2月27日(金) 山口県海峡メッセ下関 | ||
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■第1試合タッグマッチ30分一本勝負 | ||
×MACHIKO 華山麗子 |
vs | フレイヤ○ マスクド・ターキー |
16分39秒、ノーザンライトプレス | ||
20日の興行で渡部から3カウントを奪ったターキー。その敵討ちとMACHIKO、華山が序盤からターキーを狙って反則を繰り返す。セコンドの渡部、ベルがうまくレフリーからその反則を隠し、青コーナーの覆面タッグは苦戦。さらに、ターキーのマスクに手をかけるMACHIKO。それに抵抗してターキーが暴れると、MACHIKOの鼻付近に頭突きが命中してしまう。チャンスと見たフレイヤ、MACHIKOをハイキックで蹴り倒すと、ノーザンライトプレスからフォールして3カウントを奪った。 コメント: フレイア「NANAお姉さまが見てるので、ぶざまな試合はできませんでした」 MACHIKO 「タチが悪いわ…。半端にレスリングが出来るのにああいう突拍子もないことをしてくるから、扱いづらいったらありゃしない」 華山麗子 「…二軍、に…似たようなのが…居た記憶が…」 |
■第2試合タッグマッチ30分一本勝負 | ||
×木佐深月 高岡ユーリ |
vs | ディアナ ソーニャ○ |
19分29秒、裏膝十字固め | ||
クライシスが無差別タッグ王者に挑む形となる。格闘系らしい動きの速さを随所に組み込みながらもプロレスとしての試合を形作るクライシス。タッチワークもよく無差別王者と五分の試合展開にもっていく。しかし、木佐がロープリバウンドで勢いをつけようとしたところ、下からガードが木佐の足を引っ張って転倒させてしまう。そこにディアナがまずその場跳びムーンサルトプレスで押しつぶし、リング中央へ木佐を運ぶ。そしてディアナとガードが高岡を抑える間に、ソーニャが木佐を裏膝十字固めで仕留めた。 コメント: ディアナ 「相手をしてあげただけ光栄と思いなさい」 ソーニャ「もう新人じゃないんだし善戦すればいいってものじゃないでしょう。プロの試合をしなさい。そんなだから二軍の愚連隊にまで舐めた口きかれるのよ」 |
■第3試合8人タッグマッチ30分一本勝負 | ||
坂倉宏子 ブラック・ヴァルキリー ×中原千早希 セラフィム・レイ |
vs | 高村あかね 望月登子 ファニー・ライトニング ファラ・ブライアント○ |
18分9秒、片エビ固め:フォーリン・エンジェル | ||
めまぐるしく試合権利を持つ選手が入れ替わる試合となる。青コーナーは高村&望月と、ファニー&ファラがそれぞれ不干渉のような形で進めるが、この試合スタイルの不統一が舞闘姑娘のペースを乱すことになる。さらに、エクストリームストームがリング上で戦っている間にファニーとファラが勝手に場外を回ってコーナーに控える舞闘姑娘を襲い、これが思わぬ効果を上げることになる。場外でブラックとレイがダウンさせられてしまい、さらにファラとファニーには高村と坂倉の一騎打ち中に乱入されてしまい、試合は混乱状態。それを自分たちでコントロールしていったファラが、フォーリン・エンジェル(スパイシードロップ)で中原を沈めた。 コメント: 高村あかね 「だから、ヒールとエクストリームは別モンだっての! ぶち壊されなかっただけマシだけどさ」 ファニー・ライトニング 「言っとくけど、ファラとわたしのコンビはKIZUNAともSPWAとも無関係。誰と当たってもすべてを血に染めるだけよ。あーいい気味!!」 ファラ・ブライアント 「勝利とはなんて虚しい‥‥。血の供物を捧げられないなんて考えられないわ‥‥」 中原千早希 「くっそー、油断した!! このまま終わるつもりはないですから! 覚えてろ!!」 ブラック・ヴァルキリー 「‥‥この試合で私になにをコメントしろと?」 坂倉宏子 「まいった。向こうをチームとしてくくってたおかげでえらい目にあってしまった‥‥。当たり前が当たり前じゃないだろうってのは薄々わかってたつもりだったんだけど。下手に作戦立てたのが失敗だった‥‥。今日はいい訳しか出ないよ、ゴメン」 |
