2月24日(木) 東京都後楽園ホール
 2003年11月以来二度目の後楽園ホール大会。数少ない首都圏興行とあって、会場は満員御礼となった。試合開始の前にファニーウイングスがリング上へ姿を現すが、それを見た観客席からどよめきの声が挙がる。鬼姫結梨花が右腕を包帯で吊っていたのだ。鬼姫がマイクを受け取り、しゃべり出す。
鬼姫結梨花 「あー、せっかくわたしを見るために来てくれた東京の人たちには悪いんだけど、不肖鬼姫結梨花、肘を負傷してしまいました。不肖だけに。ぷぷぷ」
 どよめきの一瞬後、会場には寒い空気が流れる。
鬼姫結梨花 「うわ、しまったはずした。あー、でも怪我はマジです。全治3ヶ月だそうです。ヤバいです。この間ファイトマネーもらえないんでゲーム買えません。ま、わたしの回復力にかかれば全治3ヶ月も半分の期間で治してみせるけどね。ただ、そうはいっても時間がかかることは確かなので、ウェルターのベルト、返上します」
 するとそこに姿を現すオリビア達ブラッディジェネレーション。
オリビア 「ちょっと待たんかい! ウェルターはうちが挑戦する予定やったやろ!どないすんねん!」
鬼姫結梨花 「わたしは了承した覚えはありませーん。怪我してなきゃ挑戦を受けてやってもよかったけどね、これじゃどうしようもないし。だから返上。とは言っても、ただ返上するだけじゃつまらないんで、争奪戦やりたいと思います。王者推薦としてまずLINAを指名するね。んで、ベルトを欲しい人は名乗りを上げること。人数次第で争奪戦のルールを考えるから」
オリビア 「それならええわ。うちが出たるわ。ベルトはもらいやな」
鬼姫結梨花 「あ、でも条件つけるから。まずひとつ、デビューがわたしより後であること」
オリビア 「なんやて! それやったら、うちからやとせっちゃん(刹那)しかおらんやないか」
鬼姫結梨花 「最後まで聞けってば。もう一つ、ウェルターを巻いたことがない人」
オリビア 「おいこら! せっちゃんもアウトかい! なんやその条件は! そんなにうちらに取られるのが嫌なんか!」
鬼姫結梨花 「嫌に決まってるじゃない。だってさあ…この怪我させたのお前らだろ! なんでお前らを参加させなきゃいけないんだよ!黙ってろバカウサギ!」
 激しく火花を散らす鬼姫とオリビア。しかしその横からREIKOが鬼姫のマイクを奪い取る。
REIKO 「ウェルターなんて程度の低いベルトなんかどうでもいいんだけど、うちの下っ端をやってくれた分はペナルティよ、ブラジェネ。異議があるなら次の王者からベルトを奪い取ることね。次の保持者のことまでは結梨花の関わるところじゃないんだから。いいわね?」
オリビア 「分かったわ。それで勘弁しといたる。はよ怪我治しや、今度は欠場させん程度に痛い目にあわせたるわ。ほな、さいなら〜」
 ブーイングを浴びながら引き上げていくブラジェネ。そしてREIKOがカード発表を行っていった。
第1試合タッグマッチ20分一本勝負
長宗我部美幸
沢田ちひろ
vs 西園寺京×
風祭元気
5分33秒、反則
 ロープワーク、グラウンドと基本的な攻防で組み立てられる静かな試合。あまりに基本の動きばかりのために逆にウエストウインドは長宗我部を気にし始める。それでもまるで人が変わったかのように真面目に試合を行う長宗我部。WWは逆にやりづらそうな様子を見せるが、沢田が正面から向かってくるために長宗我部ばかりに気を配る訳にはいかない。沢田はブレンバスターからのセントーンやローリングエルボーで攻め立てていく。そこでWWは合体攻撃を出そうと二人ともリングへ。そこを長宗我部がレフリーに注意を要請。レフリーが止めようとしている裏で、なんとMARINAが長宗我部の額にケチャップを塗りたくる。そしてMARINAは西園寺を呼びつけて巨大へらを手渡す。その手は食わないとすぐにそれを放り捨てた西園寺だが、その隣で長宗我部がへらを自分の上にのせて倒れる。それに気付いたレフリーがへらをどけると、下から血まみれの(ケチャップだが)長宗我部。レフリーはこれを見て凶器攻撃だと判断し、西園寺の反則負けを宣告した。

