11月12日(金) 京都府福知山市総合体育館 | ||
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第一試合開始前に、ラブリーベルがリングに上がる。セラフィム・レイ、スペル・メイガスも後に続く。 ラブリーベル 「出てきて頂けますかしら、無差別タッグチャンピオン。前回の敗戦から日が経っているけれど、挑戦者が現れないようですわね。腰抜け達ばかりのようで困っておりますでしょう?心強い味方も出来たこのわたくしが、あなた達の腰からそのベルトを奪い取って差し上げますわ。おーっほっほっほ!」 ディアナ 「はっ、後ろの二人のどっちと組むか知らないけど…」 リングの下に立ってマイクを握っているディアナの言葉の途中。 ??? 「ちょっと待ってください!タッグ戦の雪辱をはらしたいのは、私も同じです!」 そう大声を張り上げながらエプロンに上る人影。川部雪江だ。 川部雪江 「ベルさん、私はずっと考えていました。やっぱり私は、あなたと組んでタッグベルトを取り返したいです!」 ところが、これに肩をすくめたのはベル。 ラブリーベル 「前も言ったでしょう?わたくしを裏切ったあなたと組むつもりはありませんわ」 川部雪江 「こちらも言ったはずです。あなたを裏切ったんじゃありません!MACHIKOさんについていけなくなっただけです!」 ラブリーベル 「そう言いながら、望月さんや松井さんにも声をかけていらっしゃったのは何故かしら?」 川部雪江 「そ、それは、ベルさんが組んでくれないなら他の人を捜すしか…でも、一番はベルさんなんです!」 ラブリーベル 「…一番?」 その、『一番』という響きにひかれたのか、少し考え始めるベル。しかしディアナがその思考を中断する。 ディアナ 「シャラ〜ップ!揉めているようだから、このワタシが決めさせてもらうわ。ユキエ、ベル、あなた達がそれぞれパートナーを選んで、そうね…20日に挑戦者決定戦をやりなさい。勝った方に挑戦させてあげる」 ラブリーベル 「わたくしに異存はなくてよ。川部さんではなく、レイさんかメイガスさんをパートナーに、挑戦権をいただきますわ!」 川部雪江 「ちょっと待ってください!私にはまだパートナーが決まってないんですよ」 ディアナ 「その時は試合放棄でもするのね。ワタシは誰が挑戦者でもいいんだから」 川部雪江 「くっ…」 ディアナ 「楽しみにしてるわよ、ベル」 ラブリーベル 「目にもの見せて差し上げますわ。おーっほっほっほっほっほ!」 唇をかむ川部を無視して、激しく視殺戦を行うディアナとベル。挑戦者はどちらの手に渡るのか。いや、その前に川部はパートナーが見つかるのだろうか。 |
■第1試合タッグマッチ20分一本勝負 | ||
鬼姫結梨花 ○LINA |
vs | 西園寺京 風祭元気× |
9分17秒、マッド・スプラッシュ | ||
若手のタッグコンビ、西園寺と風祭の「ウエストウインド」が出向から帰還。二度と出向組には戻らぬと気迫のこもった動きを見せる。最初は侮った様子のあったファニーウイングス見習いコンビだが、それに触発されるとこちらも切れのある動きを見せて反撃。西園寺のノーステップでコーナー最上段に飛び乗ってブーメランアタックを見せて会場を沸かせれば、LINAは高く舞い上がって打ち下ろすようなミサイルキックで反撃して見得を切る。 LINAを集中攻撃していたウエストウインドだが、鬼姫が西園寺に毒霧を吹きかけて行動不能にしてLINAを救出。さらに風祭へツープラトンのブレンバスターからLINAがヴィーナス、アイコノクラズム、そしてマッドスプラッシュの連携で完璧に3カウントを奪った。勝利した鬼姫とLINAは、リングに大の字で横たわる風祭を一蹴りして立ち去っていった。 コメント: 鬼姫結梨花 「タッグとしてのコンビネーションは正直負けてると思うけどね、だから何?わたし達はコンビネーションなんかに頼らなくても強くならなくちゃいけないのよ。REIKOさんやソーニャさん達だって、多少の合体技とか持ってるけど、それ以上にパートナーが強いことでお互い信頼して任せられるんだから。タッグワークに固執するのは個人が弱いからでしょ。そんなタッグに負けたくないよ」 LINA 「いつになく饒舌ね、結梨花。ああ、内容は間違ってないですよウエストウインドのお二人さん。あとでこのコメントを読んで?聞いて?どっちでもいいけど、知った後で、どうするのか楽しみですよ。左遷解除されたことはおめでとうといっておくけど戻ってきたって居場所がないことに気付くことになりますよ」 西園寺京 「連中には分からない!うちらがどれだけこの舞台を渇望してたのか!今日は負けたよ!だけどな、それはあくまで今日だ!出向していた間に差がついたことは認めるさ!だけど、付いた差は埋まるんだ!」 |
■第2試合6人タッグマッチ20分一本勝負 | ||
香取梢 ○支倉千代 あんず |
vs | 長宗我部美幸 MARINA 沢田ちひろ× |
7分39秒、体固め:ケミカルアンカー | ||
香取と長宗我部、ウェルター級シングルを巡る前哨戦である。香取組は司令塔である長宗我部(とは言ってもなんの指示も出してないように見えるが…)を働かせない作戦で、沢田を捕まえる。MARINAがあんずにつっこんで沢田を救出したときも、支倉がMARINAを上手投げで場外に放り出す。長宗我部も椅子を持ってリングに入ろうとするが、香取が椅子にふれることなくそれを牽制する。支倉のぶちかましからフォールを受けた沢田、これは長宗我部がレフリーを蹴り飛ばしてカウントを止めさせたが、香取が長宗我部に抱きついた状態で場外へ転落する間に支倉が今度はケミカルアンカーで沢田を踏み抜いてフォール。沢田、さすがにこれは返せず3カウント。 コメント: 支倉千代 「長宗我部さんの暴走を香取さんが上手く阻止してくれたおかげで、今日は理想的な展開になりました。ウェルター級がんばってください。 あっ、もちろんあんずさんもナイスフォローでした」 あんず「正面からのぶちかまし、さすが千代さんです。今日は気持ちよく勝てました。長宗我部さんの反則偽証を封じ込めればどうということはないですね。」 香取梢「ちゃんとプロレスをすれば、こんなものです」 沢田ちひろ 「むぎゅう。千代ちゃん・・千代様・・って呼ぼうかしらぁ?相撲はやめてぇ・・ギブアップぅ・・。」(フォール負けなのにギブアップの意思表示するちひろ。) |
■第3試合タッグマッチ20分一本勝負 | ||
キャノンボール焔 ○マンティス笹倉 |
vs | オリビア 刹那× |
6分45秒、スモールパッケージホールド | ||
アンバランス入場途中を襲撃したオリビアと刹那。刹那がまずダブルラリアットで二人をはじき飛ばすと、オリビアが焔を、刹那が笹倉を連れて場外を引きずり回す。焔はエルボーの連打でオリビアに反撃するが、オリビアはそれをあえて頭突きで受け止める。衝撃に肘を押さえる焔へ、オリビアがさらに頭突き。自分もふらふらになったオリビアだが、焔のダメージも大きい。一方刹那は笹倉に腕を取られてしまい、コントロールされた状態で鉄柱に叩きつけられる。そして笹倉がリングに上がったところで試合開始のゴングが鳴る。 試合にならないくらいに暴れようとするブラコネの二人だが、そのたびに試合を締めていったのは笹倉。受け流すだけではなくモンゴリアンチョップや幸せチョップなども駆使して試合をコントロールすると、刹那をジャックナイフで固める。これは返した刹那だが、クリムゾンスタンピートを仕掛けたところで今度はスモールパッケージホールドで丸め込まれてしまう。そのまま3カウントが入ってアンバランスが勝利した。 オリビアはゴングを聞きつつレフリーを蹴り飛ばすと、焔、笹倉も殴りつけてマイクを持つ。 オリビア 「ルール的には負けかもしれんけどな、うちらはこんなん負けやて認めへんからな!うちらが負けを認めん限りうちらは負けとらんのや!覚えとれドアホども!まあ、今日はこの辺で勘弁しといたる!」 アピール中、ずっとオリビアを睨み付けてた焔。アピールが終わると同時に、その目の前に横合いからマイクが差し出される。 キャノンボール焔「上等っ! まだ借りは完全に返してないから、次回以降もガンガン取り立てさせて貰いますよっ! (試合後に殴られた)今の一発分もねっ!」 そのまま焔は憤然と立ち去り、マイクを持ったままの笹倉がゆったり後に続くが、ふっと振り返ってオリビアと刹那の背中に向かって声を掛ける。 マンティス笹倉「あぁ〜、忘れちょりました。そっちゃの暴走の挙げ句に反則勝ち貰うともあんまし嬉しゅう無いんで。そんときゃ今日みたく抑え込ませて貰うんで、悪しからず」 こう言うと、マイクを場内係に渡して焔の後を追っていった。 コメント: |
