5月12日(水) 島根県松江くにびきメッセ
 Bコネが試合開始前にリングへ上がってくる。
ラブリーベル 「先週のことなのですけど、ブラック・ヴァルキリーがWWPL無差別級タッグの挑戦にあたって、パートナーにうちの川部さんを指名しましたの。わたくしとしてはあのときの言いぐさにも腹が立ちますし、うちの大事な戦力を貸すなどとても耐えられませんわ」
MACHIKO 「でも、舞闘姑娘に負けていうことを一つ聞くっていったのも事実な訳でしょ?それに川部、あんたはどうなのよ?」
川部雪江 「そう…ですね、水戸さんにベルトを取られた私が、水戸さんが手を貸したおかげで勝利したチームのメンバーと組むなどと言うのは腹立たしいという気持ちがあります」
ラブリーベル 「ですわよね。いくらなんでも飲める要求とそうでない要求とが」
川部雪江 「しかし、ソーニャさん相手にタイトルマッチを行えるというのは大変魅力的な提案ですね。受けさせてもらいます」
ラブリーベル 「なんですって!」
川部雪江 「いいじゃないですか、こんなことで要求がすむんですから」
MACHIKO 「ほんとほんと。もっと理不尽なことを言われなかっただけ儲けものよね」
ラブリーベル 「あ、あなた方にはプライドというものが…」
MACHIKO 「硬いわねえ。それにリーダーの私がいいって言ってるんだからいいのよ」
川部雪江 「そうですよ、最近ベルさんちょっとイライラしすぎてませんか?ねえ、渡部さん」
渡部巴 「は?あ、いや、別にどうでもいいんじゃない?」
ラブリーベル 「…分かりましたわ、勝手にして下さいな」
川部雪江 「ということで今月最終戦ですか?次回興行?分かりました、次回の興行でタッグベルトに挑ませて頂きます。よろしくおねがいしますね、ブラック・ヴァルキリー」
ラブリーベル 「…不本意ですわ…」
第1試合20分一本勝負
支倉千代 vs 羽鳥真澄△
19分22秒、両者リングアウト
 積極的に手を出していく羽鳥だが、体重差のために支倉の突っ張りやぶちかましの一撃で流れを断ち切られてしまう。それでもとにかく休むことなく蹴りを放ち、パンチを叩き込む羽鳥。徐々に支倉の動きが鈍くなっていく。羽鳥のバックハンドブローで朦朧となる支倉はしかし倒れそうになるところを踏みとどまり羽鳥にしがみつくと、羽鳥を場外へ上手投げで放り投げる。支倉も勢い余って転落。短時間の場外戦の後リングに戻ろうとした羽鳥。しかし支倉が羽鳥の足を掴むとそのまま放り投げてしまう。支倉も羽鳥もここで体力がつき、リングアウト。

コメント:
羽鳥真澄 「馬鹿力で人のこと放り投げやがって! 次はKOしてやるよ! だいたいアピールして媚び売ることばっかりのロー娘どもより、よっぽど支倉のほうが戦い甲斐があるってもんだ! あの馬鹿ども、少しはプロレス考えろ!!」

支倉千代「悔しいな〜相撲ならあの上手投げで勝ててたのに〜。後は無我夢中で足にしがみつくしかなかったですよ」
第2試合10人タッグマッチ30分一本勝負
長宗我部美幸
MARINA
沢田ちひろ
あんず
小笠原幸子
vs 鬼姫結梨花
香取梢
スペル・メイガス
清水楓
×
三嶋リナ
14分45秒、片エビ固め:ダイビングヘッドバット
 先日獲得したJFタッグのベルトを腰に入場した清水とメイガス。
スペル・メイガス 「公約どおりっ!獲ってきました〜っ!」
 メイガスのマイクとともに2人がベルトを掲げると、「ローリング娘。」ファンから歓声が上がる。
スペル・メイガス 「これはまだ通過点だけど・・・もっともっとこのベルトの価値が上がるように、これからも頑張りますっ!一軍も二軍もない、新しい時代の扉を開くのはっ!」
鬼姫結梨花 「そう、わたし達、ローリング娘。!」
ロー娘。「ディス・イズ・ローリング娘。!」

