1月29日(日) 千葉県幕張メッセ国際展示場 | ||
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第1試合の前にファニーウイングスがリング上に姿を現す。 豊嶋奈美 「今日ここに来たお客様方はとても運がいいわ。いままでタッグが弱い弱いと言い続けられてきた私が、初のタッグタイトルを獲得するその瞬間を目にすることが出来るのだから」 隣で、うんうんと鬼姫結梨花が頷いている。 REIKO 「あたし達の熱心なファンならご存じの通り、最近の奈美はタッグでもその実力を十二分に発揮出来るようになったの。ふふ、それもこれもあたしの軍団であるファニーウイングスに加入したからね。世の中、悪くて綺麗な女こそが頂点に立てるのよ」 鬼姫結梨花 「まあ、わたしと豊嶋さんのタッグってのが、微妙にREIKOさんの思惑からハズレ気味ではあるけど、それでも頂けるものは頂くから。虎娘に先を越されたけど、同期中での無差別初戴冠はわたしだ! と、どこぞのプロレス誌の選手名鑑に今年の抱負としてそう書いたし」 REIKO 「あ、そうだ、抱負で思い出したけど。うちのLINAがメキシコいきたいって言ってたわね。あれ、LINA、どこ?」 豊嶋奈美 「LINAちゃんならREALでやってるパンサーズロードの興行にいってるわよ。REIKO、ボケた?」 REIKO 「あ、あんたじゃないんだからボケたとかいうな! 単に興味がなかったから知らなかっただけよ。んで、まあメキシコ行きたいなら行けばいいじゃないということで、LINAは来月からメキシコ行きね。TMLLに半年ほど放り込んでおけば十分でしょ」 豊嶋奈美 「話がそれたけれど、WWPLのエースはラブリーベルでも川部雪江でもなく、この私。そのことを思い知らせてあげる」 そこで姿を現すトリコロール。 ラブリーベル 「おーっほっほっほっほ! いい加減にご自分の時代ではないことを悟ってはいかがですの? これからは華麗なりしこのトリコロールこそがWWPLの牽引車となっていくのですわ!」 スペル・ティグレス 「そうだそうだ! 豊嶋さんも、結梨花ちゃんも、今日のタイトルマッチできついお灸を据えてあげるんだから!」 |
■第1試合 | ||
×沢田ちひろ コットン環 |
vs | 雅○ カエデ |
10分40秒、順逆自在の術 | ||
距離を取ってロープワークやティヘラを中心に組み立てていく雅とカエデの忍者タッグ。沢田も環も組み合ってからのレスリングを得意としているだけに、やりにくさを感じている様子を見せる。しかし、カエデを捕まえた環がその顔面をアイアンクローで絞り上げると、カエデの口から悲鳴が上がる。雅のカットを沢田が封じ、カエデあわやアイアンクローでギブアップかと思われたが、環が技を解くまで何とか耐えきる。最後は雅が沢田に押さえ込まれかけたところを逆に丸め込み、巧さを見せた。 コメント: カエデ 「頭が割れるかと思ったでござる…。しかし我々くのいち組、息があってまいりましたな」 雅 「結局そのこっぱずかしい名前なわけ? まああんたに負けたのが運の尽きだったみたいだけど…」 カエデ 「雅殿、反則など無くても十分に戦えるではござらんか。ぶらじぇねなど見限って、正規軍として頑張りませぬか」 雅 「…あんたこそ、メキシコいた時みたいに、ルーダやればいいのに。ブラジェネなら歓迎すると思うわよ」 カエデ 「む…」 |
■第2試合タッグマッチ30分一本勝負 | ||
○セラフィム・レイ MARINA |
vs | 刹那 華山麗子× |
9分31秒、バイブル | ||