■第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負 | ||
豊嶋奈美 松井香織 ○カーシャ・イワノヴナ |
vs | 望月登子 川部雪江 青柳つかさ× |
18分24秒、ノーザンライトプレス | ||
リングに上がった川部がマイクを持つ。 川部雪江 「えーっと、ご存じの通りパートナーを捜さないといけなくなりました。あの、望月さん…」 望月登子 「この前断ったばっかりだろ」 笑いが漏れる会場。やや顔を赤くした川部が、松井に向き直る。 川部雪江 「…その、松井さん…」 松井香織 「…悪いね。カーシャをパートナーにして挑戦しようかって思い始めてたところだったんだ。ベルに先を越されたけどね。次の機会のために今回はパスさせてもらうよ」 川部雪江 「……えーと、豊嶋さん…」 豊嶋奈美 「私が他の人より後なの?」 豊嶋から発せられたのはほとんど殺気に近い。後回しにされたことをが自尊心を傷つけたようだ。 川部雪江 「と、豊嶋さんは…いいです。その、タッグは…」 この言葉で豊嶋の怒りに火がついたらしい。無言で川部に近寄った豊嶋は強烈に川部の頬を張る。そして試合開始のゴング。 よろめく川部の髪をつかんだ豊嶋、そのまま川部をコーナーに押し込むと一旦距離を取り、対角線から走り込んで強烈な正面飛びのドロップキックを決める。この一撃を胸に受けて前のめりになる川部を捕まえた豊嶋はシュミット式バックブリーカーから逆エビ固めと腰を攻めていく。川部はロープに逃れると豊嶋を自軍コーナーに放り投げ、望月と交代。望月はコーナーに腰掛け状態の豊嶋にミドルキックを連発すると、フライングメイヤーからサッカーボールキック。背後から一発の後、ロープリバウンドの勢いも利用して正面からもサッカーボールキックで豊嶋を蹴り飛ばしていく。 10分過ぎは青柳と松井が正面から打撃戦。青柳の蹴りは松井もさすがにダメージを殺しきれない。しかし松井が放ったランニング掌底で一回転させられる青柳。ゆっくりとフォールする松井だが、これは川部がカットに入る。青柳は場外へ転がって退避。カットに入った川部に、豊嶋がコーナーからミサイルキックを放つ。すると、その豊嶋に望月がスワンダイブ式回し蹴りを叩き込む。そして、その望月へカーシャがスワンダイブ式スイングDDT。めまぐるしい展開を制したカーシャがさらに場外の青柳へホーロドニー・スメルチで降りかかっていく。調子づいたカーシャを中心に赤コーナーサイドが優勢となる。そして最後はカーシャがノーザンライトプレスで青柳を沈めた。 コメント: カーシャ 「いやぁ、試合前の豊嶋さん恐かったです・・・試合のほうはスピーディーな展開の中で、上手く立ち回れたと思います」 松井香織 「確かに、今日の試合内容は合格点だね。正式にカーシャをパートナーにして挑戦させてもらうよ」 カーシャ 「はぃっ、がんばります」 今日は珍しく一緒に引き上げてきた青柳だったが、 青柳つかさ「全く、相変わらずの天然ボケでこっちまで迷惑掛けるのは止めてほしいわ。そんなんだから川部は相棒見つからないか見つかっても長続きしないんだよ、見てな、次もその天然具合に愛想尽かされて逃げられるから」 と、試合内容よりは川部に対し結構失礼なコメントを川部と望月の目の前で残して、さっさとタクシーで町中に消えていった。 その後ろ姿を憮然とした表情で見送る川部。 川部雪江 「誰が天然ですか、誰が…。まったく、失礼なんだから…。いいです。当日までに必ずパートナーを見つけますから」 |
■第5試合3WAY6人タッグマッチ30分一本勝負 | ||
REIKO&ソーニャ&ディアナ vs ラブリーベル&セラフィム・レイ&スペル・メイガス vs MACHIKO&デビル・メイガス&華山麗子 |