コメント:
西園寺京 「ああ、またくだらない手に引っかかった…。ええい、もう二度と引っかかるもんか! と、そうそう、鬼姫が言うてたウェルター争奪戦、うちも権利有りみたいやから参加させてもらうよ」

沢田ちひろ 「思い切って正面から攻めていったのが良かったんですかねぇ?それにしてもぉ・・・美幸さんのあれは芸術ですぅ。」
第2試合6人タッグマッチ30分一本勝負
×香取梢
支倉千代
霧島杏子
vs オリビア
デビル・メイガス

華山麗子
10分18秒、腕十字固め
 正規軍を入場途中で襲っていくブラジェネ。支倉も久保と刹那が二人がかりではその体重も武器にならず、場外での合体ブレンバスターを食らって大きなダメージ。霧島は華山のレッドボックスをギターで防いだものの、背後から雅のダブルハンマーで体勢を崩され、華山の跳び膝蹴りを顔面に受ける。そして香取をリング上に上げたブラジェネは香取をいたぶっていく。香取をコーナーに串刺しにすると、オリビアのダッシュパンチ、デビルのショルダーアタック、華山の串刺しキチンシンク。ふらふらと倒れる香取を捕まえたオリビアは早くも首かっきりのアピールからB3ボムを狙う。しかし支倉が横から突き飛ばして香取を救出すると、つっぱりでブラジェネをコーナーに押し込むと、3人まとめてスプラッシュで押しつぶす。
 正規軍が形勢逆転していく。霧島は華山へパンチのコンビネーションを放つ。左ストレートでダウンを奪うと、フォールへ。しかしこれはカウント2。そこで華山を起こそうとした霧島だが、華山に腕を取られ、固められてしまう。そしてオリビアがコーナートップから霧島のにダイビング脳天パンチ、通天閣落としを決める。転がって場外へ退避していく霧島。オリビアも場外に出るとデビルとチェンジ。霧島に変わって出てきた香取をスタンディングのSTFに捕らえたデビル、一度解放すると目つぶしからノーザンライトスープレックス。そして即座に腕十字に入るコンビネーション技を見せ、香取からギブアップを奪った。今の技は、と場内がざわつく中、ブラジェネがリングを占拠。
オリビア 「デビルちゃん、今のはちーっとばっかりサービスよすぎたんやないか?」
 この言葉にデビルはアゴに手を当て、首をひねる。
オリビア 「まあええけどな。どうせ東京モンには正体分からへんし。東京の田舎モンども!次もうちらブラジェネが取ったるで! 楽しみにしときや!」
 そして引き上げていくブラジェネ。しかし途中で引き返すと練習生を捕まえ、リングに上げる。そしてオリビアと雅でロープに振り、反動で返ってきたところに刹那のキングコングラリアット。一回転して正面からマットに叩きつけられた練習生を尻目に、筋肉をアピールする刹那。ブーイングを浴びつつブラジェネは今度こそ引き上げていった。

コメント:
霧島杏子「あの兎め・・・次はぶん殴って『顔面ボコボコ通り』へ案内して、そのまま『KOホテル』にぶち込んでやるから覚悟しとけ!・・・あと雅さん、後ろからは卑怯です。名前は風流で大変良いのですが、卑怯なのはいけません。」

支倉千代 「途中で6対3になってませんでしたか?」

香取梢 「ブラッディジェネレーションなんてどうでもいいですけど、またあの人を越えられなかった事だけが悔しいです」
記者  「ええと……それはつまり、デビル・メイガス選手のことですか?」
香取梢 「え……きゃああああっっ?! い、今のは、今のは無しですっっ!! オフレコにして下さぁいっっ!!」
第3試合20分一本勝負
青柳つかさ vs LINA×
9分2秒、体固め:無双乱舞
 ゴングと同時にロープへ走るLINA。リバウンドを利用して技を繰り出そうとしたところ、カウンターで青柳の回し蹴りが放たれる。飛び込み前転て蹴りを飛び越えたLINAは、逆のロープまで走って再びリバウンドで走り込み、青柳の足元へ低空のドロップキックを放つ。受け身を取った青柳の足を即座にレッグロックで極めるLINAだが、青柳はLINAを蹴り飛ばして距離を取る。正面から組み合う両者。LINAがヘッドロックを仕掛けるが、青柳はバックドロップでこれを返すと起きあがったLINAへ前蹴り。そして後ろ回し蹴りからフォール、しかしカウントは2。再び蹴りを放つ青柳だが、LINAはこれをキャッチするとブレンバスターのように青柳の腕を自分の首に回し、足を交差させるように持ち上げるフィッシャーマンズスープレックスを放つ。そのままフォールするが、惜しくも決まらず。LINAの反撃を耐えて最後は青柳が無双乱舞で勝利した。

