2月12日(日) 石川県産業展示館
 第1試合開始前にREIKOとMACHIKOが姿を現す。
MACHIKO 「さて、前回環太平洋ジュニアヘビー級タッグ王座の争奪戦をやるって言ったわけ、主催は私で。それで探させたところ、幸運にもWWPLの倉庫にちゃんと作っただけで使ってなかったタッグのベルトが埃かぶってたのよ。これで来月にでも開催出来るから、希望者は連絡してきなさい。まあ、全部徒労に終わることになるけれど」
REIKO 「それと、DIA解散のゴタゴタでどこにいったか分からなくなったジュニアシングルの方、これも第3代王者の決定戦をうちでやるわ。こっちは結構どうでもいいんで、適当に…そうね、レイとオリビア。あんたたちでいいわ、あんた達で王者決定戦やりなさい。ベルトはないから、今度作らせることになるけど、完成次第にやってもらうわよ」
MACHIKO 「WWPLタイトルと環太平洋タイトル、最終的には全てファニーウイングスが頂くわ。レイかオリビアかどっちが取るか知らないけど、私が手にするまで大事に磨いておくようにね」
第1試合15分一本勝負
カエデ vs コットン環×
10分44秒、スクールボーイ
※カエデは膝を負傷、3週間の出場停止
 カエデのスピードを殺そうと、環はアイアンクローを膝に仕掛けていく。さらにニークラッシャーや膝へのニードロップと、勝利を意識した厳しい攻め。それでも後輩に負けるわけには行かぬとコルバタからのスクールボーイでカエデが勝利。しかし、その後膝の検査をしたところ靱帯に損傷が見られ、3週間の出場停止となってしまった。

コメント:
カエデ(病院でのコメント) 「後輩に壊されてしまうような鍛え方しかしてこなかった拙者の落ち度でござる。鍛え直して、出直しでござるな」

コットン環 「勝ちを狙いに行かないと仕方ないもの、私は」
 
第2試合6人タッグマッチ30分一本勝負
香取梢
×沢田ちひろ
坂本ジュリア
vs デビル・メイガス
刹那
12分54秒、順逆自在の術
 まさに暴風のように暴れ回る刹那を、正規軍が止めるために3人がかり。香取と沢田が左右から組み付くが、刹那は2人まとめてアームホイップ。さらに正面から来ようとしていた坂本をベアハッグで捕まえる。そして逆に香取が捕まり、集中攻撃を受けてしまう。香取はデビルにスタナー、雅にDDTを同時に決めるテクニカルな動きで脱出するが、流れを取り戻すには至らない。沢田が何とか丸め込みで勝利を狙おうとするが、それも雅によって切り替えされ、逆にフォールされてしまった。

コメント:
坂本ジュリア 「がっでむ! 私が役に立てなかったから! 香取さん、沢田さん、すみませんでしたっ!」
 
第3試合タッグマッチ30分一本勝負
カーシャ・イワノヴナ
×MARINA
vs REIKO
MACHIKO
11分32秒、踏みつけフォール:エクスカリバー
 新設される環太平洋ジュニアヘビー級タッグ王座。その争奪戦開催をMACHIKOが提唱した。そして、その争奪戦に出場するのがREIKOとMACHIKOのファニーウイングステクニシャンコンビと、カーシャとMARINAのダブルドラゴン直弟子コンビ。大会前の肌あわせである。
 ファニーウイングス組はベテランの貫禄、試合全体をよく見て流れをコントロール。カーシャもMARINAも個々の動き自体は素晴らしいものを見せるが、特にMARINAがFW組の間合いによってコントロールされ、蜘蛛の網にかかった蝶のように苦しい展開。REIKOは昨年カーシャに苦汁をなめさせられた鬱憤を晴らそうとカーシャを狙うが、ここはカーシャうまくサンボ仕込みのサブミッションで逆にREIKOに一矢報いる。
 しかしそれでも流れを変えることは出来ない。結局REIKOのエクスカリバーでMARINAの頭がマットに串刺しにされ、そのまま試合終了となってしまった。
REIKO 「ったく、忌々しいロシア人ね! 退団したんだったら正規軍なんて放っておいて、どっか行ってしまえばいいじゃない! そうすれば可哀想なMARINAがこんなボロボロにならなくてすんだのに」
MACHIKO 「まあ、これで分かったでしょ、私とREIKOが組むことの意味が。技術、経験、頭脳、美貌のどれを取っても、私達に勝てるジュニアはいないわ。まあ、でも哀れなあんた達にせめて少しでも見せ場をあげてもいいんだけどね。…その肌の白さ、いい血化粧のキャンパスになりそうだから」
REIKO 「それは見物だわ…くくく、あはははははははは!」

