3月21日(月) 北海道札幌テイセンホール
第1試合タッグマッチ20分一本勝負
青柳つかさ
九頭竜紅葉
vs 香取梢×
風祭元気
6分30秒、片エビ固め:バックドロップ
 キャリア差から攻め込まれる九頭竜だが、風祭の隙をついてジャベで切り返して青柳と交代。青柳得意の空手殺法が香取、風祭に炸裂。香取は正面からぶつかるが、体格の違いもあって攻めきれない。青柳は動きの止まった香取をバックドロップからフォール。九頭竜が風祭をジャベに捕らえてカットを封じ、そのまま3カウント。

コメント:
青柳つかさ「九頭竜はちょっと調子良さそうだったから任せてみたんだけど。ま、上出来の部類かね。いわゆる正規軍は人数が手薄だからね、がんばりゃ良いことあるって吹いたら結構その気になってくれたわ。さて、今日はすすきのでMACHIKOと打ち合わせでもするかね、内容は内緒」
 
第2試合タッグマッチ20分一本勝負
キャノンボール焔
○マンティス笹倉
vs 長宗我部美幸×
MARINA
9分43秒、エビ固め
 焔のエルボーをおでこで受け止めたMARINA。焔は肘を、MARINAは頭を抱えて痛がりながら場外へ転がり出て行く。笹倉と長宗我部は腕の取り合いからのグラウンドと正統派の展開。しかし長宗我部がレフリーの注意を焔へ向けさせると、場外のMARINAが笹倉へ椅子パス。しかし笹倉は受け取ってすぐエプロンサイドに放り出して偽証反則を封じる。その後アンバランスは長宗我部の動きに混乱させられながらも、引きずり込まれることなく対処して最後は長宗我部との丸め込み合戦に勝利した笹倉が3カウントを奪った。

コメント:
キャノンボール焔「っくぅ〜っ! 相変わらずMARINAさんの頭は効く! まだ『当ててる』から良いけど。『当たった』ら洒落にならないなぁ〜、あれは!」
マンティス笹倉「偽証狙いも良ござんすがね。その手筋は既に読めちょるけん、別ン絡め手が欲しかトコですわな〜。丸め込みでン読み合いも、も〜ちょい楽しみたかったですけぇ」
 
第3試合WWPLウェルター級王者決定リーグ戦30分一本勝負
沢田ちひろ
(勝ち点2)
vs 坂本ジュリア×
(勝ち点0)
10分44秒、片エビ固め:オレンジスタンプ
 決定戦進出はLINAと西園寺に決定してしまったため、リーグ戦としては消化試合となってしまった。しかし両名とも勝ち点がないため、全敗は免れたいと正面からぶつかる。グラウンドで沢田が優勢だが、坂本もドロップキックの連発や、がむしゃらな体当たりで勝利への執念を覗かせる。腕をとられた坂本が側方宙返りから切り返すところでは大きな拍手が飛ぶ。前後左右の宙返りを見せて運動能力の高さを発揮する坂本だが、地味ながらも堅実な沢田のレスリングを跳ね返すことは出来ない。沢田はボディスラムの連発からセントーン、そしてコーナー最上段に上ると強烈なダイビングフットスタンプ、オレンジスタンプで坂本のボディを打ち抜く。すぐに片エビに固め、勝ち点2を奪い取った。

コメント:
沢田ちひろ 「もう・・強気なんだからぁ。つっかれましたけどぉ何とか先輩の意地を通してみましたぁ・・。同じ会場だけど今度は自分の技が極まって良かったですぅ。はむはむ。(ミカンの房を丸ごと口の中でもぐもぐさせながらコメント。)」