コメント:
青柳つかさ「あいつに負けてるようじゃ話にならんよ、まあ気分を取り直すいい踏み台だったけどね、そのへんはマッチメイカーに感謝しますか、わざわざ気を取り直す踏み台差し出してくれたんだからね」

LINA 「くそっ、せっかく新技を出したのに!青柳くらいには勝てるようにならないと、欠場した結梨花さんに顔向けが出来ません!」
第4試合
キャノンボール焔
マンティス笹倉
×MARINA
vs 久保渚
刹那
8分27秒、順逆自在の術
 久保と刹那を制して、雅が先発を買って出る。焔に出てこいとアピールする雅に、焔もやる気満々でリング中央へ。ゴングと共に間合いを詰めた雅、焔が反応できないスピードでアームホイップから腕を固めていく。距離を取った焔の腕をめがけてキックを放つ雅。しかし焔はそれならばと意地のエルボースマッシュで反撃していく。そして焔はMARINAと交代。雅は手刀で攻めるが、MARINAはその手刀を頭突きで迎撃。思い切りMARINAの石頭を手刀で殴りつけてしまった雅、手を押さえて場外へ転がり出て行く。しかしMARINAもダメージを受け、こちらも場外へ。そこで笹倉と久保がリングイン。間合いを詰めようとする久保に鉤手で牽制を放った笹倉は隙をついて腕を取ろうとする。しかし久保は腕力でこれを振り切り、片足タックルから笹倉をマットに引き倒す。そして上のポジションからスタミナを奪っていく。
 コンビネーションに勝るアンバランスだが、個人技を押し出してくるブラジェネ。MARINAがつかまり、レッドボックス攻撃から久保のスプラッシュマウンテンが炸裂。しかし焔のカットでなんとか返し、そのまま焔は久保を場外へ引っ張り込む。そしてMARINAは雅をスモールパッケージホールドで丸め込むが、雅はこれを切り返してしまう。この早業にMARINAは対応できず、3カウントが入った。
 アンバランスとMARINAを蹴散らしたブラジェネは、引き上げる途中に再び練習生をリングに上げる。そして同じようにキングコングラリアットを狙う刹那だが、練習生はこれをかいくぐって回避するとロープの反動を利用してドロップキックで反撃。会場は一気に盛り上がるが、練習生は猛ダッシュでリングから逃走。しかし今回はバックステージまで逃げることなく、本部席でマイクを取る練習生。
練習生 「てめえら!何度も何度も何度も何度も、いい加減にしやがれ!」
オリビア 「なんやとコラァ!練習生の分際で何をほざくねん!黙ってうちらのおもちゃになっとかんかい!」
練習生 「どういう理屈だ! 練習生だから、だあ? 分かったよ、デビューしてやればいいんだろ! リング上でいくらでもやってやるよ! 覚えとけ!」
 おおっ、と会場がどよめく。
オリビア 「ほう、デビューなあ。そんなら名前教えてもらおうやないか。いちいち練習生の名前なんぞ覚えてへんからな」
練習生 「今までの仕打ち倍にして返してやる。私の名前は坂本ジュリア。忘れるなよ!」
 練習生に対して大きな拍手と声援が飛ぶ。練習生は客席に礼をすると引き上げていった。

コメント:
久保渚 「いちいち覚えておくわけないだろ。このオレが雑魚の相手なんかやってられるか」
雅 「そう? あたしは面白いと思うけどな、叩き甲斐がありそうじゃない」
オリビア 「あんまりはように壊れんといてくれるとええんやけどな。しかしや、練習生いじめるたびにデビューされとったらうちらも面倒やし、この辺でやめとこか?」
雅 「ああ、それは賛成だね」

キャノンボール焔「ん〜っ、も少し押し切れれば勝てたかなぁ?! で、そうそう。ウェルター級のベルト。私もシングルで取り損ねたから争奪戦に参加する資格はあるかもだけど、勝者を直接狙いますよっ! その方が楽だし。(笑)」
マンティス笹倉「あ〜、ウェルター級はタッグのも勘定に入れりゃあ保持しちょった訳やから、資格は無かと思うけんどね。ま、どっちブラジェネん方々もベルト獲得者狙いに来るやろけん、それば迎撃すっともまた良しですわなぁ〜」


