2月19日(日) 福井県福井市体育館
 第1試合開始前にMACHIKOがリングに姿を見せる。
MACHIKO 「最近の連中はベルトに無関心よねえ。こんなおいしい餌を用意してあげたのに、思ったより名乗りを上げてくるジュニアのタッグチームが少ないんだから。まあそれはいいとして…面白い話よ。スポーツ紙で見た人もいるかと思うけど、ジュニアシングルの方のベルト、あれ前の王者、D.I.Aの浜岡が持ってたみたいなのよ。んでまあ、新しく作る必要が無くなったから、今日タイトルマッチやるわ。セミファイナルで、セラフィム・レイとオリビアで第3代環太平洋ジュニアヘビー級シングル王座決定戦。文句はないわね?決定!」
 ところが文句がないはずがない。オリビアとセラフィム・レイが駆け込んでくる。
オリビア 「何が『決定!』や!寝耳にミミズやっちゅーねん!」
セラフィム・レイ 「そうだそうだ!せめて前哨戦とかなんとか、もうちょっとこう盛り上がる時間をちょうだいよ!」
MACHIKO 「確かに、寝耳にミミズは水よりいやねえ」
オリビア 「そこに反応すんなや!」
MACHIKO 「いいじゃないのよ、盛り上がるのは私が絡んだときだけで十分なんだから。それとも何、どっちか、私が変わってあげようか?」
オリビア 「ちょ、おま、そらないやろ。相手がお前やっちゅーんならええけど、うちが下ろされたら意味あらへんし…」
セラフィム・レイ 「そうだよね。MACHIKOさんとやり合うならともかく、あたしの出番がMACHIKOさんに取って代わられるのはちょっと…」
オリビア&レイ 『今日、タイトルマッチやります』
MACHIKO 「…あんたら、覚えときなさい。すぐにはぎ取ってあげるから」
第1試合タッグマッチ20分一本勝負

華山麗子
vs 沢田ちひろ×
長宗我部美幸
10分39秒、順逆自在の術
 久々に長宗我部が沢田を利用しながらの姑息戦法に出るが、華山がそれをことごとく封じて主導権を握らせない。そして雅が沢田を集中攻撃する。一度は長宗我部がレフリーの注意を引いてピンチは逃れたものの、結局沢田が起死回生を狙った回転エビ固めを雅に切り替えされ、3カウント。

コメント:
 
第2試合6人タッグマッチ30分一本勝負
×青柳つかさ
MARINA
坂本ジュリア
vs キャノンボール焔
マンティス笹倉○
コットン環
11分22秒、膝十字固め
 タッグチームとしてその名はメジャー級になったアンバランス。青柳、MARINAは同年デビューということもあってここでその差を詰めておきたいところだが、しかしタッグワークに勝るアンバランスが有利に試合を運ぶ。青柳の蹴りをうまく捌いた笹倉、その足を取って膝十字へ。焔がMARINAを、環が坂本を捕らえてカットに入らせず。青柳は長時間耐えたが、とうとうギブアップ。

コメント:
マンティス笹倉「や、一番の武器ば封じるとは常套手段ですけんねぇ〜。そやけど、なかなかの冷汗もんで」
 そう言ってる横では、先程から何か考え込んでいる焔。
キャノンボール焔「う〜ん、先約の申請が無かったら環太平洋タッグ戦に申請したんだけどな〜。・・・そうだ! 掛け持ちはキツいかなぁ?!」
マンティス笹倉「・・・やめとき。二兎ば追うモン、一兎も得ずやで」

青柳つかさ「負けたあたしが言うのはちょっと違うかも知れないけど、第一試合から第三試合までで全員出されてる。これが正規軍の現状よね。MARINAもそうなんだけど、香取とかももうちょっと奮起して貰いたいわね。今日されたマッチメークが恥ずかしいことだって言うのは分かってると思いたいんだけど」
  
第3試合タッグマッチ30分一本勝負
川部雪江
×香取梢
vs 高村あかね
望月登子
14分48秒、片エビ固め:三角蹴り
 ESの激しい試合運びに香取が捕まる。高村の机上パワーボムでグロッキーになった香取だが、ここから目覚めたかのごとく高村の顔面へ連続エルボーを放ち、さらに場外で小魔神スイングをしつつ最後にはなんとリングの鉄柱に高村を叩きつけるという荒技を見せる。しかし反撃もそこまで、最後は望月の三角飛び延髄斬りで意識を断ち切られた。

コメント:
川部雪江 「あの2人を相手にしていると、自分のことで手一杯になってしまいますね。私が香取さんのフォローをしなくてはいけないのに、手が回らなかったです…。でも、香取さんはいい気合いは見せてくれたので、そこは収穫です」

高村あかね 「雪ちゃん以外いないのが問題だよね。つかさっちがイライラするのもわかる気がする。今日は梢ちゃんがちょっとだけがんばったけど、続かなかったし。その壁こえないと上には上がれないからさ。出る杭にもなってないんだよね。霜柱だよ。ぱっと見には伸びてるけど、踏んだらすぐにくしゃってなるんだから。仕方ないんだろうけど。正規軍って言ってるけど、主流が正規軍なんだから今の正規軍ってFWになるんだよ。こう言っちゃなんだけど、今のあかねともっちーには壁になってる暇なんてないんだから」
 