坂本ジュリア 「がっでむ!いかに先輩相手だったっていっても、いっこも勝てないとは! でも終わったことはしょうがないし、初勝利目指して突っ走りますよ」
第4試合WWPLウェルター級王者決定リーグ戦30分一本勝負
×西園寺京
(勝ち点4)
vs LINA
(勝ち点6)
13分44秒、レフリーストップ
 ウェルター級の決定戦進出が決まっている両者。ここで先手をとって精神的に優位に立っておきたい。ゴングが鳴ると右回りに動いて西園寺の隙を狙うLINA。そして低空のタックルを仕掛けるが、西園寺はバックステップでこれをいなし、LINAも深追いはせずすぐに立ち上がって間合いをとる。LINAはロープにもたれかかって体重をかけると、弾かれたように突進して西園寺に組み付いていく。この速度はかわしきれなかった西園寺、正面から組み合って力比べとなる。パワーでは西園寺が勝り、上から押しつぶされるような形になっていくLINA。そこで自ら沈み込みつつ西園寺の足を刈り、グラウンドへ。しかしお互い決め手に欠き離れていく。
 手数の多いLINAだが、西園寺は受けのうまさを見せて一方的な展開にはさせず、むしろ攻めきれないLINAに焦りの色が見え始める。そして西園寺が少しずつ狙っていた膝へのダメージが蓄積されていくLINA。倒れたLINAの足をサードロープに引っかけ、エプロンからその足を掴んで場外へ飛び降りる衝撃でLINAの膝に大きなダメージを与えた西園寺は、すぐにリングに戻ると膝を固めながらの片逆エビ固めでギブアップを迫る。LINAは髪を振り乱しながらロープへ手を伸ばすが、西園寺は技を軽く解いてリング中央へ引きずっていき、再びがっちりと固めていく。ギブアップも時間の問題かと思われたが、LINAは西園寺の髪を引っ張って強引に技をはずさせる。さらに痛む足で西園寺へトラースキック、そしてパーフェクトドライバーの体勢へ入る。ところが持ち上げた瞬間、ダメージの蓄積された膝から力が抜け、バランスを崩してしまう。そして、西園寺は、脳天から危険な角度でマットに落下。あわててレフリーが駆け寄るが、西園寺の目に光はない。レフリーはゴングを要請し、即座に担架を持ってくるように指示。
 LINAが茫然自失の状態で立ちつくす中、西園寺が運び出されていく。私服姿の鬼姫がLINAの肩を抱いて引き上げさせるが、その表情からは血の気が失せて青白くなっていた……。


病院に運び込まれた西園寺は、検査の結果頸椎損傷と診断された。翌日、ウェルター級シングルの決定戦はLINAと、勝ち点2で3位となっている沢田ちひろとの間で争われることが発表された。

コメント:
 
第5試合6人タッグマッチ30分一本勝負
望月登子
支倉千代
×霧島杏子
vs デビル・メイガス

華山麗子
10分26秒、片エビ固め:斬月
 第4試合のアクシデントによるざわめきが収まらない中、やりにくそうに入場してくる支倉と霧島。その後ろを歩く望月は少なくとも外から見た限りは平然とした様子である。その入場途中、ブラジェネが背後から襲撃をかけたため会場は一転して大混乱となる。「背後からとは卑怯な!」と霧島が声を上げるが、雅は「はン、戦場で油断してる方が悪いんだよ!」と、手に持ったスプレー缶とライターによる火炎攻撃を仕掛けていく。望月は雅を背後から蹴り飛ばして霧島を救出し、「油断するのが悪いんだったよなあ!」と椅子で雅を殴りつけ、エプロンへその頭を叩きつける。さらに鉄柱を背負わせてのミドルキック。衝撃を逃がすことが出来ない雅は大ダメージを受けるが、望月はまだだとさらにもう一撃。ところが雅はその蹴りを手刀で迎撃。体重をしっかりかけたその一撃は、腕と脚のハンデを埋めきって相打ちへと持ち込む。ここでようやくゴング。
 リング上から霧島を無表情に呼び込んだ華山。しかし霧島を制して支倉がリングインすると、強烈なぶちかましで華山をはじき飛ばし、さらに起きあがらせて対角線つっぱりでコーナーへ押し込める。そして串刺しのぶちかましを狙う支倉だが、華山は素早くエプロンへ退避してこれを回避するとデビルがすかさずレッドボックスで支倉を殴打。そしてデビルマジックで支倉をしめあげる。華山がレフリーの注意をひいたため、ロープブレイクがかからず支倉は苦しくなる。しかし霧島がぶら下がっているデビルへ強烈なボディブローを叩き込んでカット。さらに追撃を狙う霧島だったが、デビルに出足を払われてバランスを崩し、リングの下へ落下。リング上では華山が支倉に押されていたものの、デビルの加勢で合体ブレンバスターで逆転。さらにデビルはスパイダーネストで支倉のスタミナを奪っていく。
 ブラジェネの激しい攻めに、望月も容赦なく蹴りを繰り出して何度もフォールへ行く。しかしそのたびにカットが入り、またレフリーのカウントを妨害されるなど決めきれない。イライラし始めた望月を華山が場外へ誘い出していく。そしてリング上では、霧島のパンチラッシュを耐えた雅が斬月で逆襲し、勝負を決めた。
 雅はリング上でマイクを持つ。
雅 「霧島、人のことを卑怯だって言うなら、それを跳ね返せる力を見せてみな。それが出来なきゃ負け犬の遠吠えなわけ。信念ってのはね、貫ける力を持ってなきゃゴミなのよ。その血を熱く、熱く!滾らせて、滾らせて!もっと、もっと!今のお前は、叩き潰す価値もない!」
望月登子 「なんだ、ブラジェネの割にはまともな主張も出来るじゃないか」
 軽く笑いをとった望月は、言葉を続ける。
望月登子 「正直いってお前らはただ卑怯で姑息で相手をいたぶれればいいっていう考えだと思ってたんだがな、少し見直したよ。少なくとも信念を貫くには力がいるってのは同意だな。お前らがどんな信念を持ってるのかは知らないけど、そういうことならお前らはこのあたしにぶつかって来てくれるんだろうな?負け犬になりたくないんだったらな」
雅 「はン、残念だけど、私らは別に信念があってやってる訳じゃないのさ。気に入らない奴はぶっ叩く、気に入った奴とは遊ぶ。それだけだよ。ただそいつらじゃあ遊びにもならないってだけ。でも、負け犬呼ばわりされるのも嫌いでね。あんたは獲物としては極上だ。血が騒ぐ。満足させてもらえるんだろうね?」
望月登子 「ちっ、その程度だったか。しょせんブラジェネかよ。まあいい、足腰立たなくなるまで満足させてやるよ」

