総合体育館


第1試合30分一本勝負
神西志乃セラフィム・レイ
(6分24秒、KO:マウンテンストーム)
キャノンボール焔&×マンティス笹倉<アンバランス>

試合前にマイクで「今回は油断しない。全力で叩きつぶしてやるから覚悟しておけ」とアピールする神西。その言葉通りに焔には強烈な蹴り、笹倉とは世界を取った柔道家らしく組み技で対処してその力を見せる。
さらにレイの空中殺法が織り込まれ、アンバランスタッグとしてのいい動きが少し出ただけで実力負けの形となってしまった。

キャノンボール焔「これこれっ! この位、凄い攻撃が来なきゃ嘘ですよっ! そして、その攻撃を上回る攻めが出来た時こそ・・・私達が勝つ番ですっ!!」
マンティス笹倉「ふぅ〜む・・・良く保った方でんな。空中殺法と言い、組み技と言い、向うさんの得意分野に圧倒されちょりましたけぇね。そればどげんして自分らの領域に引き込むとかが、今後ン課題の一つっすねぇ〜」



第2試合30分一本勝負
×ファニー・ライトニング(SPWA)ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)<エクストリーム・エキスプレス>
(11分19秒、片エビ固め:跳び回し蹴り)
高岡ユーリ&○木佐深月(A☆F)<クライシス>

EEの縦横無尽な動きに、クライシスも食いついていく。EEの勢いをクライシスが押し込まれながら耐えるという形で試合が進んでいく。
その中で、高岡の関節技が効力を発揮し始めて徐々にクライシス有利の展開に。最後は高岡の水車落とし、木佐の飛び回し蹴りとコンビネーションが決まってクライシスの勝利。

木佐深月「常にこのレベルの試合をすること、相手が試合を作るのじゃなく自分が試合を作ってる状態でこういう試合を出来るようになることが課題ね。今日はまだEEに引っ張られてたから」

ファニー・ライトニング 「チッ! この借りは必ず返すから!!」
ロナ・ヴァン・ダム 「頭に血が上りすぎたわね。まあ、いいわ。目の前の奴等、全員倒してやるから!!」



第3試合3WAYタッグマッチ30分一本勝負
望月登子&高村あかね(KIZUNA)<エクストリームストーム>
MACHIKO&ラブリーベル<ビューティ・コネクション>
川部雪江&渡辺智美

MACHIKO(12分48秒、ブラッディー・ネット)高村あかね×

「今日もアシストお願いね〜」とからかうようなMACHIKOの言葉に、川部は顔を背けて拒否反応。ESの先発高村と協力してMACHIKOを狙いに行く。しかし高村がMACHIKOを羽交い締めにしてそこに川部がランニング掌底で襲いかかると、MACHIKOが回避して高村にランニング掌底が決まってしまう。とまどいながら高村から距離を取る川部を横目に、MACHIKOが高村の背後を取ってサザンスープレックスMARK2の体勢。ここは憤慨した望月が乱入してMACHIKOにハイキック、そして川部に踵落としで攻撃を仕掛け高村を救出。
渡辺が場外で望月を押さえつけている間に、Bコネが二人がかりで高村を攻め立てる。そして最後はMACHIKOがクロスアーム式のカベルナリアで高村からギブアップを奪った。

MACHIKO「ぷぷぷ、いい子よね〜。あははは、笑いが、あははははは!助けて・・・笑い死ぬ・・・」

望月登子「くそ、あれじゃあ2対4じゃねえか。智美も雪江も何考えてんだ!」
高村あかね 「ふざけんな!! なんだあれ! 最初からハンディでやってやるよ! 3WAYなんかじゃないじゃんか!!」



第4試合ノータッチタッグマッチ30分一本勝負
ディアナ・アームストロング&○インフェルナルREIKO<ファニーウイングス>
(16分31秒、片エビ固め:ロックオンインフェルノスプラッシュ)
×坂倉宏子(KIZUNA)サイフィス真美

坂倉と真美、多彩な技でファニーウイングスを攻め立てて優勢に立つ。
しかしガードがレフリーの注意をそらしたところでファニーウイングスが凶器、目突き、髪つかみなどの反則をこれでもかと繰り出して一気に形勢を逆転させてしまう。
ディアナのデスバレーボムから、ディアナが坂倉の顔面を踏みつけて動けなくしてからREIKOがインフェルノスプラッシュで降りかかり、試合を決めた。

坂倉宏子 「くそっ! 負け込んできたな。試合の度にパートナーが変わるからどうしても分が悪いわ。とことん付き合ってもらうから。覚えてなさい!」



第5試合30分一本勝負
芹沢すずな&○松井香織豊多摩奈美
(14分40秒、膝十字)
水瀬沙夜&×ブラック・ブリザード(KIZUNA)荒谷久美(KIZUNA)

WWPLトップ3と、無差別王者にブラック・ブリザードが組んだチームの勝負。
前は負けたがこれ以上は、という勢いでダブルドラゴンのダブル旋風脚やコンビネーションキックなどが飛び出る。このメンバーではダメージへの防御にやや劣るブラックが苦しめられることに。
そして松井が雪崩式ドラゴンスクリューから膝十字のコンビネーションでブラックを捕らえ、芹沢、豊多摩が完全にカットを阻止。ブラック・ブリザード、無念のタップ。

松井香織「あっちも自信みたいなものが見え始めてきてちょっとやっかいかな。でも、さすがにこのメンバーで負けるわけにはいかないからね」

荒谷久美 「完全に分断された!! でも、こうでもしなきゃ私の勢い止められないってことでしょ。次よ、次! あの首、絶対とってやるんだから!!」
ブラック・ブリザード 「1対3という形に分断されての試合ですからね。しょうがないでしょう。出る杭は打たれるものですから」