華山相手にキレのいいアームホイップを見せるMARINA。さらに倒れた華山へヘッドドロップを仕掛けて命中させる。MARINAはドロップキックとアームホイップを中心に組み立て、得意の頭突きは要所で仕掛けて自爆を避けるという堅実な試合運び。さらにレイが空中を舞うように動き回り、ブラジェネを翻弄する。しかしMARINAのボディアタックを刹那がキャッチし、さらにレイも援護のボディアタックをしたがなんと刹那これも受け止め、2人まとめて後方へ放り投げるという怪力ぶりを見せる。そこでレイがティヘラで刹那を場外に落とし、華山を集中攻撃。刹那にはMARINAがトペ・スイシーダでぶつかって場外で足止めし、レイが高速の回転十字固めであるバイブルで3カウントを奪った。 コメント: セラフィム・レイ 「うんうん、MARINAちゃん今日はよかったね。こう、もうすぐ4年のキャリアっていう自覚が出てきた感じ。でももうちょっとお客さんの方を気にして盛り上げようね、なんか怖かったから」 MARINA 「試合に集中してのめり込みすぎてしまったのです。途中スパーリングの時みたいな感覚になってしまったのは反省するのです」 |
■第3試合タッグマッチ30分一本勝負 | ||
キャノンボール焔 ×マンティス笹倉 |
vs | NANA○ 長宗我部美幸 |
12分8秒、飛びつき腕十字 | ||
NANAが「バリヤー!」と叫んで手で壁を作る仕草。焔はNANAに向かって体当たりをしていくが、壁に阻まれてたどり着けない。殴っても蹴っても破れないバリヤーだが、笹倉がドアノブを設置してそれをあける仕草でこのバリヤー?を解除し、ここでやっと焔のエルボーがNANAへ届いた。 笹倉があっちむいてほいを長宗我部に仕掛けたところで背後から焔が長宗我部にスクールボーイ。普段長宗我部がやっているムーブだが、自分が受けると面食らうのか危うく3カウントが入りかける。コミカルな調子で展開された試合だが、10分過ぎからめまぐるしくフィニッシュを狙う展開に。そして最後はNANAが宝刀飛びつき腕十字を完璧に決め、流石の勝利。 コメント: 長宗我部美幸 「…欠陥バリア」 NANA 「むぅっ、もうちょっと研究の余地があるのだ」 長宗我部美幸 「でも、完璧なバリアを張ったら試合にならない…」 NANA 「むむむっ…」 キャノンボール焔「まっ、たまにはスクールボーイなんかもね。極め技や固め技も多少は使えるトコ見せとかないと」 マンティス笹倉「ん〜っ、最初辺りは力押しにしか見えんかったけど?! まっ、冗談はともかく。前回も思うたけど、NANAはんと教祖はんって意外とウマが合うちょるよ〜な気がしますなぁ〜」 |
■第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負 | ||
○望月登子 高村あかね 青柳つかさ |
vs | 久保渚× オリビア デビル・メイガス |
11分40秒、片エビ固め:最強ハイキック | ||
先日正規軍入りが報道された青柳だが、この日は既に発表されていたカード通りにESと組んでの6人タッグマッチを行う。ESもブラジェネも、お互いバチバチとした試合を展開。攻撃の一発一発から痛みが伝わっていく。場外乱闘も含め、休む暇のない闘志むき出しの激戦。久保がダブルラリアットで望月と高村をまとめてなぎ倒せば、望月はもの激しい蹴りのラッシュを久保の胸板に叩き込む。デビルのレッドボックス攻撃は青柳の回し蹴りに阻まれ、高村がオリビアにパワーボムとES側が一気に攻め込み、最後は望月が最強ハイキックで久保を蹴り倒した。 コメント: 望月登子 「ブラジェネに負けてる場合じゃないからな。確かに試合自体は面白いレベルになったけど、まだまだ連中じゃ力不足だ」 青柳つかさ「ブラジェネにしろそれ以外の連中にしろ、いつまでもでかい顔させとくわけにも行かないから、ちょっとまあ考えながらやんないとね。来月からは正規軍の反攻が始まるから楽しみにしてなさいよ」 |
■第5試合6人タッグマッチ30分一本勝負 | ||
REIKO ソーニャ ×MACHIKO |
vs | 川部雪江 カーシャ・イワノヴナ○ 香取梢 |
17分43秒、ノーザンライトプレス | ||