コメント:
霧島杏子「数百発殴り足りませんでした。力及ばずです。雅さんの言う通り、力をつけねばなりませんね。望月先輩のように・・・なりたい。」
 
第6試合6人タッグマッチ30分一本勝負
松井香織
カーシャ・イワノヴナ
MACHIKO
vs オリビア
久保渚
刹那
×
18分30秒、オーロラエクスキューション
 勢いのあるブラジェネだったが、それ以上にカーシャの動きが好調。しかもルーダのやり口は熟知しているMACHIKOに、ベテランの松井とあっては思うようにペースをつかめない。オリビアと久保をMACHIKOが一人で固めてしまう卍コブラに捕らえると、刹那を松井のランニング掌底からカーシャが脱出不能のオーロラエクスキューションで極め、ギブアップを奪った。

コメント:
オリビア 「雅がしょーもないこといっとったんが気になってなあ、集中できへんかったわ。ナギーとか他の連中はしらんけど、うちと雅は単に飯の種やからプロレスやっとるだけやないか。メキシコでなにを吹き込まれてきよったんか知らんけど、好き勝手させてもらうんがうちらやからな」
久保渚 「だから勝手にああいうことをいってるんじゃねえか?オレも同意できることだったしな」
オリビア 「……ああ、ほんまや。好きなことしとればええんやもんな。問題あらへんかったなあ」

第7試合6人タッグマッチ30分一本勝負
REIKO
×豊嶋奈美
ディアナ
vs イーグル児玉
ミシェル・インフェルノ○
レーナ・グリフィス
20分29秒、体固め:ローズスマッシュ
 セイクリド・ファイヤは無差別シングル王者豊嶋を執拗に狙っていく。REIKOが要所での妨害をしていくが、児玉の豪腕ラリアットで大ダメージを受けて場外で動きを止めてしまう。ミシェルがブレンバスターで抱えたところにグリフィスがミサイルキックを放つ合体技、コメットシュートを豊嶋に決めると、グリフィスがディアナを、児玉がREIKOを抑えにかかる。とどめとミシェルが得意のローズスマッシュで豊嶋の延髄を打ち抜き、とどめを刺した。
ミシェル・インフェルノ 「前に言ったはずデース。ミス豊嶋の実力は、見切ったト! つまりはコレが、ミーの実力デース! この団体のトップレスラーも、ミーの手によって無様に地に這い蹲ったのデース! 初代四冠王者より強いこのミーこそが、タイトル戦へ出場する権利を持っていると思いマース。今回は決まってしまったことだったのが残念デスが、格の違いは分かったはずデース。カシオリもって挑戦してきて下さいというのが、チャンピオンの礼儀ネ!」