6月14日(土) 徳島県徳島市立体育館




「本日は8人タッグワンデイトーナメントを行います。まずタッグ4チームによる予選を行い、各チームが残り2名を指名する形式となります」
とのアナウンスが場内に流れる。参加チームはダブルドラゴン、ファニーウイングス、エクストリームストーム、ビューティ・コネクションの4チーム。予選はオーバーザトップロープ形式のバトルロイヤルタッグマッチで行われた。

第0試合8人タッグマッチワンデイトーナメントカード決定バトルロイヤルタッグマッチ時間無制限
芹沢すずな&松井香織<ダブルドラゴン>
ディアナ・アームストロング&インフェルナルREIKO<ファニーウイングス>
望月登子&高村あかね(KIZUNA)<エクストリームストーム>
MACHIKO&ラブリーベル<ビューティ・コネクション>

合計8人による変則マッチに、様子見の試合開始。そんななか、Bコネとファニーウイングスが接近して握手。共同戦線を張ってダブドラを狙う。ところが、5分過ぎに望月の蹴りを受けてロープ際に下がったMACHIKOに、ディアナがラリアットを叩き込んでMACHIKOを場外へ落とす。一瞬の裏切りによってBコネ、脱落。

ディアナ・アームストロング(5分20秒、オーバーザトップロープ)MACHIKO

ファニーウイングス、エクストリームストームに共闘を持ちかけるが望月も高村もこれを拒絶。二人同時にブレンバスターを放つと、REIKOに前後からハイキックを仕掛けて高村がそのままフォールにいく。これは芹沢が望月を巻き込む形で倒れ込んでカット。
その展開の中、ファニーウイングスが傍観を決め込み体力温存。松井が望月を下すのを悠々と眺めていた。

松井香織(9分41秒、ジャパニーズレッグロールクラッチ)望月登子

そしてエクストリームストームが脱落した瞬間、ファニーウイングスが襲いかかり芹沢を場外に落とそうとする。ところが、芹沢ディアナを旋風脚でなぎ倒すとあっという間にREIKOをラ・マヒストラルで丸め込み、勝利を決めた。

芹沢すずな(10分39秒、ラ・マヒストラル)インフェルナルREIKO

順位:ダブルドラゴンファニーウイングスエクストリームストームビューティ・コネクション

 上位よりチーム指名とあり、まず松井がマイクを持つ。
松井香織「まあ、順当なら真美とカーシャ、なんだろうけどね。旧ドラゴネットのメンバーで組むのも芸がないし、せっかくのお祭りだからね。今日試合して面白かった望月、高村!お前達を指名するよ」
 これにはエクストリームストームも困惑気味。
望月登子「そういうことらしいんだけど・・・お客さんはどうなんだい?」
 望月はそう客席に問いかけると、拍手が帰ってくる。苦笑しつつ顔を見合わせる高村と望月。そして。
高村あかね「よしっ! それじゃ、ダブドラとエクストリームのスーパーユニット結成!! びしばしいって優勝するぞー!! いえーいっ!!!」」
 NWWAの世界ヘビー級タッグ、世界ジュニアヘビー級タッグという豪華チームが1チーム目として決まった。
 次いでファニーウイングスの指名。
インフェルナルREIKO「まあ、誰でもいいんだけどさ。見た目派手なのがいいわよね…。誰にしようかな…」
 言葉を切ってしばし考えるREIKO。
インフェルナルREIKO「ソーニャとレイにしとくわ。はい、次」
 そう言って高村にマイクを渡すREIKOだが。
高村あかね「あかね達チーム決まっちゃったんだよね。次どうぞ」
 最後、Bコネの指名順になり、マイクを持つのはMACHIKO。
MACHIKO「さて、指名なんだけど・・・まあ私達二人っきりのチームで孤立してるから、適当に残った連中から選ばなくちゃ行けないんだけど・・・。そうね、豊多摩」
 おおっ、とざわめきが起こる。
MACHIKO「は、ダメね。ほら、タッグ苦手なの周知の事実だし。ってことでサイフィス真美」
 会場の反応を見つつ一拍おくMACHIKO。
MACHIKO「も、ダメね。95年デビューの選手が全盛の今、中堅で落ち着いてるようじゃ役に立たないわ。ってことで水瀬・・・って、あんな地味なのを指名するわけ無いでしょ。カーシャ!」
 にやりと笑うMACHIKO、さらに続ける。
MACHIKO「と思ったけどパス。自己アピールのない子は嫌い。入れて上げない。神西。まあ期待の選手のようだし?でもねえ、顔が・・・美人って言うより男前って系統でしょ?汗くさそうだから入れて上げない」
 言いたい放題のMACHIKOにブーイングが飛ぶ。
MACHIKO「そういうことで、こっちのパートナーは渡辺!川部!あんたらよ!」
 その言葉と共に渡辺と川部が奥から走り込んでくるとリングに上がり、Bコネの二人と握手!
MACHIKO「あはははあはは!ばっかじゃないの!話は出来てたのよ!先月からね!そうでなきゃあんなに『偶然に』アシストが出来るわけ無いでしょうが!バカよね!あははははあははははは!」
ラブリーベル「おーっほっほっほっほっほ!そういうことで、我々ビューティ・コネクションの新メンバーを紹介いたしますわ!渡辺智美さんと川部雪江さんのお二人よ!わたくしたち共々、よろしくお願いいたしますわね!おーっほっほっほっほっほ!」
 マイクを受け取った川部、唖然としている周囲を見回して口を開く。
川部雪江「散々皆さん色々言ってくださいましたけれど。全く下らないことで悩ませてくださってどうもありがとうございます。でも分かりましたよ。皆さん、私に嫉妬していただけじゃないですか。人のスタイルにケチを付けて自分のプライドを守ろうとしていただけですよね?」
渡辺智美「加えて正規軍も不甲斐ないのよね。何をやるにも受動的。やる気があるのかないのか分からないような連中と一緒にいたんじゃ、こっちがダメになるわ。見てなさい、これからはビューティ・コネクションが天下を取るんだから。まずはWWPLから、ね」
 そして各自アピールをしながらBコネの「4人」は退場していくのであった。

