7月5日(月) 新潟県新潟フェイズ
 試合開始前にサイフィス真美がリングに姿を現す。
サイフィス真美 「本日はご来場ありがとうございます。このようなことを口にするのは辛いのですが、決めたことなので皆さんの前でけじめをつけようと、この場に上がらせて頂きました」
 不穏な空気にざわつく会場。
サイフィス真美 「私は今年初めあたりから、自分のプロレスを見失っているような気がしていました。会社や仲間と話し合ってきましたけど、結論が出ませんでした。そこで一度、自分が本当に何をやりたいのか探すため、本日この場を持って退団させて頂くことにしました」
 大きなどよめきが起こる。
サイフィス真美 「個人の都合でこの愛すべきWWPLから離脱することは心苦しく思っています。それでも、自分の心に嘘をつくことは出来ませんでした。いつかきっと帰ってきたいと思っています。ですが、今は、旅に出させて下さい」
 いつも明るく、陽気を振りまいていたサイフィス真美。しかし神妙な表情で深々と頭を下げるその姿に、会場は静まる。そして、観客からの「待ってるぞ!」という声をきっかけに、激励の言葉や拍手が送られる。サイフィス真美の姿は、拍手に送られて花道の奥へと消えていった。
第1試合タッグマッチ20分一本勝負
西園寺京
風祭元気
vs 小笠原幸子
あんず
×
12分31秒、サーフィンクラッチ
 西園寺と風祭のタッグ、ウエストウインドが登場。西園寺は巨大なお好み焼き用へら、風祭はサーフボードを担いで登場。試合中もその持ち込んだ道具で殴りかかるが、あんずはギターで防御。逆にパンチを見舞って先輩相手に一歩も引かない。しかし逆にそれで集中攻撃を受けることになったあんずは、小笠原を仕掛ける側に使ってのセルフサービスや、風祭の横須賀カッターに西園寺がニードロップを合わせる合体技などを受ける。そして最後はサーフィンクラッチでがっちりと固められて3カウント。

コメント:
西園寺京 「相手にならへんやないの!うちらがこっちに残って、連中が出向した方がええと思うわ」

あんず「よーし!もういっちょ・・・まだまだ殴り足りませんから!」
 と、どっちが勝ったのやらよく分からないコメントを出した。

小笠原幸子「なにやら蚊帳の外でしたわね、次はもう少し何とかいたしますわ」
第2試合タッグマッチ20分一本勝負
沢田ちひろ
三嶋リナ
vs 支倉千代×
長宗我部美幸
7分12秒、回転エビ固め
 支倉のパワー、それをアシストする長宗我部と青コーナー側が優勢。しかし沢田は持ち前の受け身の良さで凌ぎつつ三嶋がシャープな動きで縦横に動いて逆転を狙う。三嶋が長宗我部を場外に落とした後、ローリングクラッチを狙って支倉に飛びついた沢田。しかし支倉は倒れず、沢田の動きが止まる。しかしすかさず三嶋がトラースキックでフォローすると、支倉が倒れる勢いを利用した沢田がしっかりと丸め込む。長宗我部のカットを三嶋が防ぎ、3カウント。三嶋は沢田を抱き上げて喜びをあらわしていた。

コメント:
三嶋リナ 「やったねちひろ! この勢いで宣言するぞ〜! 私達二人で、JFタッグに挑む! 逃げるなよメイガス、清水〜!」
沢田ちひろ 「やったねぇ、リナちゃん!ナイスフォローですぅ・・。にゃん。ご褒美に特上の夏みかんを進呈w・・。え?酸っぱい?ジュースにするぅ?(ご機嫌のちひろ。)というわけで・・がしゅちゃん・・覚悟はいいですかぁ?うふ。」

支倉千代 「う〜ん、ちよちゃんの大きさが仇となりました。長宗我部さんがうまく試合をリードしてくれていたというのに…」
第3試合タッグマッチ30分一本勝負
フレイヤ
MARINA
vs 鬼姫結梨花
香取梢
×
12分57秒、片エビ固め:ダンスレイフ
 フレイヤを積極的に狙っていく鬼姫と香取。フレイヤはそれを受け止めながらサブミッションと空中殺法で対応していく。フレイヤとMARINAは共にダブルドラゴンの系統であり、動きがお互い併せやすい。タッグ経験はほとんどなくても、自然とチームワークになっていく。鬼姫のエルボーに頭突きでカウンターを取ったMARINAはそのまま鬼姫を巻き込んで場外へ。残った香取をフレイヤがダンスレイフによって沈めた。

コメント:
MARINA 「すごくやりやすかったです。これならローリング娘。さんにも簡単には負けないのですよ」
フレイア 「これがダブルドラゴンの血統というものでしょうか、MARINAちゃんとのタッグが想像以上に上手くいきました。私を積極的に狙ってきたお二人も健闘しましたが、ちょっと相手が悪かったですね(苦笑)」


香取梢「うーん、MARINAさんは長宗我部さんと組むよりフレイヤさんの方がパートナーとしてあってるんじゃ……」
第4試合WWPLウェルター級タッグ防衛戦30分一本勝負
王者組
オリビア
○刹那
vs 挑戦者組
スペル・メイガス
清水楓
×
24分26秒、ハイアングルパワーボム
※第2代王者が3度目の防衛に成功
 まずは刹那とメイガスがロックアップ。刹那のパワーに押されるメイガスだが、するっと抜け出すとアームホイップで刹那を投げ飛ばし、更に追撃のドロップキック。さらにケブラドーラ・コン・ヒーロも刹那に決めたメイガス。さらにオリビアにも高速ブレンバスターを決めて勢いに乗る。しかし10分過ぎ、刹那にミラクルくるくるキックを狙ってメイガスがコーナーに上ったところで、エプロンからオリビアがメイガスを殴打。転落しそうになったメイガスを、刹那が肩に担いでバックフリップで投げ飛ばす。
 挑戦者組は刹那の動きをどう止めるか、に焦点を絞る。ところがこれをことごとくオリビアが邪魔をして会場中からブーイングを受けるという展開。思うようにいかない挑戦者組。15分過ぎに刹那のキングコングラリアットにメイガスがメイガスボンバーでカウンターを取って相打ちになったところで、清水がオリビアをミステリオ・ラナで丸め込む。3カウントが入ったと思われたが、オリビアの足がロープに触れておりカウントは無効。抗議する清水だが、受け入れられない。
 比較的まだ元気なオリビア組(仮)に比べて挑戦者組はダメージが大きい。20分を過ぎるとダメージの蓄積からメイガスの動きが悪くなり始め、それをカバーしようとした清水が逆に捕まってしまう。それでも刹那のブレンバスターから脱出して背後に降り立った清水、刹那に飛びつきミステリオ・ラナ。ところが刹那は途中で清水の動きを止めてしまい、清水は逆さになった状態になる。刹那はそのまま強引に清水をパワーボムの体勢に持ち上げると、高角度で叩き付ける。この余りのことにメイガスのカットが遅れ、3カウント。

オリビア 「うちらが勝ってみんなご機嫌ちゃんやろ!」
 勝ち名乗りを受けながらオリビアがそう叫ぶと、会場からは大ブーイング。そしてそこにあらわれたのは西園寺と風祭のウエストウインド。
風祭元気 「いい気になってるんじゃないよ!このウエストウインド相手に戦わずに若手タッグ戦線で大きな顔はさせないからね!」
西園寺京 「そうや。うちらがその腰からベルトを引っぺがしたる!」
オリビア 「アホ!お前らなんかが相手になるかい!…と言いたいところやけどな、格の違いっちゅーモンを見せつけたるわ。次の挑戦者はお前らや!覚悟せえ!」


コメント:
刹那 「当然の結果よ」
オリビア 「JFタッグごとき、実績のうちに入るかいボケが。出直してこいや!」

清水楓 「無念でござる…。申し訳ない、がしゅ殿…」
スペル・メイガス「あんなのやられちゃどうしようもないよね。全くあの筋肉少女隊はっ!」
第5試合タッグマッチ30分一本勝負
松井香織
芹沢すずな
vs キャノンボール焔
マンティス笹倉×
13分52秒、膝十字
 アンバランスがダブルドラゴンに挑む。まずは焔が松井に対してエルボー、ドロップキックとぶつかっていく。ドロップキックを連発していた焔だが、松井に捕まると強烈なボディスラムでマットに叩き付けられる。笹倉は最初グラウンドで芹沢を押したが、間合いを取られると早い蹴りの連打から片逆エビ固めにとらえられる。
 細かくタッチしていくアンバランス。しかし松井に二人まとめてランニング掌底を受けてしまうと、芹沢が焔を場外へ連れ出す。松井は笹倉をコーナーポストに据えて雪崩式のドラゴンスクリューから膝十字のコンビネーションで勝負を決めた。

コメント:
キャノンボール焔 「ん〜っ・・・凄い重圧でした。何て言うか、下手な大業が出せないって言うかなぁ?! でもっ! たとえ受けて貰ってたにせよ、引きはしませんでしたからっ! 引き下がらなければ、いずれは勝てますっ!!」
マンティス笹倉 「・・・うむぅ〜っ。試合ン流れの大筋ばキッチリ抑えられちょる感がしますわ。生半可な一、二手程度じゃ、こん流れは崩せへんですなぁ〜。ホンマ、まぁだ精進が足りんごたぁで。(嘆息)」
キャノンボール焔 「あ! 精進って言ったらさっきの試合。JFタッグ『ごとき』って。あ〜っ、タッグもシングルも獲ってれば、あんな事言わせないんだけどなぁ〜!」
マンティス笹倉 「まっ、あっちゃも勝ってから言うとるのやから良かでしょ。そン勢いがどこまで続くかはまぁ、別ン話やけど」
第6試合8人タッグマッチ30分一本勝負
坂倉宏子
ブラック・ヴァルキリー
セラフィム・レイ
津上美紗
vs MACHIKO
渡部巴
華山麗子

久保渚
6分59秒、ノーコンテスト
 8人タッグだが、ブラコネ側はまずMACHIKO、渡部、華山の3人だけがリングに上がった。そしてMACHIKOが「今日は助っ人を呼んである!」と呼び込んだのは、REALで戦っている久保。ファニー、ファラと共闘しているため久保を、その二人の仲介で呼び寄せたのだ。 一方舞闘姑娘はサイフィス真美が抜けたところに、津上美紗が入ることでその穴を埋めた。ジュニアのスター候補を仲間にした舞闘姑娘に声援が集まる。
 最初3分あたりまでは静かな展開で、お互い一通りリングに上がり小手調べ。ところがMACHIKOが二度目にリングインしたところでブラコネはファニー、ファラも含めてリングに雪崩れ込んで乱闘にしてしまう。リングの内外を問わず暴れるブラコネ。特に久保がその暴れぶりを披露し、鉄柱にもたれさせたブラックにカチ上げラリアットを叩き込んで完全KO状態にしてしまう。この段になってレフリーは収拾つかずとしてノーコンテスト裁定を下した。
MACHIKO 「7月8月はREALがVWGPやるってことで、暇になる久保に力を借りることにしたわ。今日も期待に違わぬ暴れぶりを見せてもらって、ほんと頼りになるわぁ」
 このMACHIKOの言葉に会場からはブーイング。
MACHIKO 「さて、私からの提案。今、環太平洋6人タッグが空位でしょ。先代王者として、あんたたち舞闘姑娘相手に決定戦をしてあげる。好きな3人を選んで出してきなさい。こちらからは私、華山、それから久保が出るわ。あんた達に有利なように、私達が反則負けの場合ベルトはあんたたちが巻けばいいわ。ベル、雪江を追い出すきっかけになってくれたお礼よ。ありがたく受け取りなさい」

コメント:
坂倉宏子 「今さらって感はあるんだけどね。せっかくベルトくれるっていうんだから、行きましょう。まあ、誰になるかはこれから考えるけど」
ブラック・ヴァルキリー「6人タッグですか。ま、いいでしょう。もらえる物はもらっておく主義ですし」
津上美紗 「うにゅう‥‥。最初なのに、すみません‥‥」
第7試合タッグマッチ30分一本勝負
豊嶋奈美
×川部雪江
vs 高村あかね
望月登子
14分2秒、KO:最強ハイキック
 VWGPタッグ出場のためにチームワークをしっかりしておきたい豊嶋と川部。しかし連携に気を遣いつつの戦いでは、テレパシーの意思疎通といわれるエクストリームストームに大きな後れを取ってしまうことになる。川部にターゲットを絞ったESは、場外で川部を机上にのせたところへ高村がコーナーポストからダイビングセントーンを決めたり、望月が座面が抜けるほどの強烈な椅子攻撃をくわえていく。そして最後は望月の最強ハイキックで川部をKOした。豊嶋・川部組は課題の残る試合となった。

コメント:
望月登子 「全然ダメだね。あたしらがVWGPに出た方がいいんじゃないのか」
高村あかね「タッグで、あかねたちと勝負するレベルじゃないよ」


川部雪江 「すみません…」
豊嶋奈美 「お互いが好きにやって成り立つチームワークね。見習うべきかしら?」
第8試合6人タッグマッチ30分一本勝負
REIKO
ディアナ

ソーニャ
vs ロナ・ヴァン・ダム
アニタ・アッサム×
ラブリーベル
23分11秒、ジャーマンスープレックスホールド
 入場を終えたソーニャがマイクを要求。その方にはシングル、タッグと二本の無差別級ベルトがかけられている。
ソーニャ 「さてと、ゴチャゴチャうるさいのはいるけど、誰が真のWWPLトップかはこのベルトを見ても明らかよね?」
 観客席から野次と罵声が飛ぶ。
ソーニャ 「……やっぱり? そうね、わかってるわよ、本当はね。わたしじゃ王者としてはまだまだ重みに欠けるってことくらいは、カオリに言われるまでもなくね。でも、だったらそんなわたしにこのベルト二本を預けちゃってるほかの連中はどうなる訳? 自分とこのベルトを放っておいて四冠ベルトにかまけた挙句、それを無くしちゃった誰かさんは特にね?」
 更なるブーイング。それを押さえもせずに黙って聞いていたソーニャは、観客席が静まるのを待って、改めて口を開く。
ソーニャ 「……ナミ・トヨシマ。もしあなたが未だ真のWWPLのトップだというなら、この二本のベルト、死ぬ気で取り返しに来て見なさい。今、鼎の軽重を問われているのはあんたなんだから。まあ、無差別級タッグはアッサムとベルに先約があるから、わたしたちが防衛したその後になるけどね。 それからカオリ、わたしにまだまだ足りないものがあることはわたし自身が誰よりよくわかってる。だからこそ、このベルトをトヨシマから防衛して、あなたの挑戦を受けるにふさわしい王者になって見せるわ。だから、わたしの勝利を祈りながら待っていてくれるかしら。あなたの期待は絶対に裏切らないわ……と、約束できるほど軽い相手じゃないのが問題ではあるけどね」
 王者としての自覚と、自らを更に高みに上げようとする心。それが伝わったか、客席からはざわめきが消えていた。しかしその沈黙を破ったのはベル。
ラブリーベル 「おーっほっほっほっほ! ずいぶんと甘い展望をお持ちのようですわね!ですが、はっきりと言わせて頂きますわよ。無差別タッグを奪い取った暁には、わたくしがシングルの方にも挑戦させて頂くことになりますわ!それが運命!それが真実!美の体現者たるわたくしこそが、無差別二冠にふさわしくてよ!おーっほっほっほっほ!」
 ベルが高笑いを終えると同時に、青コーナー組の三人がファニーウイングスに襲いかかる。ロナのローリングソバット、アニタのアトミックドロップ、ベルのフライングニールキックが決まり、FWは場外へ。そこへベルがプランチャ、アニタはトペ・スイシーダ、ロナがトペ・コン・ヒーロと場外弾3連発。一気に会場が盛り上がる。一方、FWはREIKOが毒霧をロナにかけて動きを止めると、ディアナを攻めていたベルを捕まえてリングへ上げ、REIKOの延髄切りとディアナのショートレンジラリアットで挟み撃ち。ソーニャもアニタに香水による目つぶしからチキンウイングスリーパーで動きを止める。
 ソーニャを狙ってグラウンド勝負を挑んだベル。サンボvsジャベの対決。お互い慣れぬ相手の動きに苦しむが、双方共に決定的に極めさせることなく長い時間が経過。勝負がつかずと間合いを取ったところで会場からは大きな拍手が飛ぶ。
 20分過ぎ、ロナに代わってアニタがリングインした直後にガードがロナを、またリングを迂回して近づいていたディアナがベルを場外に引きずり落とす。ディアナは椅子の山を作ったところにベルをデスバレーボムで叩き付け、続いてロナに蹴倒されているガードを助け上げて二人がかりでロナをベルの上へバックドロップ。リング上ではREIKOとソーニャがアニタを攻め立て、最後はソーニャのジャーマンスープレックスが決まって3カウント。タッグ王座の前哨戦は王者組が勝利した。



コメント:
ディアナ 「タイトル戦ではもっと徹底的に叩きのめしてあげる! 覚悟することね!」
REIKO 「ディアナもソーニャも心強い味方ね、本当に」
ソーニャ「ベルトに挑む覚悟は十分にあるみたいね。まあ、そうでなきゃ叩きのめしがいがないわ」

ラブリーベル 「まだまだ様子見ですわよ! アニタさんとのチームワークを、タイトル戦までに鍛え上げて見せますわ!」

ロナ・ヴァン・ダム 「ちょっとムカつくわね。こうなったら、ベルト全制覇してやるわ。わたしにこそベルト挑戦権はあるはずだしね」

アニタ・アッサム 「これで終わったと思うな! 最後に勝つのは私だ!!」