12月31日(金) 鳥取県鳥取産業体育館
第1試合20分一本勝負
西園寺京 vs MARINA×
7分39秒、片エビ固め:ジャンボの勝ち
 MARINAの足を集中攻撃していく西園寺。MARINAは押されながらもまりなすたなーを決めて勝負に出るが、3カウントは奪えない。動きが止まったMARINAに、西園寺の全体重を押し込んでいくようなラリアットが決まって試合終了。

コメント:
第2試合タッグマッチ20分一本勝負
香取梢
×九頭竜紅葉
vs 長宗我部美幸
沢田ちひろ
10分39秒、反則:レフリーへの暴行
 九頭竜のジャベに捕らえられて身動きの出来ない沢田。そこで長宗我部がカットに入り、カット阻止に出てきた香取を九頭竜にぶつけてジャベをほどかせる。そして助けられた沢田はお返しとばかりに九頭竜へローリングエルボーを放ち、長宗我部と交代する。長宗我部は九頭竜をコーナーに押し込めると、まず沢田へ指示して串刺しショルダーアタックを放たせる。そして自分も串刺しドロップキックを放つと、最後に柊レフリーへ突っ込めとジェスチャー。つい乗ってしまった柊レフリーは現役当時を彷彿とさせる串刺しエルボーバットを九頭竜に放ち、長宗我部とハイタッチ。これに怒った九頭竜がレフリーをこづくと、レフリーはこれをレフリー暴行と見なして九頭竜の反則負けにしてしまった。

コメント:
沢田ちひろ 「うみゅ。久々に紅葉ちゃんのジャベに捕まっちゃいましたぁ。美幸さんはぁ、人を乗せるのが上手ですぅ。とおってもぉ真似できませんですぅ。でもぉ・・・紅葉ちゃんはまだまだ甘いですにゃ。にこ。」


九頭竜紅葉 「いったいあれはなによ!なんなのよ!あんなの無効よ!癒着だわ!私はまけてない〜っ!」
第3試合20分一本勝負
青柳つかさ vs 華山麗子×
10分57秒、膝フォール:無双乱舞
 キックを中心に組み立てる青柳のミドルキックを捕まえた華山、その膝へエルボーを落とすと膝十字でその足を攻める。さらに青柳の腹部へ何度も膝蹴りを放つと、ダウンした青柳へ向けてダイビングニードロップ。しかし青柳はこれを転がって回避し、自爆させる。そして得意の打撃コンビネーション、無双乱舞を叩き込んで華山から勝利を奪った。

コメント:
第4試合タッグマッチ30分一本勝負
○キャノンボール焔
マンティス笹倉
vs 鬼姫結梨花
LINA
×
16分39秒、片エビ固め:スーパースターエルボー
 前回の対戦では鬼姫の鬼風車に沈んだ焔が、雪辱に燃えて序盤から激しく肘をぶつけていく。しかし、焔が鬼姫へロープリバウンドの反動を利用してエルボーを放とうとしたとき、場外をまわってきたLINAがその足を引っ張って焔を転倒させる。素早く焔に覆い被さった鬼姫は、焔の肘を狙ってストンピングを連打。そして焔を場外にけり出すと、笹倉を呼び込む。笹倉は鬼姫との組み合いを制して蟷螂拳の動きで転倒させると、焔のお返しとばかりに鬼姫の腕を脇固めで攻めていく。五分の戦いを展開していた両チームだが、徐々にLINAのダメージが目立ち始める。笹倉のスリーパーで体力を奪われたLINAは、焔のローリングバックエルボーから大技スーパースターエルボー(後方一回転半宙返り式エルボードロップ)で星を取り返した。

コメント:
キャノンボール焔 「ぃよしっ! 当座の借りは返したっ! 肘狙いは悪くないけど、今の私をその位で止めようと思うのは甘いっ!!」
マンティス笹倉 「まぁ何ちゅうか。消耗戦やったら願ったりですわ。お互いさんで手の内ば読めちょるやろけど、今回ンとは予測の範囲内じゃけん楽なモンで」