 あっけにとられている空気の中、REIKOが落ちているマイクを拾う。
インフェルナルREIKO「でまあ、それはいいとしても。3チームしかないじゃないの」
 その言葉に、会場からは笑いが漏れる。
インフェルナルREIKO「どうすんのよ?」
 すると。
????「ちょーっと待ったーっ!」
 大きな声と共に走り込んできたのは無差別級タッグ王者の片割れ、荒谷。
荒谷久美「チャンピオンを無視してこんな予選組むなんて、私達も甘く見られたものね!一チーム余ってるのなら、参加させて貰うわよ!パートナーはエクストリーム・エキスプレスの二人を指名するわ。文句はないわね?」
 そのアピールに本部席の太田垣社長がOKを出す。これでトーナメント参加の4チームが決定した。

8人タッグトーナメント出場決定チーム:
望月登子&高村あかね(KIZUNA)&芹沢すずな&松井香織
セラフィム・レイ&ソフィーヤ・パーリィ(EWA)&ディアナ・アームストロング&インフェルナルREIKO
MACHIKO&ラブリーベル&川部雪江&渡辺智美
ファニー・ライトニング(SPWA)&ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)&水瀬沙夜&荒谷久美(KIZUNA)




第1試合20分一本勝負
高岡ユーリ
(14分11秒、レッグロックアキレス腱固め)
×ブラック・ブリザード(KIZUNA)

「お前とのシングルは久々だからな。いつも以上に気合い入れて行かせて貰うぜ!」とのアピール通り、ブラックに真っ向勝負を挑む高岡。掌打の連続攻撃を受けても怯まず、水車落としからスリーパーで体力を奪う。
グラウンドの勝負でも五分の展開ながら、高岡が背後を取った時引っこ抜くように強引なスープレックスを放つと、間髪入れず複合関節技レッグロックアキレス腱固め捕らえて勝利を奪った。

高岡ユーリ「どうだ見たか!いつまでもやられっぱなしじゃいねえよ!」

ブラック・ブリザード 「勝ち負けに一喜一憂してるヒマはないですから。プロレスの奥深さは、まだ見通すには深すぎる。それに、そういう勝負がしたいなら試合前にそう宣言してください、挙手で。そう言ってもらえないと、切り替えられないじゃないですか」



第2試合トーナメント1回戦30分一本勝負
望月登子高村あかね(KIZUNA)芹沢すずな&○松井香織
(12分49秒、ブラックドラゴン・ドライバー)
ファニー・ライトニング(SPWA)ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)&×水瀬沙夜荒谷久美(KIZUNA)

そしてトーナメントの第1試合が始まった。
ダブルドラゴンは荒谷と水瀬にタイトル戦の借りを返さんと攻勢に出る。また、ストームとエキスプレス、エクストリームスタイルの意地をかける激突。EEはさらにダブルドラゴンをも狙い、ESも無差別タッグ王者の荒谷達を狙って、ノータッチのルールであることをフルに利用した回転の速い展開を仕掛ける。
乱戦模様の中、松井のポイズンブレスが水瀬を襲う。視覚を奪われた水瀬、松井のブラックドラゴン・ドライバーをまともに浴びてしまい3カウントを聞くことになった。

松井香織 「正攻法ばかりがプロレスじゃないよ」
高村あかね 「うー目立てなかった‥‥。次、次いってみよー!!」


荒谷久美 「あのヤロー‥‥。水瀬狙いやがってぇ!」
ロナ・ヴァン・ダム 「年の功ってところ? おばあちゃんたちの知恵に、今日は負けといたげるわ」
ファニー・ライトニング 「腹立つわ‥‥。ベルトに挑戦させろ! そこで思い知らせてやる!!」



第3試合トーナメント1回戦30分一本勝負
MACHIKOラブリーベル渡辺智美&○川部雪江<ビューティ・コネクション>
(16分9秒、蠍座固め)
×セラフィム・レイソフィーヤ・パーリィ(EWA)ディアナ・アームストロングインフェルナルREIKO

4人となり、そのファッションショー的な入場シーンが更に派手になったBコネ。川部はチャイナドレスのデザインを基調としたコスチュームに変更しており、Bコネ入りが前々より決まっていたという話の裏付けとなる。
一方のファニーウイングス、セラフィム・レイ、紅バージョンのソフィーヤ・パーリィ組も見た目から負けていない。これぞ女子プロレスという華やかな雰囲気のリング上となる。そんな中でこの日は紅バージョンのコスチュームに身を包んでいるパーリィがマイクを要求。
ソフィーヤ・パーリィ「人増やすのは勝手だけど、既に有名無実と化してるそんなチームじゃ話にならないでしょ。おとなしく棄権して帰った方がいいんじゃない?」
MACHIKO「それは一体どういう意味かしら?」
ソフィーヤ・パーリィ「だって『ビューティ』コネクションなんて言ってるくせに一人明らかに美人じゃないのがいるじゃないの。……誰とは言わないけど」
渡辺智美「聞き捨てならないわね。川部のことを悪く言わないでほしいものだわ」
川部雪江「渡辺さんがビューティではなくエロティックだと言いたいのじゃないでしょうか?」
渡辺智美「あんたも言うようになったわね」
川部雪江「どういたしまして」
ソフィーヤ・パーリィ「あらあら、必死で誤魔化しちゃって。メイクでうまく化けたつもりみたいだけどわたしの眼はあざむけないわよ。あんたたちの実力とおんなじでメッキもいいとこ。ま、化けの皮はすぐに剥がしてあげるから覚悟しなさい」
渡辺智美「ふーん、自信過剰もここまでくると一種の芸ね。すぐにその口塞いで上げるから覚悟してなさい」
川部雪江「そうですね、新生Bコネの力を見せてさしあげましょう。MACHIKOさん、ベルさん。先輩として、リードをよろしくお願いしますよ」

