10月17日(金)  新潟県新潟フェイズ
 前回Sitto団に破れてしまったフレイヤ。スクリーンにうちひしがれたその姿が映し出された。
カーシャ 「リングの…じゃなかった、ノーザンライトの妖精さん……。私、負けちゃった……」
 どこかの部屋の隅っこでののじを書いている変身前のフレイヤことカーシャ。
ノーザンライトの妖精 「困ったわね。このままじゃマット界の平和はSitto団によって荒らされちゃう……。しっかりしてカーシャ、いや、フレイヤ!」
カーシャ 「もうだめ。戦えない。あとはブリュンヒルトさんやトールさんや、牧村さん…は役に立たないとして、二人に頑張って貰うもん……」
ノーザンライトの妖精 「えーん、こんなのフレイヤじゃないよう〜」
カーシャ 「フレイヤじゃないもん。カーシャだもん……」
ノーザンライトの妖精 「あちゃ〜。これは本気で深刻だわ」
 困り果てる妖精。と、そこに妖精の髪の毛が一本ピンと立つ。
ノーザンライトの妖精 「あ、北極星からの通信だわ。ふむ、ふむふむ。うん、連れて行くわ。よろしく」
 一人で頷いたり返事をしたりと怪しい妖精。
ノーザンライトの妖精 「カーシャ! とにかくここで膝を抱えても仕方がないんだから、会場に行くわよ」
カーシャ 「…いかないもん」
ノーザンライトの妖精 「行かないとゆきなちゃんをここに呼んで二人っきりにするわよ」
カーシャ 「妖精さん!急いで会場に向かいましょう!」
 慌てて立ち上がるカーシャ。妖精は満足そうに頷いた。
ノーザンライトの妖精 「これでよし、っと」

新時空女神フレイヤ第12話、『特訓』

フレイヤ 「ところで変身してリングに立っていろって、一体何をすればいいんですか?」
 スクリーンに映る妖精に問いかけるフレイヤ。
ノーザンライトの妖精 「それはね…」
 妖精が答える前に、ブリュンヒルトの曲がかかる。
ブリュンヒルト 「フレイヤ。負けたならもっと強くなって挑めばいい。そのためにも特訓よ!
フレイヤ 「と、特訓?」
ブリュンヒルト 「そうよ。新たなる技を身につけて、マスクド・ジェラシー1号に取り憑いたアルベリッヒの力をはぎ取ればいいのよ!」
フレイヤ 「もういいんです。やりたいなら自分でやって下さい。私は負けたんですから」
ブリュンヒルト 「こ、このバカ!」
 ブリュンヒルトが平手打ちでフレイヤをはたく。
ブリュンヒルト 「それでも、常に私の上を行っていたカーシャなの!? 自分より上にいる、自分より強い目標を倒すために努力してきた私は何なのよ!」
 大きな声を張り上げるブリュンヒルト。そしてなんとマスクに手をかけ始める。
ブリュンヒルト 「私は…あんたに追いつくためにこのマスクを被った。 越えるための目標であるあんたに挫折して貰っちゃ困るのよ。 諦めなければ強敵も倒せるって言うことを、あんた自ら照明して貰わなくちゃね」
 完全にマスクを脱ぐブリュンヒルト。その正体は。
フレイヤ 「き、黄香坂さん!?」
 そう、海外遠征に出ていた黄香坂春美だったのだ。
黄香坂春美 「ふぬけたままならいいわ、この場で……この場であんたを潰す!」
 マスクを放り捨てた黄香坂が、フレイヤに襲いかかった。
フレイヤ vs 黄香坂春美
 素早くフレイヤの足下に潜り込んだ黄香坂、いきなり肩車を決めるとすぐにフレイヤを引き起こして連続で肩車。フレイヤのスタミナを奪う。さらに背後を取って裸絞めを極める黄香坂。さすがにこのままやられたままでいるわけにはいかないフレイヤ反撃を開始。ボディスラムや飛びつきのサブミッションで黄香坂を攻撃していくフレイヤ。
 黄香坂はフレイヤのサブミッション重視になる組み立てを読み、ラリアットやスパインバスターなど新しく身につけた技で優勢に運ぶ。苦しむフレイヤ。しかし追いつめられてからフレイヤが猛反撃。芹沢のドラゴンファングと同型の技、ダンスレイフで黄香坂に踵を叩き込むとブリザードで投げっぱなしてからブリザードスパイラル。フレイヤ、この技を放ったときになにやら思いついた様子を見せる。
 黄香坂がノーザンライトスープレックスから素早く腕ひしぎに入るハルミスペシャルを繰り出す。フレイヤは危うくギブアップをしそうになるが、ギリギリでロープブレイク。試合がめまぐるしく動き始める。
 その中でフレイヤは蹴りを中心に黄香坂を攻める。そしてハイキックで黄香坂をダウンさせる。エプロンに出たフレイヤはコーナー近くのトップロープに飛び乗ると、コーナーを挟んだ反対側のトップロープに飛び乗ってその反動でジャンプ。ムーンサルトプレス、いや、ムーンサルトのニードロップ。膝が黄香坂に突き刺さる。必死に片エビで押さえ込むフレイヤ。カウントが三つ、数えられた。
フレイヤ vs 黄香坂春美
14分58秒、オーロラサンダーアタック
 負けた黄香坂だが、満足そうな顔でフレイヤをたたえる。
黄香坂春美 「それでこそ私のライバル。負けるんじゃ、無いわよ」
 リングに大の字になった黄香坂を、トールが現れて抱き上げ、引き上げていく。
フレイヤ 「私は…私はもう迷いません。次でSitto団に、マスクド・ジェラシー1号に吸い取られた時空皇帝の力を除去して見せます。皆さん、応援よろしくお願いします!」

ナレーション 「次回予告! ついに決戦のとき?フレイヤと1号の決着戦の幕が開く! 新技を手に入れたフレイヤか! 一度はフレイヤを倒した勢いを持続させる1号か! 新時空女神フレイヤ13話、『不滅』。君はノーザンライトの電波を感じたことがあるか!」

第2試合30分一本勝負
×水瀬沙夜 vs 神西志乃
8分43秒、体固め:サンダーマウンテンストーム
 中堅ヘビー級の位置にいる両者。これからの足がかりを掴みたいところだ。神西はそのためにもまず水瀬を叩くと公言しており、それを迎え撃つ水瀬という構図。組み付いての有利なポジション争いを制した水瀬がバックドロップで神西をマットに叩き付けるが、神西は即座に起きあがるとミドルキックから大外刈り。
 その潜在能力を見せつける形となった神西が中盤以降の流れを掴み、ハイキックをカウント2で耐えた水瀬をサンダーマウンテンストームで沈めた。


コメント:
神西志乃 「一人でやる方が気楽で良い。所詮木佐とは停戦をしているだけ。なれ合いに近くなっていたから調子が上がらなかったと言うことだな」
第3試合タッグマッチ30分一本勝負
×木佐深月(A☆F)
高岡ユーリ
vs 渡部巴
華山麗子
12分10秒、STフェロモン
 そしてオリジナルクライシスの二人はBコネのタッグと戦う。Bコネ側は珍しい組み合わせであるために生じる連携の隙をクライシスがつけるか。しかしBコネはタッチワークこそ上手いとは言えないが、華山が粘りと小技の上手さを見せて攻められつつも流れを引きずられない戦い。木佐の蹴りをブルーボックスで華山が防ぐと、渡部がラリアットからSTフェロモンで木佐を捕らえる。木佐、粘りは見せたものの華山が高岡を完全に抑え込んでカットを封じたためとうとうギブアップ。


コメント:
渡部巴 「相手にならないわね。所詮頭の出来が違うのよ。総合格闘家がプロレスのタッグマッチやってるって感じ? あれが去年タッグの大会制したなんて、笑い話よね」
華山麗子 「(頷く)」
渡部巴 「でも、逆にからかうにはちょうど良い相手か。調教して下僕にするってのも面白そうね」

高岡ユーリ 「あの程度の奴らに負けるなんてっ!」
木佐深月「そんなに悲観したものでも無いかもよ。出直すにはかえって都合がいいってものだもの」
第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負
荒谷紅美(KIZUNA)
高村あかね(KIZUNA)
×望月登子
vs 坂倉宏子(KIZUNA)
サイフィス真美
ブラック・ヴァルキリー(KIZUNA)
19分17秒、裏閂式鷹羽絞め
 坂倉軍団登り調子か。エクストリームストームの激しい攻めを、ブラックのサブミッションと真美のメキシカンストレッチで止めていく。高村に捕まりかけた真美を坂倉がカット。さらに高村へ追撃で大車輪キックを見舞う坂倉。すぐに真美がメディオ・カングレホで高村を捕らえるが、これは荒谷がカットする。
 坂倉のジャーマンに真美がディスカッターを合わせるコンビネーションで荒谷に大きなダメージを与える。一時的に荒谷を戦いから遠ざけたことが流れの決定打。望月に対して坂倉のハイパーニー空牙、真美のバニティリッパーが連続で決まりとどめにブラックが得意の複合ストレッチ。高村のカットを防いで坂倉軍が勝利。


コメント:
坂倉宏子 「エクストリーム+1相手に完勝はデカイね。無差別タッグに挑んじゃおっかなって思っちゃうよ、ホント(笑)気分も良いし、チーム名も発表します。『舞闘姑娘(ぶとうくーにゃん)』ってね。ユニット戦争だから、WWPLは。必ず勝ちあがりますから見てて欲しいですね」

ブラック・ヴァルキリー 「自分の仕事を果たすだけですから。雪さん、ソーニャさんとの勝負はそれからでしょう。やっぱり出遅れ感はありますから」



望月登子 「ふん、あそこまでがっちり捕まったらギブするしかないからね。だけど次は捕まらない。蹴り倒してやるから覚悟してな!」
高村あかね 「ドンマイ、ドンマイ! 流れは取ってるんだけどさ。関節はしょうがないって。だけどね、エクストリーム・ストームがこれで立ち止まったなんて思ったら大間違い。ダブドラの首取るまでは立ち止まるつもりないから!! タッグ、ユニットであかねたちと対抗できるのなんて、いないんだから!!」

荒谷紅美  「ちっちゃな勝ち負け気にしてるヒマなんてない! ヘビー級のトップ取るのはこの私なんだから!! こんなところで止まってたまるもんですか!!」

第5試合3WAYマッチ30分一本勝負
MACHIKO REIKO セラフィム・レイ
REIKO(9分3秒、片エビ固め:エクスカリバー)MACHIKO×
 リングに上がったREIKOはマイクを要求する。
REIKO 「今日はこの二人と戦って、次のジュニア挑戦者指名の参考にしようと思うの。だけどあたしから取ればそれが決定って事じゃないのよ。どうやったらあたしに気に入ってもらえるか、そこをよ〜く考えながら戦いなさい」
 思案顔をしながらも左回りに動きつつ牽制し合うMACHIKOとレイ。REIKOは楽しそうな様子で二人の様子をうかがいながらも、3人が正三角形の頂点を描くような動きになるよう場をコントロールする。MACHIKOがレイにタックルを仕掛けると、レイはそれを飛び越える。そしてもう一度マットを蹴るとMACHIKOにドロップキック。背後からMACHIKOがレイに取りつくがレイはこれをアームホイップで切り返してまずはアドバンテージ。
 レイの動きがいいと見て取ったREIKOはレイを攻める。キック、エルボーと打撃中心からサミング。だがMACHIKOがREIKOの背後を取ってバックドロップ。攻守が頻繁に入れ替わる。レイはREIKOをレッグラリアットで場外へ落とすと、MACHIKOにロコモーションダブルアームスープレックスからフォール。MACHIKOはカウント2.5で肩を上げると、レイの髪をつかんでフライングメイヤー。背後からスリーパーで体力を奪うと、レイをコーナーに逆さ吊りにするMACHIKO。逆さ吊りのレイに攻撃を加えようとするMACHIKOだが、ここでREIKOがMACHIKOの背後から延髄斬りを決める。崩れ落ちかけるMACHIKOをエクスカリバーで追撃したREIKOがこの試合の勝者となった。
REIKO 「うーん、そうね、保留だわ。次の大会で別のだれかとこの形式でやってから決める。それまで待ってなさい」
第6試合トルネードタッグマッチ30分一本勝負
豊嶋奈美
松井香織

