3月4日(金) 鳥取県鳥取産業体育館 | ||
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試合開始前に姿を現した鬼姫結梨花。相変わらず右腕を吊ったまま、LINAにロープ間を開けてもらってファニーウイングスのロゴが入ったリングに上がる。 鬼姫結梨花 「さて、募集していたウェルター級王座決定戦出場者なんだけどね、結梨花ちゃんがっかりしちゃったよ。こんな時でもないと挑戦チャンスがなさそうな連中もいるのに、全然声を上げないんだもん。ユニットとか何とか考えるより先に自己主張してかないと埋もれちゃうってのにね。人ごとならがわたし情けなくて涙が出てくるよ。あまりの情けなさに笑いすぎちゃった。たとえば霧島とか九頭竜とか、お前らアホか。このわたしがせっかく慈悲をかけてチャンスを恵んでやったってのにさ」 そういって軽く肩をすくめる。 鬼姫結梨花 「さて、バカどもは放っといて、参加表明した連中は以下の通りです。まずは王者指名でLINA。それから、西園寺京、沢田ちひろ、坂本ジュリアとなってます。坂本は次の第1試合がデビュー戦だね。結果は期待してないけどやるからには盛り上げてよね。んで、争奪戦の形式なんだけど、総当たりのリーグ戦をやって、今月最終日に決定戦ね。暫定王者にしようかと思ったりもしたけど面倒だしそれで決定戦にしてしまうことにしたから。わたしが復帰したあかつきには取り返させて頂くベルトとはいえ、情けないまねはしないようにね。さて、ついでに今日の対戦カード発表を任されてしまったのでいくよ。第一試合――」 |
■第1試合坂本ジュリアデビュー戦15分一本勝負 | ||
○九頭竜紅葉 | vs | 坂本ジュリア× |
6分22秒、ジャベ・デ・クレハ | ||
REIKOがデビューまで直々に指導をしていたという、これがデビュー戦の坂本ジュリア。それを妬んだブラッディジェネレーションに先月公開リンチをくらっていたのは記憶に新しい。まずは九頭竜と腕の取り合い。九頭竜が腕をひねり上げるが、坂本はその場で手を使わずに側転をして切り返すというムーブでいきなり会場をどよめかせる。切り替えされた九頭竜だが、即座にこちらも切り返すと腕を取ったまま坂本の足を払ってグラウンドへ。坂本の手足を極めて固めていく九頭竜。脱出できずにもがく坂本だが、九頭竜はその形に納得がいかなかったようで首をかしげて手を離し、距離を取る。起きあがった坂本は気合いの声と共にドロップキックを連発。さらに九頭竜を引き起こして新女式ボディスラムと、かつて女子プロレス界を席巻していた新女の古き良き新人といったファイトを見せる。しかし九頭竜はボディスラムで投げられようとしたところで坂本の首に足を引っかけ、そのまま丸め込むようにしてグラウンドに持ち込むとフレチータ1号(4の字ロメロ)で坂本を吊り上げる。九頭竜が自ら技を解くまで耐えきった坂本だが、消耗は激しい。最後は九頭竜のジャベ・デ・クレハにギブアップ。 コメント: 九頭竜紅葉 「坂本さんって体が柔らかくてジャベ仕掛けやすいんだけど柔らかすぎで極まりが悪いね。そこを極めてしまうのが私なんだけど。うふふ」 坂本ジュリア 「くっそ〜、なにも出来なかったっ!次はこうはいかないからな!」 |
■第2試合6人タッグマッチ20分一本勝負 | ||
LINA ×西園寺京 風祭元気 |
vs | 長宗我部美幸 MARINA○ 沢田ちひろ |
7分52秒、片エビ固め:まりなすたなー | ||
LINA、西園寺、沢田とウェルターベルトを巡って対決する選手が顔を合わせる6人タッグマッチ。LINAが盛んに沢田を挑発し、沢田もそれを受けてLINAと対決。動きの切れがあるのはLINAだが、何度攻撃を受けても立ち上がる沢田に追いつめられていくLINA。沢田がフルネルソンでLINAを捕らえたところでウエストウインドがカット、そのままLINAを利用して沢田をスーパーパワーボムで叩きつける。しかしなんとウエストウインド、そもままLINAも沢田を利用してのスーパーパワーボムを仕掛け、「セルフサービスボム二名様」のできあがり。LINAは西園寺に突っかかると、西園寺は「ついいつもの癖で」ととぼけた対応。赤コーナーサイドはこれで雰囲気が悪くなり、その後は長宗我部組に主導権を取られてしまう。最後はMARINAがまりなすたなーから西園寺を抑え込むと、LINAはカットに入らず背を向けてリングを去り、そのまま3カウントが入った。 コメント: LINA 「おかげで西園寺だけには負けないってやる気が出てきたよ。西園寺、ウェルター争奪戦で目にもの見せてやる!」 沢田ちひろ 「うきゅう!ボムが爆発しちゃって・・効いたですぅ! りなちゃんは、今度こそちひろが仕留めてあげるんだからぁ・・。 よそ向いちゃだめですぅ!びし!(いつになくかっこよく?宣言。)」 |
