6月5日(土) 兵庫県姫路みなとドーム
 試合開始の前にソーニャが長いマイク。
ソーニャ 「アラヤが何考えてるのかなかなかわからなかったんだけど……この前の興行でやっとわかったわ。要するに今の軍団抗争路線、アラヤがいうところの『おままごと』自体が気に入らないのね。何とかあんた達もこの抗争に引き込んで見ようといろいろ手を打っては見たけど、それは単なるわたしの自己満足でしかなかったってこと。 ……余計なおせっかいを焼いてしまってごめんなさい。何ヶ月、何年かかるかはわからないけど、あなたたちはあなたたちの道を歩いてここまで上がってくるといいわ。もう余計なことはしないから。その時までわたしたちが王座を守っていられるかどうかはわからないけど、アラヤはわたしが嫌いみたいだし、その方があなた達にとっても都合がいいでしょう。 さてと、そう言う訳で挑戦者が白紙に戻っちゃった今月の無差別級タッグだけど……そもそも無差別級王座はWWPLの頂点に位置する勢力に一任されるべきであって、シングルとタッグが二分されていること自体が間違いよね。という訳でアニタ・アッサム、わたしを無差別級シングルベルトに挑戦させなさい。トヨシマに挑むための実績がほしいんでしょう? そのかわりパートナーを見つけてくれば、あなたを無差別級タッグに挑戦させてあげてもいいわよ」
第1試合6人タッグマッチ20分一本勝負
スペル・メイガス
清水楓
小笠原幸子
vs 羽鳥真澄×
支倉千代
あんず
12分50秒、ミステリオ・ラナ
 メイガスはエルボーやヘッドバットなどで羽鳥に攻め込む。闘志が前に出てはいるが、やや大ざっぱな動きになってくるメイガス。そこをあんずに突かれてネックハンギングツリーにとらえられる。小笠原がこれをカットすると、清水がメイガスとチェンジして冷静に試合の流れを静めていく。最後は羽鳥の打撃をかいくぐって清水が背後から飛びつき、ミステリオ・ラナで丸め込んで3カウント。

コメント:
清水楓 「戦いとは搦め手の使い方によって勝負が決まるものでござる」
スペル・メイガス「ちょっと気持ちが空回りしちゃったかな。サンキュー、楓ちゃん」

 エゲツないネックハンギングを見せて暴れたあんずだが、やや浮かぬ顔。記者にコメントを求められると早口で喋り始める。
あんず 「清水さんはくのいちですか。日本を代表するような格好・言葉遣いでありながら背後からの丸め込みというのはいけません。今後あたしが世界進出したときにそういう試合を仕掛けられては困ります。日本人が卑怯者と思われるじゃないですか。やっぱり正面からガンガンいきましょうよ。どこまでもお付き合いしますから!」
 【疾風忍者】に背後を取るなというのはいささか無茶な要求な気がするが、後ろからの攻撃にはご立腹の様子だった。

羽鳥真澄 「斜に構えてカッコイイってか。フザケンな!」

支倉千代 「う〜ん、今日は主役を取られちゃいました。次こそは目立って見せますよ〜」
第2試合タッグマッチ20分一本勝負
鬼姫結梨花
×香取梢
vs セラフィム・レイ
津上美紗
8分55秒、片エビ固め:ロコモーションダブルアームスープレックス
 ロー娘。はレイと津上のコンビにかき回されてしまい狙いが絞れない。鬼姫が体格差から津上にエルボー連打で押し切ろうとするが、サイドからレイが飛びついてロザリオで鬼姫をホイップしてしまう。津上の強烈なミサイルキックではじき飛ばされた香取、ダメージが抜けない間にレイのロコモーションに捕まって試合終了。

コメント:
セラフィム・レイ 「好き勝手に動いてただけだけど、なかなか面白かったね。これからも組んでみたいから、美紗ちゃんも舞闘姑娘にはいらない?」
津上美紗 「舞闘姑娘っスか? 前向きに考えます! 今日はレイさんのおかげで、香取さん、鬼姫さんに勝てたんで、次はわたしががんばります!」

