試合結果4月

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4月4日(金) 鳥取県鳥取城跡特設会場

夜桜を見に集まる花見客の間に置かれた特設リング。
入場料完全無料のファンサービス興行だが、二軍選手が店番を行う屋台などが出てお祭り気分を盛り上げる。



第1試合15分一本勝負
×ルシフェル華山
(9分10秒、阪神タイガー・スープレックス)
オリビア(二軍)

オープニングマッチは若手同士による試合。
オープンフィンガーグローブを付けたバニーガール、という出で立ちのオリビアにすっかり出来上がった大学生らしきグループから口笛が飛ぶ。そちらに向かって投げキスをするオリビアに、背後から華山が蹴りを入れて試合が始まる。
パンチを連続で放ち、華山をコーナーに押し込むオリビア。華山はオリビアの顔面をかきむしって振りほどくと、フライングメイヤーからオリビアの髪をつかんで連続で肘を落としていく。
たまらず場外に逃げるオリビア。それを追った華山、鉄柱や桜の木を上手く使ってオリビアに追撃。ところがオリビアは一度距離を取ると、リング下に隠しておいたメリケンサックを装着。追いすがった華山に振り向きざまパンチ一閃。
リング上に連れ戻すと、「ようもやってくれたな!」と怒りのストンピング連発するオリビア。最後は阪神タイガー・スープレックスで華山を沈めた。

オリビア「はっ!一軍がナンボのもんや!」



第2試合20分一本勝負
高岡ユーリ&×木佐深月(A☆F)<クライシス>
(13分4秒、片エビ固め:チョークスラム)
笹渕愛(DIA)&○綾瀬友美(DIA)<アヤササ>

1年前は善女所属として参戦し、今回はDIA所属の選手としてWWPLにやって来たアヤササ。今月は最終戦でダブルドラゴンが返上したNWWAアジアヘビー級タッグのタイトルを賭けて試合をすることが決定している。
対戦相手のクライシスは、昨年のWWPLタッグ公式戦優勝の後目立った功績が見えず。そろそろ大きな波に乗ってしまいたいところ。
クライシス、20センチの身長差にとまどいながらもホームグラウンドである勢いを利用して先手を取る。しかし、やはりその体格差はかなりのハンデとなる。グラウンドでは高岡がひっくり返され、木佐の打撃も前進で威力を殺されて逆に掴まれ、投げられることに。
徐々に攻めてがアヤササにシフト。笹渕の好フォローと共に綾瀬のチョークスラムで試合が決まった。


綾瀬友美「ほんとにWWPLさんのリングは久しぶりですね…。前回に続いて今回も大事な試合があるんで、今日勝ってノッておきたかったんで…上々ですね、結果は。」
笹渕愛「タッグワークも上手く回ってるんで、いいんじゃないかなと思います。体調も万全ですし、食欲もありますし。今日は焼きそばにおでんに焼き鳥で祝勝会です〜」
このあと笹渕は綾瀬を無理矢理引っ張って屋台に向かっていった。

木佐深月「今日は完敗だわ。さすがは2001年組のタッグのトップ……。でも、仮にもタッグ公式戦優勝チームのわたしたちに勝った以上、それに見合う実績は上げてもらわないとね。アジアタッグ……必ず取りなさいよ」
高岡ユーリ「ここのところ負けが込んでるよなあ。ちょっと気合い入れ直さないと」



第3試合エニウェア・エニフォールマッチ30分一本勝負
川部雪江
(15分00秒、体固め:大外刈り)
×セラフィム・レイ

最初の数十秒こそリング上で基本ムーブを見せていた両者だが、レイのドロップキックで川部が転落するとレイが追いかけてリングを降りて以降試合中にリングには戻らなかった。
レイが桜の木に登ろうとしたところを背後から掴んで引きずり落とした川部、巴投げで花見料理の中にレイを突っ込ませる。レイも、城壁近くでの攻防では、城壁を駆け上ってのムーンサルトアタックを見せる。
レイに引っ張られる格好で暴れ回った両者だったが、最後は大外刈りでレイをダウンさせた川部が勝利。
レイは気が付くと一度頭を振ってから立ち上がり、マイクを掴んでリングに戻る。
セラフィム・レイ「みんな、今日は楽しんでるカナ〜?」
と、まずはつかみの第一声。
セラフィム・レイ「お花見の席をぐちゃぐちゃにしちゃってゴメンねえ。でも、楽しかったよね〜?」
酔っぱらいも多い観客からは、「もちろん!」「足りないぞ!」などの声が飛ぶ。
セラフィム・レイ「だけどねえ、一つ言っておかないといけないことがあるの。ゆきちゃん!」
控え室となっている天幕に行きかけた川部が、その声で振り向く。
セラフィム・レイ「あのね、今日はこういう試合と雰囲気で、相手があたしだったからそこそこ良かったと思うよ。でもね。最近、ゆきちゃんの試合面白くないよ」
この一言に、表情を凍り付かせる川部。口を半開きの状態で、何かを言おうとするのだが声に出ない、という様子。
セラフィム・レイ「本当はね、あんまりこういうところで言いたくなかったんだけど。考えといてね。さて、それじゃあみなさん、この後も楽しんでね〜っ!」
手を振って退場するレイ。しかし川部は、柊に引っ張られるまでその場を動くことが出来なかった。



第4試合30分一本勝負
霞月いおり(DIA)
(7分51秒、KO:霞三連)
×ソフィーヤ・ヴァーリィ(EWA)

久々の来日となったソフィーヤ・ヴァーリィ。DIAのキッカー、霞月いおりとの対戦と言うことで格闘技戦のような試合展開。
霞月が放った右ミドルのコンビネーションをかいくぐって懐に潜り込んだヴァーリィ、素早く背後に回り込んでバックドロップに繋ぐ。さらにグラウンドで足を極めにかかるヴァーリィだが、霞月下からの蹴りをヴァーリィの顎に叩き込んで形勢逆転。ふらつくヴァーリィに霞三連を見事に決めてKO。

ソフィーヤ・ヴァーリィ「まだ防御が甘かった、か。カゲツの蹴りの威力を甘く見すぎてたかな。ま、いい練習にはなったわ。次にPAあたりで当たることがあったら今度は確実に極めて見せる」



第5試合30分一本勝負
×MACHIKOラブリーベル<ビューティ・コネクション>
(13分18秒、ファイブスター・フロッグスプラッシュ)
ファニー・ライトニング(SPWA)&○ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)

先月、MACHIKOに敗北してヒール転身を宣言したベル。そのままMACHIKOとユニットを結成。そして、試合前にそのユニット名は「ビューティ・コネクション」として発表された。
Bコネは二人とも豪華なガウンで登場。MACHIKOはフェイスペイントを落としての登場。意外な美貌に、常連ファンから驚きの声。二人は見事なモデルウォークでリング周りを一周すると、リング上でもポーズを決める。
早くしろと英語でまくし立てるSPWAタッグだが、ベルは「もう少しお待ちなさいな。あなた方には優雅さが足りていないようですわね」と相手にせず。
ゴングと同時に前に出るSPWAタッグ。Bコネはいなすように腕を取ると、ハンマースルーからアームホイップでSPWAタッグの勢いをいなす。そしてベルがヴァン・ダムを場外に連れ出す。MACHIKO、ライトニングをリバースインディアンデスロックに固めると、ライトニングを踏みつけてポーズ。ロックを解いたMACHIKO、うつぶせのライトニングの頭を軽く蹴り飛ばす。場外では、ベルが鉄柱にヴァン・ダムを叩き付けた後花見客の方に連れ出し、地面に敷いたシートの上でメディオ・カングレホ(ルチャ式片逆エビ固め)を仕掛け、「無様な姿を酒の肴に提供するといいですわ」と挑発。
これがSPWAタッグに火を付けた。SPWAタッグが徐々に立て直すと、ヴァン・ダムのトラースキック、ライトニングのミサイルキックがMACHIKOに浴びせられる。そして最後にはヴァン・ダムの必殺ファイブスター・フロッグスプラッシュが決まり、Bコネ初試合を黒星。
ところがBコネ、敗戦も「最初は負けておいて後で勝利する。ストーリーとしてはこの方が美しいわ」と、意に介さず。

ロナ・ヴァン・ダム「最初に負けたやつは最後まで負けるのよ。覚えておくことね。この私、ロナ・ヴァン・ダムが五つ星のフロッグスプラッシュで勝つ。これが最も美しいのよ」

ファニー・ライトニング「久々の日本だからね。こんなところでしょ。中途半端なヒールになんて用はないっての。このカンパニーのナンバー1とやらせなさいっての。あと、ダブルドラゴンだっけ? こいつらの首も頂くわ!」



第6試合WWPLウェルター級タイトルマッチ30分一本勝負
王者
×神西志乃
(14分45秒、片エビ固め:下克上エルボー)
挑戦者
柊美鈴(二軍)
※第7代王者が初防衛に失敗。柊美鈴が第8代王者に

見事にREALからウェルターのベルトを取り戻した神西の初防衛戦。挑戦するのは二軍から、柊美鈴。
試合開始直後から、気合いの声と共に肘から突っ込んでいく柊。神西はこれを受けきると、腰投げからストンピングで反撃。そして立ち上がってこいとアピールする神西。
神西の蹴りと柊の肘が交錯する打撃戦。流れは体格に勝る神西が圧倒するが柊がふらつきながらも立ち上がると、低いタックルで神西を転倒させることに成功。片逆エビ固めで神西の体を絞り上げる柊。
神西、ロープに逃れるとSTO、そしてマウンテンストームと畳みかけてフォールするも、柊これを意地で返す。驚きの表情を見せる神西に、カチ上げるようなエルボーを顎に叩き込むとロープリバウンドで勢いを付けて渾身のランニングエルボー。倒れた神西に、コーナー最上段からの下克上エルボーでまさかの3カウント。柊の意地がベルトを奪取させた。

柊美鈴「本当に嬉しいですっ!負けて元々、ただがむしゃらにぶつかっただけなんですけど、それに結果がついてきてくれて、ああもう、なんて言っていいか分からないんですけど、とにかくやっぱりプロレスって大好きです!」



第7試合45分1本勝負
ディアナ・アームストロング&○インフェルナルREIKO<ファニーウイングス>
(18分2秒、インフェルノスプラッシュ)
×坂倉宏子(KIZUNA)ブラック・ブリザード(KIZUNA)

ファニーウイングスの入場時、見慣れぬ警備員のような格好をした男が後ろに付き従う。選手コールの間も、赤コーナー側のエプロンサイドからKIZUNA組にヤジを飛ばしている。
試合中も、警棒を使って横からちょっかいをかけてくる男にKIZUNA組のペースが乱される。坂倉がラッシュをかけディアナをフォールをしても、男がレフリーの目につくように椅子を持って近寄りレフリーの注意がそれたためにカウント取られず。
坂倉が男に詰め寄り、怒りのキックを叩き込むがその背後からREIKOが机の破片で坂倉を殴りつけるとエクスカリバーからインフェルノスプラッシュで試合を決めてしまった。
インフェルナルREIKO「彼がうちのマネージャーやってくれることになった『ガード』よ。あたしたち共々、よろしくね〜。あ、そうそう、アイツら男になれてないのかしら、うろたえちゃって可愛いわね。あんなウブな連中じゃ、オトナのあたしたちは倒せないわよ」

坂倉宏子 「あたた。あそこまで回転入ってたら、ジュニアの体重でも効くわ。負け込んでるけど、試合内容じゃ負けてないからね。穴は見つけてるから。次はその辺、突かせてもらおうかな」

B・ブリザード 「付き合うとロクなことはないですね。次はわたしのテリトリーに引きずり込んでみたいですけれど」



第8試合QOJ直前スペシャルタッグマッチ30分一本勝負
×サイフィス真美愛沢美奈子(A☆F)
(18分17秒、NANA☆ラッチ)
カーシャ・イワーノヴナ&○NANA(フリー)

今月DIAで行われるQOJタッグに出場する両チーム。決勝トーナメントに両チームが出場しなくては見ることの出来ない組み合わせのため、希少価値は高い。
スピーディで華やかな4選手が交互にリングに上がっては、互いの技を繰り出していく明るい展開。実力的に一歩劣るカーシャが中盤押し込まれる状態になったが、最後はNANAと息のあったコンビプレイからNANAが真美を丸め込んで試合終了。

NANA「むふふ、完勝なのだ〜」
カーシャ・イワーノヴナ「この調子でQOJも頑張ります、応援よろしくです!」

愛沢美奈子「…まだ、ぎこちない。それ自体は面白いから構わないのだけど。…QOJは2位同士のバトルロイヤルやりたい(苦笑)。…まあ、ベストを尽くします。」


第9試合60分1本勝負
渡辺智美&○芹沢すずな松井香織豊多摩奈美
(26分50秒、片エビ固め:ドラゴンネイル)
水瀬沙夜望月登子高村あかね(KIZUNA)&×荒谷久美(KIZUNA)

赤コーナー側は豊多摩がまずリングに立つと、望月が他を制して突進して蹴りを放っていく。豊多摩、ハイキックを後ろに下がりつつロープに跳んで、勢いのある正面飛びドロップキックで望月をはじき飛ばす。
渡辺が変わって出てくると、望月の顔を張ってからバックドロップ、ダンシングツリーと攻め込む。ここで高村がカットに入り、望月と前後からミドルキックでサンドイッチ。悶絶する渡辺を尻目に、水瀬と交代する望月。
その後も、ころころと組み合わせが変わっていくが、やはり松井芹沢のコンビネーションが抜群。望月を捕らえてのダブルバックドロップ、ダブル旋風脚で撃退して場外に放り捨てる。戦力の均衡が破れたところで青コーナー側が押し込まれる。
それでも水瀬が轟雷で渡辺をマットに突き刺し、あわや3カウントの所に。素早くカットに入ったダブルドラゴンに、高村と荒谷もコーナーから出て乱戦となる。
水瀬、荒谷が芹沢にダブルバックドロップを仕掛け、フォールに行くがこれも松井がカット。そしてこでが芹沢に火を付けた。水瀬にアルティメットドラゴンダンスで蹴り倒し、荒谷に1年以上封印していたドラゴンネイルを放ってフォール。松井が素早く高村をスリーパーに捕らえ、渡辺と豊多摩もそれぞれカットを封じ3カウント。
勢いでは青コーナー側にあったが、ダブルドラゴンのタッグワークが試合を決めた格好となった。


芹沢すずな 「十分に鍛えられている相手になら〜、ドラゴンネイルを使っても問題ないですね〜。これからは、普通に使っていきますよ〜」
松井香織 「まあ、やり合って面白い相手ではあるね。タッグに関しては要勉強だけどさ。またやりたいなら、いくらでも構ってあげるよ」


高村あかね 「くそっ! 龍の首、とことん追っかけてやるからな!」
荒谷久美 「ああ、もうっ! 少しは言うこと聞きなさいよ、望月! 分断されるし。攻めりゃいいってもんじゃないでしょうが!」
望月登子 「悪い、頭に血が上りすぎた」

4月7日(月) 徳島県徳島市立体育館

試合前に4日第3試合後の映像が流された。
セラフィム・レイ「最近、ゆきちゃんの試合おもしろくないよ」
の台詞である。

映像が終わると、社長がマイクを持ってリングに上がる。
「これについてですが、選手の視点とファンの皆さんの視点では違うと思われます。そして実際がどうであるのかファンの皆さんの目で確かめて貰いたいと思います。そこで第1試合に川部君の試合を行うことにしました。それでは本日もお楽しみ下さい」


第1試合15分一本勝負
川部雪江
(4分50秒、レフリーストップ:裸絞め)
×カーシャ・イワーノヴナ

まずグラウンドでの関節の取り合いからスタート。川部はグラウンドにおいてWWPLでもトップの実力を持つが、単純な技術だけならカーシャも譲らない。カーシャの表情が気合いの入った様子なのに対して、川部はややこわばっている。動きがやや硬いながらも、カーシャの腕をハンマーロックに捕らえてマットに押しつける川部。そこから三角絞めに移行しようとする川部だったが、カーシャはこれを抜け出す。そして起きあがった川部にローリングソバット。
カーシャが遠い間合いからのヒット・アンド・アウェイ作戦。しかし、ハイキックを川部に避けられ背後を取られるカーシャ。そして裸絞めに入る川部。カーシャ、耐えようとしていたが数秒で腕から力が抜ける。レフリーがゴングを要請、試合が終わった。
この瞬間、場内から少ないものの無視できない量のブーイングが飛んだ。川部、これに気付くと勝利コールも受けず口元を抑えながら、走って退場していった。

カーシャ・イワーノヴナ「最後ほんの少〜し記憶が飛んじゃいました(笑) サブミッションって怖いですよねぇ〜本当に決まったら一瞬ですから。試合をする側としては緊張の連続なんですが、見る側としてはどうなんでしょうねぇ…同じサブミッションの使い手としては、雪江先輩の問題はすごく切実な命題と…考えちゃったりもするんですが…。 そう考えると、NANAお姉さまの『魅せるサブミッション』ってのは本当にすごいことなんだなぁ〜と、そう思いますね…そう思わせないところが、またお姉さまのすごいところでしょうが(笑) あぁ〜でも今日は私への応援が少し少なかったような気が…しくしく」



第2試合20分一本勝負
神西志乃&×高岡ユーリ木佐深月(A☆F)
(11分54秒、片エビ固め:チョークスラム)
霞月いおり(DIA)笹渕愛(DIA)&○綾瀬友美(DIA)

4日にアヤササに敗北したクライシス、6人タッグとはいえ、なんとか雪辱したい。試合はクライシスとアヤササを中心に動いていく。
ところが、高岡が神西にタッチすると霞月が笹渕に腕を突き出してタッチを要求。神西も、出てこいと手招き。いきなり神西と霞月のシングルマッチのような状態に。
霞月の回し蹴りでダウンした神西だが、起きあがりざまの諸手刈りから腕ひしぎを狙う。ブレイクした霞月に、ストンピングを放ってから木佐にチェンジする神西。霞月、木佐を無視して神西に突っかかろうとするが木佐がDDTで捕まえる。試合にならないと思ったか、ヘッドロックで霞月を捕らえた木佐は青コーナーに連れて行くと、綾瀬に向かって霞月を蹴り飛ばす。
綾瀬が変わって出てくると、躰道式の大きな動きで蹴りを放つ木佐。組んでは不利と、フルネルソンバスター他の大きな技を使わず攻め込んでいく。
高岡とタッチし、そのまま二人がかりで綾瀬にブレンバスターを放つクライシス。そのまましばらく二人で攻め込むが、笹渕が木佐に突進して場外へ連れ出していく。
木佐と違って高岡は組むしかない。なんとか投げられないようにとグラウンドを狙うが、綾瀬の突っ張りにコーナーまで押し込まれると、閂スープレックスで放り投げられる。
綾瀬、そのまま勢いに乗って高岡を攻め込みチョークスラムで試合を決めた。

綾瀬友美「なんか今日は6人タッグと言うよりは…まぁ…(苦笑)…兎に角勢いには乗れてきてると思うんで最後まで驀進していきます!」
笹渕愛「友美ばっかり目立ってずるいですよね。なので今日はうどんをお腹一杯になるまで奢らせます。…試合のほうですか?…そうですね…ここから先は負けられませんよね、今月は。何せアヤササの、01年組の底力を見せなきゃいけないんですから。」

木佐深月「志乃……神西の唯我独尊ぶりに勝てる奴なんていないと思ってたけど、上には上がいるものね。……いいライバルができてよかったじゃない。お似合いだわ、あんたたち」



第3試合30分一本勝負
MACHIKO&×ラブリーベル<ビューティ・コネクション>
(16分8秒、エビ固め)
ルシフェル華山&○セラフィム・レイ<天使同盟>

ファッションショーのような派手な入場のBコネ。一方の天使同盟も、セラフィム・レイが真っ白な、ルシフェル華山が真っ黒な大きい翼を背中に付けたガウンで登場。見た目のインパクトで入場から対抗し合う。
個々の実力では体格差もあって押しているのはBコネ。しかし、タッグチームとしての完成度はまだ2戦目ということで天使同盟に分断されたり、攻め込んでもカットされてしまったりと試合の流れを引き寄せきれない。
粘る天使同盟にとどめを刺すべくデスバレーボムを狙ったベルだったが、レイがエビ固めで切り返して試合終了。Bコネがもっとタッグとして機能していれば勝利も握れた展開。最終戦でアジアヘビーの王座決定戦に抜擢されたBコネだけに、試合までになんとかチームとしての形を作っておきたいところである。



第4試合30分一本勝負
×ブラック・ブリザード(KIZUNA)
(10分32秒、原爆固め)
ソフィーヤ・ヴァーリィ(EWA)

テクニシャン対決。まず掌打で先に流れを掴むブラック。グラウンドに持ち込んでヴァーリィの腕を極めていく。攻め込まれたヴァーリィ、ロープブレイクから距離を取ると回転式の肘打ちでブラックに反撃。
一進一退の関節の取り合いに、効果的な打撃が織り込まれる息もつかせぬ攻防。しかし試合にピリオドを打ったのは、ヴァーリィ必殺のジャーマンスープレックス。強烈にマットに後頭部を打ち付けたブラック、3カウントを聞いてしまった。

ソフィーヤ・ヴァーリィ「ま、当然の結果でしょ。ユキエならまだしもオマケごときにこのわたしが負ける訳無いじゃない? 大体、余計なこと言ってるのはどっちよ。そもそもYukiとユキエのスタイルって最初は明確に違ってたのに、それが同じになっちゃったのは、KIZUNAの都合でPA向きのユキエじゃなく、Yukiの方をサザンカップに呼んだせいじゃないの。 自分とこの不始末を棚に上げて、いい格好してプロレスの守護者面? ご立派よね、確かに『プロ』だわ。いいとこ取りで他人を利用してのし上がるくらいでなきゃプロとはいえないもの。そうでしょう? アラヤ」