■第3試合 | ||
青柳つかさ 香取梢 ○支倉千代 霧島杏子 |
vs | オリビア デビル・メイガス 雅 華山麗子× |
12分44秒、片エビ固め:ランニングのど輪落とし | ||
ニヤニヤと笑いながらゴング前から挑発するブラジェネ。今にも飛び出しそうな青柳と霧島を香取と支倉が抑える。それでも収まらない霧島が先発を買って出ると、ゴングと同時に突っ込んでいく。オリビアに殴りかかった霧島。フックがオリビアのこめかみを捉える。ふらつくオリビアはしかい倒れることなく踏みとどまると強烈なボディブローで反撃。真っ向からの殴り合いはオリビアのマッハパンチが決まって霧島が倒れたところで終了し、オリビアはデビルと交代する。デビルがゆうゆうと霧島を起きあがらせようとしたところ、香取がデビルに体当たりをかけてそれを妨害。さらにドロップキック、DDTと攻撃を加えていく。さらに組み付く香取だが、デビルは香取を逆に正面から抱きしめる。そしてそのまま自軍コーナーへ向かって突進、香取をコーナーへ押し込む。雅が香取の髪をつかんで顔を上げさせ、デビルが胸板へ逆水平チョップを連発。崩れる香取をブラジェネ4人で踏みつけ、正規軍を挑発する。そこで青柳と支倉が飛び出してリング上は乱戦に。 乱戦になると連携の取れるブラジェネが有利。青柳の足をロープに渡してそこに華山がニードロップを仕掛ける、支倉をコーナーに押し込めて連続で串刺し攻撃をしていく。分断されている時間が続く正規軍はリング上で常に誰かが孤立している状態になってしまう。しかし青柳と香取が連携を取って支倉を救出、霧島もデビルのレッドボックスを殴り飛ばしていき、正規軍が逆に華山を孤立させることに成功。最後は支倉が説得力抜群のランニングのど輪落としで試合を決めた。 コメント: 霧島杏子 「きっちり決めるあたり、さすが支倉さんですね。あのバカ兎を撲殺できなかったのが心残りです。あと鬼姫さん、お心遣いはありがたかったのですが、もう一度自分を見つめなおすお時間を頂きたいと思ってます。それが、ウェルター級王座決定戦に挑戦しなかった理由です」 支倉千代 「相手もやりたい放題してましたからね、こちらも遠慮なくやらせてもらいました」 オリビア 「うちはピンピンしとるんやけどなー。うちらのマスコットガール、華山はんを狙うとは連中もひどい奴らやで。正規軍が弱いモンいじめかいな」 華山麗子 「……弱い……モン……マスコット……」 雅 「あーあ、華山さんいじけちゃった」 |
■第4試合 | ||
松井香織 ×カーシャ・イワノヴナ |
vs | 久保渚 刹那○ |
12分45秒、体固め:クロスボンバー | ||
松井とカーシャのタッグが、ブラジェネのパワーコンビに大苦戦を強いられてしまう。久保は元々アマレスの猛者だけあってグラウンドでも松井、カーシャに引けを取らない。体格に劣るカーシャはスワンダイブからのミサイルキックで久保をはじき飛ばし、刹那には飛びついての腕十字を狙う。しかし刹那は倒されることなく、カーシャを腕にぶら下げたまま耐える。そしてそのままカーシャを持ち上げると、コーナーへ叩きつけていく。松井の打撃も久保を打ち倒すことが出来ず、ブラックドラゴンドライバーは体勢に入ったところで刹那にカットされ、合体ブレンバスターで逆襲を受けてしまう。最後はカーシャが合体攻撃クロスボンバーに沈み、ブラジェネパワーコンビの完勝という内容となってしまった。 コメント: 久保渚 「なにがドラゴンだよ。あれじゃあまるでトカゲだな。踏んづけたら簡単につぶれそうだぜ」 松井香織 「私もヤキが回ったもんだね、あんなのもさばけないようじゃ…」 カーシャ・イワノヴナ 「今日は要所要所で相手のパワーに押さえれれてしまいました。課題の残る試合でした」 |
■第5試合 | ||
○ソーニャ 望月登子 |
vs | 川部雪江 MACHIKO× |