鬼姫結梨花 「なんか目が回った…」
香取梢「さすがに一度じゃ届きませんでしたね。でもまだまだこれからですから」
第3試合8人タッグマッチ30分一本勝負
豊嶋奈美
長宗我部美幸
MARINA

沢田ちひろ
vs MACHIKO×
華山麗子
ファニー・ライトニング
ファラ・ブライアント
5分32秒、反則
 ブラコネは開始直後から全員で襲いかかる。豊嶋も一人ではフォローに回りきれず、長宗我部以下3人は大流血に追い込まれてしまう。若手チームは殆ど反撃も出来ずに叩かれ、いつもの策ではなくなすすべのない状況での反則決着となってしまった。


コメント:
豊嶋奈美 「面倒を見きれなくて悪いことをしました。それにしても好き放題してくれて…」

長宗我部美幸 「血が…血が…」
MARINA 「あうう、こんなの悔しいのです。今度はもっと立ち向かって見せます!」
長宗我部美幸 「血が…」


MACHIKO 「うーん、いい気持ち。やっぱりこうじゃなきゃ面白くないわ」
ファニー・ライトニング 「この程度で反則だなんだと、やかましい!」
ファラ・ブライアント 「祭壇に上げるには少なすぎて、もの足りませんわね。この程度で満足しているのなら、その頭、疑いますわ」
MACHIKO 「いつもやってたあんた達と、ずっと押さえてきた私じゃ感性が違うのよ」
第4試合WWPLウェルター級タッグ防衛戦30分一本勝負
王者組
○オリビア
刹那
vs 挑戦者組
ブリュンヒルト×
三嶋リナ
17分54秒、B3ボム
※第2代王者組が2回目の防衛に成功
 三嶋がブリュンヒルトに抜擢されてタッグへ挑戦。序盤の攻防ではシャープな動きを見せてオリビアを連続ホイップする三嶋。しかし刹那のショルダータックルではじき飛ばされた後は防戦に回る。ブリュンヒルトが救出し、刹那に合体ブレンバスターを狙う挑戦者組。しかし刹那は一人で二人をブレンバスターで返してしまう。さらにオリビアがコーナートップからエルボースタンプで三嶋をダウンさせると刹那がクリムゾンクラッチ。刹那が極めきらないうちにロープに一旦手が届いた三嶋だが、刹那が強引にリング中央へ引っ張り戻し完全に極まってしまう。ブリュンヒルトがカットに成功するが、三嶋が動けない状態になったためブリュンヒルトが孤立。最後はオリビアがビック・バン・バニー・ボムで決めて防衛に成功。

コメント:
オリビア 「今日も防衛してご機嫌ちゃんやな。次は…そうやな、JF王者組を味わってみたろか。怖くなかったら挑戦してきや!」
第5試合6人タッグマッチ30分一本勝負
愛沢美奈子
○荒谷紅美
大鷹なるみ
vs 坂倉宏子
ブラック・ヴァルキリー
サイフィス真美
×
18分34秒、アナコンダ・バイス
 荒谷、大鷹がパワーの違いを見せて攻勢に出る。愛沢は一人飄然としながらもスピードによる攪乱の役目となり舞闘姑娘のペースを乱すことになる。舞闘姑娘はカットワークで耐えつつ反撃をしていくが、流れを引き寄せるまでには至らず。サイフィス真美が荒谷に捕まってしまいギブアップ。


コメント:
荒谷紅美 「試合前にマイクでうだうだ言ってるけど、あいつ(ソーニャ)は何様のつもり? 上からもの言いやがって。大体チャンピオンだなんだ言ってるけど、あいつらになんの価値がある? お前等が持ってるから、ただのローカルタイトルになってるんだよ、ベルトが! なにが抗争だ、バカ。なんにも争ってないだろが、お前等は。だいたい、ソーニャやディアナなんかにまったく興味もなにもない。今、ベルト持ってるのがお前等だから、相手してるんだよ! 誰がベルト持ってようが関係ない。ベルトなきゃ、ダブドラにもJBにも言いたい事言えないみたいだから、私はベルトが欲しいだけなんだよ! 結局は自己保身だけじゃない、あいつ等は。舞闘姑娘? 軽い、それだけ!」
大鷹なるみ 「WWPLでの相関図がどうなってようが、関係ないっての。王者が誰かじゃなくて、ベルト取るために試合しなきゃならないから、相手は誰でもいいんだよ、こっちは。なんだかんだいって、対戦相手あたしらしか居ないんだから、いい加減逃げるのはやめて欲しいね。今の王者たちより、ベルト輝かせてやるからさ」
 話を捲し立てて去っていく荒谷・大鷹に取り残される形になった愛沢は溜息をついてコメント。
愛沢美奈子 「ロナが暇してるって聞いた……スポット参戦のツケを少し払う事にするわ。今のWWPLは典雅さが足りないもの」


坂倉宏子 「真っ向勝負じゃ割り合わないんだけどね。ま、たまにはいいでしょ。こう言うのも」
ブラック・ヴァルキリー 「結局、私が怖いということでしょう。なんだかんだと理由をつけているのは。そうですよねえ、ベルトが無いとスポットライトが回ってこない人たちですもの。手放したくないのは分かりますけど、ここまでくるとみっともないを通り越して見苦しいですよね。最初にわたしを名指ししたのは誰かということを、もういちど思い出すべきですよね、ソーニャさんは」
第6試合6人タッグマッチ30分一本勝負
松井香織
芹沢すずな
川部雪江
vs ロナ・ヴァン・ダム
アニタ・アッサム
ラブリーベル×
14分21秒、片エビ固め:レッドドラゴンドライバー
 VWGPタッグに出場が決定したダブルドラゴンは連携を一つ一つ確認するように決めていく。無差別とジュニアのシングル王者のチームも、タッグワークでは一歩劣る。分断された青コーナー組は、ベルが芹沢によって沈められてしまった。
 芹沢はロナに対してジュニアシングルへの挑戦をアピール。「ロナ、王者はあなただけど、無差別シングルのリターンマッチという意味ではあなたの挑戦になるわ。受けてくれるわよね?」


コメント:
松井香織 「すずなも頑張るね。それじゃあ私も無差別シングルを狙ってみるかな。アピール度でソーニャに負けてるけど」
芹沢すずな 「これからもまだまだ元気なところを見せますよ〜」

ロナ・ヴァン・ダム 「望むところよ。前の借りは返させてもらうから。フォール取られた借りをね!」
ラブリーベル 「アニタさん、もしよろしかったら無差別タッグのパートナーとしてわたくしが立候補して差し上げますわよ? これほど心強いパートナーはいないと自負しますわ。おーっほっほっほっほ!」
アニタ・アッサム 「ベルト戦? 誰でもOK! 誰であろうと私のパワーで粉砕するだけだから。ベルとのコンビ? 面白い、タッグも巻いてやる!」
第7試合6人タッグマッチ30分一本勝負
高村あかね
×望月登子
フレイヤ
vs REIKO
ソーニャ

ディアナ
19分42秒、スラーズ・マリーツァ
 ESは序盤から椅子や机を持ち出して得意の流れに持っていく。その合間にフレイヤのサブミッションが効果的に決まって優勢に。しかし老獪なFWはREIKOの毒霧でフレイヤの動きを止めた後、レフリーのブラインドをついてセコンドのガードが警棒で高村を殴打。孤立状態になった望月をFWが次々に攻め立て、ディアナのテキサスドライバー、REIKOのエクスカリバーと受けた望月にソーニャがとどめのスラーズ・マリーツァ。望月はこれを帰すことは出来なかった。

コメント:
REIKO 「まあ、悪くはないわね。ESはほかの連中と比べたらずいぶんやってて面白いからこっちもつい力が入るのよ」
ソーニャ「楽しませてくれるじゃない。他の連中もこれくらいいい子だったら申し分ないんだけどね」


望月登子 「耐えきれなかったか、くそっ!」
高村あかね 「つつっ‥‥。油断したわけじゃないけど、隙つかれちゃったよ。今度は全員KOしてやる!!」

フレイア 「あの毒霧さえなければ…正直悔しいですね」