コメント:
REIKO 「見かけ倒しだと思ってたけど…。あいつら、ムラがありすぎるだけで、マックス状態は半端じゃないみたい」
豊嶋奈美 「それは多分、強引なだけのプロレスだからね。いいわ、今月の雪江相手に防衛して、ミシェルを挑戦させましょう。何かを背負って戦う人間の強さ、思い知ってもらわなければね」
 
第8試合四冠ヘビー級シングル防衛戦時間無制限一本勝負【21】
王者
川部雪江
vs 挑戦者
ソーニャ
 2000年12月、川部雪江はヨーロッパ遠征でEWPAのリングへ上がった。その時欧州デビュー戦の相手を務めたのがソーニャことソフィーヤ・パーリィ。それ以来ライバルとして欧州で、そして日本で戦ってきた両者が、世界の舞台で激突する。両者とも気合いの入った、それでいてどこか楽しそうな表情を見せて、堂々とした入場。選手コール時に投げ込まれた紙テープの量もほぼ互角。
 ゴングが鳴ると、両者間合いを計りつつ円を描くように動いていく。ソーニャが低空からタックルを仕掛けるが、川部は払うような蹴りを放ちソーニャを止める。今度は川部が組み付こうとするが、ソーニャはジャブを放って懐に入れさせず。お互い間合いに入れさせず、再びの睨み合い。同時に足を止めると、ソーニャは右手を、川部は左手を前に出しつつ近より始める。そして両者の手が触れ合った瞬間、一気にソーニャの懐に飛び込んだ川部が一本背負いでソーニャの体を跳ね上げ、マットに叩きつける。すかさず袈裟固めの形で押さえ込んでいこうとする川部だが、ソーニャは素早く川部の腕をとって関節を極めにかかる。そしてスピードのあるグラウンドでの関節取り勝負となっていく。相手を押さえ込むレスリングではなく、関節を取ることを目的とした寝技の攻防。お互いにここだけで一気に勝負をつける気はなく、勝負というより約束組み手をしているかのような、それだけに噛み合った高度でスピーディな動きに会場は引き込まれていく。そして、両者とも弾かれたように距離をとる。
 ウォーミングアップはこれで終わりとばかりに、激しい打撃技の応酬を繰り広げる両者。ソーニャはキックボクシングの技術をベースにしたようなかわして打つ動きを、川部は拳法などで見られる、相手の打撃を捌いて打つ動きで主導権を握ろうと激しく交わる。ソーニャは重心が前に崩れてきた川部を引き込むと、その勢いを利用して高角度に落とすフロントスープレックスで打撃戦を締めくくる。ここでは流れを失った川部だが、組み合いから首相撲へ移行しての膝蹴りを見舞って反撃と、両者一歩も退かない、テンポの速い試合となる。
 ソーニャがバレエ風に回転して遠心力を加えた、横殴りに放った膝蹴りを受けて崩れ落ちる川部。ソーニャは川部を引き起こすと、背後からチキンウイングチョークスリーパーを狙う。しかし川部、ソーニャの腕をとって切り返すとソーニャの背後をとる。そしてソーニャの胴に両手を回すと、そこからなんとジャーマンスープレックスホイップ。形は崩れたものの、川部が初めて見せたスープレックスに意表をつかれたソーニャは大きなダメージを負う。うつぶせになったソーニャに覆い被さった川部、腹固めを狙う。ところが、ソーニャはうつぶせになったときに懐から小さな香水スプレーを手にしており、腕をとろうとした川部の顔面に香水を吹き付けて脱出。川部はこれまでクリーンファイトに徹していたソーニャの不意打ちに対応できない。視界を奪われた川部の背後から腕を取り、今度こそチキンウイングチョークスリーパーからのスープレックス、スラーズ・マリーツァを決めるソーニャ。ジャーマンスープレックスホイップによるダメージの影響でふらつきながらも片エビに押さえ込むソーニャ。レフリーのカウントは、3。四冠ベルトが移動した瞬間であった。 
王者
×川部雪江
vs 挑戦者
ソーニャ
16分23秒、片エビ固め:スラーズ・マリーツァ【22】
※ソーニャが第4代四冠王者に


コメント: