11月16日(火) 兵庫県神戸サンボーホール
第1試合
鬼姫結梨花
LINA
vs MARINA
沢田ちひろ
×
7分12秒、トケ・エスパルダス
 長宗我部と組んでコミカルファイトを展開することが多いMARINAと沢田だが、長宗我部がいないときはそれぞれの色を出した戦いぶり。沢田は動きの早さでLINAに先手を打たれるが、ドロップキックを転倒せずに耐えてロープリバウンドからショルダーアタックを仕掛け、追撃のセントーンを仕掛けて気合いの声を上げる。MARINAは鬼姫のアームホイップからすぐに復帰すると、腕の取り合いで鬼姫の動きを止めたところに頭突きを決める。ペースをつかんでいくMARINAと沢田に対して、LINAはロープに跳んだMARINAをエプロンから肘打ち、ふらつくMARINAへ鬼姫が低空ドロップキック、ドラゴンスクリュー、4の字固めでギブアップを迫る。これは沢田がカットにはいるが、鬼姫は沢田へ毒霧を吹きかけるとMARINAをつれて場外へ。LINA、視界を奪われた沢田にサイドから組み付いたLINA、トケ・エスパルダス(メキシコ式丸め込み)を仕掛け、3カウントを奪った。

コメント:
LINA 「司令塔がいなければこんなものですか? こちらは2人でファニーウイングス見習いをしているので6人タッグの形で長宗我部チームと戦うことが出来ませんけど、後1人増やして6人タッグとして当たってもこの結果は変わらないと思いますよ」
鬼姫結梨花 「まー、別に勝ったことに関してはどうでもいいんだよ。驚く事じゃないから。ただ、長宗我部がいなかったらまっすぐにしかこれないようじゃ、何度やっても結果は見えてると思うけどね。わたしたちの標的はオリビア&刹那、それからアンバランスだから。こんな連中相手ははっきり言って、眼中にない」

沢田ちひろ 「りなちゃんには負けたくなかったんですけどぉ・・。毒霧には参りましたぁ・・・あのタイミングでぇ・・。ごしごし・・・(毒霧で汚れた顔を拭きながら)。りなちゃん・・生意気ですぅ。めめ!」
第2試合
支倉千代
あんず
vs 西園寺京×
風祭元気
11分48秒、片エビ固め:ランニングのど輪落とし
 ウエストウインドの狙いはあんずの腕殺し。ショルダーアームブリーカー、脇固め、ストンピング。さらに西園寺があんずの左腕をロープへ引っかけたところへ風祭がコーナー最上段から飛び降りつつエルボーを放つ。支倉と交代するときは休めるあんずだが、風祭が支倉のパワーに押されながらも場外に引きずり込むと、西園寺があんずをリングへ引っ張り出して再び腕へ集中攻撃をかける。それでも、あんずはその痛む腕を振り回してパンチを叩き込む。そしてなんとか支倉に交代すると、支倉が大暴れ。コーナーに押し込められて対角線のスプラッシュを受けた西園寺は、ランニングのど輪落としに耐えきることが出来なかった。

コメント:
支倉千代 「あんずさんが危険でしたので、全力で勝負にでました。あんずさんがよく耐えてくれました。おかげで今日も白星です」
あんず「あたしの左腕ですか?カスリ傷です。勝利のためなら腕一本惜しくはないです。それにしても今日は千代さんが大活躍ですね。きっとやってくれると信じてました。」
第3試合WWPLウェルター級シングル防衛戦
王者
香取梢
vs 挑戦者
長宗我部美幸×
17分16秒、片エビ固め:ディープ・インパクト
※12代王者が二度目の防衛に成功
 両者がリングインすると、レフリーの柊がマイクを持つ。
柊レフリー 「長宗我部、一応確認しておくけど、反則決着だとベルトは移動しないからね?」
 そう言われた長宗我部、あわてた様子で後ろを振り返る。セコンドについていたMARINAが申し訳なさそうに頷くと、長宗我部は困り顔を見せた。だが、すぐに気を取り直した長宗我部。マイクを受け取って要求。
長宗我部美幸 「それでは特別ルールでお願いします」
柊レフリー 「ダメ」
 しかし即答されてしまう。思案する表情のままレフリーチェックを受ける長宗我部は、ゴングにも気付かない。香取の先制ドロップキックをまともに食らってしまい、場外まで転がり落ちてしまう。リングに戻っても精彩を欠く長宗我部に香取のイライラがつのり、序盤からDDTの連発など激しく攻め立てる。ところが5分経過のアナウンスがあった直後、DDTを放とうとした香取を長宗我部がスモールパッケージホールドで丸め込む。危うく3カウントを取られそうになった香取は警戒して間合いを取ると、あれだけ攻められていたはずの長宗我部が涼しい顔で立ち上がる。自分が流れをコントロールされていたことに気付いた香取は、そのショックを受けた隙をつかれて長宗我部に足をすくわれると、パラダイスロックで固められてしまう。手足を折りたたまれて身動きが取れない状態の香取、まるで晒されているような恥ずかしさに顔を赤く染めて耐える。ギブアップが取れないので長宗我部は技を解く。
 大きなダメージを与える技を持たない長宗我部なので、香取は気持ちを切り替えた後は関節技に注意をしつつ焦らないで試合を進めていく。そのためロープワークもほとんど使わず、組み合ってはフライングメイヤーや腕の取り合いという、序盤に行われやすい攻防になる。さらに、香取がスタナーを狙おうとしたところで長宗我部はスクールボーイで丸め込みを狙ったために香取はさらに警戒を深める。動きが少なくなった香取に、今度は長宗我部が襲いかかる。低空のタックルを仕掛け、これは香取が上から潰すが、すぐに香取の腕を下から捕まえるとクロスアームバーに捕らえる。香取はロープに逃げてブレイク。長宗我部は香取をロープに振ってアームホイップから腕を固め、それを振りほどいた香取の顔面へその場跳びでドロップキックを放つなどうってかわってスピーディに試合を進める。勢い負けしそうになった香取だったが、走り込んできた長宗我部にローリングネックブリーカードロップでカウンターを取ると、DDT、串刺しドロップキック、そして雪崩式スタナーと一気に攻め込む。雪崩式スタナーはカウント2で返した長宗我部だが、立ち上がっても足下が定まらない。そして香取は、そこへコーナー最上段から飛びつくDDT、ディープ・インパクトを決める。マットにめり込むように頭を叩きつけていった香取。この一撃で決着した。
 ダメージが大きかったか、長宗我部は自力で起きあがることが出来ずMARINAと沢田に引きずられるようにして退場していった。