正規軍の攻撃は「裏切り者」MACHIKOに集中。しかしMACHIKOも川部とカーシャを同時に捉える卍コブラや、香取のDDT狙いをダブルリストアームサルトで切り返すという巧者ぶりを見せる。さらにREIKOの延髄斬り、ソーニャの七色スープレックスが次々と決まってファニーウイングス優勢。しかしここで踏ん張りどころを見せた正規軍は、川部の御魂狩り、香取のスイングDDTと得意技から反撃開始。そしてカーシャが最後はダイヤモンドダストからのノーザンライトプレス(アラビアンプレス)でMACHIKOからピンフォール。正規軍の意地を見せた。 コメント: 川部雪江 「MACHIKOさんから取れたのは大きいですね。彼女に大きな顔をさせていては、私達を裏切ったことが彼女にとって正しかったことになってしまいますから。REIKOさんも、豊嶋さんも、ソーニャさんも、私がしっかり倒して、あの人達のやり口をこれ以上拡大させないように頑張ります」 カーシャ・イワノヴナ 「正規軍の助っ人とはいえ、『フリー』の肩書きが付いてると片身が狭いですね(苦笑) …とはいえ、助っ人は助っ人らしく頑張りますよ。FWの牙城を確実に切り崩していきますので」 REIKO 「ちょっとMACHIKO、あんた負け癖ついてない? あたしにまで伝染させないでよ」 MACHIKO 「大丈夫、今は1年間ベビーフェイスやってた感覚をそぎ落としてるところだから。まあ見てなさいよ、このブラッディマジシャンが本領発揮したらどうなるかをね。ふふふ」 |
■第6試合WWPL無差別級タッグ防衛戦60分一本勝負 | ||
ラブリーベル ×スペル・ティグレス |
vs | 豊嶋奈美○ 鬼姫結梨花 |
鬼姫を先導に、堂々の入場を見せる豊嶋。セラフィム・レイを加えて3人で、ファッションショーのような演出での入場を行う王者チーム。共に自信満々で強気の姿勢である。コールを受けた後、鬼姫がニヤニヤと笑みを浮かべながら右手を差し出す。その後ろから豊嶋は腕を組んでそれを見つめている。ベルとティグレスは顔を見合わせると、肩をすくめてコーナーに下がる。鬼姫はスカされた手をひらひらと所在なげに動かしていたが、残念そうに頭をかき、下がっていく。 挑戦者組はそれが当然という自然さで、豊嶋がエプロンに移動した。鬼姫が「さあ、どっちが来る?」とベル、ティグレスを交互に指さす。ここで王者組、なんとじゃんけんで先発を決定。チョキで勝利したティグレスが、鬼姫と向かい合う。 ゴングと同時にかけ出すティグレスと鬼姫。鬼姫のエルボーをかいくぐったティグレスは、背後から鬼姫の足をすくいグラウンドへ。めまぐるしく動くもののお互い極めきれず距離を取る。今度はゆっくりと手を伸ばし合う両者。まずはティグレスの左手と鬼姫の右手が組まれる。そして鬼姫は左手をマットにつくほど下げていく。ティグレスはそれに向かって手を伸ばすが、鬼姫ここでその手を踏みつけ、してやったりの表情。涙目のティグレスは、ドロップキックを放ってこれに返す。鬼姫はそのまま場外へ転がり出る。するとティグレス、それを追いかけて場外ダイブ、に見せかけてエプロンに降り立つ。フェイントに成功したティグレスは、鬼姫に舌を出して挑発。ところがその瞬間、エプロン伝いに近づいていた豊嶋のドロップキックを受けてティグレスは場外へ転落。 すかさずリング内に飛び込んだ豊嶋は、赤コーナーから出てきたラブリーベルと対峙する。ローキックで牽制していくベル。豊嶋は数度目のローキックを背後に飛んでかわすとそのままロープに体を預け、そのリバウンドで勢いをつけたドロップキック。ベルは大きく受け身を取る。豊嶋はさらにドロップキックを放ち、間合いを詰めてきたベルの腕を取ってハンマースルー。ロープリバウンドで戻ってくるベルへ、キチンシンク。胃を強力に打たれたベルはしばしマットにうずくまる。しかしベルは近づいてきた豊嶋の腕を取ると、ジャベの連携で豊嶋の各所を攻撃していく。柔軟性に自信のある豊嶋も、メキシコ式の複数関節を同時に極めていくジャベに苦しむ。 10分過ぎ、豊嶋に逆エビ固めで腰を攻められるティグレス。