12月24日(金) 広島県広島サンプラザ
サンタクロース風のコスチュームに身を包んだレイとメイガスが、観客へプレゼント(昔のパンフレットや団体のDVDなど、様々なグッズが入っていたらしい)を配りながら入場してくる。一通り会場を回った後、リングへ上がる。
セラフィム・レイ 「はい、どうもこんばんは!クリスマスイブに興行やっちゃってるせいでデートにも行けないレイちゃんです!」
 笑いを取りつつ開幕挨拶を行うレイ。しかし、そのデートにも行けない、という台詞は言うべきでなかった。レイがさらに口を開こうとした瞬間、会場の照明が落ちる。そして、どこからともなく恨みがましい声が響く。
??? 「…ノーモアクリスマス…ノーモアクリスマス…デートに行けぬ、だと…。それはつまり相手がいると言うこと…」
スペル・メイガス 「あ、ちょっと真っ暗だよ!照明さんなにやってんの〜」
セラフィム・レイ 「あのね、デートとかって冗談だし確かに彼氏欲しいけどそうじゃなくてこの会場に来てくれてるカップルさんにも楽しんでもらえるようなってしまったこれひょっとして」
??? 「アベ〜ック…カ〜ップル…アイドルレスラ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!! 見える!見えるぞ!このクリスマスイブに!めらめらと燃え上がる!嫉妬の!炎が!」
 会場のあちこちから火花が散り、各所で悲鳴が上がる。そしてスポットライトが花道に。
マスクド・ジェラシー1号 「誰かが嫉妬に狂うとき!」
マスクド・ジェラシー2号 「マスクド・ジェラシーを呼ぶ合図!」
マスクド・ジェラシー1号 「Sittoの神よごらんあれ!」
 そしてスクリーンにSittoの神の映像が映し出される。
                          ,. -――- 、
                      / Sit/to   _>.  全世界のもてない者たちを
                     / { \レ/,二^ニ′,ハ 救済するため
                     |'>`ー',' ヽ._,ノ ヽ| 作り上げた秘密結社!
                     |^ー'⌒l^へ〜っ_と',!  その名もステキ 『 S i t t o 団 』
      __             ! u'  |      /
  /´ ̄       `!             ヽ  |   u'  , イ 
  |  `にこ匸'_ノ            |\_!__.. -'/ /|    ワレらの最大目標わ!!
  ノ u  {                 _.. -―| :{   ,/ /   \
. / l   | __  / ̄ ̄`>'´   ノ'    ´ {、    \     12月24日!!
/ |/     {'´    `ヽ. " ̄\ U `ヽ.    __,,.. -‐丶 u  ヽ  
| / ヾ、..  }      u' 〉、    }    `ー''´  /´ ̄ `ヽ '" ̄\  クリスマスの夜に
! :}  )「` ノ、     ノ l\"´_,,ニ=-― <´  ヽ{  ノ(   `、  |最大に増える
l   、_,/j `ー一''"   },  ノ ,  '''''""  \   ヽ ⌒ヾ      v  | アベックどもに
ヽ   _         /   } {. { l ┌n‐く  ヽ/ ``\        ノ 正義の鉄槌を下し!
  `¨´    `¨¨¨¨´ ̄`{ 0  `'^┴'ー┘|ヾ    }、 u'   `  --‐r'′根だやしにすること!!
             ヽ       ,ノノ {   ノ!\      v   ノ

Sitto団団員の声 「おおーっ!」

スペル・メイガス 「あ〜もうっ、やっぱり出てきたーっ!」
セラフィム・レイ 「本当に懲りない連中だよね! きなさい、相手してあげる!」
マスクド・ジェラシー2号 「今日こそぎったんぎったんにのしてやるっ!」

第1試合
マスクド・ジェラシー1号
×マスクド・ジェラシー2号
vs セラフィム・レイ
スペル・メイガス
8分29秒、片エビ固め:メイガススペシャル
 レイとメイガス、まずは腕を組んで突っ立っていた1号にダブルのドロップキックを放って場外に叩き落とす。そして2号をロープに振り、連続リープフロッグなどで二人がかりで翻弄して最後はメイガスがホイップ。会場は大いに盛り上がる。さらに二人がかりで2号に組み付くトリコロールの二人だが、なんと2号二人をまとめて絡ませると、レイにコブラツイスト、メイガスに卍固めを同時にかける卍コブラで絞り上げる。そして技を解き、エプロンに上がってきた1号と交代する2号。メイガスが1号に向かっていき、袈裟斬りでチョップを連発するが1号は逆水平一発でメイガスをはじき飛ばす。レイも加わって交互にチョップを放つが、そのたびに1号は一発だけ返してパワーの違いを見せつける。しかしメイガスとレイ、二人がかりのブレンバスターで1号を放り投げて逆襲。場外に逃げた1号へ、メイガスがノータッチトペ・コン・ヒーロを、レイも2号を場外に落としてバミューダ・トライアングルと場外弾を放っていく。最大のピンチは7分過ぎ、拷問コブラツイストで攻め立てられた後スパイラル嫉妬ボムを食らいかけたレイ。しかしレイはこれをラナでうまく切り返し、メイガスとタッチ。レイはそのまま1号を場外に追い払って2号とメイガスの一騎打ち状態にさせると、メイガスが最後をメイガススペシャルで締めてSitto団の暴走を止めてみせた。