コメント:
香取梢「……最後まで長宗我部さんを引き込むことができませんでした。タイトル戦でこんな試合をしているようじゃ、まだまだですね……」
第4試合
MACHIKO
オリビア
刹那

デビル・メイガス
華山麗子
vs セラフィム・レイ
スペル・メイガス

キャノンボール焔×
マンティス笹倉
青柳つかさ
13分19秒、クロスアームボム
 先に入場中のブラコネを、なんと青柳が急襲。青コーナーの連合軍も、青柳1人戦わせるわけにはいかないのでやや遅れながらも突っ込んでいく。ボックスを持ち出そうとするオリビアを、ボックスごと蹴り飛ばした青柳。さらに刹那に正拳を叩き込んでいく。しかしその背後から華山が椅子で殴りつける。その華山を笹倉が取り押える。得意の奇襲を逆にかけられたブラコネだが、焔を鉄柱に叩きつけて一息ついたMACHIKOがメンバーを救出。一番暴れていた青柳にはスタンガンを押しつけて沈黙させる。
 そしてようやく戦いの場がリング上にうつる。メイガスがリング上にいたのを見て、デビルが出て行く。ロープワーク戦ではメイガスが優勢。しかし投げられたデビルに近づいたメイガスは、逆にデビルに捕まってしまいスリーパーホールドでスタミナを奪われる。レイがカットにはいるが、素早くメイガスを解放したデビルがレイを捕まえてコントロールすると、スタンドSTFに固めてしまう。そしてメイガスはレフリーの注意を振りほどいたオリビアと刹那が自軍コーナーへ引きずり込んで4人がかりでメイガスの顔面をコーナーポストへ押しつけるように踏む。これを救ったのは青柳。しびれから回復した青柳が場外からブラコネのメンバーを引きずり落としていく。そしてレイは笹倉がカットして救出。
 コンビネーションに勝るブラコネだが、混成チームはそれぞれが自分の動きを披露して声援を呼び込みむしろ優勢となっていく。アンバランスは合体技トリニティ・ファングをオリビアへ決め、レイはカットされたもののウルトラ・ウラカン・ラナを、メイガスもミラクルくるくるキックで会場を沸かせていく。しかし、焔がデビルとやり合う中、オリビアがレッドボックスで焔を殴りつけるとブラコネメンバーが一気にリングへ乱入、他のメンバーを場外に叩き出してしまう。そして最後はデビルがバックドロップからクロスアームボムで決めた。
MACHIKO 「くすくす、青柳、あんたやっぱりこっち側の人間じゃないの?試合前の奇襲だなんて…。いつでもこっちに来ていいのよ、今までのことは水に流して歓迎してあげるから。ふふふふふ」

コメント:
オリビア 「つかさなぁ…来るも来んも、うちはどうでもええけど、あれの性質に近いのはうちらの方や。くくく」


スペル・メイガス「暴走だけじゃなくなった分今までよりやりにくいですね。やっぱりデビルちゃんはボクがなんとかしないと・・・(MICHIKOから勧誘された青柳について)別に。元々あっち側でしたから敵に回ったからといって今さらどうって事はないですよ。今日は助けられましたから何とも言えませんけど・・・」
セラフィム・レイ 「ちゃんと試合を決めようとしてくるなら、かえって対処しやすいかもしれないよ。今日は負けたけど、相手が無茶苦茶にしたいのか勝とうとしてるのかを見極めれば、同じようにはならないから」