鬼姫結梨花 「今日のところは負けてあげるけど、LINAのキャリアとタッグを組んでいた期間を考えたら五分にやってる、いや、試合の流れを握ってたわたし達こそが真の強者だって事が分かるはずだよね。次は取り返してやる!」
LINA 「まあ、確かに肘しか能がないだけあって、当たれば効きましたよ。でも、単調ですから見切ってみせます。ええ、たいしたことはありません」
第5試合タッグマッチ30分一本勝負
望月登子
×支倉千代
vs 刹那
デビル・メイガス
9分45秒、体固め:ムーンサルトギロチンドロップ
 刹那を蹴っていく望月の背後から忍び寄ったデビル・メイガスが、レッドボックスで望月の後頭部を殴りつけて刹那を救出。そして刹那は蹴られたお返しとばかりに望月に突進すると、旋回式のクリムゾンスタンピートで望月をマットに叩きつけ、場外へ放り捨てる。支倉は体重を乗せた突進で刹那、デビルを次々とはじき飛ばしていったが、デビルの河津落としと刹那のキングコングラリアットのコンビネーションでマットに倒される。デビルは支倉が逃げられないように足を持ち、そこへ刹那がコーナー最上段からムーンサルトギロチンドロップを見舞ってフォール。望月は華山、デビルの二人がかりで邪魔をされてカットに入れず、3カウントが数えられた。

コメント:
第6試合タッグマッチ30分一本勝負
川部雪江
vs 久保渚
オリビア
 1人で入場してきた川部は、「正規軍の新戦力を紹介します」とマイクアピール。そして流れた入場曲は、「Face of Fact」、そう、MACHIKOの入場曲である。MACHIKOは顔面ペイントをせず、ガウンも羽織らず、真面目一直線という出で立ちで入場してきた。なんと、ヒール一本を貫いてきたMACHIKOが、まさかのベビーフェイス転向である。イメージを一新して清楚な雰囲気にメイクを施してきたMACHIKOは、会場からため息が出るほどの美貌を見せつけている。リングに上がると、神妙な顔をしてマイクを受け取るMACHIKO。
MACHIKO 「ブラコネを追い出されて、Sitto団でも…あ、いや、じゃなくて、落ち込んでたときに川部が声をかけてくれたんだよ。これまでの事を反省して、真面目に生きるなら、仲間として迎えてくれるって。ありがたかったわ。はじめて暖かい居場所を作れるかもしれないと思ったのよ。そのために、私は正規軍としてあんたたちブラコネを倒す!」
川部雪江 「凶器や犯則さえしなければ、MACHIKOさんの頭脳とテクニックは必ず正規軍の役に立ってくれるはずです。あなた達の凶行も、これまでと知りなさい!」
久保渚 「ふーん、よかったじゃねえかよ、捨て猫を拾ってくれる優しい飼い主がいて」
オリビア 「いまさらそんな雑魚拾ってわざわざ苦労したがるお前の気持ちが分からんわ。反則も出来へんMACHIKOなんか、なんの役にも立たへんで。それしかやることがなかったんやからなあ!」
 そしてオリビアはMACHIKOにマイクを投げつけ、そのまま久保と共に襲いかかる。MACHIKOは冷静にマイクをさばくとオリビアのパンチをキャッチし、手首を極めて体をコントロールしてのエレガントスープレックス(ダブルリスト・アームサルト)で投げていく。川部は久保の重爆ドロップキックで場外に叩き落とされたが、MACHIKOがすぐに久保のエルボーをフロントスープレックスで切り返し、さらに複合関節技で動きを封じてしまう。
 5分過ぎ、ロープワーク中に場外から足を引っ張ろうとしたオリビアにMACHIKOはスライディングキックを放ちこれを阻止、追ってきた久保を正面からMACHIKOが捕まえたところに川部が背後から久保をスクールボーイで丸め込むなど、ブラコネの手出しをことごとく潰していくMACHIKO。しかしそれならばと正面から放たれた久保の渚シャトルをまともに浴びてしまい、MACHIKOダウン。そこからはブラコネがペースを取り戻し、華山や刹那、デビル・メイガスらも乱入してきたためにノーコンテスト決着となってしまった。
川部雪江
MACHIKO
vs 久保渚
オリビア
(12分42秒、ノーコンテスト)
川部雪江 「かなわないと思ったからといって試合を壊すだなんて、見苦しいですよ」
オリビア 「じゃかぁしい!うちらは暴れたいときに暴れるだけや!ええか、今日のところはこれで勘弁しといたるけどな、すぐにうちらに泣いて許しを請うようになるで!」

