1月29日(土) 愛媛県テクスポート今治
第1試合20分一本勝負
×西園寺京 vs 沢田ちひろ
8分48秒、E・オレンジスプラッシュ
 西園寺はサイキック、ストンピング、ニードロップなどで徹底的に沢田の右足を狙っていく。地味ながらもバリエーションの多い足殺しに沢田の動きが鈍くなる。しかし痛む足を我慢しての連続ドロップキックから反撃を開始すると、みかん投げからE・オレンジスプラッシュを決めてフォール。西園寺は肩を上げたのだが、レフリーの手はマットを3回叩いていた。

コメント:
沢田ちひろ 「ふあぁ。勝ったような負けたような微妙な感じだけどぉ・・先輩に勝っちゃうなんてぇ。シングル勝利って久しぶりぃ。にこぉ(得意技が決まってうれしそうな様子でコメント)」

西園寺京 「思ったよりタフだったか…油断した!」
第2試合タッグマッチ20分一本勝負
支倉千代
×霧島杏子
vs 長宗我部美幸
MARINA
10分52秒、反則
 フロントスープレックスでMARINAを放り投げた霧島。MARINAはゴロゴロと転がって場外に落ち、長宗我部がリングイン。霧島はロープリバウンドで勢いをつけようとするが、MARINAが場外から足を引っ張って霧島を転倒させる。MARINAに抗議する霧島。しかしMARINAはここで霧島へ猫だましをしかけ、ひるんだ霧島を長宗我部がスクールボーイで丸め込む。支倉があわててカットに入っていく。支倉ののど輪落としを受けて伸びる長宗我部。そこでMARINAが支倉、霧島を次々と頭突きで倒してから長宗我部をエプロンまで引きずっていく。支倉の相撲殺法に苦しむMARINAだが、なんとかまりなすたなーを決めると長宗我部にチェンジ。支倉も霧島と代わる。長宗我部はレフリーの注意をコーナーの支倉に向けさせると、MARINAから椅子を受け取って霧島にパス。その手は食わないと霧島はすぐに長宗我部に椅子を投げ返す。すると長宗我部はその椅子を自分の頭に当てると、腰掛け部分が抜けてしまう(最初から仕掛けてあった)。そして悲鳴を上げ霧島の足元に倒れる長宗我部。振り返ったレフリーは、霧島が椅子攻撃をしたと判断して反則裁定を下した。

コメント:
霧島杏子 「やられましたか・・・敗軍の将が語る言葉はありません。ところで御三方、向こうの塾では日本女児のありかたをちゃんと学べましたか?」
支倉千代 「それはもちろん。ちゃんこも美味しかったですし、機会があればまた行ってみたいものです」
第3試合タッグマッチ20分一本勝負
鬼姫結梨花
LINA
vs 刹那
華山麗子
5分29秒、両者リングアウト
 開始早々から険悪な雰囲気の両チーム。華山がLINAへサミングを仕掛けると鬼姫はコーナーから身を乗り出して華山の反則にヤジを飛ばす。これを注意するためにレフリーが背を向けた隙を狙って刹那と華山が二人がかりでLINAを攻撃。刹那のクリムゾンスタンピート、華山のニードロップがLINAを襲う。LINAはティヘラで華山を放り投げてなんとか鬼姫と交代。鬼姫はリングインすると同時にかけ出して華山へラスト・インプレッション(レッグラリアット式ギロチンドロップ)を仕掛け、レフリーを刹那にけしかけてすぐさまLINAを呼び込む。華山の両腕をトップロープに絡ませ、自分は華山の足を持って持ち上げる鬼姫。そこへLINAが鬼姫を背後から馬跳びのように飛び越え華山の背中へ飛び乗って華山の腰へダメージを与える。さらに左右からうつぶせになっている華山の足を片方ずつ脇に抱え、腰を持ってバックドロップのように放り投げる。LINAがコーナーに戻った後、華山はキチンシンクで鬼姫へ反撃して刹那と交代する。刹那はショルダーアタックで鬼姫をダウンさせるとすかさずギロチンドロップで追い打ち。さらにロープへ飛ぶ刹那だが、これは鬼姫がドロップキックで反撃して刹那は場外へ。すかさず鬼姫はトペ・スイシーダで追い打ち。そして場外戦へとなだれ込んだが、両チームともヒートアップしてリングに戻ろうとせず混乱の中で場外20カウントが数えられた。