16分59秒、ジャーマンスープレックスホールド | ||
ソーニャと望月、連携こそしないもののスムーズなタッチワークやカットなどでそれなりにタッグとして機能する。望月はMACHIKOを場外に連れ出すと椅子で殴りつけ、椅子の山へブレンバスターなど大暴れ。しかしベビーフェイスに転向したとはいえMACHIKOもラフは得意としていたレスラー。リングに戻ろうとする望月を捕まえると奈落式のブレンバスターからフットスタンプ、さらにリングの角へ望月の額を叩きつけていき目には目をとやり返す。 MACHIKOと代わった川部は膝蹴りを連発して望月の動きを止めると、片羽絞めで望月の体力を奪っていく。動きが止まり始めた望月を見てソーニャがカットに入る。カットは成功したがMACHIKOがソーニャを連れ出して場外へ行く。川部は望月をコーナーに押し込むと、対角線を走ってのランニング掌底、そして雪崩式一本背負いと畳みかけてフォール。望月はカウント2で返すと、わがままな膝小僧、ランニングサッカーボールキックと得意の蹴りで反撃し、MACHIKOを振りきったソーニャと交代。 一進一退の攻防が続くが、川部が場外で望月につかまっている間にソーニャがMACHIKOをリング上で攻め立てる。グラウンドの攻防からペースを掴んだソーニャは高角度サイドバスター、直下式フロントスープレックスと得意の投げを連発し、雪崩式の技、シャトルループバスターも披露する。そして最後はジャーマンスープレックスで3カウントを奪った。 コメント: MACHIKO 「ごめん、つかまった…。正面からやり合うと、流石に強いわ」 川部雪江 「お互いまだまだ信頼が足りていませんね。こんなことではファニーウイングスにいいようにやられてしまいますが…外部の人にベルトを取られてしまったファニーウイングスにこのまま押され続けるわけにはいきません」 |
■第6試合 | ||
豊嶋奈美 REIKO ×ディアナ |
vs | イーグル児玉○ ミシェル・インフェルノ レーナ・グリフィス |
15分39秒、片エビ固め:イーグルキャノンボム | ||
ベルト戦で星を取られてしまったディアナは名誉挽回しようと積極的に試合を主導。児玉の豪腕ラリアットに耐えてショートレンジラリアット連発で反撃をしたり、ミシェルのバックドロップをボディプレスで切り返すなど要所を締める。しかし児玉軍はREIKOにスーパーパワーボムを仕掛け、豊嶋にはミシェルのブレンバスターにグリフィスがミサイルキックを合わせるコメットブラスターと合体攻撃を放ち流れを引き寄せる。REIKOとディアナはグリフィスを得意の合体攻撃トライアングルドリーマーに捉えようとしたが、REIKOにミシェルのローズスティンガー、ディアナに児玉の豪腕ラリアットが叩き込まれて果たせず。そのまま児玉軍に押し切られディアナがイーグルキャノンボムに沈んだ。マットを叩いて悔しがるディアナに対して、児玉が言葉をかける。 イーグル児玉 「タッグ屋として名をはせたディアナも、私達には全く手も足も出ないようね。それもそのはず、今のあんたはREIKOに飼い慣らされた犬。フロンティアスピリットを持ったテキサス人の心を失っちゃってるからよ。それに、そもそもロシア人とタッグを組んでたってのが間違いの元なの。ディアナ、REIKOと違って私なら鎖に繋いだりしないわ。ミシェルやグリフィスはあなたと同じアメリカ人。アメリカ人はアメリカ人と組む方が自然でしょ?」 ディアナは顔を上げると、ふらふらと児玉の方へ歩み寄っていく。しかしREIKOがその前に立ちはだかる。 REIKO 「少しは口が達者になったみたいだけどね、聡美。でもアメリカ人と組んだ方がっていっても、あんた自体が日本人なんだから説得力無いんじゃない?むしろグローバルに集まってるあたしたちファニーウイングスこそがディアナの居場所なのよ。アメリカかぶれとゆがんだアメリカ正義振り回してるバカのチームにディアナが入るわけ無いでしょ」 REIKOはそういうとディアナの肩を抱いて引き上げていく。そんな中ディアナは一度児玉の方を振り返る。その目には迷いの色が現れていた。 コメント: イーグル児玉 「しまった、ディアナの勧誘に一生懸命で無差別シングル挑戦表明忘れてた」 ミシェル・インフェルノ 「ミーも四冠ヘビーへ挑戦表明したかったデース」 イーグル児玉 「ま、いっか。どうせいつでも出来ることだしね」 |