B・ブリザード 「プロレスでは勝利よりも価値のある負けもありますから。(川部雪江についての質問に)同じ落とし穴に落ちたことがあるからこそ、あえて言わせてもらえれば、誰も助けてはくれない。それだけです。どれだけ思いやっていようと、当人以外は所詮他人事ですから。こと、この問題は。ソーニャさんも余計なことは言わない方がいいんじゃないですか。‥‥そういう試合がしたいなら、そういう舞台でいくらでも付き合いますよ、わたしが」



第5試合30分一本勝負
坂倉宏子(KIZUNA)
(12分19秒、両者リングアウト)
渡辺智美

渡辺の顔面キックやコーナー逆さ張り付けでのストンピングなど挑発的な行動に怒った坂倉、渡辺を場外に叩き出すと椅子や机でめった打ち。渡辺も対抗して坂倉の髪をつかんで場内を走り回り、壁にぶつけたりゴングを叩く木槌で額を打ち付けるなど、乱戦になる。
そのままエキサイトしてレフリーの制止を聞かなかった両者に、リングアウトの裁定が下された。

坂倉宏子 「やってくれるじゃない。ケンカ売ってこなくっても、ちゃんと付き合ったげるって。覚悟しなさい」



第6試合30分一本勝負
望月登子&×高村あかね(KIZUNA)<エクストリームストーム>
(10分19秒、リングアウト)
ファニー・ライトニング(SPWA)ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)

両チームとも激しいぶつかり合いを得意とするだけあって、開始からいきなり蹴る殴るの打撃戦。それでも粗さは目立たずむしろ基本に裏打ちされた、自分の全てをぶつける展開。
望月とヴァン・ダムの蹴り合い、高村とライトニングの投げ合いなど息のつけないめまぐるしい展開。場外戦で望月の最強ハイキックを受けてヴァン・ダムがダウン。しかしその望月もライトニングの椅子を持ったムーンサルトアタックに沈黙されられる。高村、机を持ち出してその上にライトニングを叩き付けようとするがライトニングが逆にエクスプロイダーで高村を場外ノックアウト。SPWAタッグが激しい試合を制して見せた。

ロナ・ヴァン・ダム 「これがウワサのエクストリーム・ストームね、面白いじゃない。でも、すべて飲み込むのはこの私、ロナ・ヴァン・ダムなんだから!」
ファニー・ライトニング 「ふふん! ロナとあたしのカルガリーでのチーム名はなんだか知ってる? エクストリーム・エキスプレスって言うの。このスタイルなら、あたしとロナのチームがそうそう潰されるなんてことないんだから!」


望月登子 「ちっ、やるじゃないかあの二人!シングルでも十分に楽しめそうだし、面白くなって来たっ!」
高村あかね 「あーっ! 負けたけど、気持ちは負けてないから! 面白いじゃん。あのタッグ、去年と全然ちがうじゃないか。とことんやってやる!!」



第7試合30分一本勝負
NANA(フリー)&×芹沢すずな
(13分17秒、アトランティックタイフーン)
ディアナ・アームストロングインフェルナルREIKO<ファニーウイングス>

ファニーウイングスの入場曲がかかると、まずガードが花道付近の観客を脅かしながら先導として入ってくる。その後を悠々と入場のファニーウイングス。
ガードがエプロンサイドの芹沢を後ろから羽交い締めにする間に、ファニーウイングスの二人はNANAを二人がかりで攻撃。芹沢、肘打ちと蹴りでガードを場外に叩き落とすとNANAの救出に成功する。
それでもほとんど3対2。ガードはレフリーの注意をそらす程度の役にしか立っていなかったが、ペースを乱すには十分。
NANAのお盆を取り上げてしまうガード。それをNANAが追いかける間に、ファニーウイングスがダブルインパクトからディアナのアトランティックタイフーンで試合を決めた。

インフェルナルREIKO 「助かるわあ。これからもどんどん活躍してね」
ガード 「おう、任せとけ!お前の敵は俺の敵。REIKOが一番だって事を世界に分からせてやらねえとな!」
ディアナ・アームストロング 「で、ワタシは?」
ガード 「REIKOが並ぶもの無しで1位ってのは変えられない真理だからな。僅差で2位ってところだ」
インフェルナルREIKO 「もう、ガードってば」
ディアナ・アームストロング 「はいはい、御馳走様」

NANA「むぅ、よくわからない人にお盆取られちゃったのだ」



第8試合30分一本勝負
松井香織豊多摩奈美
(17分22秒、体固め:ブラックドラゴン・ドライバー)
水瀬沙夜&×荒谷久美(KIZUNA)

「ヘビー級の戦い」を標榜し、ダブルドラゴンとの試合を望む荒谷と水瀬のタッグ。これを豊多摩&松井というWWPLヘビーのトップ2が迎え撃つ。
水瀬の投げ技が豊多摩に襲いかかる。ブレンバスターやバックドロップを連続で放っていく水瀬、豊多摩に攻め込ませる隙を与えない。そして抱え式バックドロップでフォールを狙うが、カウント1で返す豊多摩。豊多摩は素早く立ち上がり、慌てて起きあがった水瀬を強烈な正面跳びドロップキックで吹き飛ばすと松井に交代する。
松井も、水瀬と荒谷に攻めさせて反撃と、受け身の上手さ、耐久力を見せつける。それでも荒谷の強烈なフライングラリアットはさすがに大きなダメージを松井に与えた。豊多摩のカットがなければあわや3カウントというところ。
それでも攻めきれなかった荒谷水瀬組。荒谷が垂直落下式のクロスアームブレンバスターで沈んだ。

豊多摩奈美 「水瀬は少々技に溺れている部分がありますね。一撃が軽くなっています。あれでは私達を沈めることは出来ません」

荒谷久美 「急造の粗さをつかれたわね。試合? 当たり負けしてたのどっちよ! とことんやってやるんだから! ドラゴンネイルだろうが、ブラックドラゴンドライバーだろうが、全部受けきってやる! 私を壊すなんてできやしないんだから!! あと、水瀬。キレイに見せようとするから効かないのよ! まずは気迫でしょうが! あんたに必要なのはがむしゃらさなんだから! 今のあんたがカッコつけたって意味ないの!! その辺から叩き込んでやるから!」

4月10日(木) 福岡県北九州市市民体育館


第1試合15分一本勝負
川部雪江
(12分14秒、高角度脇固め)
×神西志乃

2大会連続で第1試合にカードを組まれた川部。迷いの見える表情でリングインすると、観客席から「気合が入ってないぞ!」と野次が飛ぶ。その声にビクッと体を震わせる川部。一方の神西は落ち着いた様子で握手を求めて手を差し出す。
無防備に近づいき手を差し出した川部の腕を捕らえる神西。完全に不意を突かれた川部に膝蹴りからヘッドロック、そして腰投げと流れるように先制の攻撃を加えていく。神西は川部をコーナーに貼り付けにすると、「どうした!こんなものか!」と声を浴びせつつ逆水平やミドルキックを叩き込むというどちらが格上か分からない展開。
徐々に体が温まってきたか、川部もようやく動き始める。一本背負いから袈裟固めにつないだり、大内刈りからアキレス腱固めを狙うなどやはり寝技重視の展開。神西、対抗する技術を持っているにもかかわらずこれを強引にパワーではずして精神的に有利に立つ。だが、マウンテンストームを狙って川部の腕を取った神西、切り返されて川部の高角度脇固めが極まりギブアップ。負けたものの、完全に神西の試合となった。



第2試合20分一本勝負
霞月いおり(DIA)&○笹渕愛(DIA)綾瀬友美(DIA)
(9分40秒、ドリームボム)
×ルシフェル華山セラフィム・レイブラック・ブリザード(KIZUNA)

6人タッグながら、見所はアヤササvs天使同盟。霞月とブラックはそれを配慮してか、あまり積極的に試合に介入しない展開となった。
大型vs小型の試合のため、とにかくかき回そうと動きまくる天使同盟。ダブルの低空ドロップキックで綾瀬を転倒させると、片足ずつつかんでのダブルボストンクラブを極めて追い込む。笹渕のカットで事なきを得た綾瀬、笹渕とそれぞれがチョークスラムで放り投げるなど、コンビネーションのよさを見せる。さらに笹渕がグラウンドで技術、体力とも天使同盟を圧倒。ブラックは霞月に絡まれて場外に落ち、カットに入れない。
最後は笹渕のドリームボムが華山を沈めた。

綾瀬友美「昔の借りを少しは返せたかな…。誰も覚えていないでしょうけど…私がJFシングル防衛戦初めての挑戦者だったんですよ。…まあ余談はそのくらいで…。勢いに乗れてますが…好事魔多しといいますから。気を常に引き締めておかないと。」
笹渕愛「やりにくい相手でしたよ。こっちのペースになかなか持ちこめなくて…。でも今日は最後ペースを掴めたんで。いつも思いどおりにはさせられませんからね、華山さんに。」

B・ブリザード 「このチームで私になにをしろと? 天使ふたりでどうぞ、お好きに。バラバラですから、どうしようもないですよ」



第3試合20分一本勝負
MACHIKO&○ラブリーベル<ビューティ・コネクション>
(12分46秒、ラブリーロック)
カーシャ・イワーノヴナ&×高岡ユーリ

これまでと同じく、ファッションショーさながらの豪華な入場を見せるBコネ。派手な演出に会場が沸く。
高岡とカーシャ、グラウンドで勝負を挑みたい。その布石のためにカーシャがまず早い動きでリングを動き回ってから低空ドロップキックやニールキックなどで流れを引き寄せにかかる。体の割には素早いベルだが、カーシャにはスピードで勝てない。青コーナー近くでカーシャがベルを腕ひしぎに捕らえると、高岡がレッグロックアキレス腱固めで追い打ち。MACHIKOはこれをカットにはいるため、鞭を持ち出す。そしてカーシャ、高岡をめった打ち。MACHIKOは鞭をベルに渡すと自分はソードスタンガンを取り出し、二人でやりたい放題。
鞭でカーシャをコーナーに巻き付けて動きを封じたBコネ。高岡をいたぶって最後はベルの必殺メキシカンストレッチ、ラブリーロック(A.T.ロック)で試合を決めた。
高岡は、「きたねぇぞ!何がビューティ・コネクションだ!」と言うが、MACHIKOの返事は「美しい者は何をやっても美しいのよ。不細工には理解出来ないのかしら?かわいそうに」。Bコネ、ベルのヒール覚醒と共に初勝利。



第4試合20分一本勝負
望月登子
(18分24秒、KO:最強ハイキック)
×ファニー・ライトニング(SPWA)

強烈に望月の顔を張るライトニング。望月も負けじと張り返すと、お互い意地になっての叩き合い。ほぼ同時にロープに跳び、勢いをつけてのドロップキックが空中で激突する。望月がフライングメイヤーからサッカーボールキックを背面、前面と何度も蹴りつければ、ライトニングはパイルドライバー、ダイヤモンドカッター、フェイスバスターと望月の頭を、顔面をマットに叩きつけていく。
コーナー上の競り合いに勝ったライトニングが望月をスパイダージャーマンで放り投げさらにムーンサルトプレスで追撃をかけフォール。望月あわやのカウント2.9で肩を上げる。ふらふらと立ち上がる望月に、ライトニングが背後から飛びついて梨アースのフランケンシュタイナーを仕掛ける。しかし望月これを踏ん張って倒れない。逆にライトニングの足をつかんで強引に前方へ倒れこむ高村ばりのファイナルアンサー?でライトニングの顔面をマットへ。ひっくり返してフォールに行く望月だが、ライトニングもこれを返す。
お互い動きがゆっくりになってくるが、一撃にこもる魂は減らない。ライトニングのエクスプロイダー、望月のツイスターも3カウントを奪える完璧さで決まったに見えるが、それでも譲らない両者。試合を分けたのは18分。ライトニングのダイビングギロチンを望月が転がってよけると、ライトニングが立ち上がった瞬間強烈な左ハイ、最強ハイキックが炸裂。カウント10が数えられ、KO決着となった。

望月登子「次はヴァン・ダム!お前をシングルで蹴り倒して見せる!覚悟してやがれ!」

ファニー・ライトニング 「勝ち負けなんて関係ない! どっちの生き様が相手を飲み込むかなんだから!!」



第5試合20分一本勝負
松井香織
(13分44秒、チキンウイングドラゴンスリーパー)
×ソフィーヤ・ヴァーリィ(EWA)

オープンフィンガーグローブを装着して登場した松井。格闘技戦の雰囲気で試合を行う宣言か。
ところが、レフリーチェックが終わるとグローブをはずしてしまう松井。
松井「日本の、ダブルドラゴンのプロレスを教えてあげるよ。気合いを入れてかかってきな!」
早い動きで低い位置から松井の足を狙うヴァーリィだが、上から打ち下ろされた掌底で動きを止められる。そして松井のバーティカルスープレックス。松井はさらにストンピングで追い打ちをかけると、「さあ、立ってこい!」と手招き。
ヴァーリィ、高速で回転しながら何度も肘打ちを放つ。まさにバレエを見ているような動き。後退して避けてた松井だが、次いで飛んできたスピンキックの直撃を受けてよろめくと、すかさず組み付いたヴァーリィが高角度のサイドスープレックスで松井をマットに叩き付けフォールに入る。カウントは2。
ヴァーリィの欧州プロレスのタイミングを、松井は上手く断ち切りながら自分のプロレスに引きずり込んでいく。そしてランニング掌底から倒れたヴァーリィの背後を取ってチキンウイング式ドラゴンスリーパーに捕らえ、試合を終わらせた。

松井香織 「せっかく日本に来てるのに、特定の相手としか出来ないプロレスじゃあ勿体ないからね。どんな相手とでも、自分らしさを出しながら噛み合う試合が出来るようになって欲しいと思って」

ソフィーヤ・ヴァーリィ「うーん、わたし自身としては自分はどっちかというとプロレス向きなんじゃないかって思ってるんだけど……大技だって好きだしね。そんなに格闘技スタイルの試合しか出来ないと思われてんのかしら。ま、今度やるときはわたしの方がヨーロピアンスタイルのプロレスに引っ張り込んでやるから覚悟しときなさい」



第6試合30分一本勝負
水瀬沙夜高村あかね(KIZUNA)&○荒谷久美(KIZUNA)
(19分44秒、ムーンサルトプレス)
ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)&×坂倉宏子(KIZUNA)渡辺智美

何故同じコーナーに、と不満げな顔で距離を取る渡辺と坂倉。
タッグワークは水瀬と荒谷くらいしか見せず、あとの選手は個々で戦う展開。各選手の動き自体はよいが、タッグマッチの様子ではなかった。
水瀬のバックドロップから荒谷の低空高速ムーンサルトプレスで試合終了。

荒谷久美 「なにこのマッチメーク? 潰しあえっての? まあ、いいわ。そのぶん、観客はもっていくから」
高村あかね 「なんか暴れたりな〜い!

ロナ・ヴァン・ダム 「セリザワだっけ? 次の標的はあんたに決めたから。今日の試合で、もう充分でしょう、テストは。ヴァンドミネーターでKOしてやる!」
坂倉宏子 「まあ、チームワークが取れないよね。3日前にシングルしたばっかなんだから。なんとかふんばったんだけど、やっぱムリだったわ」
渡辺智美 「何よこの扱いは。あたしを余り物扱いする気なのかしらね。やりたいマッチメイクがあるのは分かるけど、だからって他のカードをいい加減に組むようじゃ知れてるわよ。大きな軍団抗争の形が崩れたらこの体たらく?底が見えてきたわね」



第7試合30分一本勝負
豊多摩奈美
(9分34秒、J.O.サイクロン)
×NANA

NANAがお盆を豊多摩にパス。すると豊多摩即座にNANAにパス返し。思わず受け取ったNANAに、正面跳びドロップキックを放ってお約束破りをする豊多摩。その後もNANAのコミカル調にかなりつき合い雰囲気が明るいものとなる。
速いテンポの試合は、豊多摩のJ.O.サイクロンで決まった。

NANA「むぅっ、お約束返すの反則なのだぁ〜」



第8試合30分一本勝負
ディアナ・アームストロング&○インフェルナルREIKO<ファニーウイングス>
(13分46秒、体固め:インフェルノスプラッシュ)
サイフィス真美&×芹沢すずな


ガードの先導で入場するファニーウイングスに、真美と芹沢が花道から仕掛けた。真美の白龍疾風脚、芹沢の旋風龍尾脚がファニーウイングスを襲う。真美、芹沢を抑えようとするガードにダブルのハイキックを見舞い、さらに攻め立てる。逃げるファニーウイングスを追っていく真美と芹沢。ところが、ファニーウイングス捕まったところで振り返ると毒霧を噴射。REIKOは顔を緑に染めて動きの止まった真美を客席の椅子に向かって放り投げると、ディアナと共に芹沢に攻めかかる。椅子での殴打、鉄柱への打ちつけから場外でのダブルパワーボム。
長い場外乱闘を経てリングに上がった両チーム、早くもダメージの色が濃い。特に芹沢の額が割れて流血になっており、毒霧との複合で芹沢視界が悪い状態。REIKOがエクスカリバーからのインフェルノスプラッシュ(セカンドロープに飛び乗った反動で飛び上がり放つバルキリースプラッシュ。ミラノコレクションA.Tがアルマニッシュ・エックスチェンジという名で使っている)で芹沢を沈めた。奇襲を受けたファニーウイングスであったが、場外戦ではやはり分があったか。

インフェルナルREIKO 「頭使おうとしたことは誉めてあげるけど〜。ダブルドラゴンならともかく、真美&芹沢じゃ撃退楽々よお」
ガード 「あんな奴らファニーウイングスの相手になるかよ!」
ディアナ・アームストロング 「そういえば、ダブルドラゴンが世界ベルト取りに行くって」
インフェルナルREIKO 「ご苦労様よねえ、あたしたちのためにわざわざ持って帰ってきてくれるなんて」
ディアナ・アームストロング 「持って帰るとは限らないわよ?」
インフェルナルREIKO 「あたしたちに勝ってるチームなのよ。他のチームに負けるはず無いじゃない」
ディアナ・アームストロング 「なるほど、ね」

4月19日(土) 兵庫県姫路みなとドーム

第1試合15分一本勝負
川部雪江
(7分49秒、地獄絞め)
×ソフィーヤ・ヴァーリィ(EWA)

変わらず第1試合の川部。悩みすぎの部分が多々見られるが、ヴァーリィとの試合でよみがえることが出来るか。
リング中央での握手から、反時計回りに動きながら様子をうかがう静かな立ち上がり。両者ほぼ同時に組み付くと、スタンディングでのポジション争い。ビクトル投げにはいるヴァーリィだが、川部はこれを崩したので不完全な形。そこからグラウンドでのポジションを取り合う形。玄人好み、第1試合らしいスパーリングのような展開と言えば聞こえがいいが、観客席の反応としては期待はずれの雰囲気。
5分を過ぎてヴァーリィが大きな動きで打撃織り交ぜはじめると、川部は対処にとまどい押されはじめる。そして垂直落下式のフロントスープレックスを狙うヴァーリィ。しかし、川部がホールドをはずすとヴァーリィをうつぶせに倒し、そこから地獄絞めで試合が決まった。
短い試合ながら、激しく息をつく川部。力無く首を横に振ると、客席に礼をして引き上げていった。

 これまでのこの二人の意地の張り合いを知っているものからすると拍子抜けするほどあっさりとタップしたソーニャ。控え室へ続く通路で雪江を待ち受けていたソーニャは、その姿に気がついた雪江を奇妙に表情のない顔で見つめた。
ソーニャ「ユキエ、あんたわたしを誰だと思っているの?」
川部雪江「え?! ど、どういう意味ですか、ソーニャさん」
ソーニャ「一応まだ名前は覚えててくれたのね。でも今のユキエ、誰が相手でも同じ試合しかしてない。わたしはカーシャでもカミニシでもないのよ」
川部雪江「…………!!」
ソーニャ「自分だけしか見えてないんじゃ、そりゃ誰が相手でも同じよね。悩んでるのも、辛いのも、苦しいのもわかるけど、試合のときくらいわたしを……対戦相手を見なさい。顔を上げなきゃ進むべき道だって見える訳ないわよ……」
川部雪江「…………」
 言葉を失い、俯いてしまった雪江をごく僅かな間辛そうに見つめていたソーニャだが、結局そのまま何も言わず、控え室に消えていった。雪江は震える声で、言い訳と分かっていながらも。
川部雪江「体が思うように動かなくて・・・繰り返してきた最低限の動きしか出来なくて・・・。・・・・・・。分からないです、何がプロレスなのか・・・」
そうつぶやくことしかできなかった。


第2試合KOオンリーマッチ15分一本勝負
×高岡ユーリ
(8分23秒、KO:霞三連)
霞月いおり(DIA)

サザンカップとはまた違うWWPL式格闘技戦KOルール。霞月が参戦しているのならこのルールを行わないのは嘘である。
縦横無尽に蹴りを繰り出す霞月に、高岡はガードを固めつつ間合いを詰める。高岡、凌ぎきると一気に組み付いて霞月の足を掴み崩しをかける。霞月は前のめりになって両手をつく。高岡はそのままひっくり返して上に乗るといういかにもアマレス的な動きでマウントポジション。そして上から掌底を連発。
霞月、掌底を打ち込もうとして重心が浮いた高岡をブリッジで前方に崩し、上に乗られたまま後頭部に蹴りを入れる。威力はそれほど無いが、無防備なところに受けた高岡は動きが止まる。そこに霞月の蹴りが襲いかかる。
プロレスであることを上手く利用し、場外へ転がり落ちる高岡。間合いを取ってたって直そうという腹づもり。しかし、なんと霞月がトップロープを飛び越える跳び蹴りで襲いかかる。不意をつかれた高岡は場外でダウン。場外カウント18でギリギリリングに戻った高岡だが、もはや反撃の余力はすくない。
なんとか霞月の蹴り足を掴んでアンクルホールドを狙う高岡だが、これも跳び後ろ蹴りの要領で霞月に蹴飛ばされてチャンスを失い、霞三連を浴びてKO。

高岡ユーリ 「痛え〜。今日は完敗だよ。ったく、蹴ることしか頭にないのかアイツは」



第3試合イリミネーションタッグマッチ30分一本勝負
MACHIKOラブリーベル<ビューティ・コネクション>
×神西志乃坂倉宏子(KIZUNA)

MACHIKO(6分22秒、両者リングアウト)神西志乃
ラブリーベル(12分26秒、ラブリーロック)坂倉宏子

おなじみになってきたBコネのファッションショー式入場。いや、もはや入場ショーと呼ぶべきか。
意外にも坂倉と調子を合わせてタッグマッチの形式を上手く作る神西。サンドイッチのミドルキックや、ダブルのブレンバスターをMACHIKOに放っていく。
しかしBコネも黙っていない。MACHIKOのリバースダブルリストアームサルトにベルのフライングニールキックが合わさった攻撃で神西にダメージを与え、坂倉には鞭を使ってロープに固定すると左右から顔面を足で押さえつける。
そしてまずはMACHIKOが神西を自分の体に縛り付けて両者リングアウト。そして失格になったにもかかわらず試合に介入してしまう。反則を上手く使ったBコネ、フィニッシュは「必殺」ラブリーロック。さしもの坂倉もこれは逃げ切れずギブアップ。タイトルマッチに向けて調子の上がってきたBコネ。いっそうタイトルマッチへの期待度が上がってきた。

ラブリーベル 「この調子でタイトルも頂きですわ」
MACHIKO 「さて、アヤササの試合ぶりをゆっくり観察しておきましょう」

坂倉宏子 「単純にチームの熟成の差。それ以外にないよ。プロレスはアバウトにカウント5までの反則は許されているからね。そこがホント、他のスポーツや格闘技にないプロレスならではのことだから。それを上手く使われちゃったね。もう少し、その辺がわかってきたら全然変わると思うよ、神西は。頭固いかと思ってたけど、ちゃんとプロレス勉強してる。私が言ったから変わったわけじゃないだろうけど(笑)。その辺だよね、川部も。同じだったんだからさ。ほんの少しでいいから角度を曖昧にすればさ、隙間が絶対見えてくるんだから。とことん悩むことが大事。誰とは言わないけど、優しさと哀れみを勘違いしないようにしないと。声かけてやりたいだろうけど」




第4試合30分一本勝負
笹渕愛(DIA)&○綾瀬友美(DIA)<アヤササ>
(9分11秒、ゲーム・オブ・デス)
×ファニー・ライトニング(SPWA)ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)<エクストリーム・エキスプレス>

アヤササとEEが激突。二人とも160センチのEEに対し、アヤササは180。体格だけ見るとどちらが日本人選手なのか分からない。
動きの早さ、激しい攻めを見せようとするEEだが、押し切ることが出来ずにタッグワークとパワー差で押し返されてしまう。特に笹渕のアマレス式グラウンドでのしかかられてスタミナをいつも以上に消費させられる。
そして綾瀬がゲーム・オブ・デスによってライトニングを仕留めた。

綾瀬友美「間違いなく好調です。あれだけ激しく動かれたって、こっちのペースにもって来れるんですから。今日の勝ちはほんとに大きいですね。…ベルトですか?…もちろんDIAに持って帰ります。そろそろチャンスをモノにして…あ、この先はベルトを取ってからお話しますね。」
笹渕愛「勢いに乗れて、自信を持って試合が出来てるのが大きいかなと思います。冥土倶楽部に勢いをつけるためにもベルトは持って帰りますよ。」

ロナ・ヴァン・ダム 「連戦の疲れってとこね。ああ、情けない!」
ファニー・ライトニング 「相手のテリトリーに付き合ってバカ見たわ」



第5試合ノータッチタッグ30分一本勝負
渡辺智美芹沢すずな松井香織
(14分32秒、スクリュードライバー)
ルシフェル華山&×セラフィム・レイ豊多摩奈美

渡辺が試合前にマイク。「あのさあ、タッグマッチに豊多摩が入るってのは・・・援軍じゃなくて逆にハンデよね」と笑いを取る。
ダブルドラゴンは世界戦前の調整という雰囲気も見せつつ、天使同盟を迎え撃つ。ところが、その天使同盟のコンビネーションが上手くいかない。華山が芹沢を抑えてレイがミサイルキックを狙ったときも、誤爆してしまう始末。ダブルドラゴンの上手さが光ったが、反面他のコンビネーションが少々物足りなく感じた試合。渡辺がスクリュードライバーでレイを沈めて試合終了。

サプライズは試合終了後。スクリュードライバーを受けて倒れたレイに、華山がストンピング。豊多摩が華山を羽交い締めにして止めるが、それでも向かっていこうと暴れる華山。しばらくして落ち着いたか華山、「利用してやろうと思って近づきましたけど、全く役に立ちませんねこのバカ天使!」と罵声を浴びせる。「やはりWWPLに天使は二人もいりません!今月最終戦で天使・コントラ・堕天使を希望します!」と、突然の宣言。対するレイも「自分から仲良くしようと言ってきたり役立たずって言ったり、自分勝手だよ!あたしが懲らしめてあげるんだから!」と受諾の返答。さらに
華山「どうせなら、負けた方はキャラを変更して二軍からやり直しません?最も、負けるのが怖いのでしたらこの条件は受けなくてもよろしいですけれど」
レイ「そんなこと言って、後悔するのはそっちだよ!」
なおも罵声合戦となる両名。売り言葉に買い言葉、とばかりにお互い今までの不満をぶちまけながら強制的に退場させられた。



第6試合30分一本勝負
ディアナ・アームストロングインフェルナルREIKO<ファニーウイングス>
(13分37秒、片エビ固め:テキサスドライバー)
×水瀬沙夜荒谷久美(KIZUNA)

レフリーがガードを注意してリング内から目を離した隙に、手錠で荒谷をコーナーに縛り付けて水瀬を攻めるFW。スーパーパワーボム、トライアングル・ドリーマーと攻め込まれるが何とか耐える水瀬。その間に荒谷が手錠をはずし、まずガードを断崖チョークスラムで場外に叩き付けるとカットに入る。
そしてREIKOに水瀬渾身の鶴田式バックドロップが見事に決まり、フォール。ディアナがカットを阻止しようとする荒谷ごと倒れ込んでなんとか3カウントを阻止するが、REIKO立ち上がれない。むりやり引き起こそうとする水瀬だが、REIKO動かず。そこで試合権利を荒谷に譲り、荒谷が低空高速ムーンサルトで降りかかる。が、REIKOこれを転がって回避するとディアナが入ってきてデスバレーボムで荒谷をマットに突き刺す。そして荒谷にREIKOのムーンサルトが決まるが、これはカウント2。
REIKOと荒谷がそれぞれチェンジ。水瀬がショルダータックルでディアナを転倒させると、ボディシザースで胴を締め上げる。ディアナ、強引にレッグロックではずす。そしてエルボー一発からテキサスドライバー(みちのくドライバー2)からフォール。REIKOとガードが荒谷のカットを防ぎ、3カウント。


インフェルナルREIKO 「ちょっとはやるじゃないの。でも、まだまだ甘いわ」
ディアナ・アームストロング「最低これくらいの歯ごたえが無いと潰し甲斐が無いわ。ま、どっちにしてもワタシ達の相手じゃないけれど」

荒谷久美 「だからキレイな試合すんなって何度言ったらわかんのかな、水瀬は! 別にラフしろとか、そんなこと言ってないでしょうが! がむしゃらに試合しろって。もっともがきなさいよ、試合のなかで! いいプロレス見せようとか、かっこつけるんじゃなくてさ。技の品評会やってるんじゃないんだから! まず闘い。そこからでしょうが!相手にぶつかって行く気迫を見せなさい!!」

4月23日(水) 大阪府大阪ドームスカイホール

第1試合20分一本勝負
ソフィーヤ・ヴァーリィ(EWA)川部雪江
(12分47秒、原爆固め)
×高岡ユーリ木佐深月(A☆F)<クライシス>

試合前に高岡のマイクアピール。
高岡ユーリ 「最近不抜けた試合を見せてくれてるようだけどな、川部。オレ達相手にそんな調子で試合してると怪我するぜ。全力で、本当の力を見せてみろよ。遠慮はいらねえ。それを叩きのめしてこそオレ達の勝利なんだからな」
大きく深呼吸をして出ようとする川部を制してヴァーリィが先発を買って出る。一方クライシスは木佐が先に。空間を大きく使った動きでヴァーリィの間合いをはずし蹴りを放つ木佐。ヴァーリィはそれを裁きながら様子をうかがう静かな立ち上がり。4人が一通り手を合わせ合ってから試合が動く。
川部に木佐の上段回し蹴りが直撃、動きの鈍った川部に高岡がグラウンドで攻め込んでいく。グラウンドの技術だけならほぼ互角。しかし気迫の差で高岡が上になる時間が増えていき、とうとう三角絞めががっちり極まる。ロープに逃げようとする川部、しかし遠い。ヴァーリィがカットに入ろうとするも木佐が邪魔をして入れない。必死の形相で何とかロープに足を引っかけた川部、危機を脱出。粘りを見せた川部に感嘆の声と拍手が飛ぶ。この反応に、川部の顔が上がる。ふらつきながらも立ち上がると、高岡に強烈な膝蹴りを叩き込んでヴァーリィとチェンジ。
まかせなさいといわんばかりの勢いで飛び出したヴァーリィ、膝蹴りのダメージが残る高岡に回転式の蹴りから高角度のサイドスープレックスと畳みかける。そしてコーナーに控える木佐をエルボーで場外に追いやって高岡へ得意のジャーマンスープレックス。見事に3カウントを奪取した。

ソフィーヤ・ヴァーリィ「ミヅキとタカオカに引っ張ってもらっちゃったわね、今日は。これで少しは吹っ切れるといいんだけど……。ま、余計なことは言わないでおくわ」



第2試合20分一本勝負
坂倉宏子(KIZUNA)
(13分8秒、タイガー・スープレックスホールド)
×ファニー・ライトニング(SPWA)

カルガリー式の激しい試合を展開する両者。息をつくまもなく技を繰り出し、リング内もリング外も縦横無尽に動き回る。力と力、単純明快で分かりやすい展開に会場の反応は上々。
ダイヤモンドカッター、フェイスバスターと顔面を攻めていくライトニング。しかし坂倉はダイビングギロチンの自爆を誘うとジャーマンスープレックスからローリングして起きあがりタイガー・スープレックスでピンフォール。


坂倉宏子 「ちょっと失敗だったかも。日本で第2試合からする試合じゃないよね。ハイスパートすぎちゃったから、次の試合の前にお客さんのテンション上げすぎちゃったかも。まあ、プロレスらしいものはお客さんに見せられたとは思うけどね」

ファニー・ライトング 「ま、今日は花を持たせたあげるわ!」



第3試合20分一本勝負
カーシャ・イワーノヴナセラフィム・レイNANA(フリー)
(16分28秒、オーロラ・エクスキューション)
×ルシフェル華山MACHIKOラブリーベル

入場だけは派手なファッションショー風に決めて見せたBコネの二人だが、試合開始前にMACHIKOがマイクを握ると「あんたら天使同盟の分裂の前哨戦にかり出されるのはいいけどさあ、こっちにメリット無いから一人でやってよね、華山。私ら勝手に適当にやっておくから」と宣言。これに対してNANAは「お客さんのためにもしっかりと試合をしないといけないのだ〜」と批判するがBコネは聞く耳持たず。
ところが試合が始まってみるとBコネは鞭を振り回して暴れ回る。レフリーが注意すると、MACHIKOが身振り手振りで抗議する間に背後でベルがカーシャに鞭を首に巻き付けたメディオ・カングレホで絞め上げ、華山もレイを椅子でめった打ち。
NANAがお盆を使って鞭を防ぎながらBコネを撃退してから形勢逆転。NANAがお盆スイシーダ、レイがトペ・スイシーダで場外のBコネに飛び込む間にカーシャが華山をオーロラ・エクスキューションで仕留めた。

NANA「むぅっ、なんだかんだ言ってMACHIKOさんもMACHIKOさんらしい試合をやってくれたのだ」
カーシャ・イワーノヴナ「すみません…ほんとはレイさんに華山さんを仕留めてもらうのが一番良かったんですけど、あたしがとっちゃいました(笑)」
セラフィム・レイ「べつに、そんなの気にしてないよ〜」
カーシャ・イワーノヴナ「まぁ、華山さんもあたしに負けるようじゃぁ、底が知れてますよ。楽勝ですよ、レイさん」
セラフィム・レイ「あはは〜カーシャちゃんも言いたい放題だね」



第4試合30分一本勝負
笹渕愛(DIA)&×綾瀬友美(DIA)
(10分58秒、両手押さえ込み:霞三連)
神西志乃&○霞月いおり(DIA)

神西と霞月を組むという博打的なカードとなった。高村と望月のようなタッグを期待してのことである。
積極的に声をかけながらデビュー以来鍛えてきたコンビネーションで翻弄しようとするアヤササだが、霞月はマイペースに蹴りを放ってその流れを分断してしまう。霞月の方が与し難しと判断したアヤササは神西を標的に。一方のKKタッグはほとんど合図もないまましかし何故かある程度統制の取れた動きで対抗。
神西は受け身の上手さ、体格による耐久度の高さでこの攻めを耐えきる。霞月に試合権利を譲った神西、自分を攻め込んだ笹渕をエプロンから連れ出して場外を引き回し、霞月がその隙に綾瀬を蹴り倒してしまうという、下馬評をひっくり返す試合結果となってしまった。

霞月いおり「タッチワーク? 疲れたから替わっただけ……」
神西志乃 「こういう事もあるのか。面白いな、プロレスは」

綾瀬友美「…まあ、いい事なんてそんな続きませんよ。切り替えてかなきゃ…。」
笹渕愛「いい勢いで来てたんですけどね…。まあ、明日は明日の風が吹きます。」



第5試合30分一本勝負
望月登子
(8分59秒、片エビ固め:三角跳び延髄切り)
×ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)

望月が「小手先は無しだ!最初からとばすぞ!」の声を上げると同時にリング中央に向かって走り込む両名。ロナが前転して望月の股間を抜け振り返った望月にロナの先制トラースキック炸裂。大きな音を立てて倒れ込む望月に、すぐさまエルボードロップで降りかかるヴァン・ダム。勢いを掴む。
フィッシャーマンバスター、スパイン・ボムと攻め込んでいくヴァン・ダムに、望月も踵落とし、パワーボムで対抗。スワンダイブで飛びかかったヴァン・ダムをハイキックで迎撃した望月がここで一気にスパート。最後は三角跳び延髄切りでフィニッシュ。

望月登子「くぁ〜っ!これだよこれ!戦ってるって実感するねぇ」

ロナ・ヴァン・ダム「つつっ‥‥。やってくれるじゃない。次よ次! 次は私が蹴り倒してやるわ!」



第6試合30分一本勝負
ディアナ・アームストロング&○インフェルナルREIKO<ファニーウイングス>
(16分49秒、片エビ固め:エクスカリバー)
×水瀬沙夜荒谷久美(KIZUNA)

前回に引き続いてのカード。
ファニーウイングスは相変わらず水瀬に標的を絞っていく。ディアナが椅子を持ち出したところ、レフリーが注意。それに抗議するディアナだが、レフリーの注意が逸れたところでREIKOとガードが水瀬にストンピングの嵐。荒谷がガードをラリアットではじき飛ばし、REIKOをコーナーに押し込んで救出するが、そこでリング内に気がついたレフリーの隙をついたディアナが椅子で水瀬を殴打するという、完全にチームワークでファニーウイングスが押していく。
しかし捕まっていた水瀬がディアナのデスバレーボムからのフォールを気合いの声と共にはね飛ばすと、ディアナのカウンターキックを受けつつも間合いを詰めて組み付き最も得意とする抱え式のバックドロップを仕掛ける。そのまま、本能のようにその抱え式バックドロップでディアナを叩き付けていく水瀬。荒谷がREIKOをコーナーで抑え、水瀬のフィニッシュをアシストしようとする。ところが忘れられていたガードが水瀬のフォールを崩してフィニッシュならず。
ディアナがふらつきながらもREIKOとチェンジ。ガードが荒谷の足を引っ張って場外で叩きのめされる間にREIKOがエクスカリバーで試合を決めたが、ファニーウイングスのやや余裕のなさそうな表情が印象に残った。

インフェルナルREIKO 「今日はノーコメントよ!」
ディアナ・アームストロング 「ええ、・・・ノー、コメントね・・・」

荒谷久美 「上出来、上出来。今日みたいにすることから始まるのよ。そこから、いろいろ覚えていくんだから。いい? あのお客さんのエキサイト振りは、あんたのあのがんばりが産んだんだからね。ざまあみろっての。次を楽しみにしてなさい」



第7試合30分一本勝負
×サイフィス真美豊多摩奈美
(12分34秒、裏閂式鷹羽絞め)
ブラック・ブリザード(KIZUNA)高村あかね(KIZUNA)

WWPL正規軍とKIZUNA組のタッグバトル。
ブラックがアシストに回って高村の攻撃を引き出すのだが、正規軍タッグはお互いの自己主張がぶつかりすぎて個々の力は見せるがタッグの様相ではなくなる。豊多摩の動きが良いため、KIZUNA組は真美に狙いを絞る。
豊多摩をこまめに場外に突き落としてチームプレイが出来ないようにすると、こまめなタッチワークで真美を翻弄。後半ほとんどロンリーバトルになった真美、ブラックの必殺技にタップアウト。

高村あかね 「へっへーん! どうだっての!」

ブラック・ブリザード 「たまにはこんな試合もいいでしょう。タッグマッチもやればできると、いうことで」

4月29日(火) 広島県府中市総合体育館ウッドアリーナ


第1試合20分一本勝負
渡辺智美川部雪江
vs
坂倉宏子(KIZUNA)望月登子

「正々堂々と、第1試合らしい試合をしましょ」と言いつつ握手を求める渡辺。ところが坂倉がその手を握った瞬間ショートレンジのラリアットを放つ渡辺。不意打ちに後頭部を打った坂倉を踏みつける渡辺。「正直者は馬鹿を見るってね」
坂倉、渡辺の足をすくって転倒させると紅潮させた顔でストンピングを放つ。渡辺は転がって間合いを取ると、川部と交代してコーナーに下がる。そして「残念でした〜」と挑発。そして川部をけしかけて高みの見物モード。
坂倉、望月への生け贄?として孤立させられた川部、必死に二人の猛攻に耐えていく。攻撃の間隙を縫ってサブミッションを狙う川部だが、ほぼ二人がかりの相手ではすぐカットされてしまう。なんとか渡辺と変わるために、組み付いた坂倉に膝蹴りから渾身の大外刈りを放ってなんとか交代。
川部がコーナーで動けなくなる状態のため、渡辺も結局各個撃破の餌食に。坂倉のスパルタカス・ボムで試合が終わった。

坂倉宏子(KIZUNA)(9分8秒、スパルタカス・ボム)×渡辺智美

渡辺智美 「最初で飽きちゃったから。まったく、川部ももっと粘りなさいよ。技繰り出して面白くないんだからせめてやられ役くらい務まらないと意味無いでしょ〜。あーあ、バカらしい試合しちゃった。ま、相手がバカだししょうがないか」

坂倉宏子 「やられた。今回は脱帽。いいプロレス頭してるね。面白い、うん。こういう試合をさ、目の前でちゃんと見せてくれる先輩がいるんだから、川部も見習わなきゃね。本腰入れて、付き合うわ。渡辺智美を活かす試合、してあげようじゃない」



第2試合15分一本勝負
ソフィーヤ・ヴァーリィ(EWA)
vs
ブラック・ブリザード(KIZUNA)

お互いに組み付いてからの攻防を得意とするだけに、立ち上がりの離れた間合いでのペースを掴もうと隙のさぐり合い。ブラックの掌打が、ヴァーリィのキックが牽制に繰り出される。ブラックの掌打をスウェーで避けたヴァーリィ、背後のロープに飛んで勢いをつけて一気に間合いを詰めるとサンボ式裏投げを放つ。その勢いのまま腕ひしぎを狙うが、ブラックは素早く腕を抜いてヴァーリィの足を掴むとアキレス腱固めの体勢。ヴァーリィ、ブラックの肩口を蹴って振りほどき足を捕らえてアンクルロック。ブラック、こちらも極められる前に脱出。この早業に各所からため息が漏れる。
ほぼ五分で静かな展開のまま進んでいたが、ブラックの浴びせ蹴りを受けてふらつくヴァーリィに、掌打のラッシュをしかけたブラック。一度フォールするもカウントは2。そこで引き起こして大きな動きの掌打でとどめを狙う。ところが、これをダッキングでかいくぐったヴァーリィが後頭部からマットに突き刺す直下式のフロントスープレックスで投げ捨てると、膝蹴り一発からのジャーマンスープレックス。綺麗なつま先立ちで決まったこの一撃をブラックは返すことが出来なかった。

ソフィーヤ・ヴァーリィ(EWA)(11分16秒、原爆固め)×ブラック・ブリザード(KIZUNA)

ソフィーヤ・ヴァーリィ「付き合ってくれてありがと。ま、何回やっても結果は同じだけど」

B・ブリザード 「タッグリーグで受ける試合をしすぎましたね。まあ、こんなところでしょう。別にソーニャさんとプロレスで勝ち負けを競っても、わたしには意味はないですし。」



第3試合スペル・メイガスデビュー戦30分一本勝負
スペル・メイガス(二軍)
vs
香取梢(二軍)

入場コールの直後、「スペル・メイガス選手は本日がデビュー戦となります」の声に、試合カードを知らなかった観客からざわめきが起こる。それは、姿を現していたスペル・メイガスがマスクを被っていたからだ。「目立つと潰されるぞ」などの声も聞こえる。受けて立つのは、2002年NFT優勝選手である香取梢。先日のWWPLウェルター級シングルのタイトルマッチでは、敗北ながらも王者柊と五分に渡り合って見せた若手のホープである。

リング中央で握手を交わすと、メイガスが新人らしく渾身のドロップキックでプロ初攻撃を仕掛ける。体重の軽さから衝撃によって転倒する香取だが、勢いを受けてそのまま起きあがると「もう一度だ」とアピール。気合いの声と共に再びドロップキックを見せるメイガス。それを何度か受けた香取、反撃にインパクトの瞬間に体を伸ばしきる力積の大きなドロップキックでメイガスをはじき飛ばしてみせる。
そしてメイガスをロープに振る香取。メイガスはカウンターのショルダーアタックを狙った香取を飛び越すと、後転してロープから帰ってくる香取に下からの両足キック。香取はこれを飛び込み前転で避け、再びロープへ。起きあがったメイガスは向かってくる香取に背面を向けて飛びつき丸め込み(飛びつき前方回転エビ固め、ルチャ名称カサドーラ)の体勢に入るが、香取これを踏ん張るとリバースジャイアントスイングでメイガスを振り回す。
ここから香取がDDT、高速ブレンバスターなど攻め込んでメイガスは防戦に回るが、数度目のDDT狙いを腕を取って切り返しアームホイップ。そして素早くコーナーに飛び乗ると起きあがった香取に前方回転式ミサイルキック、「ミラクルくるくるキック」を放つ。香取は場外に転落。そこでメイガス、踏切距離の遠いノータッチトペ・コン・ヒーロで追撃。一気に新人らしからぬ早い動きを見せていく。
リングに戻ったメイガス、香取をロープに振るとアックスボンバーの構えで攻撃を狙うが、これは香取が飛びつき十字固めでフォールに入る。カウントは2で跳ね起きたメイガスに、香取つま先蹴りで前傾にさせて梢スタナーを炸裂させる。そしてトップロープに上ると、起きあがったメイガスに直下式飛びつきDDT、ディープ・インパクト。メイガスの首がマットに埋め込まれるかのような形で突き刺さる。
香取、メイガスをゆっくり仰向けに寝かせると片エビ固め。ゆっくりとカウントが3つ入り、メイガスのデビュー戦は終了した。香取は仰向けに大の字になったメイガスに声を掛けると、起きあがらせて手を挙げさせる。インパクトのあるデビュー戦に、会場からは暖かい拍手が飛んだ。

香取梢(二軍)(11分25秒、片エビ固め:ディープ・インパクト)×スペル・メイガス(二軍)

香取梢「まさか、こんなに早くこういう試合をする日が来るとは思ってもいませんでした。いつまでも新人のつもりでいちゃ駄目ですね。メイガスさんはスピードも技の切れもあってかなりギリギリでした。正直、危なかったです。追いつかれないためにもこれからもお互い切磋琢磨しながら頑張っていきたいですね」

スペル・メイガス 「試合の前までドキドキしっぱなしだったんですけど、お客さんの声ですっごく元気でましたっ! 梢ちゃんはちっちゃいのに全然技重くて・・・負けないようにこれから頑張りますっ!今日はありがとうございましたっ!」



第4試合20分一本勝負
水瀬沙夜高村あかね(KIZUNA)
vs
霞月いおり(DIA)神西志乃

KKタッグがエクストリーム・ストームと激突。水瀬が「気持ちの戦い」を押し出して、霞月の蹴りを受け止めてからの延髄切り、神西と背後の取り合いを制してのバックドロップといい動き。しかし、神西のSTOを受けるとこれはダメージが大きく、高村が慌ててカットに入る。
黙々と戦う選手が多い中、やはり目立ったのは観客へのアピールを忘れず声を出しながら試合を進めていく高村。それが試合展開にも影響したか、後半は高村ペース。霞月に放ったファイヤーボンバーは神西がカットに入ったが、最後は水瀬の春雷(雪崩式ドラゴンスープレックス)から高村がダイビングセントーンで神西に降りかかって試合を決めた。

高村あかね(KIZUNA)(17分20秒、体固め:ジェットスクランダー)×神西志乃

高村あかね 「真面目も良いけど、ちょっとなあ(苦笑)。もちっと、楽しく試合しようよ。みんな」



第5試合ノータッチタッグ20分一本勝負
高岡ユーリサイフィス真美
vs
木佐深月(A☆F)愛沢美奈子(A☆F)

クライシスと、QOJタッグを終えた真美・愛沢が同じ団体のチームで赤青に別れる。
真美、愛沢へ果敢に挑む木佐と高岡。真美、高岡組は連携も見せて試合を作っていく。
愛沢の蹴りで顎を打ち抜かれた真美、足に来たのか動きが一気に鈍くなる。交代した高岡が水車落としで木佐を追いつめるが、試合を決めることが出来ず逆に跳び蹴りを受けて場外転落。真美が出てくるが、動きが戻らない真美は木佐に蹴り負けてしまう。そして木佐、スクラップバスターで真美から3カウント奪取。

木佐深月(A☆F)(9分56秒、スクラップバスターホールド)×サイフィス真美

木佐深月「愛沢さんに引っ張ってもらった面も多少ありますけど、久しぶりに自分で納得できる動きができましたね。五月からはまたどんどん上を狙って行きます」

QOJの結果に対しては「……順当だと思います。」とのコメントを残した愛沢。
愛沢美奈子「…クリーンヒットしたから。真美さんを休ませなければ難しい展開ではありませんでした。真美さんも今月は色々ありましたし、経験が生きてくるのは来月からですよ。期待しています。」



第6試合3WAYマッチ30分一本勝負
ディアナ・アームストロング&インフェルナルREIKO<ファニーウイングス>(赤コーナー)
ファニー・ライトニング(SPWA)&ロナ・ヴァン・ダム(SPWA)<エクストリーム・エキスプレス>(ニュートラルコーナー)
カーシャ・イワーノヴナNANA(青コーナー)

勝ち抜きではなく、どこか1チームが3カウントかギブアップを奪えばそこで試合が決まってしまうために、作戦が重要となってくる3WAYマッチ。しかもタッグなので気を抜く暇もない。
三すくみでディアナ、ファニー・ライトニング、カーシャ・イワーノヴナの外国人3選手がリング上を反時計回りに回る。ライトニングがREIKOの正面に来たとき、REIKOがゴムボールを投げつける。後頭部にボールが当たったため気になって振り返ったライトニングに、隙有りとばかりにディアナがショートレンジラリアットで襲いかかる。コーナーに押し込んでREIKOと二人でライトニングを踏みつけるディアナ。しかし、背後からカーシャが組み付いて裏投げ。そしてREIKOをエルボーでリング下に落とすとライトニングを助け起こし、共闘を呼びかけ。二人がかりでディアナを攻め立てる。
ところが、ライトニングが隙を見せた瞬間カーシャがビクトル式の膝十字に捕らえる。慌ててヴァン・ダムがカット。今度はカーシャが狙われる。カーシャがNANAと交代すると、ディアナはコーナーに引っ込んでファニーウイングスがNANAvsヴァン・ダム戦を高みの見物。NANA、ヴァン・ダムを赤コーナーにホイップすると、串刺しお盆スマッシュ。ところがヴァン・ダムこれを回避、お盆がREIKOに直撃する。怒ってリングインするREIKOに、ヴァン・ダムとNANAがダブルでブレンバスター。そしてライトニング、カーシャも加わって4人でストンピングの嵐を叩き込む。ヴァン・ダムが背後からREIKOを羽交い締め、そしてNANAがお盆ボンバー。しかしこれはREIKO振りほどいてヴァン・ダムに誤爆してしまう。カーシャには背後からガードが襲いかかり、場外へ連れ出される。そしてライトニングにはディアナがフィッシャーマンズバスター。7人が入り乱れる混戦となる。
ガードをノーザンライトスープレックスで場外の床にたたきつけたカーシャがリングに戻ると、EEの二人はディアナのテキサスドライバー、REIKOのエクスカリバーでダウン状態。捕まっているNANAを助けにカーシャがドロップキックを連発する。だが、頑張りもそこまで。NANAがガードに捕まってしまいお盆で殴りつけるが、ガード離さずすりすりとほおずりする。その間にカーシャがディアナに仕留められてしまった。

ディアナ・アームストロング(17分24秒、片エビ固め:テキサスドライバー)カーシャ・イワーノヴナ

追記。ガードはNANAに「せくはらっ!」の声と共に放たれた飛びつき腕ひしぎで肘を痛めた模様。

カーシャ・イワーノヴナ「あ〜う〜ガードとかっていう人のせいで2対2対3ですよ〜。しくしく」
NANA「むむむっ、せくはらよくないのだ」

ロナ・ヴァン・ダム 「乱戦で遅れをとるなんて‥‥。大失敗ね」
ファニー・ライトニング 「ちっ! 覚えてなさい!!」



第7試合NWWAアジアヘビー級争奪戦30分一本勝負
MACHIKOラブリーベル<ビューティ・コネクション>
vs
笹渕愛(DIA)綾瀬友美(DIA)<アヤササ>

いきなり場外乱闘に持ち込んだBコネ。MACHIKOが隠し持っていた10センチほどの金属棒でアヤササの額を攻撃し、なんと開始3分で大流血。ベルは鞭スリーパーで綾瀬を捕らえ、MACHIKOが椅子の山に向かって笹渕をフェイスクラッシャーで叩き付ける。そしてベルも場外デスバレーボムで綾瀬の巨体を叩き付けると、場外カウントが数えられる中悠々リングに戻る。
試合権利のあった笹渕が幸いにもダメージが少なく、17カウントでリングイン。ところが綾瀬はエプロンに寄りかかった状態で戦線に出てこられず、Bコネが常に二人でている状態で笹渕を攻め立てる。笹渕、反撃を最小限に綾瀬の復活を待つ形で耐えていく。Bコネの合体アームサルトからベルがフォール。MACHIKOは余裕で客席アピール。ところが、ここで綾瀬がMACHIKOを巻き込みつつベルにぶつかってカット。笹渕、ここぞとばかりにベルにスピアーを放って豪快に吹き飛ばす。そして渾身の力でデッドエンド。ベルとダブルノックダウン状態。MACHIKOと綾瀬、ともにパートナーをコーナーまで引っ張って強引にタッチ。
MACHIKOの目つぶしやヘアーホイップなどの反則攻撃でペースを乱される綾瀬だが、相撲式のタックルなど体格差を利用して流れを引き戻していく。MACHIKO、低空から綾瀬の足を刈ってうつぶせに倒すとフルネルソン式のSTFを狙おうとする。ベルがいち早く笹渕のカットをキル形で前に出るが、笹渕はクローズラインでベルを吹き飛ばし、技が入りかけている綾瀬を救出。そのままベルを連れて場外へ。
綾瀬、MACHIKOが続けて狙ってきたダブルリスト・アームサルトをリバーススープレックスで返すと、気合いの声と共にチョークスラム。倒れ込むようにMACHIKOを固めてフォール。綾瀬はレフリーに促されて顔を上げ、ようやく自分が勝利したことに気がついた。
血で顔を赤く染めながらも、お互い支え合うように抱き合うアヤササ。Bコネ二人は場外で文句の有りそうな目つきをしながらも、立ち上がるのが精一杯と言った感じで引き上げていった。