コメント:
LINA 「熱くなり過ぎ。とは言ってもあいつらはリング上で決着をつけるよりこうやって乱戦の中で痛めつける方がより効果的かもしれませんけれど」
鬼姫結梨花 「こっちを叩くとか言っておいてあの程度かってかんじだよ。やりたいならもっとやってこいよ! 全部跳ね返してやる!」
第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負
カーシャ・イワノヴナ
青柳つかさ

×香取梢
vs 久保渚
オリビア
デビル・メイガス
15分20秒、スプラッシュマウンテン
 青柳とオリビアが開始直後からごつごつとした打撃戦を繰り広げる。青柳の方が重い打撃を放つが、オリビアはフットワークとジャブ、ローキックを主体とするキックボクシングスタイルで対抗。ケンカ殺法だけではなく訓練を積んだ立ち技使いとしての一面を見せ、観客を驚かせる。その後試合はデビルがカーシャを牽制して試合に介入させないようにしたブラコネが有利に展開。香取のDDT狙いを逆にショルダースルーのように後方へ大きく放り投げた久保、腰を打って動きが止まった香取をスプラッシュマウンテンで悠々と沈めた。
オリビア 「みんなご機嫌ちゃんか〜? くくく、ええざまやなあつかさ。うちらの仲間になっとったら痛い目に遭わんで良かったんやで? カーシャ、こんな雑魚どものお守りしとるのも退屈やろなあ。せや、お前うちら同期やから、一緒にやらへんか? 歓迎するで。今みたいなおとなしゅうしとる状態やと、ドラゴネットの血が騒ぐんちゃう? うち、ナギー、カーシャ。同期で頑張ろうやな? 返事は急がんでもええからじっくり考えときや。ほな、今日のところはこれで勘弁したる〜」

コメント:
オリビア 「うちらの同期が主体になって動かすユニットになればおもしろそうやろ?同じ世代、そうやな、同期増やしてブラッディ・コネクションからブラッディ・ジェネレーションとか名前変えたろか。うちらの同期誰がおったかいな?うち、ナギー、カーシャ、黄香坂、雅、小比類巻、佐和子か。まあ小比類巻は格闘家やし佐和子は淀女でよろしくやっとるみたいやから置いとくとしても…なあ?面白そうやろ?」

カーシャ・イワノブナ 「プラコネ勧誘? 面白そうな申し出ではありますが、オリビアの相手をしている余裕は、いまはありませんから」

青柳つかさ「ったく、カーシャも香取も役に立たねえ!なんか考える必要はあるかもね、ここは一つ」

香取梢 「まだまだ、これからです、この程度じゃ終りませんから! 最後まであきらめなかったほうが奇跡を起こせるんです!!」
第5試合タッグマッチ30分一本勝負
望月登子
アメリア・カペロマン
vs ラブリーベル×
セラフィム・レイ
16分49秒、体固め:ツイスター2
 望月の直線的な攻めと、カペロマンのテクニカルな切り返しがマッチしてトリコロールはペースがつかめない。それでもレイはドミニオン・スラッシュで望月へ反撃すると、ウルトラ・ウラカン・ラナを狙ってスワンダイブ。しかし望月はこれをキックで迎撃していく。さらにベルのジャベを強引にキックで抜けた望月は、ブレンバスターの状態に抱え上げると旋回して、垂直に落とすのではなく前方へファルコンアローのように叩きつける。新技、ツイスター2でベルから3カウントを奪った。