 別の退場口から引き上げてきた青柳は
青柳つかさ「こっちの連中は役に立たないのばっかりだよ、出足は遅いし決めるときは決めきれない…オリビアと刹那と組んでたときの方がよっぽどマシだったよ、ったく」
 と吐き捨てると、振り向かずにタクシーで町中に消えていった。

キャノンボール焔「あ〜っ、しくじったなぁ〜っ! 押し切る前に止められてちゃダメだぁ! これでまた、借りが一つ、かぁ〜。早いとこ精算しなくちゃ!」
マンティス笹倉「ふぅむ・・・ちょいとこっちゃも歩調が乱れちょったのはありまっけどねぇ〜。ま、お互いン波長も色々と読めて来た事やし。次はもそっと合わせてみまっかねぇ〜」
第5試合
ディアナ vs 久保渚×
13分45秒、体固め:テキサスドライバー
 ディアナはカウンターキックで久保を蹴り倒すとその場飛びムーンサルトプレスからフォール。これをカウント1で返した久保は、ディアナを捕まえて直下式のブレンバスターを放つ。そしてフォールに行かず引き起こすと、ロープリバウンドから渚シャトル(カチ上げラリアット)を狙っていく。しかしディアナ、これをカウンターのラリアットで相打ちに持っていくと、テキサスドライバーでパワーファイター対決に勝利した。

コメント:
ディアナ 「デビュー当時を知ってるからちょっと懐かしく思って、ゆっくり遊んであげたわ」
第6試合
REIKO
ソーニャ
vs 松井香織
カーシャ・イワノヴナ
×
15分34秒、踏みつけフォール:キック・オブ・デス
 序盤から松井が攻められる展開。ソーニャに投げられ、REIKOに蹴られながら耐えていく松井。牽制をうまく織り交ぜるファニーウイングスに、カーシャはカットに入るタイミングをつかむことが出来ない。しかしREIKOとソーニャ、二人がかりのブレンバスターを狙ったところで松井はDDTで切り返すと、カーシャを呼び込んで逆にREIKOへダブルブレンバスター。さらにカーシャはREIKOへロシアンフック掌底、踵落とし、そしてノーザンライトスープレックスで勝負をかける。これはソーニャのカットが間に合う。そしてソーニャは自分をリング外に連れ出そうとした松井へ香水を拭きかけて目つぶしをし、逆に松井を蹴り落とす。そしてREIKOはカーシャの足を払って膝をつかせると、その側頭部へキック・オブ・デス。一撃で意識を刈り取られたカーシャを踏みつけてフォールするREIKO。松井は目つぶしが効いていてカットに入れず、勝負あり。

コメント:
REIKO 「このあたしの顔を殴ってくれるなんてね。度胸だけはほめてあげるわ。だけどこの程度で無差別タッグを狙おうなんて甘いわ」
ソーニャ「結局はチャレンジマッチの域を出なかったわね。……カーシャ、わたしたちに挑むつもりなら、まずカオリの『パートナー』になって見せなさい。『教え子』ではなくて、ね」

カーシャ・イワノヴナ 「いけるかぁ〜と、思ったんですけど…一撃でしたね(苦笑) でもこっちはタッグとして動き始めたばかりなので、これからです。見ててください」
第7試合
豊嶋奈美
川部雪江
vs 望月登子×
ラブリーベル
20分57秒、J.O.サイクロン
 どちらのチームもチームワークがいいとはいえない。特に赤コーナーサイドは前回興行を引きずっているようでギスギスした空気が流れる。足を引っ張ることはないが、豊嶋がベルのジャベを受けているときも、川部が望月のキック連打を受けているときもカットに入ろうとしない。バラバラの状態を見て取った望月、10分過ぎから徹底した豊嶋狙いになる。三角飛び延髄斬り、わがままな膝小僧、ツイスターと大技を大盤振る舞い。しかしこれで豊嶋に火がついた。もはやタッグマッチということが頭から抜けたような両者を中心に試合が進み、最後は豊嶋がJ.O.サイクロン3連発を見せて望月を沈めた。
 コーナーに寄りかかりながら起きあがった望月は、しかし大きく声を張り上げて豊嶋を挑発する。
望月登子 「豊嶋ぁ!今日の試合で分かっただろ!あたしこそが無差別シングルの挑戦者にふさわしい人間だってな!」
豊嶋奈美 「ふさわしいかどうか、それ自体に興味はありません。ただ、前にシングルで負けた借りは、シングルで返さないといけないと思っていたところよ。あなたを挑戦者に指名します。思う存分蹴ってきなさい。私はそれを全て耐えきって、そして、勝つ!」
望月登子 「言っておけど。あたしの武器は、蹴りだけじゃない。打ち砕いてやるさ、この前みたいに!」
 激しく視線を交わし合った二人は、やがてどちらからともなく背を向け、それぞれ引き上げていった。

コメント:
豊嶋奈美 「楽しみです、とても」

川部雪江 「…パートナー、決めないといけなかったんですけどね…」

望月登子 「あたしの攻めか、豊嶋の受けか。その勝負になりそうだ…って言いたいところだけどね、豊嶋の攻めの力のほうが要警戒かもしれないな…」

ラブリーベル 「こういう空気はわたくしには合いませんわね…」