綾瀬友美(DIA)(14分32秒、片エビ固め:チョークスラム)×MACHIKO
※アヤササが第2代NWWAアジアヘビー級タッグ王者に

四方に深々と礼をしてリングを後にした2人。記者の取材の前には二人で牛乳で乾杯。落ちついた所で2人はコメントする。
綾瀬友美「きつい試合でしたよ…最後も勝ったのかなんのか判断出来ない位に…。とにかくきつかったです。厳しい相手でしたけれども…でもこうしてベルトが獲れました…。これは周りの私を支えてくれた、叱咤激励してくださった皆さんや…パートナー笹渕愛のお陰だと思っています。だから決して奢ることなく…善女魂を胸にタッグのトップを目指して驀進していきます!ここからがまたスタートです!冥土倶楽部もここから更に躍進します!」

笹渕愛「この牛乳は、水戸の徳○牧場の由緒ある牛乳なんですよ。この日のために取り寄せたんです。やっぱりお祝いのときにはこう言うものにもこりたいですよね〜。…今日はベルトを獲れた喜びに思いっきり浸ります。で、また明日から良く食べ良く練習して、より強い王者を目指していきます。で、2人でタッグのてっぺんを取りますよ。…ところで皆さんもいかがです?おいしいんですよ〜、この牛乳」


第8試合WWPL無差別級シングルタイトルマッチ時間無制限1本勝負
王者:豊多摩奈美
vs
挑戦者:荒谷久美(KIZUNA)

威風堂々の入場をする豊多摩を、逸る気持ちを抑えられないという表情で待ち受ける荒谷。ゴング前に肩から突っ込んでいく。逆水平チョップ、エルボーと気持ちでぶつかっていく荒谷。豊多摩は荒谷の手を握るように捕まえてコーナーを使った三角跳びホイップで投げ飛ばしてから間合いを取ると、強烈なドロップキックでお返し。両者、リング中央でにらみ合うと張り手合戦に。先に体勢が崩れたのは豊多摩だが、そこは「世界一の負けず嫌い」。ますます激しく荒谷の頬を張っていく。そして二人ほぼ同時にロープで勢いをつけて激突。買ったのは荒谷のラリアット。その勢いのまま豊多摩を抑え込む荒谷だが、豊多摩ブリッジで返してそのまま立ち上がると荒谷の背後に回ってJ.O.スープレックス。
激しい意地の張り合いが続く。お互いが渾身の力で技を繰り出す。ムーンサルト合戦、場外戦などで体力を消耗していくが、技の一つ一つはキレが衰えない。荒谷、ムーンサルトでもとどめが刺せないならと、垂直落下式のブレンバスターを3度連発してフォール。しかし豊多摩、これをカウント2.5で返す。
ところが豊多摩もJ.O.サイクロンで試合を決められない。さらに、必殺のはずのJ.O.クインビー・ボムすら荒谷は耐えきり、互いにほぼ攻め手がないかと思われた。最も得意な技でと思ったか。荒谷はムーンサルトのためにコーナーへ上る。ところが豊多摩が背後から襲いかかる。エルボーで荒谷はコーナーに座る形。豊多摩は荒谷の脇に背後から両足を引っかけると後方回転。豊多摩の隠し球、「雪崩式後方回転エビ固め」、ビクトリースタードロップ。激闘の末、豊多摩がベルト防衛を果たした。

豊多摩奈美(31分28秒、雪崩式後方回転エビ固め)×荒谷久美(KIZUNA)
※初代王者が9度目の防衛に成功

荒谷久美 「あーっ! くそっ! 最後の最後で!! どっちにしろ、私以外に豊多摩とやれるのなんていないって証明したでしょう!! 次よ、次! とことんやってやるわ!! それと、最終戦だから言わせてもらうけど‥‥、ソーニャ。うだうだうるさい、黙ってろ!! 関係ないヤツがでてくるな。おまえがそうやって甘やかすからああなるんだよ、川部が。あと、人に責任押し付けるな。今の川部がああなのは、ウチのせいか。プロレスとPAをちゃんとわけらんない、本人のせいだろうが。それにYukiで上がったのはうちの強制じゃないっての。強制するんなら、PAでマスク脱ぐこと認めるわけないないじゃない!。それに、過去がどうのじゃなく、トップを取るために今、必要なことの話してるんだよ、私は! 今のままだと、川部の視界から自分が離れるから嫌なんだろ。なかよしこよしでプロレスしやがってばかばかしい!! 言っとくけど、ソーニャとの試合なんて組んだって意味ないからね。悪いけど雑音は聞こえるけど、わざわざ後ろ向いて相手するほどのヒマは私にはないから。豊多摩、ダブルドラゴンと目の前にいっぱいいるんだから!!」



第9試合天使・コントラ・堕天使60分1本勝負
セラフィム・レイ  vs  ルシフェル華山

「WWPLに天使は二人もいらない」と華山の言葉。負けた方が天使の称号と、そして一軍枠を失う。
用意されていたスクリーンに、レイの羽がついた、そして華山の黒い羽が付いたそれぞれの同型ガウンが空き地に掲げられている映像が映し出された。そしてテロップ。「試合が決まった瞬間、敗北者のコスチュームが火薬によって爆破される」さらに、両リングサイドに白と黒の棺桶が用意された。これに入れられることで、その天使・堕天使としての自分を永久追放されるのだ。
面白そうな表情をしているのは華山。そして厳しい目つきで画面を、棺桶を見つめるレイ。
ゴングが鳴った。
ロープワークでイニシアティブの取り合い。両者めまぐるしく動く。ここで先に有効打を入れたのは華山。キチンシンクでレイの腹部を痛めつけると、足を狙ってニークラッシャー、ストンピング、レッグロックととにかくその足を、レイの翼とも言える足を攻め立てる。5分過ぎにはリング中央でアンクルロックを掛けるという、まさに容赦のない華山。レイは絶叫を上げながらも1分以上耐え抜いてなんとかロープブレイク。
足をひょこひょこと引きずるようなレイに、華山はさらに前蹴りを足に叩き込む。レイは近づいた華山の髪を掴むと、そのままフライングメイヤーで何度も何度も華山を投げ捨てる。そしてリバースロメロスペシャル。その技は「天使が羽を広げたような姿」としてメキシコでは「アンヘリート」と呼ばれる技。足が使えなくても引き出しはある、とばかりにレイの攻めが開始される。
ダブルアームスープレックスを、クラッチを解かぬまま何度も放つロコモーションダブルアームスープレックス。そして、相手に取り付いてくるくる回ってストレッチに決める「クリスト」。ところが、このクリストを華山が変形のストレッチマフラーで切り返してしまう。これこそ対クリスト用兵器「ユダ」である。今まで痛めつけられていた足をがっちりと固められ、苦しむレイ。しかしレイは痛みに耐えながら反動をつけて再びクリストの体勢に。今度は華山の顔が苦痛に歪む。だが、レイも踏ん張りが効かずギブアップを聞くことなく技を解いてしまう。
両者、リング上で手足をついて大きく肩で息をする。全身にダメージを受けている華山。徹底した足責めで走ることも出来なくなってきたレイ。
華山がのろのろとレイに近づくと、その頭を抱え込んで膝で何度も蹴っていく。そしてとうとうレイが大の字で倒れる。大きく深呼吸をした華山がそれを確認してコーナーに上ると、客席から悲鳴のような声が聞こえる。親指を立てた両手を胸の前でクロスさせる華山。そして胸を×印に切り裂くポーズ。
華山が飛んだ。レイのムーンサルトフットスタンプほどの高度も、美しさもないが。凶悪なムーンサルトニードロップが、レイの体に突き刺さる。ルシファー・スタンプ。華山はレイを抑え込み、レフリーのカウントに合わせて腕を突き上げて指を一本、二本と増やしていく。しかし、華山の顔が凍り付いた。レイの肩が上がったのだ。
起きあがるレイ。華山は慌てた様子で組み付くが、なんとレイが頭突きを華山の顔面に叩き込む。鼻を押さえてよろめく華山に、レイのレッグラリアット。もんどり打って倒れる華山。
そして、レイがコーナーポストによじ登った。場外を向く。両手を上下に大きく動かし、空に舞う。
この試合唯一の。そして。最後のエンジェルスタンプだった。
まだ目に光を残す華山。ただ抑え込んだだけなら、華山は肩を上げていただろう。
しかし、レイはジャックナイフホールドで完全に華山を抑え込む。
レイの体重が両足にかかる。
華山には、これを返しきるだけの力はなかった。
3カウントのゴングが、鳴った。

瞬間。
爆発音と共に、スクリーンに映し出されていた黒い翼のガウンがはじけ飛んだ。

レイは、華山を抱き上げて棺桶に横たえさせる。運び出される棺桶。
そして。
「18分20秒、18分20秒。エンジェルスタンプからのジャックナイフ固めで、セラフィム・レイ選手の勝利です」
というアナウンス。
会場は大歓声に包まれた。

セラフィム・レイ(18分20秒、ジャックナイフ固め:エンジェルスタンプ)×ルシフェル華山

ぼろぼろと涙を流しながら、マイクを取るレイ。
セラフィム・レイ「みんなっ!あたし、勝ったよ〜っ!」
再びの大歓声。
セラフィム・レイ「あはは、もうぼろぼろだよ。それにすごく怖かった。プロレスやってて、初めて怖いと思った。でも、あたし、勝てて、それは、みんなが、みんなの、応援が、あったからで」
声を詰まらせたレイに、「がんばれ〜」と声援が飛ぶ。
セラフィム・レイ「あたしは、WWPLの天使なんだから!これからも、明るく楽しく、みんなのために、がんばりますっ!」