コメント:
スペル・メイガス「昔から言うでしょ、『人の恋路を邪魔する奴はソリに轢かれて死んじゃうよ』って。まあ、今夜は・・・カッコつけたかったんだよねっ。ボクも恋する女の子だから(笑)え?この後の予定っ?それは・・・(レイを横目で見て)ないない、な〜んにもないよっ!いやホントにっ!いや〜、相手のいる人たちがうらやまし〜な〜」
セラフィム・レイ 「何度来ても結果は同じだよと。ファンのみんなのためにもこの日に負けるわけにはいかないからね。ところでがしゅちゃん、この後の予定がないならベル様さそって三人で飲みに行かない?予定ないんでしょ?(目が笑ってない)」
第2試合
香取梢
MARINA
vs 西園寺京×
九頭竜紅葉
12分51秒、片エビ固め:ディープ・インパクト
 試合前に西園寺が、「相方の元気が…名前に反して元気じゃなくなってしまいました。こら、笑うな。えーっと、怪我しちゃってね、腰を。先週ちょっと厳しく攻められすぎて…ってレスラー失格よね。あ、いや、相方だからあんまり悪口言いたくないんだけどね。まあとにかくそういうことでしばらく1人なんで。今日は九頭竜と組んでます。関節技とかストレッチとかにしか興味のない変態だけどなんとか頑張ろうと…なに?変態じゃない?芸術家?いっしょや、どっちも。で、まあそういうことです」とマイクアピール。
 マイクは軽い感じだった西園寺だが、試合が始まるとMARINAの腰、香取の腕をそれぞれ集中して狙っていく。九頭竜もそれに併せてサブミッションとジャベを使い分け、香取とMARINAは意外な苦戦を強いられる。しかし執拗な攻めを耐えきると、香取が西園寺、九頭竜に連続でDDTを叩き込む。そしてMARINAが九頭竜へエプロンから場外へ落ちる奈落式のまりなすたなーで場外KO状態に。九頭竜が伸びている間に香取が西園寺へディープ・インパクトを決めて辛勝。

コメント:
MARINA 「九頭竜さんはすぐにジャベとかで切り返してくるので、とてもやりにくかったですけど、まりなもまだまだ後輩さんに負けるわけにはいかないのです」
香取梢 「わたしだってまだまだこれからですから。こんな所で立ち止まるわけにはいきません」

西園寺京 「奈落式やて…見てただけで冷や汗が出た…。おかげでモロにディープ・インパクト食らっちゃったじゃない…」
九頭竜紅葉 「ちんちくりんが相手だと極めても美しくないんですよね〜」
第3試合
鬼姫結梨花
LINA
vs 長宗我部美幸×
沢田ちひろ
12分6秒、パーフェクトドライバー
 不満そうに入場してきた鬼姫がマイクを要求。
鬼姫結梨花 「ちょっと待ってよ。この上り調子のわたし達が、いまさらこんなのの相手してられないよ」
 それに対して長宗我部もマイクを握る。
長宗我部美幸 「そんな事を言うなら、よっぽど自信があるんですね」
鬼姫結梨花 「当たり前のぽんぽこぴーだ!」
長宗我部美幸 「言葉の意味はよく分かりませんがとにかくすごい自信だというのは伝わりました。それでは、三嶋さんだけが出てこられるのはいかがでしょうか」
 あからさまにハンデを要求する長宗我部。プライドはないのか。あわてて手を横に振るLINAを見た鬼姫。
鬼姫結梨花 「やってやろうじゃないの」
LINA 「ちょっとまてーっ!」
 しかし無情にも鬼姫、長宗我部とも納得してしまいコーナーへ戻り、LINAと沢田の先発でゴングがなる。コーナーの鬼姫と長宗我部をにらみ付けたLINA、しかしすぐに切り替えて沢田に組み付く。沢田がLINAの背後に回って腕を取るが、LINAは側転とヘッドスプリングを使って取り返す。LINAは思いきり腕をねじ上げ、思わず腰を落とした沢田の手を離し、ロープリバウンドの勢いをつけてその顔面へドロップキック。バチンと大きな音が響き、リングを転げ回る沢田。LINAは沢田の髪の毛を引っ張って引きずり起こす。すると、沢田は一気に組み付いてLINAをボディスラムでマットに叩きつけ、フットスタンプで追撃して長宗我部と交代。LINAは長宗我部にロープワークからドロップキックを放とうとするが、長宗我部は手を突き出してLINAを止める。そしてパントマイムで目の前に壁があるぞ、と示す。LINA、思わずそのパントマイムに乗ってしまい攻撃できない。LINAが肩をすくめて後ろを向いた隙に、長宗我部はドアを開ける仕草の後背後から組み付いてバックドロップ。さらにLINAを押さえつけると沢田に合図。沢田はリング上に横たわるLINAへダイビングフットスタンプ。悶絶するLINA。沢田が押さえ込み、カウントが入る。しかし鬼姫が隠してあった沢田のみかんを場外からレフリーに投げつけてカウントを妨害。
 その後、鬼姫は試合権利は持たないままに場外からの手出しや場外乱闘へ持ち込むなどしてタッグワークでLINAをフォローしていく。最初は鬼姫に不信感を持っていた様子だったLINAも徐々に合点がいったように動きに切れが出ると、最後はパーフェクトドライバーで長宗我部からピンフォール。