 先発した柔道2段の小笠原、中学柔道の準優勝者である鬼姫に対して出てくるようアピール。これに乗った鬼姫は早い動きで間合いを詰めると組み付きに行く。小笠原はこれに出足払いを仕掛けるが、鬼姫は足を躱すと至近距離からエルボーを放つ。ひるむ小笠原に鬼姫、更にカチ上げエルボースマッシュ。さらにヘッドロックで小笠原の頭を締め付ける鬼姫だが、小笠原はこれを裏投げで切り返す。そこにメイガスがミサイルキックで小笠原を場外にけり出すと、次々に選手が入れ替わり立ち替わりで攻防を繰り広げていく。
 三嶋はトラースキックで沢田をふらつかせると、ブレンバスターの体勢に入る。しかし沢田はこれをスモールパッケージホールドで丸め込む。カウント2で返した三嶋だが、今度は沢田と長宗我部の合体ブレンバスターに放り投げられる。ここで香取とメイガスがリングイン、メイガスが沢田をメイガスボンバーで場外に追い払い、香取が長宗我部にローリングネックブリーカードロップを仕掛ける。
 12分過ぎ、長宗我部が椅子を持ち出すが香取が椅子ごと長宗我部を場外に連れ出して反則負けにはさせない。清水があんずの左ストレートを受けて倒れるが、フォールに入られる前に跳ね起きるとコルバタで反撃。しかしそこにコーナートップからヘッドバットで降りかかってきたMARINAが直撃。再びダウンした清水にMARINAはもう一度コーナーに上ってダイビングヘッドバット。すぐにフォールしたMARINAが清水からピンフォール。

コメント:
MARINA 「まりな頑張りました!」
長宗我部美幸 「不意打ちのように横から突っ込んで行っての見事な勝利でした。不意打ちでしたけど。でもそれでこそMARINAさんです。不意打ちは強いですから。反則でもないですしね」
MARINA 「あうう、不意打ち不意打ちって…わたし悪くないと思うのです…」
あんず「正面じゃなく不意打ちだったのが心残りでしたが、不意打ちでも勝てたので良かったです。それは良いとして・・・」
MARINA 「あうう、きりりさんまで」
あんず 「きりりじゃありません、あんずです。ええっと・・・スペル・メイガスさん、あなたは日本女児でしょう?なぜ日本名を名乗らないんですか!?それになんですか、あのマスクは。表情を見せないとは卑怯です。何を隠しているんですか?何も隠すことなんてありません。勇気を持って素敵な素顔をあたしに見せて下さい。そして真正面から戦ってください!」

小笠原幸子「勝ち負けにほとんど絡めなかったのは不本意ですが…まあ、致し方ありませんわ。次こそは、自力で勝たせていただきたいと思います。では、ごきげんよう」


清水楓 「油断したでござる。せっかくのベルトが泣いているでござるよ…」
鬼姫結梨花 「なんていうか、やりにくいんだよなあ長宗我部教の連中は。そのくせ微妙に強い部分を見せたりするし。しかし!こっちにはJF経験者が増えたわけで!戦力としてさらにパワーアップしたローリング娘。をよろしく!」
香取梢「とりあえずコミックショーにはせずにすみましたし、今日の相手の勝利はMARINAさんが実力で堂々と勝ち取ったものですから素直に祝福したいと思います。他の人たちももっとMARINAさんを見習うべきですよね」
スペル・メイガス「あんなセコイ勝ち方で正規軍名乗っちゃいけないよねっ。正規軍ならもうちょっと『らしい』試合してくれなきゃ。分かるよね?やっぱり時代は『ローリング娘。』ですよっ!」
第3試合タッグマッチ30分一本勝負
×オリビア
刹那
vs ラブリーベル
華山麗子
14分27秒、ラブリーロック
 オリビア組(仮)がBコネに挑む。まずはオリビアが華山に殴りかかりダウンを奪う。オリビアは華山を引き起こすが、その瞬間華山がオリビアの顔面をかきむしるとフライングメイヤーからエルボースタンプに繋ぎ、さらにストンピングの嵐。これに切れたオリビアが殴りかかり、華山はコーナーに押し込まれる。ここでベルが背後から鞭でオリビアを叩き華山を救出。さらに鞭をオリビアの首に巻き付けて絞めていくベル。リングインした刹那がベルにショルダーアタックで突進してオリビアを助け出し、さらにクリムゾンスタンピートで突進。しかしベルが勢いをいなしてメキシカンストレッチでとらえてしまう。
 オリビア、刹那とも積極的な攻勢に出て行くが、華山もベルも巧みにこの勢いを受け流していく。特にベルのメキシカンストレッチが面白いように決まり、最後はラブリーロックでオリビアがギブアップ。オリビアは悔しそうにしつつマイクを要求。
オリビア 「負けは負けやけどな、そんな小手先でかわそうっちゅう根性は気に食わんわ!負けた気がせえへんわ!」
ラブリーベル 「おーっほっほっほ! 戦いに正面衝突しか望まないのは匹夫の勇ですわ! 何故この美しいわたくしが愚かで醜い者に合わせなければならないの?