先発を買って出た川部。それに対してFW側はなんとREIKOが前に出る。REIKOはわずかに口元を浮かべつつ川部と組み合い、腕の取り合いを仕掛けていく。そして川部をロープに振ったREIKO、帰ってくるところに高速のローリングソバットを放って先制。さらに起き上がる川部にミドルキックで追撃するREIKO。しかし数発目を川部がキャッチ、REIKOをコマのように回して背後を向けさせるとそのまま裸絞めに捕らえる。すかさずMACHIKOが乱入、鉄の扇でREIKOの顔面を殴打。反対のコーナーからはディアナ、そしてパーリィも飛び出し、Bコネも全員参加での乱闘状態。
場外でベルとともにパーリィを攻め立てる川部に、レイが「ゆきちゃんのばかああああっ!」と叫びつつバミューダ・トライアングルで降りかかる。川部と渡辺の裏切りに対して怒り心頭の様子のレイ、リング内でも渡辺に対して変形コルバタのロザリオを仕掛けていく。ファニーウイングスの二人は、レイと川部・渡辺のぶつかりあいには手を出さずニヤニヤと眺めるのみ。
試合権利はパーリィとMACHIKOに移る。パーリィ、サンボ式の飛びつきからマウントポジションを取ると懐から口紅を取り出してMACHIKOの顔に落書きを始める。これは慌ててパーリィを振りほどこうとするMACHIKOだが、完璧に上を取られているためなすがまま。そこでベルが乱入、パーリィを背後から鞭で打ち付けてMACHIKOを救出。MACHIKOは顔の落書きを消すためにリング下へ。
両チーム反則上等の雰囲気の中、取り残されたレイ。そのレイを狙った川部、ロープワークからショルダーアタック、コーナーにもたれさせてのランニング掌底などと攻め込む。ダウン状態のレイをリング中央まで引きずると、片足を交差させてロックする変形の逆片エビ固めでギブアップを奪った。

 悠々と勝利のアピールを行うBコネ。REIKOとディアナはさっぱりした様子ですぐに引き上げていく。
 そこでレイがマイクを要求。
セラフィム・レイ「ひどいよ。これがゆきちゃんのやりたかったプロレスなの?正々堂々と、クリーンなプロレスが一番似合うのに」
川部雪江「レイさん、勝手に人のスタイルを決めないでくださいよ。レイさんがそういう試合したいのでしたらすればいいじゃないですか。どうして私までそれを押し付けられないといけないんですか?」
 しかし、即座にそう返す川部。絶句したレイに背を向けると、川部も悠々と立ち去った。

ソフィーヤ・パーリィ「まあ、レイが捕まっちゃったものね、一人だけ試合についてこれてなかったし。でもそこをセコく狙わないと勝てないBコネと、実質3対4なのにわたしもレイコもディアナも押されてなかったこっち、真の勝者がどっちかなんて誰の目にも明らかよね?」



第4試合30分一本勝負
×神西志乃霞月いおり(DIA)豊多摩奈美
(13分40秒、片エビ固め:アカシックバスター)
カーシャ・イワノヴナ&坂倉宏子(KIZUNA)&○サイフィス真美

神西、霞月、豊多摩と、「マイペース軍団」の赤コーナー。予想通りほとんど連携といえるような動きはない。それでも負けることはいやということか、要所のカットなどはこなしていく。しかし地力でも劣る赤コーナー側は次第に押される展開になる。
坂倉のハイパーニー空牙で大きなダメージを負った霞月が戦線離脱する中、サイフィス真美が得意のスカイツイスター式エルボードロップで神西を沈めた。

坂倉宏子 「今日のメンツで負けたらどうしよかと思ったけど結果オーライで。やっぱり、ちゃんと言うこと聞いてくれるチームだとストレスなく試合できるわ。‥‥今のWWPLは軍団抗争がメインだからね、早く何とかしないといけないんだけど」



第5試合トーナメント決勝時間無制限1本勝負
望月登子高村あかね(KIZUNA)芹沢すずな&○松井香織
(19分16秒、体固め:ドラゴンスパイラル)
×MACHIKOラブリーベル渡辺智美川部雪江<ビューティ・コネクション>

意気上がるBコネ、再びの派手な入場を見せて盛り上げる。
しかし、試合での見せ場は世界タッグ王者チーム。芹沢と高村が前後からのハイキックを渡辺に放ったり、松井のブレンバスターに望月がライダーキックを合わせるなどの豪華連携が飛び出す。
そんな中、ベルが鞭で望月を自軍コーナーに縛り付けて動きを封じて相手戦力を減らしにかかる。望月救出に突進した高村に、川部が顔面への横蹴りでカウンター。倒れる高村を、渡辺が場外に引きずり出す。4人揃っての連携でBコネが徐々にペースを掴みはじめていき、形勢を逆転していく。
それでも高村が場外で暴れて渡辺を逆に返り討ち。さらに芹沢が望月を救出して乱戦状態になると、最後は松井がドラゴンスパイラルからMACHIKOを押さえつけて3カウント。世界タッグ王者チーム、面目を保った。

 3カウントを確認すると、Bコネを場外に叩き落としてマイクを要求する松井。
松井香織「茶番劇かと思ったけど戦ってみたら思ったよりもマシじゃないか。無視しようかとも思ったけど、気が変わった。潰してやるよ、ありがたく思いな」
ラブリーベル「おーっほっほっほっほっほ!潰す?つぶれているのはあなたの顔ではなくて?わたくしたちを潰すよりその顔をきれいにする方を優先された方がよろしいですわよ!」
望月登子「お前、そういう言葉遣いをなんて言うか知ってるか?悪の女幹部風、って言うんだよ。悪はヒーローの手によってつぶれるんだよ。覚えとけ」
ラブリーベル「甘い!甘いですわ!美こそ正義!そのわたくしたちに敗北の文字はありませんのよ。女を捨てたがさつな方には、理解できないでしょうけどね」
望月登子「負けたヤツが偉そうに」
渡辺智美「最終的に勝ってりゃいいのよ。今日の所は世界ベルトに敬意を表して負けてあげたけど、そのうちもらいに行くから待ってなさい」
 さらに、高村は別口で攻める。
高村あかね 「そんなに女らしいんなら、お料理勝負のキッチンデスマッチでもやろうか? あかねが相手してあげるよ。テーマは和洋中なんでもいいし。今時はね、お料理ぐらいできないと、ダメなんだよ。いい?バブルの時みたいなこと言ってると、男のコに相手にされないよ。ちゃんと家事くらいできないとね。ま、見たとこお掃除も洗濯も料理もみんなダメみたいだけど」
ラブリーベル「価値観の相違ですわね。家事など出来なくても殿方の相手をしてささしあげることくらい出来ますわよ」
 舌戦がヒートアップしてくる中、のんびりと声をかけたのは芹沢。
芹沢すずな「それはいいのだけど〜。一応表彰式あるみたいだから帰ってくれるかしら〜?お帰りはあっち〜」
 これには場内笑いに包まれる。
MACHIKO「分かったわよ。帰りゃいいんでしょ帰れば…」
 フォールを取られたMACHIKOが肩を落として引き上げていく。それについて他のメンバーも苦笑しながら引き上げていった。

6月20日(金) 福岡県博多スターレーン


第1試合15分一本勝負
MACHIKO
(9分10秒、ブラッディー・ネット)
×セラフィム・レイ

全員で入場するBコネの面々。MACHIKOがリングに上がると「ゆきちゃんを悪の道に引きずり込んだお仕置きするんだから!」とレイが指を突きつける。
MACHIKOは「そもそも原因の一端はあんたでしょうが」と取り合わず。怒り心頭のレイはゴング前に仕掛けて一気に攻勢に出る。しかし場外に引きずり込まれたレイ。渡辺、ベルに連続ストンピングを受けた上に、立て直したMACHIKOのハサミやフォーク攻撃を受けて流血。
ふらふらになったところをリングに戻されると、MACHIKOの新技に固められたレイ無念のギブアップ。



第2試合3WAYマッチ30分一本勝負
カーシャ・イワノヴナ松井香織
水瀬沙夜荒谷久美(KIZUNA)
高岡ユーリ木佐深月(A☆F)

松井香織(14分59秒、片エビ固め:ブラックドラゴン・ドライバー)木佐深月

カーシャ、水瀬、高岡の先発。お互いが少しずつ手を出す小競り合い。そこで松井がカーシャに交代を要求すると、水瀬と高岡の目の色が変わり、二人がかりで松井に飛びかかる。
水瀬を掌底で止めた松井だが、背後からの高岡のタックルでグラウンドに倒される。高岡はアキレス腱固めで締め上げるが、これは松井エスケープ。
3チームが入り乱れる中、松井が木佐をブラックドラゴンドライバーで叩き付ける。高岡と水瀬が場外でもつれ合っており、カーシャが荒谷をロープ際で食い止めて3カウント。

荒谷久美 「水瀬に必要なのは経験だけどね。早くひとり立ちしてくんないと私の成長が止まるんじゃないかと心配だわ。ま、今度のタッグトーナメント、KIZUNA枠からは私と水瀬のチームで出るから。文句は言わせない。結果出してやるから、見てなさい!!」

木佐深月「まだ一撃の重さがちがう、か。悔しいけど今日は格の違いを認めるわ。あれを返せないようじゃ上にはいけないからね。でも次もこういくとは思わないでよ」



第3試合30分一本勝負
×ファニー・ライトニング(SPWA)ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)坂倉宏子(KIZUNA)
(14分4秒、サキュバスドライバー)
川部雪江&○渡辺智美ラブリーベル<ビューティ・コネクション>

ライトニングとヴァン・ダムに捕まった渡辺を、手に持った分厚いハードカバー本で二人を殴りつけて救出する川部。その本のタイトルは「(完訳)三国志通俗演義」となっていた。
ベルがヴァン・ダムを背後から鞭を使って首を絞め、坂倉を場外で川部がMACHIKOとダブル脇固めで捕らえる。その隙に渡辺がライトニングをサキュバスドライバーで叩き付けてBコネが勝利。
試合後はベルが「おーっほっほっほ!暴れるしか能のない猪突猛進の田舎臭いあなた方に、この美しいわたくしたちが負けるものですか!おーっほっほっほっほっほ!」と、高笑いを残していった。

ファニー・ライトニング 「なにが美しいよ、ブサイク連合が!! こうなったらデスマッチでやってやるわ!!」
ロナ・ヴァン・ダム 「‥‥なんかしっくりこないのよね、最近。熱くなれないっていうか。モチヅキは面白いんだけど。シングルで勝負したいわね」
坂倉宏子 「さすがに『この指とーまれ』でユニット組むわけにもいかないしね。どうすっかな。組んで面白いな、対抗できるなと思う相手はひとりいるんだけど、まだ話できてないし‥‥。いっか、フライング覚悟で今、言うわ。レイちゃん、どう? 私に力、貸さない? Bコネの悪い子たちにお仕置きする気があるならだけどね。さすがにちょっとばかしトサカに来てるし」



第4試合NWWA世界ジュニアヘビー級タッグ戦60分一本勝負
王者組
望月登子高村あかね(KIZUNA)
(17分22秒、膝抑え:わがままな膝小僧)
挑戦者組
×一碧なつみ(REAL)ブラック・ブリザード(KIZUNA)

試合前、控え室
 一碧にとって最大のチャンスが訪れた。
 NWWA世界ジュニアヘビータッグ‥‥ジュニアタッグにおいて世界一のベルトに挑戦という、ごく稀で貴重な展開に、一碧は自身の湧き上がる期待感へ胸を躍らせていた。控え室で珍しくブラック・ブリザードこと船木亜矢に声をかける。
「滅多にないチャンスですよね。ブラック先輩、絶対に取りましょう!」
 この言葉にブラックブリザードも表情は見せないものの、熱い思いを感じてその自らの闘志を静かに燃え上がらせていた。


試合前、マイクを取る一碧。彼女が試合前でマイクアピールするのは珍しい。
一碧なつみ「高村さん。望月さん。あなた方が所持している世界ジュニアヘビータッグに挑戦できるなんて光栄です。この挑戦を認めてくださったチャンピオン‥‥そして関係者の皆さんにとても感謝しています。そのご好意に応える為にも、ベルトはブラック・ブリザードさんとこの私とで巻いてみせます!」
気合の入った表情で自コーナーに戻っていく一碧。



高村あかね 「これでQOJの借りは返したからね!! 次はトーナメントだ!!」
望月登子 「やられたらやり返す。最後に勝つのがヒーローの役目だからな。もう少し成長したら、また胸を貸してやるさ」

ブラック・ブリザード 「‥‥わたしのフォローが足りないばかりにせっかくのチャンスを潰してしまいましたね。ただ、このままで終わるのは少し悔しいので、一碧さん次第ですが、IWWF狙いをしてみたいなと思っています。どこぞの問題児が取り戻し損ねてますから、狙い所でしょう。インディージュニアタッグのほかにプロレスでの冠を本気でもうひとつ欲しくなりました。それと、Bコネとルージュを持ってヒールを気取っているおつむの足りない方に。最近、方向性が定まってなかったんですけど、少し遊びたくなりました。まあ、わたしひとりだと数の差でプロレスになりませんから‥‥。そうだ、一碧さん、それに沢田さん。よければこちらでわたしと組みませんか? 面白いことができますよ、きっと。沢田さん、DIAで一緒に組んでいた時のこと、忘れてませんよね? 別にストロンガーでなんて言いませんから。考えてみてください。良い返事、期待していますから」
 興行終了後にこのコメントを伝え聞いたソフィーヤ・パーリィが以下のようなコメントを残した。
ソフィーヤ・パーリィ「あら、あの娘もユキエやMACHIKOみたいにわたしに綺麗にしてもらいたいのかしら。だったら素直にそう言えばいいのにね。でも残念ね、わたし実は今月末でビザが切れちゃうのよ。それに今だって一年の半分ヤポーナのリングに上がってるから、そうそう滞在延長もできないし。 でも、そうね。あの娘の顔潰すのもかわいそうだし、今回は無理してでもビザ延長して遊んであげてもいいかしら。そのかわりEWAへのオトシマエは彼女につけてもらうけど」
一碧なつみ「悔しいです。私自身の力量が足りないのは分かっていますから、今以上に努力してもう一度‥‥いいえ、先輩達の視界から消えないような存在になってみせます! 絶対に、絶対に‥‥」



第5試合30分一本勝負
サイフィス真美&×芹沢すずな豊多摩奈美
(13分58秒、インフェルノ・スプラッシュ)
ソフィーヤ・パーリィ(EWA)ディアナ・アームストロング&○インフェルナルREIKO

3本の色違いの口紅を、赤コーナーの3人に突きつけ不敵に笑うパーリィ。この挑発に芹沢が飛び出し、口紅を持つパーリィの手を蹴って口紅を散乱させる。
真美と芹沢の蹴りが青コーナー側を襲うが、芹沢に対してパーリィの前方に倒すカニばさみにREIKOが低空ドロップキックを顔面に合わせ、真美にはディアナがラリアットから変形足4の字固めで足を狙う、意外な連携の良さを見せる。
豊多摩がパーリィ、ディアナを蹴散らす。しかし背後からガードが豊多摩を羽交い締めし、REIKOがそこにフライングニールキック。さらにガードは場外に真美を引きずり落とし、抱きつくようにホールドするとパーリィの落書きをアシスト。
ところがガードに豊多摩の宇宙人トペ・コン・ヒーロが命中。そしてパーリィ、ディアナ、豊多摩、真美の4人が場外での乱闘状態に。リングに残った芹沢を、REIKOとガードが二人がかりで攻めると、流石の芹沢も抗しきれず。REIKOのインフェルノ・スプラッシュで3カウント。

ソフィーヤ・パーリィ「今回は75点かな。ファニーウィングスの二人とも息があってきたし。次はあの二人に合わせてもらうんじゃなくてこっちからあわせて試合を作ることと、自分で勝負を決めるのが目標かしら。ま、達成するのもそう遠くない日のことだとは思うけどね。 とりあえずBコネの4人と小生意気なだけの黒覆面は一人ずつじっくりと化けの皮を剥いでいってあげるわよ。このWWPLのリングで一番綺麗で強い女が誰か、身体に教えてあげるわ」

6月26日(木) 岡山県津山市総合体育館




第1試合20分一本勝負
ブラック・ブリザード(KIZUNA)
(13分51秒、鬼殺し)
×水瀬沙夜


組み合って腕の取り合い、投げ合いからの静かな立ち上がり。水瀬が蹴りを、ブラックが掌打を織り交ぜつつ五分の展開。
タフネスに勝る水瀬がブラックの攻撃を受けきってバックドロップ連発モードに。しかし、5発目を仕掛けようとした水瀬の腕を切り返して脇固めに捕らえるブラック。そのまま鬼殺しに繋いで水瀬からギブアップを奪った。

 水瀬が引き上げると、リング上に残っていたブラックがパーリィと川部をマイクで呼び出した。
 何事、という表情で二人が出てくるのを確認すると、観客に大きく手を広げながら語りだす。
ブラック・ブリザード「20日のわたしの挑発に乗ってくださってありがとうございます。これまではただの猿芝居でしたが、わたしがこの舞台に上がる以上、あなたたちに劇団四季レベルまで上がってももらわないと、主演女優のわたしが浮いてしまいますから。せいぜいがんばってください。あ、ソーニャさんの担当はメイクで川部さんは脚本さんでしたっけ? すみません、勘違いしてました」
 会場からは笑いが漏れる。
ブラック・ブリザード「それでは来月から開演となるこの舞台。ファンのみなさま、お楽しみに。ロングランになるとは思いますが、どうぞお付き合いください」
 そう言うや四方の観客に礼をする。
 だが、当然パーリィが黙って聞き流すはずもない。
ソフィーヤ・パーリィ「はいはい。わかったからさっさと舞台から降りてくれないかしら。学芸会がやりたいのなら、ユキエとでも遊んでればいいでしょ」
川部雪江「どういう意味ですか」
ソフィーヤ・パーリィ「天然と大根ならちょうどお似合いじゃない。そもそも四季の主演女優程度のレベルで、四歳の時からキーロフに上がっているわたしの相手が務まるとでも思ってるの? ま、プリマがわたしならあんたたちでも群舞くらいには使えるでしょうけどね。せいぜいわたしの足を引っ張らないように、頑張って引き立て役を熱演してもらうわ」
 自信を持った表情で負けじと自己アピールを行うパーリィ。
 川部も困ったような様子を見せながらもマイクを持つ。
川部雪江「あの、気持ちよく話されているところすみません。でも、脇役の方が自分を主役と言い張るのは、少々見苦しいと思いますよ?その、あまり言いたくないですけど、お二人ともご自分の分というものをわきまえられてはいかがと思うのですが」
 三者の視線が交錯する。火花が散りそうな雰囲気となるが、誰からともなく引き上げていった。



第2試合30分一本勝負
×神西志乃サイフィス真美
(18分36秒、オーロラ・エクスキューション)
カーシャ・イワノヴナソフィーヤ・パーリィ(EWA)


パーリィはこの日も紅バージョン。開始前に「鏡を見て出直しな」とばかりに小さな鏡を投げ付けるパーリィだが、足元に飛んできたこの鏡を真美は器用に蹴り返す。
グラウンドで押さえつけた真美にファンデーションを塗りたくろうとするパーリィだが、神西がカット。真美と交代した神西がパーリィにマウンテンストームを放っていく。押さえ込む神西だが今度はカーシャがカット。
最後はカーシャがカニバサミからSTF、そのままひっくり返って裏STFと繋いで神西からギブアップを奪った。

ソフィーヤ・パーリィ「やってみるまではちょっと不安だったけどちゃんとついてこれてるじゃない、カーシャ。ま、これからもっと面白くして見せるから楽しみにしててよね」



第3試合30分一本勝負
セラフィム・レイ&○坂倉宏子(KIZUNA)
(12分25秒、スパルタカスボム)
高岡ユーリ&×木佐深月(A☆F)

「Bコネ退治もしたいし、坂倉さんならやりやすそうだから、組んでみることにしたよ。よろしくー」と試合前にレイのマイク。
タッグとしての完成度はクライシスのほうが上。しかしレイと坂倉も個人技で対抗していく。
中盤攻められたレイが高岡の水車落とし狙いをローリングクラッチで丸め込んだあたりから流れが変わる。最後は坂倉が木佐との蹴り合いに押されつつも、逆水平で動きを止めてからのスパルタカスボムで試合を決めた。


坂倉宏子 「試運転は上々! まあ、まだバタバタした感じはあるけど、それはすぐに解消できるからね。クライシス相手にここまでやれたらスタートとしては合格点。いい流れ作るためにも、ここであともうひとり声かけるから。サイフィス真美! ここで埋もれるつもりがないのなら、私たちとユニット組みなさい。そのスピード私が活かしてあげるから。これから面白くしてあげるから、軍団抗争ってヤツをね」

木佐深月「まったくどいつもこいつも好き勝手やってくれて。お互い貶しあってるみたいだけど無責任なことじゃ全員同じでしょ。いいわよ、もう。誰もやらないならわたしが何とかするから、このどーしよーも無い状況」



第4試合30分一本勝負
ファニー・ライトニング(SPWA)&×ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)望月登子高村あかね(KIZUNA)
(19分9秒、蠍座固め)
川部雪江渡辺智美MACHIKOラブリーベル<ビューティ・コネクション>