練習生 「来月にデビューさせてもらいます。よろしくお願いします。ところで、私もウェルター争奪戦に加わる資格がありますよね。名乗りを上げさせてもらいます」

第5試合トルネードタッグマッチ30分一本勝負
×REIKO
望月登子
vs イーグル児玉
ラブリーベル
18分49秒、バッキンガムドロップ
 選手全員に試合権利のある形式のタッグマッチ。つまり一応陣営わけがされているが、好き勝手に闘っても構わないのである。イーグルはREIKOを狙おうとするが、それを望月が阻んでキックを放つ。そこでイーグルはロープに走り、反動を利用したショルダーアタックを狙う。しかしREIKOがその足をスライディングで払うと、転倒したイーグルの顔面へ望月が文字通りサッカーボールのように蹴り飛ばしていく。ところが次の瞬間ベルが望月を変形の卍固めで絞り上げる。そしてイーグルもREIKOを捕まえるとハイジャックバックブリーカー。息が合うというわけではないが同時に相手チームを捕らえ、流れをものにするイーグル組。REIKO組は場面場面で押す部分はあったが、完全にバラバラに動いてしまい流れを変えるには至らない。最後はベルがREIKOをバッキンガムドロップから押さえ込んで3カウント。

コメント:
ラブリーベル 「おーっほっほっほ! ご自分で組んだ試合形式に足を引っ張られるとは無様ですわねREIKOさん」

REIKO 「人気者は辛いわね、あたしばっかり狙われちゃうんだから」
第6試合スペル・メイガス爆裂7番勝負最終戦
×スペル・メイガス vs 豊嶋奈美
17分45秒、ムーンサルトプレス
 メイガス最後の試練は、WWPL無差別級シングル王者の豊嶋である。WWPL強さの象徴である豊嶋を前にして、その眼光は鋭い。ゴング直後、豊嶋が大きくメイガスの頬を張ると、メイガスも負けじとやり返す。すると一度目より力強い張り手が豊嶋から返ってくる。足が崩れかけたメイガスだが気合いの声と共にやり返すと、顔の張り合いとなる。先に膝を付いたのはメイガス。豊嶋はメイガスをボディスラムで投げると、逆エビ固めでメイガスの腰を痛めつけていく。ロープへ逃げたメイガスは、ロープリバウンドを利用して勢いのあるドロップキックを放つ。そして先ほどのお返しとカバージョで豊嶋の体をそり上げるが、異常な軟体を持つ豊嶋には効果が薄い。諦めて技を解き立ち上がったメイガスだが、その瞬間豊嶋に下から足をすくわれ、今度は逆片エビ固めに捕らえられてしまう。その後も背後から腰へのドロップキック、フロントスープレックスと腰を狙ってくる豊嶋に翻弄されるメイガス。
 豊嶋にブレンバスターの体勢につかまったメイガスだが、持ち上げられたところで体をひねって背後へ着地し、素早く逆さ抑え込みへ。カウント1で返した豊嶋へ、間髪入れずその場飛びドロップキックを決める。そしてコーナーポストから、ミラクルくるくるキック。一気に攻め立てるメイガスはナイスジャーマンでフォールする。しかしカウントは3入らない。ならばと、松井やレイを破ってきたスカイウイングドライバーを狙って飛びかかるメイガス。しかし豊嶋はショルダースルーでメイガスを放り上げる。自らの勢いもあって高いところから叩きつけられてしまうメイガスに、豊嶋のムーンサルトプレスが降り注ぐ。肩を上げたメイガスだが、カウント3が数えられた後であった。

コメント:
豊嶋奈美 「面白かったですよ。はじめは象に挑む蟻かと思っていましたが、柴犬くらいの手応えはありましたからね。またいつでもかかってきなさい。身の程を教えてあげるから…」

スペル・メイガス「残念だったことは2つあります・・・1つ目は、もちろん負けたこと、もう1つは、FWの豊嶋さんと戦わなければならなかったことですね。七番勝負は終わりましたけど、豊嶋さんに目を覚ましてもらうために、その上でもう1回対戦するためにも、爆裂し続けますっ!」
第7試合
川部雪江
松井香織