コメント:
川部雪江 「私の目に狂いはありませんでした。MACHIKOさんは、悪いことをしなければすばらしいレスラーですね。昔のことはお互い忘れて、これからは正規軍の参謀格として、よろしくお願いします」
MACHIKO 「まだ、慣れないけど…うん、頑張ってみる。拾ってくれた恩は、返すよ…」

(ブラコネは暴れ回ってコメントが取れず)
第7試合6人タッグマッチ30分3本勝負
ラブリーベル
セラフィム・レイ
スペル・メイガス
vs レイナ・ピサロ
モラド・マリポーサ
リリィ・リベラ
 メキシコのMWAから、エースのレイナ・ピサロ以下3名が来日。ピサロはスペインの闘牛士風デザインのコスチュームで登場してくる。やや太めの体格だが、ガウンの下から覗く腕や足は脂肪と筋肉がバランスよく付いていることが分かる。その後から入場してきたのはMWAで一番人気、非常に露出度が高くきわどいコスチュームをつけた金髪の覆面ルチャ・ドーラ、“紫の蝶”モラド・マリポーサ。主に男性客の歓声が沸き起こる。そして最後の入場となったのは、“クラシカの継承者”リリィ・リベラ。ルチャ・リブレのイメージは飛翔殺法が中心となったものであるが、昔ながらのレスリングに近い技術体系であるルチャ・リブレ・クラシカをその達人である養母より叩き込まれた英才である。ポニーテールにまとめた赤い長髪を揺らしながら、凛々しい表情でリングイン。
 目をひく入場をみせたメヒコ組に対抗するのは、ビジュアルアピールナンバーワンのチーム・トリコロール。プロのモデルを4人も従え、ファッションショー式の入場はいつもより時間をたっぷりかけて会場を盛り上げていく。試合形式はルチャでよく行われる3本マッチとなった。
 先発を買って出たスペル・メイガスが、リリィ・リベラを挑発する。国は違えど、同じ年にデビューしているリリィ。メイガスのパートナーである清水楓がメキシコで苦杯を飲まされ、目下の標的にしているとの情報もある。リリィに組み付いたメイガスはリリィの腕を取ってロープへ振ろうとするが、リリィは逆にメイガスの腕を取り返すと腕関節を手首、肘、肩と先端から流れるようにロックしていきメイガスをマットに押し倒す。メイガスが前転してこれをほどき、まだ捕まれたままの腕を振りほどくようにアームホイップでリリィを放り投げ、警戒するように距離を取る。ここでリリィは手を差し出して握手を求める。メイガスもそれを握り返し、クリーンにお互い手を放す。そして今度はメイガスがロープへのスルーへ成功。帰ってくるリリィをリープフロッグで飛び越し、さらに体を倒して戻ってきたリリィのステップを狂わせると、再びアームホイップで投げ飛ばす。しかしリリィは投げられた勢いを利用しての前転からハンドスプリングで体を起こし、逆さになって足でロープリバウンド、その勢いのまま背後のメイガスへカンガルーキックを放つ。そしてリリィはマリポーサと交代。
 マリポーサとにらみ合いながらリングをまわるメイガスに、腕をいっぱいに伸ばして強引にタッチしたレイ。メイガスはレイに詰め寄りながらも、仕方ないなという様子で交代を承諾。レイは早いロープワークでマリポーサの背後を取ると、肩車に飛び乗ってそのまま前転、ウラカン・ラナで丸め込んでいきなりフォールを狙う。しかしマリポーサは冷静にこれを逆にエビ固めでフォール返し。レイは転がってフォールをはずすと、マリポーサの足をつかんでステップオーバーし、逆エビ固めへ。しかし色っぽく痛がるマリポーサに会場の男性から歓声が上がり、これにムッとした様子でレイは技を解いてしまう。両者正面からにらみ合うと、マリポーサがぺろりと舌を出して挑発、レイはロープへ跳んで勢いをつけて技を放とうとするが、それ以上のスピードで反対のコーナーに跳んでいたマリポーサのフライングニールキックがレイを迎撃。そしてレイを引き起こしたマリポーサ、スタンディングのメキシカンストレッチでレイを絞り上げる。ベルとメイガスがカットにはいると、ピサロとリリィもそれを妨害せんとリングイン。そしてピサロがベルを、リリィがメイガスをそれぞれスタンディングのストレッチに固めてその技術を見せつける。しかし、トリコロールの3人はこれを同時に振りほどくとそれぞれ自分を固めていた相手をハンマースルー、3人をリング中央で衝突させる。そして輪になっての合体股割き、エストレージャ。本場ルチャのお株を奪うスリープラトンのジャベを決めてみせた。
 リリィをメイガスが、マリポーサをレイが場外に放り落とし、メイガスのノータッチトペ・コン・ヒーロ、レイのバミューダ・トライアングルと場外弾。そしてリング中央ではベルがピサロをネックハンギングツリーでつるし上げる。ピサロは自分をつかんでいる腕ごとベルの頭を両足で挟み、腕をホールドする変形のウラカン・ラナ・インベルティダ、その名もペルフェクト・ラナでベルを丸め込む。ベルはカウント2でこれを返すが、返した直後にピサロが足をつかみ4の字固めのように足を絡めたアキレス腱固め、ラソ・フロム・エルパソを極める。そこに場外でレイを振りほどいたマリポーサがスワンダイブエルボーをベルに決めてさらにベルを苦しめる。しかしメイガスがカットに成功して、ピサロに水面蹴りからロゼッタストーンでベル敵討ちへ。今度はこれをリリィがカットする。邪魔をされたメイガスは、リリィへ向かってメイガスボンバー。しかしリリィはこれを十字固めの要領で飛びついて回避すると、すぐに足で片腕をホールドしたまま腕だけ放して振り子のようにメイガスの前方へ回りながら回転エビ固めで丸め込むリリィ・ラナ(のんのんハンター)。切り替えされた次の瞬間に丸め込まれたメイガス、一本目を献上してしまった。
リリィ・リベラ(12分34秒、リリィ・ラナ)スペル・メイガス
 後がなくなったトリコロール、しかしこれまで余り動いていなかったベルが本領を発揮、リリィを上回るグラウンドの切れをみせて翻弄すると、あっという間のローリングクラッチホールドで一本を取り返し、星取を五分とする。
ラブリーベル(14分45秒、ローリングクラッチホールド)リリィ・リベラ
 ベルはそのまま、さあ来いとピサロを手招き。かつてベルがMWAに在籍していたとき、ピサロはまだエース候補としてベルとしのぎを削る間柄であった。太平洋を隔てて団体のエースとして成長したピサロと、WWPLでもっとも華のある選手とまで評価を高めたベルが激しくぶつかり合う。ピサロのコルバタ、ベルのフライングニールキックを皮切りに空中戦とジャベ合戦を交互に繰り返していく両者。ベルはエンポリオ・アルマニッシュからのラブリーロック、ピサロはメキシコ式バックブリーカー、オーツカリーナからのタワーハッカーボムなど必殺ムーブをみせるが勝負は決まらない。そして、どちらからともなく後ろで出番をほしがっている仲間と交代して出番を譲る。
 レイ、メイガス。マリポーサ、リリィ。4者とも我が意を得たりと次々に得意ムーブを披露してリングに花を咲かせる。そして優勢になったのはホームチームとしての大きな応援を受けたトリコロール。レイがマリポーサへダブルアームスープレックスからのエンジェル・スタンプ3で試合を決めて、大歓声に応えた。
セラフィム・レイ(21分15秒、片エビ固め:エンジェルスタンプ3)モラド・マリポーサ
※2-1でチーム・トリコロールの勝利

