12月19日(金) 島根県松江くにびきメッセ
第1試合タッグマッチ20分一本勝負
フレイヤ
ブリュンヒルト
vs MACHIKO×
華山麗子
13分42秒、ノーザンライトプレス
 華山がリングの下からブルーボックスを取り出してフレイヤを殴りつけようとしたとき、場外を回ってきたブリュンヒルトが華山の足をすくって転倒させる。援護を期待して動きの遅れたMACHIKOを捕まえたフレイヤ、ノーザンライトスープレックスから攻め込む。最後はノーザンライトプレスを放ってBコネを撃退した。
第2試合6人タッグマッチ30分一本勝負
荒谷紅美
アニタ・アッサム
水瀬沙夜
vs 川部雪江
ラブリーベル
渡部巴
×
16分3秒、アッサムボム
 時間をかけた派手な入場を行うBコネ。ナンバーワンビジュアルチームを自称するだけ会って会場は盛り上がりを見せる。赤コーナーのチームはチームではないだけに、開始時点では完全にBコネの雰囲気が圧倒する。ところが試合になると、荒谷が素晴らしい動きを連発して観客を一気に引きつける。MACHIKOと華山の手出しも封じ込め、Bコネの軍師渡部を捕まえて攻め込む。フィニッシュこそアッサムに譲ったが、試合は荒谷のものと言っていい展開であった。
ラブリーベル 「流石ですわ荒谷さん。わたくしもあなただけは高く評価しておりますのよ。出来ればよいおつきあいをしていきたいものですわ。おーっほっほっほ!」

コメント:
ラブリーベル 「もったいないですわ。荒谷さんもわたくしたちの仲間になれば、今よりももっと羽ばたいていけるお方ですのに」


アニタ・アッサム  「誰であろうと私のパワーで粉砕してやる!!」
  と、意気揚々とコメントをするアニタの横で、しかめっ面の荒谷。
荒谷紅美  「すみません、ノーコメントで‥‥」
  いつものように吼えもせず、控え室へと消えていった。
第3試合タッグマッチ30分一本勝負
REIKO
ディアナ
vs ファニー・ライトニング×
ファラ・ブライアント
9分16秒、片エビ固め:キック・オブ・デス
 ファニーウイングスの入場途中を襲うファラとファニー。いきなりの場外乱闘で騒然となる。ファラは場外でスノーボムをディアナに決めるなどいい暴れぶりを見せる。しかしガードが背後からファラを警棒で殴りつけ、膝をつくファラにREIKOがキック・オブ・デス。側頭部を蹴りつけられて崩れ落ちるファラ。最初はペースを握ったように見えたファニーとファラのタッグだが、結局ファニーウイングスに押し込められる。最後はファニーがキック・オブ・デスに沈んだ。
REIKO 「あはははははは!醜いわね! この史上最高のジュニア戦士、REIKO様にまともに立ち向かえるとでも思ったの? あんたを次の挑戦者にしてもいいかなってちょっと思ったけど、やっぱりあんまり弱いとやる気が失せるわ。最近の試合内容見てたら、ロナかブラックかってところかしらね。あんたは失格よ、ファニー・ライトニング。あははははははは!」

コメント:
ファニー・ライトニング  「‥‥コロス! あいつは血の海に沈めてやる!!」
ファラ・ブライアント   「哀れな小羊‥‥。みずから、いけにえの祭壇にあがるとは‥‥。いたぶっていたぶって、その血で死化粧を彩ってみせましょう」
第4試合3WAYマッチ30分一本勝負
望月登子
高村あかね

ロナ・ヴァン・ダム
望月登子(17分24秒、片エビ固め:ツイスター)ロナ・ヴァン・ダム×
 激しい試合展開を信条とする3選手が入り乱れる3WAYマッチ。まずは望月と高村、そして高村とロナ、ロナと望月。それぞれの組み合わせで激しくぶつかり合う。高村と望月が二人がかりでロナをコーナーへスルー。そして望月が串刺し攻撃を狙うが、ロナは体を捻って回避。望月はコーナーにぶつかってしまう。そこに高村のジャンピングハイキックが決まって望月、ダウン。たまらず場外に転がり出ると、リング上では高村とロナの激突。ロナがダブルアームフェイスバスターを決めれば、高村も即座に起きあがって投げっぱなしパワーボムで反撃。ロナをダウンさせて大きくアピールする高村だが、そこに望月がスワンダイブ式回し蹴りで降りかかる。フォールに行こうとする望月に、起きあがったロナがフライングニールキックを決める。膝をつく望月、しかし当たりが浅かったかダメージの残るロナよりも先に動き出したのは望月。ロナを抱え上げると、ツイスターでロナをマットに突き刺す。ダウン状態の高村を一瞥した望月はゆっくりとロナをフォール。マットが3回叩かれ望月の勝利となったが、勝った望月もすぐには起きあがれない状態。熱戦に会場から大きな拍手が送られていた。