×MACHIKO
vs NANA○
セラフィム・レイ
カーシャ・イワノヴナ
<チームPiaキャロット>
14分10秒、飛びつき腕十字
 NANAが久々のWWPL参戦とあり、チームPiaキャロット一夜限りの復活である。ウエイトレス姿で入場してくるNANA、レイ、カーシャに会場は盛り上がる。
 MACHIKOがまずはNANAと手合わせ。めまぐるしくグラウンドでの攻防が繰り広げられる。優勢なのはNANAだが、MACHIKOも極めきられることなく速いポジション移動で対抗する。そしてそれぞれカーシャ、松井と交代。グラウンドだけではなく、打撃を加えてサブミッションを狙い合う二人。松井の突きがカーシャのボディに決まると、松井は川部を呼び込んで左右からダブルの脇固めを仕掛ける。そこを、NANAとレイがそれぞれお盆を手に持って松井、川部をはたいてカット。さらに川部、松井を場外に落とすと同時にお盆スイシーダを放っていく。
 7分が経過した頃にNANAと川部のグラウンド戦が展開される。基本があるからこそのセオリーはずれという動きで関節を狙うNANA、それをガードしつつ詰め将棋のようにじわじわとNANAの動きを封じようとしている川部の動きを場内は息を呑んで見つめる。NANAが腕を取った瞬間、川部はNANAの上になるようにして腕十字をガードしつつフォールに入る。NANAは腕を放して間合いを取り、両者の動きが止まったところで大きな拍手がわき起こる。
 PiaキャロはMACHIKOを捕らえると、コーナーへ逆さ磔。NANA、レイがスライディングキックを放ち、最後にカーシャが隣のコーナー付近からスワンダイブで舞い上がり、MACHIKOの顔面への長距離ミサイルキック、トカレフを決めてみせる。ふらつくMACHIKOへNANAの十八番、飛びつき腕十字が極まり、MACHIKOがギブアップ。Piaキャロが勝利で締めくくった。