コメント:
鬼姫結梨花 「よく頑張ったよく頑張った」
LINA 「ひどいじゃないですか。まったく、相手があの連中じゃなかったら負けてましたよ」
鬼姫結梨花 「あの連中だからああいう状態になったんだもん、いいじゃん」
LINA 「まあそうですね、結局あの人達は二人がかりで私を沈めることが出来なかったんですから」
鬼姫結梨花 「ものは言い様だよね」

長宗我部美幸 「鬼姫さんは卑怯だと思います。三嶋さんだけと言っていたのに手出しをして来るだなんて。なんで反則が取られなかったんでしょうか?」
沢田ちひろ 「こんなの・・扱いされちゃったぁ。悔しいですぅ。おまけにぃ・・2対1でフォールを美幸さんが取られちゃうなんてぇ・・。りなちゃんって・・一体どうしてあんな動きができるのぉ?ああん!悔しいぃ!!ばんばん!(珍しく悔しそうである・・・。)
第4試合
望月登子
青柳つかさ
×支倉千代
vs 刹那
デビル・メイガス
華山麗子
9分17秒、体固め:ダイビングギロチンドロップ
 ゴングを待たずに仕掛けたブラコネを、真っ向から青コーナー側が迎え撃つ。しかしブラコネは刹那が突出してそのフォローをデビルと華山がする形で有利に試合を運んでいく。青柳が華山を蹴り倒すとすかさずデビルが青柳を捕らえてグラウンドで腕ひしぎに捕らえ、ギブアップを迫るがこれは望月がカット。その望月に刹那がクリムゾンスタンピートを放つが、これは望月が踵落としで迎撃する。しかしその背後から華山がレッドボックスで望月を殴りつけると、ブラコネはスーパーパワーボムで望月をマットに叩きつける。青柳、支倉も持ち味を活かして個々の場面では有利に立つことがあっても長く続かない。そして最後はデビルの大外刈りで倒されてしまった支倉に刹那のダイビングギロチンが飛び、試合が決まった。

コメント:
望月登子 「ふん、MACHIKOを追い出したのがどうやらいい方に働いたらしいな。多少は楽しませてくれそうじゃないか」
第5試合
松井香織
カーシャ・イワノヴナ
vs 久保渚×
オリビア
15分59秒、片エビ固め:ブラックドラゴンドライバー
 久保、オリビアとカーシャは同期。そのカーシャが次回興行で無差別タッグに挑戦するとあってか、ブラコネの攻撃はカーシャに集中。レフリーの制止を無視して二人がかりでの攻めが続く。しかし、カーシャをオリビアが羽交い締めにして久保が渚シャトル(カチ上げラリアット)を狙ったとき、カーシャがオリビアのいましめを振りほどき誤爆を誘う。盛大に吹っ飛んだオリビアを場外に叩き落とし、今度はカーシャと松井が久保へサンドイッチ旋風脚やコーナーに串刺しにしての連続攻撃などを見舞う。そしてカーシャがオリビアを場外で膝十字に捕らえ、リング上で松井が久保をブラックドラゴンドライバーで仕留めた。
久保渚 「ちっ、今日のところは負けておいてやるよ。その代わりベルトはちゃんと取ってきてもらうからな!」
オリビア 「せや。その後でうちらがそのベルトをいただくっちゅう寸法や。応援したるさかいせいぜい気張りや」