コメント:
REIKO 「これで分かったでしょ?実力と格の違いって奴がね!」
MACHIKO 「私達が本領発揮したら、この程度じゃすまないわよ。それでも自信があるなら、タッグベルト争奪戦に挑んでくればいいわ。その自信を血にまみれた絶望へと変えてあげるから」

 
第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負
ラブリーベル
スペル・ティグレス

×セラフィム・レイ
vs 高村あかね
久保渚
オリビア
14分27秒、ファイヤーボンバー
 望月がシングル戦を行うため、高村がなんとブラジェネと組んでの登場となった。どことなく信用出来ないという様子を見せる高村だが、オリビアがまあまあそんな怖い目せんといてな、となだめて先発を買って出る。
 REIKOの勝手な決定によってレイとオリビアの環太平洋ジュニアヘビー級シングルの前哨戦にもなってしまったこの試合、しかし当人同士はそういわれてもいきなりそれに向けての気持ちの切り替えをしようもない。だが、ブラジェネが傍若無人に暴れ回るのはいつものことと、意外にも高村のフォローもこなしながら、レッドボックスや場外乱闘でらしさを見せる。
 ティグレスはいいチャンスとばかりに高村に向かっていく。ティグレスボンバーとジャンピングハイキックの撃ち合いから、リバースバイパーホールド風のジャベ、ロゼッタストーンで高村を固める。高村、これを脱出するとオリビアが持ち込んできた机に向かってティグレスをパワーボムで叩きつける。起きあがろうとしたティグレス、そこに久保とオリビアが左右からティグレスの頭を挟み込むようにサンドイッチドロップキックを決めた。
 連携で負けたくないトリコロール。ベルがアームドラッグでオリビアをコーナーに逆さ磔にしてしまうと、ティグレス、レイと串刺しのドロップキックを放つ。そして高村、久保を場外に追いやるとプランチャ、スペースフライングタイガードロップ、トペ・スイシーダの場外弾3連発。これで流れを掴んだかと思われたが、場外で高村のエクストリーム殺法が本領を発揮。オリビアから渡されたレッドボックスも使いこなした高村、最後はレイをリング上でファイヤーボンバーによって仕留めた。

コメント:
オリビア 「気持ちよう暴れさせてもらったわ! 無理に干渉せえへんかったらESともやっていけそうやと思わんか?」
久保渚 「たしかに、お前ぇは楽しそうだったがな…」
オリビア 「なんやナギー、機嫌悪そうやな」
久保渚 「俺は嫌だぜ、あいつらと共闘なんてよ。あいつらはぶちのめす相手だ」
オリビア 「ふむ、確かに気ぃつけんと主導権奪われそうやしなあ」

高村あかね 「組まれたからね、プロなら試合しないと。イス使ったり、机とかあかねたちも使うしさ。ただ、試合ぶち壊すつもりなら、黙ってないから。ヒールファイトっていうのは試合を構築するもので、試合壊すものじゃないでしょ? あかねのエクストリームっていうのは、激しく強く、そして試合をリードして構築するものだから。ティグレス? まだまだ青いよ。結局、中途半端だもん。ルチャなのは別にいいけど、パワーファイトなのか、動きのファイトなのか全然わかんない。スタイル確立してないんだもん。だからあかねは興味もないよ。あかねたちの相手はFWだけだしね」

ラブリーベル 「まさか高村さんがあのままお下品なブラジェネと共闘されるとは思いませんが…手を結ばなくとも試合カードとして今後も組まれる可能性はありそうですわね。どちらか一方だけに意識を向けるわけにはいけないので、やっかいですわね。手強いのは高村さん、しかし鬱陶しいのはブラジェネ…」
スペル・ティグレス「高村さんとは軍団とか抜きにしてもっとやりあいたいですね。道具とか場外戦とかにしても他の人たちとは違う…そんな気がします。ブラジェネなんかと組まされてちゃあダメですよね」
 
第5試合タッグマッチ30分一本勝負
ソーニャ
×鬼姫結梨花
vs 川部雪江
青柳つかさ
12分54秒、高角度脇固め
 鬼姫は先月奪い取った無差別タッグのベルトを高々と掲げて入場。正規軍の2人にも見せつけるようにそれを突き出し、どんなもんだと挑発していく。
 ソーニャと川部、鬼姫と青柳がそれぞれぶつかり合う試合展開。鬼姫がグラウンドの攻防から主導権を握るが、ソーニャとチェンジするタイミングを逸してしまい、正規軍に捕まり始める。逆に川部のサブミッションで全身を痛めつけられた鬼姫、最後は無理矢理放とうとした鬼風車を切り替えされての高角度脇固めにギブアップ。