エクストリーム連合とBコネの激突。
高村、ライトニングの協力や、望月とヴァン・ダムの同時ソバットなどの派手な動きで優勢に立つエクストリーム連合。ところが、場外戦になったときに華山と西園寺、シオンが乱入し、ライトニングと望月にダメージを与える。さらに何故かソフトクリームを食べながらリングに入ろうとしていた長宗我部がレフリーに注意されている間に、Bコネのメンバーがレフリーのブラインドをついてヴァン・ダムにストンピングの嵐。レフリーが振り向いたときには試合権利を持っていた川部以外全員場外へ退避していた。
川部、ヴァン・ダムを「水滸伝」と書かれたハードカバー本で殴りつけると、その本をなんとヴァン・ダムにパス。思わず受け取ったヴァン・ダムの隙をついて川部諸手刈りから蠍座固めでしめあげてギブアップを奪った。

ラブリーベル「おーっほっほっほ!美は正義!正義は力!つまり美しいものこそが強いのですわ!」
MACHIKO「予想外に粘られたけど、美しくないわよね。どうせ負けるんだから潔く勝利を献上してくれればいいのに」

ファニー・ライトニング 「あーっ! ムカツク!! あいつらに負けるなんて、許されない!!! これからも上がるわよ、私は!! こうなったら手段なんて選ばないから!!」

ロナ・ヴァン・ダム 「ダメ、ダメ。向こうでリーグ戦終わってテンション下がりまくってるわ。ファニー、モチヅキ、タカムラ‥‥チームに文句はないけどね。闘った方が面白い相手と組んでるんだから、なんともね‥‥。ハッキリ言って、Bコネだかなんだか知らないけど、闘って楽しい相手じゃないし。あの本使うのなに? バカバカしい。笑い取りたいなら、コメディアンにでもなるのね。トムとジェリーのほうが千倍も笑えるし、受けるんじゃないの。ここのマットで私が狙うのはモチヅキとセリザワだけだから。悔しかったら私にやる気出させるマッチメイクしてよ、ホント」

高村あかね 「中途半端なヒールしやがって!! 最近、日本来てないけど、フィズ見習えよ!! あいつくらいこっちを熱くさせて見せろっての!! あかねたちに挑ませてみろって!!」



第5試合30分一本勝負
豊多摩奈美
(10分21秒、ローリングクラッチホールド)
×荒谷久美(KIZUNA)

タイトル戦以来のシングル激突。
荒谷の積極的な攻撃を受けながらも、合間合間の強烈なドロップキックやバックドロップで反撃する豊多摩。しかし流れは変わらない。
ところが、荒谷がパワーボムを狙おうと豊多摩を持ち上げた瞬間豊多摩が前方回転、荒谷をローリングクラッチで丸め込んでしまう。
そしてなんとカウント3。レフリーに抗議をする荒谷だが判定は覆らない。豊多摩、「ごめんなさいね」と言いつつも笑みを浮かべて退場していった。

荒谷久美 「くそっ! 負けた!! でも、丸め込むしかなかったこの展開が互角の証明よ!! シングル連敗だから大きいことはもう言えないけど‥‥タッグの勲章は私が持ってる以上、無視なんてさせないから。絶対に!!」



第6試合NWWA世界ヘビー級タッグ戦時間無制限一本勝負
王者組
芹沢すずな&○松井香織<ダブルドラゴン>
(15分36秒、ドラゴン・インパクト)
挑戦者組
×ディアナ・アームストロングインフェルナルREIKO<ファニーウイングス>

「世界のベルトがあたしたちを呼んでるんだから、あきらめて渡しなさい」とREIKOが挑発。これに松井の返答は「お前たちはまだその器じゃないということを思い知らせてやるよ」
両チームともゴング前に仕掛けようとしたためリング中央で激突。REIKOがドロップキックで松井を、芹沢が飛び蹴りでディアナを弾き飛ばしたため先発はREIKOと芹沢に。
キックとホイップの飛び交うスピーディな展開から、REIKOのフライングニールキックが決まってまずREIKOが先制。ディアナを呼び込んでダブルバックドロップで追撃すると、さらに二人がかりで逆エビ固めを決めて松井を挑発。
芹沢が攻められて松井が攻撃という、いつもと違うペースとなってしまったダブルドラゴン。一方ファニーウイングスはガードの手出しを効果的に使って主導権を握る。だが、REIKOとガードが芹沢に止めを刺そうとアピールして近づいた瞬間、芹沢から炎が吐き出された。久々の大技ファイヤーブレス。ガードは悲鳴を上げてリング下に転がり落ち、REIKOもあわててディアナにタッチ。
続けてディアナにドラゴンダンスで畳み掛けた芹沢、松井とチェンジしてさらにダブル旋風脚を放つ。さらにディアナが今度は合体垂直落下ブレンバスターを受けてしまうと、松井がディアナを肩車。そこに芹沢がコーナートップから飛び後ろ蹴りを放つ変則ダブルインパクト。松井はそのままブリッジしつつディアナをフォールし、ファニーウイングスを下した。

松井香織「言っただろう。お前たちにはまだ10年早いんだよ。味噌汁で顔を洗って出直してこい」
芹沢すずな「これでこのベルトを持ったままタッグトーナメントに出場できますね〜。よかったわ〜。もちろん優勝して、そのあともうひとつの世界タッグも取って、名実共に世界最強タッグとして君臨したいと思います〜」

インフェルナルREIKO「火炎攻撃なんて反則よ、まったく。放火魔は法律上アウトでしょうが。展開としては勝ってたのに!あーあ、髪が少し焦げちゃったじゃないの」
ディアナ・アームストロング「何がたりなかったのかしらね。いい加減あの二人を引きずり落とさないと。でもREIKO、その前に無差別タッグもらわない?」
インフェルナルREIKO「それいいわね。あいつらが持ってても地味だし。ありがたくもあたしたちが挑戦してあげようじゃない」