コメント:
セラフィム・レイ 「面白かったけど、疲れた〜っ!でも面白かった〜っ! ほんとすごいね、なんかタイミングとかスピードとか技術とか色々違うよやっぱり。上とか下とかじゃなくて、違ってて楽しかった。受けるのも難しかったけどね。当たりのハードな試合って事じゃ相手に負けてないつもりって言うか勝ってると思うから、その辺で勝敗が分かれたんじゃないかな。それに、メキシコじゃメイガススペシャルみたいな頭から落とす技ってないんでしょ?そういうのとかあって、まあでもそういうのがなくてもあの丸め込みは何度もひやっとしたし、あたしも勉強不足がよく分かったし。すごくためになる試合だったから、またやりたいよね。メヒコ遠征に興味が出てきちゃった」
ラブリーベル 「懐かしい感覚でしたわ。日本の皆さんにはなじみのない攻防も多かったと思いますけれど、それでも十二分に楽しんで頂けたという手応えでしたわね。メヒコはわたくし第二の故郷ですから、あの3人が不甲斐ないところを見せることなく会場を盛り上げてくれたこと、大変うれしく思います」
スペル・メイガス「いや〜っ、世界は広いっ!飛び技とかパワーでは負けてないと思ったんですけど、やっぱり向こうのグラウンドのレベルはすごいなって思ったし、WWPL一華のあるボク達相手にビジュアルでもいい勝負だったのも侮れないなって(笑)。その中でも、ボクと同期だっていうリリィちゃん、彼女にはいずれきっちりとリベンジをさせてもらわねばっ!・・・まあ1本目とられたのは悔しいけど、やりたいことはやれたなって思うんで満足ですっ。大晦日に来ていい勉強になりましたっ!」