コメント:
望月登子 「きついけど楽しかった。今日はそれだけ。休ませてくれ…」

高村あかね  「ごめん、あかねも今日は疲れた‥‥。あー、でも久々に充実!!」

ロナ・ヴァン・ダム  「返しそこなうとはね。まあ、こういう試合があるから、ここは楽しいのよね」
第5試合8人タッグマッチ30分一本勝負
豊嶋奈美
松井香織
木佐深月
高岡ユーリ
vs 坂倉宏子
ブラック・ヴァルキリー
×
サイフィス真美
セラフィム・レイ
17分50秒、ムーンサルトプレス
 正規軍と舞闘姑娘のぶつかる8人タッグマッチ。めまぐるしく選手が入れ替わる試合展開に豊嶋がタッグマッチとしてはいい動きを見せる。レイをジャーマンスープレックスでダウンさせ、坂倉とは張り手の打ち合いで張り合う。木佐も真美との蹴り合いを制するなど、豊嶋の勢いに引っ張られた正規軍が優勢になる。坂倉がハイパーニー空牙、シャイニングヒールギルス(スコーピオ・ライジング)、ハイパークラッシャー・アギト(ギロチン式エースクラッシャー)の連携技で松井を攻め込むなどのシーンも見せたが、これで試合を決めることは出来ず。豊嶋の好調ぶりを抑えきれずブラックがムーンサルトプレスに沈んだ。

コメント:
豊嶋奈美 「クライシスの頑張りがあったのでやりやすかったです。舞闘姑娘はもう一皮むけるといいチームになりそうですけれど、まだ怖さは感じないかな」
木佐深月「逆に自分の未熟さを思い知らされた勝ちですね……。ただ引っぱってもらうんじゃなくてもっと試合を作れるようにならないと。まだまだがんばります」


坂倉宏子  「統一チャンプがいるチーム相手だからね。まあ、でも流れは悪くなかったから。この流れを持続していく事が大事だから。年内も後一試合だけど、ラストスパートがんばんないとね」

第6試合WWPL無差別級シングルタイトルマッチ時間無制限一本勝負
王者
芹沢すずな
vs 挑戦者
ソーニャ×
14分4秒、ドラゴン・ラナ
※第3代王者が初防衛に成功
 化粧と飾りを控えめにした状態で登場したソーニャ。リングに上がると首に下げていた銀のロケットを自分のコーナーにかけると、短く祈りを捧げる様子を見せてリング中央へ歩を進める。普段以上に気合いの入った様子のリングインに、この試合への意気込みが感じられる。一方芹沢はマイペースにいつも通りの入場。特に気負った部分を見せないのはベテランの貫禄か。
 芹沢最大の武器である足を殺していきたいソーニャ。しかし戻りの早い芹沢の蹴りをなかなか捕まえられない。さらに足を取ろうとしたところに飛び膝蹴りがアゴに叩き込まれてダウンする。芹沢は余裕のポーズを見せ、ソーニャを引き起こす。するとその瞬間にソーニャは組み付いて脳天からマットに突き刺す直下式のフロントスープレックス。首に大きな衝撃を受けた芹沢の動きが止まったところで膝十字に固め、ギブアップを迫るソーニャ。時間をかけてロープエスケープする芹沢。ソーニャは立ち上がるとロープを掴んだままの芹沢の膝にストンピングを仕掛ける。エプロンにディアナが姿を現してレフリーの注意をそらしているためブレイクがかからない。ロープを掴む芹沢の手を蹴飛ばしたソーニャ、芹沢をリング中央へ引きずると裏膝十字の体勢に。芹沢、悲鳴を上げてロープに逃げようとするが、そのたびにソーニャはリング中央へ引っ張り戻す。ギブアップは時間の問題かと思われたが、引っ張り戻すときにソーニャの体勢が崩れたのを見逃さない芹沢、足を捕まれたままだが強引にソーニャへ蹴りを放って脱出。そのまま素早くソーニャの背後を取った芹沢はドラゴンスープレックスで放り投げるが、後が続かずコーナーにもたれかかる。そしてしばらくはお互い牽制しつつ体力回復を狙う。13分過ぎ、痛む足でミドルキックを放つ芹沢だがスピードが足りず受け止められてしまう。ところがこれが芹沢の狙い。そのまま体を倒して横回転しつつ踵をソーニャのこめかみに叩き付ける、秘密兵器ドラゴンネイル。それでも起きあがろうとする様子を見せるソーニャに、芹沢はコーナー最上段へ上る。立ち上がったソーニャへ、芹沢は前方回転をしつつ飛びつきくと即座に後方回転へ切り返す。大技、ドラゴン・ラナ。完全に丸め込まれたソーニャ、これは返せず3カウント。
 ベルトを腰に巻いた芹沢はマイクを要求。大きく息をついて喋りはじめる。
芹沢すずな 「ベルトを取った時もですけど〜、今日も苦労しました〜。ですが、ファニーウイングスにベルトを譲って上げることは出来ませんよ〜。出直してきなさいね〜。さて〜、次の挑戦者なんですけど〜、私から指名させて頂きますね〜。…松井香織!」
 会場が大きく沸く。
芹沢すずな 「何年ぶりかもう分からないけれど、久々に、ベルトを掛けてシングルマッチをするわよ。私達にしかできない戦いをやりましょう」
 芹沢はそう言い終わると、闘志をみなぎらせたままゆっくり引き上げていった。

コメント:
芹沢すずな 「これだから関節技が得意な選手は苦手なのですが、だからこそ負けたくはなかったですね。次の防衛戦の相手は、若い選手、勢いのある選手から選ぶのが筋かも知れないですけれど、私のわがままを聞いてください。タイトルをかけて、シングルマッチをしておきたいのです」

ソーニャ「勝てて当然だったんだけど、神様の思し召しじゃ仕方ないか。ま、よかったんじゃない? わたしの当然の戴冠の権利を蹴飛ばしてまでマツイとのタイトル戦のラストチャンスを奪い取れたんだから。……いい試合でわたしを満足させてくれないと、ただじゃおかないけどね」