コメント:
第4試合タッグマッチ30分一本勝負
セラフィム・レイ
津上美紗
vs ファニー・ライトニング×
ファラ・ブライアント
3分6秒、反則
 レイ、津上組の入場途中を襲うファニーとファラ。まずは津上を場外で椅子の山の上にパワーボムを放ち、さらに上から椅子を叩き付けていく。そして助けようとするレイをファニーが背後から捕まえると、ファラが鉄パイプでレイを殴打。また、ハサミを取り出すとレイと津上の顔面を血だらけにした後、なんとレイの髪にハサミを入れていく。必死に抵抗したレイがハサミをはじき飛ばすが、その後はファニーとファラでレイにストンピングの嵐を見舞っていく。この状況にレフリーはゴングを要請。アイドルタッグは無惨な状態で担架に乗せられて運び出されていった。

コメント:
ファニー・ライトニング 「楽しいねえ、ああいうガキどもをいたぶるのは」
ファラ・ブライアント 「天使どもの血‥‥。くくっ。なんて美しいんでしょう」

津上美紗 「‥‥あう。痛いっス‥‥」
第5試合6人タッグマッチ30分一本勝負
豊嶋奈美
芹沢すずな

×サイフィス真美
vs 川部雪江
MACHIKO
渡部巴
12分54秒、ホワイトアウト
 MACHIKOがアイスピックで真美を流血に追い込むと、2戦続けて流血戦となったためか場外からは大ブーイング。MACHIKOは涼しい顔だが、川部と渡部は迷惑そうなそぶりを見せる。それでもブルーボックスによる反則攻撃などをうまく使ったBコネが勝利。しかしBコネは試合が終わって揉めている様子を見せる。
川部雪江 「MACHIKOさん、私も思うのですけど…流血は美しくないです」
MACHIKO 「ちょっと待ってよ、あんたまで何を言い出すのよ」
渡部巴 「私はどっちでもいいんだけどさ、確かに汚れるのはいやよね」
MACHIKO 「いままであんたたちに付き合って大人しくしてきたけど、そろそろ欲求不満なのよ。やりたいことやらせてもらっていいじゃないの。リーダーは私よ」
川部雪江 「弱いくせにリーダーリーダーってしつこいですよ?」
 ここで場内から笑いが漏れる。
MACHIKO 「なんですって!そこ、笑うな!」
川部雪江 「…あ、すみません、少しだけ言い過ぎました。いいんです、リーダーの資格は強さじゃないですもんね。別にMACHIKOさんでも問題はなかったです、強さのことに関して言えば」
渡部巴 「雪江、あんたそれフォローになってない」
川部雪江 「え?えーっと、それは、その、あの、だからですね、ほら」
渡部巴 「はいはい、これ以上ぼろが出ない内に帰るわよ」
川部雪江 「あの、でもその、本当に言いたかったことはですね…」
 渡部に引っ張られて返っていく川部を見送ったMACHIKOは、リング上で一言叫んでその後を追った。
MACHIKO 「なんなのよ、もうっ!」