コメント:

久保渚 「あん?同期として応援してやっただけだろ?何がおかしいよ」
オリビア 「ホンマやで。うちらなんちゅう優しいんやろ。くくく」
第6試合
×REIKO vs ラブリーベル
15分45秒、ラブリーロック
 入場から両者ともいつも以上に観客へのアピールを重視した振る舞いをみせる。ベルの登場以来ビジュアルアピールでは押され気味のREIKO、このクリスマス直接対決でその実力差を見せつけてベルの鼻をへし折りたいところ。REIKOは序盤からカウンターキックや顔面へのエルボーなど、とにかくベルの顔面を痛めつけていく。5分過ぎにREIKOの膝蹴りがベルの顔面に叩き込まれたときはそのえぐく響く音と併せてその気迫が会場に伝わり、一部からは悲鳴も起こる。しかし、倒れたベルの髪をつかんで引き起こしたREIKOの腕を、ベルが素早くつかみ取ると電光石火の飛びつき腕ひしぎ。ガードが乱入してこの関節技を振りほどかせるが、逆にガードはベルの鞭によって場外で鉄柱にくくりつけられる。それでもその間に腕を押さえつつも立ち上がったREIKO、怒りの形相でベルにこれまで以上の激しい蹴りを見舞う。
 この二人の試合と思えないような殺気を身にまとった戦い。REIKOのキック・オブ・デス、ベルのフライングニールキック。REIKOのエクスカリバー、ベルのバッキンガムドロップ。お互いの得意技を正面から受け止めて返していく。12分過ぎ、REIKOの延髄斬りでダウンしたベル。しかしREIKOはフォールに行かず、ムーンサルトプレスで追撃を放つ。ほぼ完璧に決まったムーンサルトだったが、ベルが長い足を伸ばすとサードロープへぎりぎり引っかかり、試合が決まらない。両者ともふらふらになりつつ起きあがる。REIKOは気合いと共にハイキックを放つが、ベルはその場でブリッジしてそれを回避。さらにブリッジから即座に体を起こすと、ラリアットでREIKOをなぎ倒す。そして、アルマニッシュ・エックスチェンジからラブリーロックの必殺コンビネーションでREIKOを捕獲。ガードはメイガスとレイに連れ去られており、邪魔するものはいない。REIKO、無念のタップ。
 REIKOは試合が終わってもラブリーロックで痛めつけられた肘を押さえたまま自力で動くことが出来ず、鬼姫とLINAが担架で運んでいった。

コメント:
ラブリーベル 「…厳しい戦いでしたわ。だからこそ、この勝利は今まで以上の自信を、わたくしにもたらしてくれました」
第7試合
ソーニャ
ディアナ
vs 豊嶋奈美
川部雪江
×
20分56秒、スラーズ・マリーツァ
 ソーニャと川部のグラウンド戦で幕を開ける。めまぐるしく攻守が入れ替わり、両者一歩も引かずにヒートアップ。そしてどちらからともなく距離を取って向かい合うと、会場から拍手がわき起こる。そして今度は正面から組み合うと、ソーニャが川部をヘッドロックに捕らえる。川部はソーニャをロープに押し込んで振りほどき、カウンターで掌底を放つ。倒れたソーニャはしかしすぐに起きあがり、自軍コーナーが近かったためディアナとチェンジ。それを見た川部も豊嶋と交代する。
 タッチワーク、レフリーのブラインドを突いた反則などでファニーウイングスが優位に立つが、豊嶋と川部の正規軍タッグも個人技術を駆使して対抗。正規軍組は何度も分断をされつつ、ギリギリでカットに成功して凌ぐ。20分を超える試合は、最後ソーニャが必殺のスラーズ・マリーツァを決めて川部から3カウントを奪い、大晦日のタッグベルト防衛戦に向けての備えは万全であることを示した。

コメント:
ディアナ 「来月はテキサスに帰るんだけど、その時ベルトも一緒に海を渡りたいもの。ベルトは絶対に防衛してみせるわ。そのためにもこんなところで躓くわけにはいかないのよ」
ソーニャ 「ま、クリスマスプレゼント代わりってとこね」

豊嶋奈美 「相手がチームワークでくるなら、こちらは個人技で対抗するのみです。負けはしましたけれど、手応えはよかったと思いますよ」
川部雪江 「悔しいです…っ。このままでは終わりません、必ずまた無差別タッグに挑戦して、ソーニャさんから取ってみせます!」