コメント:
第6試合スペル・メイガス爆裂7番勝負第2戦30分一本勝負
スペル・メイガス vs 松井香織×
20分33秒、スカイウイングドライバー
 松井をロープに振ろうとしたメイガスだが、腕を取られてハンマーロックで固められてしまう。側転、ヘッドスプリングから腕を取り返していくメイガスだが、松井に潜り込まれて体を跳ね上げられる。そして素早く腕固めに極められてしまう。パワー負けはしていないメイガス、腕力で振りほどくと今度こそ松井をロープへ振り、強烈なドロップキックを決める。場外へ落ちた松井に対して場外弾を放つ格好を見せたメイガスだがこれはフェイント。エプロンに降り立つとすぐにリングへ戻っていく。
 中盤からメイガスが攻めるシーンが多くなる。しかし松井は簡単に流れを分断するように掌底や旋風脚を放ち、スタミナを奪うスリーパー、足を狙う膝十字とベテランらしい嫌らしさもある組み立て。ミラクルくるくるキックを狙ってコーナー最上段に上ったメイガスを、松井はエルボーでコーナーに腰を落とさせる。そしてその足を抱えると雪崩式ドラゴンスクリュー、さらに膝十字と必殺の膝殺し。悲鳴を上げるメイガスに、場内からは大きながしゅコールが巻き起こる。長い時間耐えてロープに手が届いたメイガスに、会場は大歓声。そしてメイガスボンバーで反撃するが松井は倒れない。しかし、前傾姿勢になった松井を正面から馬跳びのように飛び越えて背中に飛び乗ると、高速で前方へ回転。新技、スカイウイングドライバー(ヨシタニック式ライガーボム)でなんと松井から3カウントを奪って見せた。
 リングコスチュームにTシャツを着ただけでリングそばに駆け寄っていたベルとレイが大の字に倒れるメイガスを抱え起こし、肩車でその健闘をたたえる。大番狂わせに会場も大興奮となっていた。

コメント:
スペル・メイガス「勝ちましたっ・・・!嬉しいに決まってるじゃないですかっ、あのブラックドラゴンですよっ!シングルでやれただけでも最高なのに・・・あれ・・・おかしいな・・・何か涙出てきちゃいました・・・」
第7試合タッグマッチ30分一本勝負
REIKO
ソーニャ
vs 川部雪江
MACHIKO
×
15分24秒、ジャーマンスープレックスホールド
 場外からMACHIKOの足を引っ張ろうと待機していたREIKO。しかしMACHIKOはスライディングでサードロープをくぐりつつREIKOの首を両足で挟みティヘラで放り投げる。リング上では川部とソーニャがグラウンド戦を繰り広げ、川部が片羽絞めでソーニャを捕らえる。ソーニャはロープへ逃げると、パウダーを川部に投げつけて目つぶしをし、高角度サイドスープレックスで川部を叩きつける。さらにとどめを刺そうと川部を引き起こすソーニャだが、川部は膝蹴りから奈落を決めてフォール。危ういところでREIKOがカットに入りカウントは三つはいらない。そして二人がかりで川部を場外に放り落としたFWはMACHIKOを攻め、REIKOの延髄斬りからソーニャのジャーマンスープレックスで勝利した。
 試合終了のゴングの残響も消え去らぬ中、ソーニャがマイクを持つ。
ソーニャ 「これでわかったでしょう? どちらがよりWWPLのトップにふさわしいのか。これでもまだわたしの四冠挑戦を拒む気かしら」
 その言葉に川部はきっとなってソーニャをにらみつけた。
川部雪江 「その話はもう終わったはずです! 前にも言ったように、四冠を手土産程度にしか考えていないソーニャさんなんかに挑戦はさせません!!」
 川部の激しい科白に、ソーニャは軽く眉を上げて答えた。
ソーニャ 「そう。つまりあんたはわたし程度じゃ挑戦者に不足だと言いたいのね。今負けたばかりの人間の科白とも思えないわね」
川部雪江 「勝ち負けの問題じゃありません! ベルトの重みがわかっていない人に、ベルトに挑戦する資格は無いって言ってるんです!!」
 その言葉に会場が沸いた。いっせいに川部への声援とソーニャへのブーイングが巻き起こる。その様子にソーニャは小さく肩を竦めた。わざとらしい様子で、ダブルテイクで軽く驚いてみせる。
ソーニャ 「あら、わたしがベルトの重みを理解していないっていうの?」
川部雪江 「あたりまえです! 四冠を無差別級シングル挑戦のための手土産なんていう人のどこがベルトの重みがわかってるって言うんですか!!」
ソーニャ 「意外ね。たった今自分の肩に乗っているものの重みを自覚していないユキエに、ベルトの重みがわかるとは思わなかったわ」
 その言葉は、確かに川部の意表をついたようだった。
川部雪江 「今、わたしの肩に乗っているもの……?」
ソーニャ 「仮にも正規軍のトップで四冠王者。本当ならいまユキエの肩にはWWPLそのものが乗っているはずよね。なのにあんたは、未だにただのエース候補の位置に甘んじてる。それも自分自身で、自分の立っている場所をそこに決めてしまってるじゃない」
川部雪江 「…………!!」
ソーニャ 「これでわかったでしょう、どれほど自分が甘いか。今のユキエに四冠は無用よ。だからわたしが、あんたの代わりにベルトの価値を高めてあげるって言ってるの。今のWWPLとは、つまりファニーウィングスそのもの、だったら四冠もファニーウィングスの手にあるのが当然でしょう?」
川部雪江 「そんな…そんなことは」
 川部が言いよどむところを、横からMACHIKOがマイクをひったくる。
MACHIKO 「黙って聞いてればうちのエースに適当なことを吹き込んでくれるわね。あんたの本音は川部と試合したいだけじゃないの。本気で豊嶋に挑戦するつもりがあるんだったら、今ここで挑戦状を叩きつければいいじゃない。手みやげなんか無くたって喜んで相手してくれるわよ。豊嶋狙ってる奴が豊嶋の下に収まっていい気になってる姿は滑稽よね! 川部、あんたは間違ってないわよ。あんたが相手するべきは豊嶋であって、ソーニャじゃないんだからね。行くよ」
 そして話は終わりとばかりにMACHIKOは川部の腕を引っ張って引き上げていった。


