6月26日(土) 大阪府大阪ドームスカイホール
第1試合タッグマッチ30分一本勝負
×沢田ちひろ
三嶋リナ
vs 小笠原幸子
あんず
8分25秒、片エビ固め:STO
 沢田に対し三嶋のアームホイップから沢田がセントーンの連携を決める赤コーナーチーム。三嶋はすぐにあんずを引き起こすとコブラツイストで締め上げるが、これは小笠原がカット。あんずはパンチ主体に盛り返すとフランケンシュタイナーを沢田に決める。沢田はこれをなんとかクリアしたが、続く小笠原のSTOに沈んだ。

コメント:
小笠原幸子「余り納得のいく勝ち方ではありませんでしたが…まあ勝ちは勝ちですわ」
あんず「余り納得のいく技名ではありませんでしたが・・・まあ勝ちは勝ちですね。」
 STO(スペース・トルネード・オガサワラ)が横文字だったのが、気に入らなかったらしいあんず。
あんず「日本人なら【大宇宙旋風小笠原】くらいのネーミングにしてもらわないと。」
 と、相変わらず天然なのか狙っているのかよく分からない要求をしていた


三嶋リナ 「うーん、まだまだ努力が足りないな」
第2試合タッグマッチ30分一本勝負
鬼姫結梨花
香取梢
vs 津上美紗
羽鳥真澄×
12分33秒、逆エビ固め
 一方的に羽鳥の打撃で押される鬼姫。香取がコーナーから気合いを入れろと檄を飛ばすがそれでも黙って耐える鬼姫。羽鳥はつまらなさそうに一度ダウンから立ち上がった鬼姫の前に立ち、大きくパンチを放とうと振りかぶる。その瞬間に鬼姫の前蹴りが炸裂。体重の乗った一発に大きくはじき飛ばされる羽鳥。すかさずフラッシングエルボーで追撃した鬼姫は、羽鳥を引きずり起こして身長差をいかしてスタンディングのスリーパー。酷薄な笑みを浮かべて首を絞める鬼姫の様子に、津上は慌ててカットに入る。
 ロー娘。はタッチワークこそ少ないが、早めのカットワークと津上を分断させることで羽鳥に攻撃を集中。鬼姫が場外で津上に椅子攻撃を仕掛ける間に、香取が羽鳥を強烈にエビぞりに固めてギブアップを奪った。

コメント:
鬼姫結梨花 「へん、あいつの攻撃なんて効くもんか。受けきってやったよ。羽鳥なんてやっぱり敵として認めるほどじゃないんだ。だから格の違いを見せつけてやったんだ。分かったらほかの低レベルな連中と遊んでろって」
 喋っている内容は勇ましいが、その口調は感情が込められておらず静かな様子の鬼姫。隣でコメントしている香取を待たずに一人で引き上げてしまった。
香取梢 「誰とは言いませんけど、偉そうなことを言うのはちゃんとプロレスをしてからにしてほしいです。お客さんのほうを向いて試合ができない人に、あんまりリングに上がってほしくないですね」

羽鳥真澄 「プロレスだと思ってたから付き合ってやったけどな。そっちがその気ならそのつもりでやってやるよ。殴り合おうじゃんよ、本気で!」
津上美紗 「うーん、今日のってプロレスなんスか? なんか、違う気がする‥‥」
第3試合30分一本勝負
○オリビア vs 支倉千代×
14分8秒、体固め:バックドロップ
 「制裁を加えたる!」とオリビアはゴング直後から連続でパンチを放っていく。支倉はガードを固めてこれを防ぐと、強烈な張り手一閃。オリビアは後方にはじき飛ばされてしまう。これで頭に血が上ったか、オリビアはオープンフィンガーグローブをはずすとセコンドの刹那からナックルを受け取る。これはレフリーが止めようとするが、オリビアはレフリーを殴りつけてそのまま支倉に突進。支倉もさすがにこれはガードしきれずコーナーを背にして倒れ込んでしまう。オリビアは更にストンピングの嵐を見舞って落ち着いたか、ナックルをはずしてオープンフィンガーグローブをつけ直す。
 支倉は張り手、頭突きで反撃を開始すると逆エビ固めや水車落としなど豪快に決めていく。そしてサバ折りでギブアップを迫る支倉。ところがこれを背後から刹那がラリアットで急襲。ふらつく支倉を二人がかりでバックドロップに決めるオリビア組(仮)。さらにオリビアは支倉にマウントパンチを仕掛けた後、自分一人でバックドロップに持っていく。支倉の巨体を見事に放り投げたオリビア、上から抑え込んで3カウントを奪った。
 レフリー暴行や乱入があっての不透明決着のため場外からはブーイング。オリビアはなんと客席に対して口汚く罵り言葉をはき、さらなるブーイングを煽って退場していった。