■第4試合30分一本勝負 | ||
○ロナ・ヴァン・ダム | vs | サイフィス真美× |
17分32秒、タイガードライバー | ||
ジュニア王者となったロナに、サイフィス真美が一騎打ちで挑みかかる。序盤のスピード勝負では流石にロナを翻弄する真美。アームホイップ、ディスカッターと決めてアピール。しかしロナの反撃を受け始めてからはその勢いも止められがちになる。ロナのカンフーキック(スワンダイブ式ライダーキック)から抑え込まれた真美、なんとかカウント2で肩を上げるが劣勢は明らかに。しかし、ダブルアーム式フェイスバスターを狙ったロナを切り返した真美、メキシカンストレッチ、リンギーナ2号で固める。じりじりとロープに近づくロナ、必死に締め上げる真美。結局ロナがロープに逃げてしまい、真美はチャンスを逸する。とうとう最後はロナがタイガードライバーで勝利し、ジュニア王者の威厳を見せつける形となった。 コメント: ロナ・ヴァン・ダム 「相手がいないんだからしょうがないんだろうけど、相手にならないわね、あれじゃ」 |
■第5試合タッグマッチ30分一本勝負 | ||
豊嶋奈美 ×REIKO |
vs | NANA○ 愛沢美奈子 |
21分50秒、NANA☆ラッチ | ||
NANA、愛沢という外敵(NANAは元WWPLの選手ではあるが)を迎え撃つため、豊嶋とREIKOが手を組んだ。REIKOは試合前、「こんな豪華な試合が見られるなんて、ここのファンは幸せね。ま、豪華だからっていっても、奈美と組まされるのは気にくわないんだけど」とマイクアピール。愛沢は「今から言い訳?」とぼそりとつぶやいたとか。 REIKOも豊嶋も、意識していたのは愛沢。豊嶋は前回ギブアップを奪われ、REIKOはかつてスカイスター公式戦をさらわれている。そのため、愛沢が出てきたときにお互い譲らない。NANAが愛沢に合わせて動くため連携とは行かぬまでもタッグの形となる青コーナーに対し、赤コーナーの二人はフォールの時もサブミッションを受けたときもカットにすら入らない。これではいくらヘビーとジュニアのトップ同士が組んでいても試合にならない。 さらに、意識をしていなかったNANAに豊嶋がお盆スマッシュやお盆ムーンサルトプレスで追いつめられるなど、愛沢に意識が向きすぎた弊害が出る。結局NANAの高速丸め込みがREIKOに決まり、夢のタッグはあえなく敗北となってしまった。 コメント: REIKO 「分かってたのよ、ったく。だいたい奈美はタッグ苦手な上に普段敵よ?これでまともにいったら奇跡だって!」 豊嶋奈美 「取られたくせに偉そうね、REIKO」 REIKO 「偉そう?あたしは偉いのよ!」 豊嶋奈美 「…もうちょっと相手に合わせることを考えないと駄目なんじゃない?」 REIKO 「あんたが人に言えた義理!?」 豊嶋奈美 「……」 REIKO 「……」 NANA「むぅっ、美奈子さんが苦しそーだったからがんばったのだ。むふふっ、お仕事もおわったし、後は香織先輩たちの試合を見るだけなのだ〜。カーシャちゃん、ポップコーンかってくるのだぁ♪」 フレイア「ううっ、相変わらずお姉さまは横暴なのですぅ」 |
■第6試合6人タッグマッチ30分一本勝負 | ||
○川部雪江 ラブリーベル 渡部巴 |
vs | 荒谷紅美 ストーム水戸× アニタ・アッサム |
14分33秒、デイ・ドリーム | ||