コメント:
セラフィム・レイ 「いやー、楽しかったー。あたしの出番はあんまり無かったのが残念だったけど。またやりたいね」

NANA 「むふふっ、WWPLのみんなが後楽園に来るっていうからね、遊びに来たのだ♪ ひさびさのPiaキャロだったのだ♪」
カーシャ・イワノヴナ 「久々にお姉さまと組めて楽しかったです。試合の内容も良かったですし、満足です〜」
第8試合WWPL無差別級タッグ防衛戦45分一本勝負
王者組
ソーニャ
×ディアナ
vs 挑戦者組
ミシェル・インフェルノ
レーナ・グリフィス○
15分46秒、イリュージョン・ボム
※王者組が8度目の防衛に失敗。セイクリド・ファイヤが第7代王者に
 今まで1年以上、7度の防衛に成功している王者組。その8度目の防衛戦の相手は、アメリカでディアナを破り挑戦をアピールに来たウエストコーストの悪夢こと、セイクリド・ファイヤの二人。非常に派手なガウンで入場するミシェル・インフェルノに、全身黒を基調とし、オレンジのラインでアクセントを加えたシャープなコスチュームのレーナ・グリフィス。ミシェルのマイクアピールがやや間の抜けた感じになっていたため今まではそうは見えなかったが、不敵に笑うこの二人の迫力は王者組に勝るとも劣らない。
 王者組からは、借りを返すとディアナが先発を買って出る。そして挑戦者組はミシェルがグリフィスを制して先発。ディアナに向けた拳から親指を立てると、その親指を下へ向けて挑発する。力比べをしよう、と腕を出すミシェル。ディアナも受けて立ち、リング中央で真っ向から力比べ。しかしディアナがあすぐに力を抜き、バランスの崩れたミシェルをフロントスープレックスで放り投げる。そしてストンピングの嵐を降らせていくディアナ。ロープまで押し込んだところでブレイクがかかるも、ディアナは執拗にストンピングを続ける。すると、ミシェルはダウン状態でディアナの足をキャッチすると、そのまま起きあがって足を跳ね上げるようにディアナを倒してしまう。パワーではミシェルが遥かに上というインパクトを与える。
 ディアナを尻目にグリフィスとチェンジするミシェル。アメリカでディアナから3カウントを奪ったのはこのグリフィス。ディアナはロープリバウンドで勢いをつけたショルダーアタックでグリフィスにぶつかっていく。グリフィスはお返しとフライングショルダー。しかしディアナは倒れない。早くもグリフィスを担ぎ上げてデスバレーボムを放つ体勢へ。だが、グリフィスは冷静に振りほどくと背後に着地してスリーパーホールド。ディアナはエルボーをグリフィスのボディへ放って振りほどく。パワーではミシェルに、テクニックではグリフィスに抑えられたディアナに焦りの表情。ソーニャが状況がまずいと見て取り、タッチを要求して手を伸ばす。ディアナは頷き、グリフィスを自軍コーナーへホイップしてソーニャとチェンジ。
 ソーニャはグリフィスへ組み付いてフロントスープレックスを放ち、すぐさま腕関節を極めようとする。グラウンドでめまぐるしく動く両者。グリフィスは防戦に追い込まれてはいるものの極めさせることなく、ソーニャを振りほどくことに成功する。
 グリフィス相手には優勢だったソーニャだが、ミシェルのキチンシンクを受けてから動きが鈍る。そしてツームストンパイルドライバーを受ける。さらに、ミシェルがブレンバスターで抱え上げると、コーナー最上段に座ったグリフィスがソーニャを受け取り、雪崩式のパワーボムに繋ぐ。ディアナはフォールされたソーニャを助けるためにミシェルごとグリフィスに体当たり。そして、ミシェルを場外に放り捨てるとグリフィスをソーニャが背後から捕まえ、ディアナのショートレンジラリアットに合わせてソーニャが放り投げる。合体技をお返しした王者組だが、グリフィスもこれを返して勝負決まらず。
 REIKOが援護しようとエプロンに上がるが、これをイーグルが場外から足をすくうようにラリアットを放ちこれを阻止。勢いよく足をはねとばされたREIKOはエプロンの角にぶつかった後で場外へ落ちる。ダメージが大きく、起きあがれないREIKO。
 リング上では五分の試合展開。グリフィスを狙って攻めている王者組だが、ミシェルが要所でその身体能力の高さを発揮して流れを引きずり寄せる。ミシェルのローズスマッシュはフィニッシュにならなかったもののソーニャに大きなダメージを与える。なんとかディアナと交代したソーニャはコーナーにしがみつくようにしてリングを見守る。ディアナはミシェルのバックドロップをボディプレスで切り返すと、久々に見せるリバースゴリースペシャルボム。これで決まったかと思われたが、グリフィスがカットに成功して試合は終わらない。この一発が決まらずディアナの動きが止まると、ミシェルはグリフィスと交代してソーニャへ襲いかかる。ソーニャがミシェルに抑えられる間に、グリフィスがイリュージョン・ボムでディアナから3カウント。難攻不落と思われていた王者組が、まさかのベルト失陥。会場は大きなどよめきに包まれる。
 ここでリングに上がってマイクを持つイーグル児玉。
イーグル児玉 「ふふ、どう? いつも言ってるわよね、バッドエンドで終わらせてやるって。自分がやられる気分はどうかしら、REIKOせ・ん・ぱ・い。今なら頭を下げて、『ファニーウイングスに入ってください、リーダーになって下さい』って言えば入ってあげないこともないわよ?」
 落下時に打ったらしい肩を冷やしながら、REIKOもやり返す。
REIKO 「そうね、確かに…この二人がやられるとは思ってなかったわ。素直にほめてあげるわよ、そこの二人をね。だけど聡美、あんたは何もしてないじゃないの」
イーグル児玉 「ベルトがないのにリーダーやるだけなら先輩と一緒じゃないのよ。でも、分かったわよ。私が無差別シングルを取っちゃえば文句はないでしょ?」
ミシェル・インフェルノ 「オー、コダマサン、その話はミー達を置いてきぼりデース。元四冠王者に挑戦するのは、ミーの仕事デース! アナタはミー達をガイドしてくれればそれでいいのですカラ、あまり出しゃばらないでくだサーイ」
REIKO 「なんだ、あんたら意思統一できてないじゃないの。そんなの相手にこの権力を譲るなんて出来るわけないでしょ。今日のところは負けたけど、あんたらにここの実権を握るのは無理だわ。引き続きWWPLをコントロールするのはあたしたちファニーウイングスよ。ミシェル、その無差別タッグ、必ず取り返すわ。よく磨いておきなさい」

コメント:
ミシェル・インフェルノ 「ミー達の実力なら当然デース。こんなジャパンなんかのベルトには興味ありまセンが、四冠に近づいたと考えれば大きな一歩となりマース!」


ディアナ 「一度ならず二度までも! このままではすまさないわ!」