レイナ・ピサロ 「ラブリーベルはずいぶんと成長したみたいね。環境が合っていたんだろうと思うけれど、知らない間に強くなられていたのはちょっとショックだったよ。でも、私だってMWAのエースだから、胸を張ってお互い頑張ったなって言える。また機会があったら呼んで欲しいね、スケジュールの都合を是非ともつけてまた日本にやってくるよ」
リリィ・リベラ 「あの、メイガスだったっけ。あの人はあの体格であれだけ動けるのはすごいと思った。ピサロも体格の割にすごいと思うけど、優劣つけがたいね。でもテクニックなら私が勝ってるって確信したよ。カエデがずいぶんとほめるもんだからどんなものかと思ってたけど、感心5割、物足りなさ5割かな」
第8試合タッグマッチ30分一本勝負
豊嶋奈美
稲葉ましろ
vs REIKO
 まずは赤コーナーから、鳥取出身タッグ、豊嶋と稲葉が入場してくる。二人とも地元だけあって、この日一番の大歓声。そしてREIKOは青コーナーから1人で入場すると、「最近このマットはぬるま湯よね。そこで、今日はすばらしいゲストを呼んであるの。まあ、日本じゃちょっと知名度がないんだけど、その実力は折り紙付きよ。カリブの女帝、“餓狼”レミー・シュナイダー!」本日二人目のX、レミー・シュナイダーが、クラシックの「皇帝」をBGMに堂々の入場。その威圧感に会場は圧倒される。シュナイダーがリングインすると、通訳がリングに上がりマイクを渡す。
レミー・シュナイダー 「初代四冠王者と相まみえることが出来たことを光栄に思う。その礼として、この場で我が牙にかけて差し上げよう。豊嶋、存分にその力をふるうがいい。全て喰らい尽くしてくれる」
 先発しようとする豊嶋だが、稲葉がそれを抑えてシュナイダーを挑発。しかしシュナイダーはこれに乗らず、REIKOへ出るようにジェスチャーを送る。苦笑しながらもREIKOが前に出ると、ここでゴング。まずはロープワークからキチンシンクを狙うREIKOだが、稲葉は高く跳躍するとこれを飛び越してREIKOの背後からドロップキック。はじき飛ばされながらもREIKOは前回りで受け身を取り即座に立ち上がる。そしてさらに突進してくる稲葉の髪をすれ違いざまにつかみ、髪つかみショルダーネックブリーカー、そして髪から手を放さずフライングメイヤーを連発する。レフリーが止めにはいるが、レフリーを蹴飛ばしたREIKOは稲葉の顔面へステップキックで追撃。しかし、稲葉は自分の髪を放さないREIKOの手をつかみ、倒れ込みながらアームホイップ。そしてREIKOがロープ際にいるのを見ると、ブーメランキックを決める稲葉。そして豊嶋と交代。すると、シュナイダーがREIKOに手を伸ばしてタッチを要求。REIKOは豊嶋を見つめながら肩をすくめると、後転してコーナーへ戻り、シュナイダーと交代する。
 にらみ合ったシュナイダーと豊嶋、互いに間合いを詰めると正面から組み合う。素早く豊嶋の後ろを取ろうとするシュナイダーだが、豊嶋はこれを読みヘッドロックへ。しかし次の瞬間、豊嶋はシュナイダーのバックドロップでマットに叩きつけられる。そして起きあがろうとする豊嶋の足を取り、ハーフボストンクラブをしかけるシュナイダーだが、豊嶋の柔軟さに目を丸くする。ほとんど足が頭に付くほどそり上げても耐える豊嶋を見て、あきらめて手を放す。豊嶋はシュナイダーを自軍コーナーに振ると、そのシュナイダーのアゴを背後から稲葉がホールド。動きを止めて対角線を走って勢いをつけた串刺しのドロップキックがシュナイダーに決まる。そして稲葉にタッチした豊嶋は、二人がかりのブレンバスターでシュナイダーを放り投げる。