Bコネを相手にヘビー級の連合軍が個々の特徴を発揮して押し気味に試合を進める。中でもアニタは調子がよく、渡部にパワーボムホイップ、場外乱闘時には川部にトペ・スイシーダと縦横に暴れていく。しかしベルにチョークスラムを仕掛けようとしたとき、飛びつき式腕ひしぎで切り返されてしまう。助けに入ろうとした荒谷と水戸をMACHIKOと華山が場外から妨害。しかし荒谷と水戸はそれを叩きのめし、アニタを救出成功。 10分過ぎから混戦に持ち込んでBコネが盛り返す。しかしなんとか荒谷とアニタがベルト渡部を場外に引きずり出して水戸と川部の一騎打ち状態に持っていく。水戸は川部をバックドロップで放り投げ、さらに起きあがる川部に稲妻レッグラリアットを決める。とどめとタイガースープレックスの体勢に入る水戸だが、川部はこれを切り返すとグラウンドへ。すかさずデイ・ドリームで水戸を捕らえる川部。場外ではBコネが荒谷とアニタを捕まえており、カットに入らせない。水戸、粘りは見せたが結局ギブアップしてしまった。 コメント: ラブリーベル 「おーっほっほっほ! あのメンバーでは個人ならともかく、タッグマッチでわたくしたちが負けるとは思えませんわ!」 ストーム水戸「まあ、これで第一段階はオッケーってね。荒谷さん達も気を使ってくれたのかお誂え向きに一騎打ち状態に持ち込んでくれたから。こっから先、どうやってアジア戦に持ち込むのかはまああたしの腕次第って事さね。まあ見てなって事」 荒谷紅美 「春の嵐を巻き起こしてやるから、来月見てろ!」 アニタ・アッサム 「ベルト戦組むのか、組まないのか。いったいどっちなんだか。焦らすって言うのなら、考えはひとつさ。ほかに相手がいないようにすればいい。ひとりひとり私のパワーで叩き潰す!!」 |
■第7試合WWPL無差別級シングル防衛戦時間無制限一本勝負 | ||
王者 芹沢すずな |
vs | 挑戦者 松井香織 |
10年来の盟友が、無差別シングルのベルトを巡って激突する。まず挑戦者の松井が、漆黒のガウンに身を包みゆっくりと姿を現す。セカンドロープをまたいでリングインをした松井は、静かに目をつぶって芹沢の入場を待つ。そして、深紅のガウンに身を包んだ芹沢が入場曲に合わせて登場。ベルトを腰に巻いたまま走ってリングに向かい、一気にトップロープを飛び越えてのリングイン。黒と赤、静と動。対照的な二人が、コーナーを背負って火花を散らす。 ゴングが鳴ると、リング中央に歩み寄る両者。どちらからともなく右手を差し出し、がっちりと握手。ところが、その瞬間に松井の左掌底と芹沢の左ハイキックが交錯する。手を離してふらつく両者、即座に取った次の行動は共に旋風脚。完全な相打ちとなり、両者ダブルノックアウト状態。開始10秒で早くもダウンカウントが数えられる。先に立ち上がったのは松井。体重差の分ダメージに差が出た様子である。カウント8で芹沢は起きあがらずに転がって場外へ退避。松井はトップロープを飛び越えるが、プランチャには行かずそのままエプロンに着地。そこからダブルスレッジハンマーを落としていく。さらに松井は芹沢の頭をつかんで鉄柱に叩き付ける。早くも追い込まれた芹沢。椅子を持ち出した松井はまずパイプ部分で殴りつけた後、大きく振りかぶって叩き降ろす。芹沢、これを跳び蹴りではじき飛ばすと松井の顔面に飛び後ろ蹴りで反撃開始。素早くエプロンに上った芹沢、ラ・ケブラーダで追撃する。 戦いの場所をリング上に戻した両者、激しい開始後の展開から一転レスリング中心の展開となる。グラウンドで優勢なのは松井だが、芹沢も完全に捕らえさせることなく切り返す。芹沢の腕を極めつつ背後に回った松井、バックドロップを仕掛ける。芹沢はそれを後転して着地し、立ち上がった松井に飛び膝蹴り一閃。ふらつく松井に、芹沢は飛び横蹴りを決める。それでも倒れない松井に、芹沢は様々なキックをコンビネーションで叩き込み、最後にロープリバウンドで勢いをつけた飛び膝蹴り。この連続技には耐えられず、松井ダウン。しかし芹沢はフォールに行かない。松井が立ち上がることを信じているように仁王立ちで待ちかまえる。そして、それに応えるように松井はゆっくりと起きあがる。3カウントを取ることが目的ではない、倒した結果の3カウント。それが両者に共通した想い。 芹沢のレッドドラゴンドライバー、ドラゴンファングと受けた松井。しかしとどめのドラゴントルネードを狙ってコーナーに上った芹沢を追いかけた松井は、形が崩れながらの雪崩式水車落としで芹沢をマットに叩き付ける。そしてチキンウイングドラゴンスリーパーで芹沢をがっちり固める松井。