コメント:
オリビア 「うちらに逆らうからこうなるんやで。これでプロレスが怖ならんとええけどなあ。可哀相やなあ。くっくっく」
第4試合3WAYタッグマッチ30分一本勝負
マンティス笹倉&キャノンボール焔
スペル・メイガス&清水楓
MARINA&長宗我部美幸
長宗我部美幸(12分13秒、クロスアームバー)スペル・メイガス×
 若手による3WAYマッチ。清水と焔を横目に、長宗我部はニュートラルコーナーに上って観戦モード。ロープワーク合戦を繰り返していた清水と焔だが、途中で動きを止めると同時に長宗我部に襲いかかってダブル雪崩式ブレンバスターで放り投げる。しばらく倒れていてぴくりとも動かなかった長宗我部は、突然高速の匍匐前進で自軍コーナーに戻るとMARINAとチェンジ。MARINAは微妙は雰囲気の中すまなさそうに頭を下げる。
 その後は各選手が入り乱れるスピーディな展開。アンバランスとロー娘。が2vs2のブレンバスター合戦になったところ、何故か長宗我部がアンバランスに、MARINAがロー娘。に荷担。笹倉が一人長身のためにほかの二人と重心が合わず、結局投げられたのはアンバランスと長宗我部。何がやりたかったんだというツッコミを受けつつ場外へ逃げる長宗我部。
 さんざん場を引っかき回して自爆していた長宗我部だったが、清水が焔と、MARINAが笹倉と場外でやりあう隙をついてメイガスの腕を取り、クロスアームバーを極めてしまう。慌てて助けに入ろうとした清水だったが、MARINAが横からヘッドバットで突っ込んできたために果たせず、メイガスギブアップ。

コメント:
MARINA 「作戦なのか結果的にそうなっただけなのかよく分からないのですが、長宗我部さんはいろいろ凄いと思うのです」
長宗我部美幸 「楽しかった」

清水楓 「ひょっとして長宗我部は真面目にやったら強いのではござらんか…?」
スペル・メイガス「油断したっ!それだけっ!あ〜もう話し掛けないでっ!」

キャノンボール焔「んっ! こういう形式も楽しいですねぇ! でも、今回はトンビに油揚げさらわれたって言うか・・・まっ、いっかぁ!(笑)」
マンティス笹倉「むむ・・・まさかアレで勝負が決まるたぁねぇ。色んな意味で動き読めへんわぁ〜、特に教祖様ンとは。(苦笑)」
第5試合8人タッグマッチ30分一本勝負
坂倉宏子
ブラック・ヴァルキリー
セラフィム・レイ

フレイヤ
vs MACHIKO×
華山麗子
ファニー・ライトニング
ファラ・ブライアント
3分26秒、反則
 殆ど試合にならず。ブラコネが試合そっちのけで暴れ回り、次々と相手の額を割っていく。レフリーにも暴行を加えたため、3分余りで反則裁定となった。

コメント:
坂倉宏子 「あの暴走止めるのは至難だね。ちょいと策巡らさないとダメかも」
ブラック・ヴァルキリー 「‥‥で、わたしの主張は無視ですか。いいでしょう。それならそれで」

ファニー・ライトニング 「この程度で終わり? ふざけんなっ!」
ファラ・ブライアント 「今度邪魔したら、誰であろうと血の裁きを受けさせますわよ」
第6試合6人タッグマッチ30分一本勝負
愛沢美奈子
サイフィス真美
×マスクド・ターキー
vs ロナ・ヴァン・ダム
高村あかね
望月登子
10分29秒、ファイヤーボンバー
 リング内外を縦横に使っての派手な試合。蹴りを多用する選手同士がお互いの意地を見せるように相手を蹴り、そして受けていく。この中でついて来れなくなったのはターキー。ロナのヴァンドミネイター、望月の三角跳び延髄切りを受けても3カウントは取らせなかったが、高村がファイヤーボンバーでとどめを刺した。

コメント:
望月登子 「愛沢はどうも違和感があるんだよな。強い弱いじゃなくて、こっちのことを見てるんだか見てないんだか反応が分かりにくいんだよ。しっくりこないなあ…」
高村あかね 「飄々としてるって言ったらカッコいいけどさ。今の美奈子ちゃん、かっこ悪いよね。美学に反してるんじゃないの」
ロナ・ヴァン・ダム 「物足りない。なんか、意味ないわね、こんなカード」
第7試合タッグマッチ30分一本勝負
アニタ・アッサム
×ラブリーベル
vs 荒谷紅美○
大鷹なるみ
22分28秒、低空高速ムーンサルトプレス
 ベルがジャベを駆使して荒谷と大鷹を惑わせていく。しかし荒谷もレスリングで対抗、パワフルなプロレスで跳ね返していく。チームとしての経験と力で勝る荒谷と大鷹だが、アニタとベルも無差別タッグを狙うだけ合ってコンビネーションを調整しつつ持ち前の実力を発揮。しかし徐々にベルが孤立し、最後は荒谷がベルから3カウントを奪った。

コメント:
荒谷紅美 「あんな即席チームに遅れとるわけないだろ!」
大鷹なるみ「個々の武器はそれなりだけどね」


アニタ・アッサム 「これからが始まりだ! 必ずすべて吹きとばしてやる!!」
ラブリーベル 「まだ調整期間は残っていますわ」
第8試合6人タッグマッチ30分一本勝負
川部雪江
松井香織
芹沢すずな
vs REIKO
ディアナ
ソーニャ
×
12分50秒、片エビ固め:ブラックドラゴンドライバー
 松井はソーニャに「無差別シングル戴冠おめでとう」といいながら手を差し出す。怪訝そうな表情でそれを握り替えしたソーニャだが、松井はその腕を脇固めに極めて先制。さらに川部が反対の腕を脇固めにとらえてソーニャの腕を狙う。
 松井と川部の腕殺しにソーニャが捕まってしまうが、REIKOとディアナがフォローしてからは五分の展開。芹沢の蹴りをディアナが食らいつつも受け止めて片脚だけを掴んだジャイアントスイングなどの見せ場を作る。10分を過ぎ、松井は再びソーニャを集中攻撃。しかしソーニャも打撃を織り交ぜたサブミッションとスープレックスの組み立てで隙を与えない。ところがソーニャが松井の背後を取って胴に腕を回すが、松井はこの腕を簡単に振りほどいて逆に背後を取りバックドロップ。起きあがったソーニャをブラックドラゴンドライバーで叩き付けた松井が勝利。
 松井は去り際のソーニャに声をかける。
松井香織 「何のために腕を狙ったと思ってるんだい。あれを狙ってたのさ、最初からね。しかしこっちの作戦にハマったからといってベルトを取った次の試合で負けるってのは頂けない。王者としてふさわしくないんじゃない?私相手に試してみないか?」

コメント:
川部雪江 「試合はこびではまだ松井さんに及ばないことがよく分かりました」

REIKO 「くたばりぞこないがまあ色気出しちゃって。年寄りの冷や水っていう言葉を知らないのかしら」
ソーニャ「まあ、今日はしてやられたわよ。それは認めるわ。とは言ってもカオリの思惑通りに事が進むのもシャクだし、リングの外でやるプロレスでまで負けたくもないしね。という訳で、ゲストの歓迎パーティの準備があるから今日はここまで。……ああもう、どうしてくれようかしら」
第9試合四冠統一ヘビー級シングル防衛戦時間無制限一本勝負
王者
×豊嶋奈美
vs 挑戦者
ストーム水戸○
34分7秒、タイガースープレックスホールド
※初代王者が二度目の防衛に失敗。ストーム水戸が第2代王者に
 両者まずはリング中央で握手を交わす。水戸がまずエルボーを豊嶋に叩き込むと、豊嶋は自分を指し示し「もっとやってこい」と挑発。水戸は連続でエルボーを叩き付けるが、何度目かのエルボーをフロントスープレックスで返される。起きあがった水戸にすかさず豊嶋の強烈な正面跳びドロップキックが炸裂。勢いに押された水戸は場外に転落。豊嶋は手を休めることなくコーナーに飛び乗ると、上を指さし「よっしゃいくぞー!」の声と共にプランチャで降りかかっていく。すぐにリングに戻ろうとした豊嶋だが、水戸はそれに追いすがって場外に引きずり落とすと一本足頭突きでお返し。
 リングに戻った水戸は、足へのストンピングやスピニングトーホールドなどで豊嶋の足殺しをしていく。豊嶋はバックドロップや柔軟性を活かして各種スープレックスで水戸の体を何度もマットに叩き付ける。ミサイルキックを受けた水戸に対し、豊嶋は両手をクロスさせてJ.O.サイクロンでのフィニッシュ予告。しかしブリッジの途中でバランスが崩れ、不完全な形で抑え込むことになる。水戸はダメージをもらいつつもカウント2でクリア。豊嶋は足を気にした様子を見せながら立ち上がると、水戸の首を脇に抱えて片手首をクラッチ。ここぞで使う大技、J.O.クインビー・ボムの体勢である。しかし水戸、豊嶋をコーナーに押し込んでホールドをはずさせると卍固めにとらえる。ところが体の柔らかい豊嶋には効果が薄く、水戸がダメージの蓄積に耐えられなくなりとうとう倒れ込むようにしてほどいてしまう。
 豊嶋はJ.O.スープレックスから逆エビ固めで水戸の体を絞る。基本技ながらこれまでのダメージが蓄積された体には負担が大きい。腕に思うように力が入らず、ロープまで張っていくことの出来ない水戸、ならばと体を浮かせて足の力で豊嶋を放り投げる。そしてすかさず稲妻レッグラリアットを決める水戸。そして豊嶋を引きずり起こすと、隠し球として用意しておいた新技、スタガリン・ブロー(足交差式フィッシャーマンズバスター)を放つ。そしてフォールに行かず再び豊嶋を起こした水戸は、背後に回ってタイガースープレックスホールド。30分を超える試合に決着がついた。


 蓄積したダメージにふらつきながらも、肩を借りることなく自分の足で歩いて引き上げていく水戸。しかしその水戸に対し、ソーニャがいきなり足を引っ掛ける。水戸は足をかけられ転びそうになるも踏みとどまり、軽くソーニャを睨み付けた。
水戸「……何のつもり」
ソーニャ「WWPLを代表してふさわしい歓迎をしてあげただけよ。それにしても、どこの団体にもいるものよね。コソコソと人のものを横からかっさらうことしかできない泥棒猫は」
 そう言うとソーニャは水戸の肩にのせられ、また腰に巻かれた4本のベルトを視線で指し示す。
ソーニャ「一度だけとは言え、まぐれでトヨシマにシングルで勝てばもう十分でしょ? それはおいて帰りなさい。あんたが持ってても小判に等しいわ」
 そしていきなり袋一杯の花かつおを頭から水戸にふりかける。
ソーニャ「泥棒猫にはこの程度がお似合いよ」
水戸「てめっ、ふざけんなこの野郎!」
 このソーニャの挑発に、試合直後の興奮状態だった水戸はキレてしまった。しかしソーニャに殴りかかろうとする水戸をセコンド陣が押さえ込み、結果水戸とソーニャの視殺戦になる。
ソーニャ「そのベルトが真珠だと言わなかっただけわたしに感謝するのね。まさか本気で自分がそのタイトルにふさわしいなんて思ってないでしょう?」
 


コメント:
ストーム水戸「…余韻も何も吹き飛んじまった!ノーコメントだよ!」

豊嶋奈美 「勝つつもりだったのだけど…」
 俯いたままそれだけつぶやいた豊嶋は、足早に控え室へ消えていった。