 稲葉は大柄なシュナイダーをフロントスープレックス、フィッシャーマンズスープレックスで投げてどうだとアピール。するとシュナイダーは稲葉へ素早い胴タックルを仕掛けてコーナーへ押し込むと、ボディスラムの要領で稲葉を抱え、フロリダ・スタンピート(胴タックルからのオクラホマスタンピート)で稲葉の体を潰していく。だが、稲葉も下から体を起こそうとしたシュナイダーの首を両足で挟み込み、一瞬の丸め込みでエビ固めへ。これにはシュナイダーもあわててキックアウト。さらに稲葉は不意を突かれた形のシュナイダーをネブリナ(変形結び目固め)に捕らえていく。しかしこれはREIKOが稲葉を蹴り飛ばしてカット。さらにREIKOは豊嶋をエルボーで場外に落とすと、シュナイダーと共に稲葉へパワーボムを放つ。そしてシュナイダーは稲葉をコーナーに振るが、稲葉はコーナートップへ飛び乗ると、串刺しラリアットを狙ったシュナイダーへましろスペシャル1号(ムーンサルトアタック)でカウンターを取る。さらに、豊嶋を追って場外に降りていたREIKOへましろスペシャル2号(側転ノータッチトペ・コン・ヒーロ)で降りかかる。稲葉の空中殺法に、会場からは大きな声援が飛ぶ。しかし、その稲葉にシュナイダーがコーナートップからファイヤーショット(フライングラリアット)で襲いかかる。シュナイダーの豪腕に吹き飛ばされる稲葉。
 豊嶋はREIKOを鉄柱に向かって放り投げた後場内に復帰。そこへ稲葉をはじき飛ばしたシュナイダーもリングへ戻ってくる。両者ともスープレックスを交互に放つスープレックス合戦へ。豊嶋のJ.O.スープレックスに大きなダメージを受けた様子のシュナイダー。そこでJ.O.サイクロンでフィニッシュを狙う豊嶋だが、REIKOが背後から椅子で豊嶋を襲う。逆にシュナイダーに背後を取られた豊嶋、クロスアームスープレックスで放り投げられる。ダウン状態の豊嶋をコーナートップに据えたシュナイダーは、雪崩式のクロスアームスープレックス、カリビアンスプラッシュの体勢へ。しかし稲葉がシュナイダーの背後からエルボーを放ち、シュナイダーを引きずりおろしてフィッシャーマンズスープレックスを放つ。さらにそこへ豊嶋がムーンサルトプレスで追撃。カウントが入るが、これはREIKOが稲葉をレフリーにぶつけることでカウントを阻止。さらにREIKOは起きあがろうとしていた豊嶋へキック・オブ・デス。クロスアームスープレックスのダメージが残る豊嶋、ぐったりと倒れてしまう。一方シュナイダーは邪魔をした稲葉を場外に連れて行く。そして、REIKOは豊嶋に宝刀エクスカリバーを3連発。倒れた豊嶋の胸に膝を乗せてフォールするREIKO。稲葉は場外でシュナイダーに捕まったままカットに入れず、カウント3が数えられてしまった。
×豊嶋奈美
稲葉ましろ
vs REIKO
レミー・シュナイダー
18分46秒、膝フォール:エクスカリバー
 地元鳥取での試合を勝利で飾ることが出来なかった鳥取タッグの姿に、会場はざわめきの声。
REIKO 「あははははははは! これがエースねえ〜。お山の大将気取りすぎて、勘が鈍ったのかしら? 奈美、あんたこれでいいわけ? 地元の大晦日で、初来日の外人にやられる程度のエースだったわけ? ばかばかしくて笑うしかないわよ。 これがWWPLの現状よ。進歩を忘れてお約束に浸かった結果よ! あたしはそんな情けない団体に所属していたくないのよね」
 この言葉に、会場は大きなどよめきに包まれる。まさか退団か―というささやきも聞こえる。が。
REIKO 「だから、あたしが変えてやるわ。 WWPLに新しい風を吹き込んで、あたしが、ファニーウイングスがこの団体を牛耳らせてもらうから。 そうなったら役立たずは切り捨てていく。 そのために手っ取り早いところだとベルトの独占かしらね? 次の無差別タッグ戦も必ずうちが勝つ。 そしてシングルも、ウェルターもあたしたちが手に入れる。 見ているといいわ。 ここをこんなぬるい団体に変えてしまった観客達も、思い知りなさい。 最高のバッドエンドをみせてあげるから!あははははははははは!」
 REIKOに大ブーイングが送られる。しかし、豊嶋はREIKOの言葉に反論を行うことはなく、ぐったりとした様子で顔を上げることもなかった。REIKOとシュナイダーが引き上げた後、力無くセコンドの肩を借りて控え室へと消えていった。