コメント:
REIKO 「これが勝者と敗者の違いよ」
ソーニャ 「にしてもMACHIKOも妙なコトをしてるわね。わざわざユキエを苗字で呼んでみたりとか。まず形からはいるってつもりなのかもしれないけど、本人に自覚が生まれていない以上無駄な努力よねぇ……」

MACHIKO 「まだまだ! まだ諦めないわよ!」
第8試合
豊嶋奈美 vs レミー・シュナイダー×
16分54秒、片エビ固め:J.O.クインビー・ボム
 ゴングが鳴ると、両者リング中央仁王立ちから張り手の張り合い。何度も張り合ってお互い一歩も引かず、そして最後は同時に放たれた一撃で共に膝が砕ける。そして先に立ち直ったシュナイダーがハイアングルのボディスラムで豊嶋をマットに叩きつける。豊嶋は起きあがると、強烈なドロップキックでシュナイダーをはじき飛ばす。容赦のない激しい攻撃を仕掛け、そしてそれを受けていく両者。10分を過ぎるとこれでもかと大技を繰り出していく。豊嶋はJ.O.スープレックス、ムーンサルトプレス。シュナイダーのファイヤーショット、フロリダ・スタンピート。そしてシュナイダーはファイヤーバレーで豊嶋の頭をマットに突き刺す。膝で押さえるシュナイダーだが、豊嶋はカウント2で肩を上げる。そこでシュナイダーは首をかき切るポーズから望月を沈めたファイヤーブランディングからフォール。しかし豊嶋はこれもブリッジで返すと、ブリッジからそのまま起きあがる。そして宝刀J.O.サイクロンで逆襲。だがこれを今度はシュナイダーがカウント2で返していく。豊嶋はシュナイダーを引きずり起こすと、エルボー一発から気合いの声と共にJ.O.クインビー・ボム。さすがのシュナイダーもこれは返すことが出来ず。豊嶋がカリブの女帝を沈めた。

コメント:
豊嶋奈美 「これが、私のプロレスです。誰にも文句は言わせない。いえ、文句があるのならば…私に勝ってみなさい」

レミー・シュナイダー 「ハードだったよ。さすがは元世界王者だ。またやりあいたいものだな」