ロープに手を伸ばそうとするが、鬼姫がロープを引っ張って届かせない。ティグレスは鬼姫をにらみ付けた後、大きく声を上げながら体をロープ際へと引きずり寄せてブレイク。息をつくティグレスの背後から豊嶋がドロップキックを見舞うが、これはティグレスが気配を察知して横に転がり、結果ドロップキックはロープの間を通って場外の鬼姫へ。すかさずティグレス、スペースフライングタイガードロップの大技で豊嶋に降りかかっていく。 15分過ぎから王者チームが優勢に。豊嶋を場外に追いやると、ベルが次々とジャベを繰り出して鬼姫にギブアップを迫る。耐えきった鬼姫に、しかしティグレスが低空ティグレスボンバーのシャラポワで鬼姫を宙に舞わせる。そしてデスバレーボムからフィニッシュ宣言と共にラブリーベルがエンポリオ・アルマニッシュ、アルマニッシュ・エクスチェンジと繋ぎ、必殺のラブリーロックを極めにかかる。しかし豊嶋が本部席から奪ったマイクをベルに投げつけて場外からこれを阻止。それならばと立ち上がった鬼姫につま先蹴りを入れたティグレス、前傾姿勢となった鬼姫のその背中に飛び乗る。スカイウイングドライバーの形だ。しかしティグレスが大きく手を広げた瞬間、鬼姫が自分の腕を大きく回してティグレスの腕に引っかけると、なんとゴリースペシャルの形になってしまう。ベルが救出に向かうと、鬼姫は即座にティグレスを後方に放り出してラストインプレッションでベルを迎撃。あとを豊嶋に託す。 豊嶋のジャーマン狙いを逆に背後を取ってジャーマンで投げていくティグレス。しかしブリッジが崩れダメージは小さい。豊嶋がJ.O.サイクロンを狙ってティグレスを担ぎ上げるが、これもティグレス振りほどくと背後に着地してスクールボーイ。豊嶋、これもカウント2で返していく。両者が立ち上がった瞬間、豊嶋が強烈にティグレスの頬を張る。思わぬ攻撃に崩れそうになるティグレスに組み付いた豊嶋、ティグレスの手首をクラッチすると持ち上げてサイドに落とす、女王蜂の一刺し、J.O.クインビー・ボム。この一撃で決着がついた。 |
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○豊嶋奈美(20分56秒、片エビ固め:J.O.クインビー・ボム)スペル・ティグレス× ※第8代王者が4度目の防衛に失敗。挑戦者組が第9代王者に |
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これがタッグ初戴冠となる豊嶋。流石に喜びを隠さず、パートナーの結梨花を抱き寄せて健闘をたたえる。集中攻撃を受けていた鬼姫は立っているのがやっとの状態であったが、それでも満面の笑みでそれに応える。一方のベルは悔しさをにじませながら立ち上がれないティグレスにコールドスプレーを吹きかけ、手当をしていた。 コメント: 豊嶋奈美 「これでまずはタッグベルトがFWの手に戻ってきたわね。次は、当然シングルだけど…その前にまず、望月さんに借りを返さないと。その上で、ベルさんの持つ無差別シングルへの挑戦を表明します」 鬼姫結梨花 「あーきつかった。でも念願の無差別タイトルっすよー。無理してアピールした甲斐があったかな、奈美さんの初のタッグタイトル、そのパートナーとして名前が刻まれるんだもんね。あー、それにしてもきつかった…。でもベルにうるさい蝿呼ばわりされてたから、ぶんぶん動き回ってやったんだよ、ざまあみろっての。たたきつぶせなかった役に立たない蠅叩きだよねー」 豊嶋奈美 「彼女がいってたのは耳元の蚊、じゃなかった?」 鬼姫結梨花 「え? あ、いやそれはあれですよ、相手の発言なんてよく気にとめてないって事で」 ラブリーベル 「…油断していたとは、思いたくないですわね。ですが実力負けをしたという実感もありませんから…当分、すっきり出来そうにありません」 スペル・ティグレス「結梨花ちゃん相手に決めそこなったのが敗因です…ほんと、すいませんでした…っ」 |