コメント:
レミー・シュナイダー 「正直言って期待はずれだ。この程度かとね。むしろ、REIKOの方が活きが良さそうではないか。私は別にREIKOの友人でも仲間でもない。ただ、戦いを欲するのみ」
REIKO 「ま、後は年が明けてからのお楽しみって事」
第9試合WWPL無差別級タッグ防衛戦60分一本勝負
王者組
ソーニャ
ディアナ
vs 挑戦者組
松井香織×
カーシャ・イワノヴナ
21分20秒、裏膝十字固め
※第6代王者が7度目の防衛に成功
 ゴング前から奇襲を仕掛けたのは挑戦者組。ディアナをダブルドロップキックで場外に落とすと、ソーニャへダブル旋風脚を放ち、カーシャがフォール。あわや秒殺の危機をカウント2で返したソーニャだが、即座に挑戦者組がダブルブレンバスターからダブル腕ひしぎと合体攻撃で攻め続ける。
 10分頃まで王者組は防戦一方。しかしカーシャの場外弾、ホーロドニー・スメルチをディアナが椅子で迎撃したところから王者組の反撃開始。カーシャに的を絞って攻めていく。しかしカーシャは猛攻に耐えると、ソーニャの裏拳をディアナに誤爆させ、ソーニャをブリザードで投げてピンチを脱出。カーシャが試合を主導していく挑戦者組の動きに、王者組はペースを乱される。
 しかし、ディアナがカーシャの髪を捕まえてラフなエルボーを後頭部に放ち始めてからカーシャの息が上がり始める。そしてカーシャの動きを封じた王者組は松井の膝へ攻撃を集中していく。最後はソーニャがバックの取り合いから瞬時に膝を極めに動き、完璧な裏膝十字固めで松井からギブアップを奪った。

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