第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負
REIKO
MACHIKO
鬼姫結梨花
vs 久保渚×
デビル・メイガス
刹那
18分48秒、エビ固め
 先発のMACHIKOとデビルがそのレスリング技術を競い合うようにグラウンドやリストの取り合いなど、ヒールらしくないテクニカルな立ち上がりを見せる。しかしそう思ったのもつかの間、MACHIKOがデビルのマスクに手をかけたところで試合が一気に血なまぐさくなる。FWがロープを使って刹那の腕殺しを仕掛けたり、ブラジェネは鬼姫をレフリーごとクロスボンバーに巻き込んだりと荒れた展開に。両チーム五分の展開ながら、最後はやはりベテランREIKOが巧さを見せ、REIKOを持ち上げようとした久保をくるっと丸め込んでそれまでの展開を感じさせないあっさりとした3カウントを奪った。

コメント:
REIKO 「ま、所詮は体力バカのブラジェネよね。あいつらとは頭の出来が違うのよ、こっちは」
 
第5試合環太平洋ジュニアヘビー級シングル王者決定戦60分一本勝負
セラフィム・レイ vs オリビア×
15分35秒、エンジェル・ハイロゥ
※セラフィム・レイが第3代王者に
 突然のタイトルマッチに、気分が盛り上がらない両選手および会場。しかし、レイはさすがに入場から会場を煽りつつ、自分もテンションアップさせていく。ところがオリビアは不機嫌さを隠そうともせずふてくされた表情での入場。せっかく盛り上げようとしたレイの努力を無駄にしてしまう。
 しかしゴング直後、少し気が抜けていた様子のレイに向かって猛ダッシュしたオリビアは、いきなりコーナーに押し込んでストンピングの嵐を見舞う。さらにレイを引きずり起こして、ふらついているところにマッハパンチ。大の字で倒れたレイを踏みつけて、開始30秒でフォールに入るオリビア。しかしレイ、これで負けてたまるかと肩を上げると、そのまま場外へ逃げて間合いを取る。
 開始早々の奇襲が功を奏したオリビアのペースで試合が進む。しかしレイもうまく間を取って落ち着かせると、オリビアのペンデュラムバックブリーカー狙いをコルバタで切り返してからオリビアに飛びついてクリストで極める。さらにロザリオで放り投げた後は首4の字でスタミナを奪いにかかるなど、得意の跳ね回る動きで形勢を逆転させる。
 レイ有利に進む中、フィニッシュ狙いでスワンダイブから飛びつこうとするレイ。しかしオリビアはこれをパンチで迎撃すると、腕を取りつつフロントネックロックで固めるザトペックホールドでレイにギブアップを迫る。極め方が甘かったか、これは徐々にレイがロープに近づきブレイク。ロープにもたれて息をつくレイを捕まえようとするオリビアだが、体を入れ替えたレイがオリビアを場外に放り落とす。そして場外弾バミューダ・トライアングルでオリビアに降りかかるレイ。深追いせずすぐにリング上に戻ったレイは、ロコモーションダブルアームスープレックスからフォール。カウントを取るレフリーだが、デビル・メイガスが蒲田レフリーを蹴り飛ばしてこれを妨害。さらにレフリーがうずくまる間に久保と刹那がクロスボンバー、そして雅が焦熱地獄(スプレー缶を使った火炎放射)、華山がレッドボックス攻撃と一気にリング上は混沌とした状態になる。しかし川部ら正規軍と芹沢レフリーが飛び出してブラジェネのセコンド陣を追い払い、芹沢がそのままレフリングを交代する。それでも大きなダメージを受けたレイを捕まえたオリビアが、首をかっ切るポーズから阪神タイガー・スープレックスを発射。あわや3カウントというところ、なんとかレイは肩を上げる。それならばとオリビアはB3ボムことビッグ・バン・バニー・ボムでレイをマットに叩きつけようとする。しかしレイはなんとかこれを振りほどいて背後に着地すると、そのままロープへ向かって走り出す。追いかけようとしたオリビアに、ロープに飛び乗った反動で振り向きざまにはなったミサイルキック、ドミニオン・スラッシュがクリーンヒットした。そして、オリビアの背後のコーナーから、前方回転ウラカン・ラナ、エンジェル・ハイロゥで丸め込む。これでカウントが3,入った。

コメント:
セラフィム・レイ 「あはは、これで6人タッグと合わせて環太平洋王座は二つ目だね。…1年近く6人タッグは防衛してないけど。こんどKIZUNAに参加して防衛戦してくるか。さて、せっかくだからもう一個ももらっちゃおうかな〜。ジュニアタッグのことね。幸いうちにはがしゅ子ちゃんという強力なジュニア戦士がいるし。んふふ、張り切っちゃうよ〜。あー、それにしてもさんざんやってくれたな〜。きつかった…」

オリビア 「レフリーのえこひいきや、あれは! 明らかにカウント早かったやないかい! うちは負けてへん!負けてへんからな!」
第6試合タッグマッチ30分一本勝負
豊嶋奈美
ソーニャ
vs ラブリーベル
スペル・ティグレス
×
15分52秒、ビクトル式膝十字固め
 無差別シングルへ向けた前哨戦。気合い十分の豊嶋だが、少し入れ込み過ぎの様子でベルのジャベに捕らえられてしまう。ソーニャのフォローで仕切りなおした後も、空回り気味の豊嶋。ティグレスのナイスジャーマンであわや3カウントの場面もあり、調子がよくないのかと思われた。しかしベルのエンポリオ・アルマニッシュを剣山で迎撃した後、「ムーンサルトプレスはこうやるものだ」といわんばかりの一撃でその存在感は示した。最後はソーニャが膝十字でティグレスからギブアップを奪い、タイトルマッチを前にした2人は直接星の取り合いをせずであった。

コメント:
スペル・ティグレス「ベル様の援護射撃ができればよかったんですけど…悔しいけどFWは層が厚いですね。ボクが何とか頑張らないとっ」