リングの中央ではないが、ロープ背を向けた状態の芹沢、エスケープは難しい状態。首と腕を痛めつけられ、力が抜けていく芹沢。芹沢の手が松井の腕にかかり、タップも時間の問題かと思われたそのとき、芹沢の蹴りが松井の脳天に決まった。一瞬最大限にねじり上げられた芹沢は苦しみながら松井から離れる。絶好のチャンスだった松井も、不意の一撃に動けず追撃出来ない。芹沢は体制を立て直し、ハイキックで松井をふらつかせると、組み付いてレッドドラゴンドライバーEX。急角度で首から叩き付けられた松井だが、カバーに来た芹沢をカウント1ではね飛ばし、大きく叫びながらブラックドラゴンドライバー。倒れ伏した芹沢を両腕で押さえ込むようにフォールする松井。カウント3が入ったと思われたそのとき、芹沢の足がロープに届く。位置を見誤った松井、勝ったと思って気がゆるみかけた気力を振り絞るように自らの頬を張り、再び組み付きにいく。放たれた芹沢のミドルキックをキャッチして防いだ松井、そのまま掌底を芹沢の顔面に叩き込もうと振りかぶる。しかし、その先に芹沢の頭はなかった。足をキャッチされた状態の芹沢は、体を横倒しに回転させる。そして、その踵が松井のこめかみを直撃した。必殺の、ドラゴンネイル。目が完全に飛んでしまった松井に、崩れるようにして覆い被さる芹沢。レフリーの手が、マットを3回叩いた。 |
○芹沢すずな | vs | 松井香織× |
18分35秒、体固め:ドラゴンネイル ※第3代王者が2度目の防衛に成功 |
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試合が決まると、芹沢の元にサイフィス真美が、松井の元にNANAがかけよる。介抱されて気が付いた松井はコーナーに寄りかかった状態で、芹沢がベルトを巻く様子を見つめる。芹沢は、認定書を受け取るとマイクを持つ。 芹沢すずな 「観客の皆さん…年寄りのわがままで、防衛戦の相手を選んでしまってすみませんでした」 なんと最初に出た言葉は謝罪。多少の拍手があったものの、多くの観客は反応に困った様子。 芹沢すずな 「お互いが後悔をしない状況で、本気で、戦いたかったから。そして、今がその最後のチャンスと思ったから、わがままを押し通させてもらいました。私にとって、松井香織とは、最高のパートナーである以前に、最大の、そして最強のライバルでしたし、今でもそうですから。だから…いえ、だけど、わがままでしたけど。少なくとも、押し通したけじめは、防衛することと、今の二人の戦いを見せることで、つけることが出来たと思います」 声を震わせて礼をする芹沢。会場全体から大きな拍手が巻き起こった。芹沢は松井の方を向いて言葉を続ける。 芹沢すずな 「あと…香織も、ごめん。それから、ありがとう」 松井は、それを聞くと立ち上がり、芹沢の正面に立つ。そしてなんと芹沢に張り手を一発。呆然とする芹沢からマイクを奪い取る松井。 松井香織 「謝罪なんかいるか。礼もいらないよ。いつでもどこでも、誰とでも、リング上で真剣な戦いを。それが、私達ダブルドラゴンだろ。知ってるでしょう。シングルでの通算対戦成績では私が負け越してるんだよ?だから今日こそは一矢報いようと色々絞り出してやったのにまったく。初対戦の時からそう。あんたは私の壁なんだよ」 そう言って芹沢を抱きしめる松井。 松井香織 「あんたは最強のライバルで…最高のパートナーだよ。いままでありがとう。それから、これからもよろしく」 負けた松井に抱きしめられたまま、勝者の芹沢は涙を流す。松井は芹沢の手を取り、その手を掲げて再度勝者を祝福した。 コメント: 芹沢すずな 「ちょっと泣いてすっきりしました〜。これでますます気合いが入りましたね〜。さあ、次の挑戦者は誰かしら〜。ふふ、楽しみね〜」 松井香織 「本気で勝つつもりだったんだよ。まあ、悔しいけど結果は結果。認めるしかない。しかしあいつも、精神の起伏が激しいね。子供っぽいって言うか。でも、それが強さに繋がってる部分があるし。やれやれ」 |