コメント:
第6試合タッグマッチ30分一本勝負
×高村あかね
望月登子
vs 坂倉宏子
ブラック・ヴァルキリ
14分37秒、ドラゴンタイガースープレックスホールド
 望月がブラックを背後から捕まえ、高村がラリアット。しかしブラックは望月を振りほどき、誤爆を誘う。そして倒れた望月を場外に連れ出すブラック。リング上では坂倉がハイパーニー空牙で高村に襲いかかると、そのまま畳みかけて最後は得意のスープレックスピンフォール。

コメント:
坂倉宏子 「誤爆でも仕掛けないと、エクストリーム相手に勝ちなんて拾えないって(苦笑)。あのふたりの攻めをいなせるだけのインサイドワークがないと、ね。そのくらいしか持ち味ないですから、私には(笑)」

ブラック・ヴァルキリー 「ベルト戦前にエクストリーム相手に勝てないと。あ、それと試合前のマイクに対する返答をひとつ。川部さんはレンタルではなくて、ユニット移籍という形になりますから。ベルト戦をする以上、それが当然でしょう。当たり前です。そろそろ潮時でしょう、Bコネから川部雪江は卒業ということで。このチャンスをどう取るかは川部さん次第ですけれど。雪辱したいんでしょう、試合で。プロレスラーとして。そのためのお膳立てはして上げました。利口なら受けないでしょう、私の話は。ですが、川部雪江は馬鹿だと信じてますから。プロレス、格闘技に命を賭ける馬鹿だと」


望月登子 「まあ、誤爆くらいはたまにあるさ。ちょっと物足りない気分もするけど、悪くない試合だったから気にしない」
高村あかね 「ちぃっ! 舞闘姑娘、やるじゃんか! これで終わらないから!!」
第7試合タッグマッチ30分一本勝負
○ロナ・ヴァン・ダム
アニタ・アッサム
vs 荒谷紅美×
大鷹なるみ
11分56秒、逆さ押さえ込み
 ロナとアニタのWWPLシングル王者タッグが大暴れ。荒谷と大鷹の攻撃を受けきってふらふらになりながらも、10分過ぎから猛反撃。そして最後は荒谷の隙をつく逆さ押さえ込みで上手さも見せて勝利した。

コメント:
ロナ・ヴァン・ダム 「こういうポカあるから、ダメなんじゃないの?」
アニタ・アッサム 「まだまだ力が有り余ってるな!」

荒谷紅美 「くそっ! これで終わりだと思うなよ!」
大鷹なるみ 「最後に気を抜くからこんなことになる! やっぱりあそこで私が出るべきだったよ!」
第8試合タッグマッチ30分一本勝負
×松井香織
フレイヤ
ブリュンヒルト
vs REIKO
ソーニャ
ディアナ
18分52秒、体固め:その場跳びムーンサルトプレス
 ファニーウイングスは司令塔の松井を徹底的に狙って攻め立てる。フレイヤとブリュンヒルトの個人個人ではファニーウイングス相手に力不足。ダブルドロップキックや合体ブレンバスターで反撃する二人の時空女神だが、十分に攻めきれずついには分断されてしまう。そして攻め続けられた松井もとうとうディアナのテキサスドライバーにダウン。ディアナはその場飛びのムーンサルトプレスからフォールし、3カウント。

コメント:
REIKO 「メインには分不相応の連中が出てたわね。松江の人達も可哀相に…って、あ、そっか、ブリュンヒルトの中の人が島根の出身だったっけ?なんだ、ご祝儀メインに付き合わされたわけ。あーあ、もっと手抜きしてやればよかった」
ディアナ 「挑戦者はブラックとカワベね。このタッグと戦うのは昔インディージュニアタッグをブラック&YUKIに取られて以来かしら?あのときの屈辱は忘れない。このディアナがきっちりと沈めてあげる」
ソーニャ 「ユキエとブラックのタッグねえ。『獲った後の事は考えてるのか』って気もするけど、わたしたちが防衛するのは決まってるから大した問題じゃないわね。それよりも来月の一応の挑戦者候補にしてあげた連中の方が……本当に何やってんだか。何か自分の致命的弱点か未だに気がついてないわね、アラヤは。次も気づかないようなら挑戦権白紙に戻されても仕方がないって覚悟だけはしておいてほしいわ。頭痛くなってきた……」