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○ソーニャ(19分4秒、ジャーマンスープレックスホールド)華山麗子× | ||
先発したディアナとベルがにらみ合う。無視された格好のデビルだが、それならばと意に介した様子も見せず自軍コーナーにもたれかかって様子見を始める。ところが、ディアナがブラコネコーナーにベルをスルー。巻き込まれるのは嫌とコーナーから離れたデビルに、ディアナがドロップキックを放つ。さらにデビルを引き起こすディアナだが、デビルはディアナの腕をとってひねりつつ足を蹴って尻餅をつかせる。そして腕を固めながらディアナの体をコントロールしてメディオ・カングレホで絞り上げる。意外なテクニシャンぶりに戸惑うディアナ。ディアナを締めていくデビルだが、ベルが低空のレッグラリアットをデビルの顔面に放ってリセット。デビルは華山と、ディアナはREIKOとチェンジしていく。華山、なんとベルに手を差し出して共闘を申し込む。ベルが思考に入りかけた瞬間、REIKOのキックがベルを襲う。REIKOはローリングソバットを華山に放っておくと、ベルを捕まえてその顔面へステップキック。立ち上がった華山とベルは視線を交わした後、REIKOを挟み込むようにゆっくりとリングを回り出す。そしてまずは華山がREIKOへ胴タックルを放つが、REIKOは素早く移動してこれを避ける。すると次の瞬間、REIKOの背後からデビルがレッドボックスでREIKOを殴りつける。さらにREIKOを捕まえてコーナー近くまで連れて行ったデビルは、REIKOの首に飛び乗って首4字固め式タランチュラ、デビルマジックを披露。さらにMACHIKOは華山と共にベルへダブルブレンバスターを放とうとしている。ここでソーニャとメイガスがリングイン、ベルの両サイドにつくと逆にブラコネの二人を放り投げる。ソーニャとディアナは次にメイガスを捕まえて合体パワーボムを狙おうとするが、レイがソーニャのサイドから飛びついてロザリオを仕掛け、メイガスもパワーボムの体制から脱出しつつアームホイップでディアナを放り投げる。 めまぐるしく選手が入れ替わる展開の中、集中的に狙われていくことになったのはオリビアと刹那の介入によって試合のリズムを壊そうと動くブラコネ。メイガスがデビルをロゼッタストーンで捕まえると、REIKOがMACHIKOをエクスカリバーで叩きつけてフォール。このとき3カウントが入ったと思われたが、オリビアがマットを叩こうとするレフリーの手元にレッドボックスを滑り込ませる。レフリーは思いきりボックスを叩いてしまい、3カウントならず。そこでREIKOがオリビアをキック連発で場外に叩き出し、ベルもMACHIKOをジャベにとらえる。介入のない状況になったところでソーニャが華山を捕まえて、芸術的なジャーマンスープレックスで試合を決めた。 コメント: REIKO 「ブラコネはともかくベル達の新チームは要警戒のようね。まあ、最近張り合いのなかったことを考えると楽しくなりそうって期待も持てるんだけど」 ディアナ 「ベルがくるか、ユキエが来るか。楽しみね、ソーニャ」 ソーニャ「……まあ、本気でタイトルに挑戦する気ならパートナーくらい自力で見つけてもらわないとね。誰かの手を借りないとやっていけない王者なんて話にならないもの」 ラブリーベル 「流れとはいえファニーウイングスと協調してしまったことに不満はありますが、ブラコネにいいようにされるのはもっと気に入りませんので、仕方のないところですわね。ところで、無差別タッグ挑戦、レイさんとメイガスさん、どっちにパートナーを頼もうかしら?」 セラフィム・レイ 「んー、今月でしょ?あたしちょっとタッグの方にモチベーション上がらなさそうだし、がしゅちゃんどう?」 スペル・メイガス「いいんですか?それなら、もちろん挑戦させてもらいますよっ。まだ早いって言われるかもしれませんけど、せっかくのチャンスですし、(挑戦者決定戦で)川部さんと戦えるならなおのことですっ!ファニーウィングスも川部さんも、みんなまとめてあっと言わせてやりますよっ!」 |