コメント:
青柳つかさ「ちょっと調子が良くなったら周りが見えなくなるってのは、あんたの妹とは思えないわね。ま、こっちとしちゃそこにつけいる隙があるわけだけど。まあ、まだまだあいつは姉貴の足元には及んでないってことさね」

鬼姫結梨花 「あーくそう、ああいうところだけは反則的にうまいんだよなあ…」
 
第6試合30分一本勝負
豊嶋奈美 vs 望月登子×
23分17秒、J.O.サイクロン
 WWPL無差別級シングルの奪還、その前に豊嶋がやらなければならないこと。それは、豊嶋からベルトを奪っていった望月にその時の借りを返すことである。望月にとっても、シングルマッチで奪われたわけではないシングルタイトル、その決着をベルとつけたいところ。そのアピールに豊嶋を倒すことはこれ以上ないものとなる。
 ゴングが鳴っても微動だにせずお互いをにらみ付ける両者。しかしその体には抑えきれないエネルギーが満ちている。レフリーが戦うように「ファイッ!」と声をかけた瞬間、弾かれたように飛び出す。豊嶋のエルボー、望月のフロントキックが共に同時に決まる。すると両者、同時に互いの頬を張っていく。ここは身長のある豊嶋が打ち勝ち、ふらつく望月にドロップキック。大きく受け身を取る望月。ドロップキック一発でも強烈な当たりを誇る豊嶋、場外へ退避した望月へ今度は三角飛びプランチャの追い打ちをかける。
 序盤は豊嶋ペースだったが、徐々にローキックを連射していく望月が嵩にかかって攻め立て始める。耐えきれず尻餅をついた豊嶋に背中、胸元と前後を問わずサッカーボールキックを仕掛けた望月は、パワーボムホイップからスリーパーへ。2分に渡りスリーパーで攻めた望月だが、なんと望月の背後からREIKOが急襲、その側頭部を蹴り倒してすぐにリングの外へ。助けられた豊嶋だが、その目は「余計なことを」とREIKOを責めるよう。しかし空気を求めて咳き込むその顔に、余裕の色はない。
 息が詰まるような攻防は徐々に激しさを増す。望月は膝蹴り、ストンピングと豊嶋の胸から腹部を集中攻撃。とにかくスタミナを奪いにかかる。ふらつく豊嶋にハイキックを放った望月だが、それを両手でガードする豊嶋。そしてその背後を取ってジャーマンスープレックス。しかしホールドが甘く、望月は後転し手足から着地。あわてて起きあがろうとする豊嶋に最強ハイキックを決めて、フォール。ところが豊嶋、これをカウント2で返していく。悔しがる望月をバックドロップで投げ捨てた豊嶋は、ムーンサルトプレスで3カウントを狙う。だが、今度は望月がこれに耐える。しかしムーンサルトプレスの使い手の多いWWPLにあってもその破壊力はナンバーワンと言われる豊嶋のムーンサルト、望月のダメージは大きい。起きあがるのがやっとの望月に豊嶋は得意のJ.O.サイクロンでとどめを刺した。
 勝利したとはいえダメージが大きく、REIKOに肩を借りつつ立ち上がった豊嶋。それでもマイクを要求するとラブリーベルを呼び出す。
豊嶋奈美 「これで、私の体勢は万全になったわ…あとは、王者の、あなたの心次第…。この試合に恐れをなしたのでなければ、私の挑戦を、受けなさい」
ラブリーベル 「まるであなたの方が王者のような言い回しですわね。さすがはWWPLの女王を自認しているだけありますわ。ですが、選択権はこちらですのよ。…とは言っても、この状態で断るような野暮な真似はしませんわ。シングルタイトルへの挑戦を全て成功させている最強の挑戦者、豊嶋奈美。いいでしょう、かかってらっしゃい。わたくしラブリーベルが、挑戦者豊嶋奈美を破る初の王者となって見せますわ。今月最終戦、新潟フェイズで。体調は万全でお願いしますわよ」

コメント:
豊嶋奈美 「これで、お膳立ては整ったわ。早くベルトを取り返さないと、腰が寂しくていけないもの」

望月登子 「くそ、もっと重い奴のムーンサルトだって何度も受けてるんだけどな…なんであいつのムーンサルトはあんなに重いんだか…。押しつぶされたよ。ベルとの決着は、ノンタイトルでやるしかないか…悔しいけど」