芹沢すずな
vs ロナ・ヴァンダム(SPWA)×
ファニー・ライトニング(SPWA)
アニタ・アッサム(SPWA)
21分18秒、飛龍原爆固め
 試合前に松井がマイクでロナに話しかける。
松井香織 「お前はタッグには興味がないって言ってるけど、こちらはタッグにしか興味ないんだよ。シングルプレイヤーとしてのロナ・ヴァン・ダムというより、私達ダブルドラゴンに興味を持ってそうなファニー・ライトニングに合わせてやったんだよ。だけど希望が話が噛み合わないっていうんだから、こうしようじゃないか。6人全員が試合権利者だ。これならお互い文句はないだろ」
 ロナは世界ヘビーシングルを持つ豊嶋に向かっていく。アッサムも豊嶋に興味を示し、ロナと共同で襲いかかる。ところがその背後からダブルドラゴンが襲いかかり、松井がアッサムに、芹沢がロナに旋風脚。乱戦は場外乱闘に続く。松井にアッサムがトペ・スイシーダ、アッサムに芹沢がラ・ケブラーダ、芹沢にファニーがトペ・コン・ヒーロ、ファニーに豊嶋が三角跳びプランチャ、豊嶋にロナがミサイルキックをぶつける。さらには滅多に場外弾を出さない松井もプランチャ・スイシーダを見舞って連続場外弾の連鎖が完成。
 芹沢はロナと蹴り合いになる。芹沢はロナのトラースキックでふらついたところにアッサムのフライングショルダーアタックを食らってダウン状態。フォールするアッサムだが、これは豊嶋がカット。さらに豊嶋ジャーマンスープレックスでアッサムを追撃する。ロナは松井のランニング掌底を受けて前後不覚状態に。そこを芹沢が背後を取ってドラゴンスープレックス一閃。好調ロナ、しかしとうとう芹沢の前にピンフォール負けを喫した。


コメント:
松井香織 「ロナがタッグ興味ないってのが悔しくてね。なんとかその気にさせようとしたんだけど…いまのすずなに取られてるようじゃねえ」
芹沢すずな 「ひどいわね〜。タッグなら私達が有利なのは当然じゃないの〜」
松井香織 「シングルだと逆なんだけどね。ま、好き好きだからそれが悪いとは言わないけど。でもWWPLはタッグ戦の方が多いんだ、興味ないで済ませられる訳でもないし」
芹沢すずな 「ところで次の無差別挑戦者、私が立候補してもいいかしら?」
松井香織 「げ。本気?」
芹沢すずな 「だって〜。ファニーちゃんじゃ物足りないんだもの」
松井香織 「じゃ、次の興行で返事貰えば?」

ファニー・ライトニング 「ここの最強トリオ相手に遅れは取ってないから。次よ、次。向こうもそう思ってるんじゃないの?」
アニタ・アッサム 「面白い。さすがに団体のトップ3相手だと手強いね」
ロナ・ヴァン・ダム 「露骨に私狙いだもの(苦笑)。ま、ココで久しぶりに取られたわ。ひとりづつ首を取って行けば、わかるでしょ。ココの本当のトップが誰なのかがね」

第7試合WWPL無差別級タッグタイトル戦45分一本勝負
王者組
ラブリーベル
×川部雪江
vs 挑戦者組
ディアナ
ソーニャ
16分37秒、原爆固め
※第5代王者が初防衛に失敗。ディアナ&ソーニャが第6代王者に
 花魁風ガウンで登場のBコネ。挑戦者のファニーウイングスは出身地をイメージさせるスタイリッシュにアレンジしたコスチュームでリングに。華やかなリング上となる。
 握手を求めるディアナとソーニャ。ベルと川部は顔を見合わせる。ニヤニヤと笑いを浮かべるディアナとソーニャは、ベルと雪江の反応を伺いつつしつこく手を突き出す。ところがそこにMACHIKOと華山が背後から襲いかかる。背後からエルボーを一撃入れてすぐさまリング下に降りるMACHIKOと華山。ベルがディアナにフライングニールキック、川部がソーニャにランニング掌底を決めてBコネが開幕主導権を握る。
 ベルが飛びつき腕ひしぎをソーニャに放つが、すぐさま切り返したソーニャが逆に腕ひしぎを決める。ジャベを得意とするベルだが、シャープなグラウンドの関節技合戦ではやはりサンボ出身のソーニャが勝る。ディアナもショルダーアタックやフィッシャーマンバスターで川部を攻め立て、ファニーウイングスが盛り返していく。
 ディアナとベルはデスバレーボム合戦で双方ダウン状態となる。タフネスで勝るディアナが何とかソーニャを呼び込んでダブルバックドロップ。川部が救援しベルは場外に逃れる。しかしこれで川部孤立状態になってしまう。ソーニャのバレエのようにくるくると回ってから放たれる回転式打撃、ディアナのフランケンシュタイナーで大きなダメージを負う川部。動きの止まった川部へ、ソーニャが得意のジャーマンスープレックスを決めて3カウント。王座移動となった。


コメント:
ディアナ 「ダブルドラゴンに負けが込んでるけど、一応ワタシもタッグ屋って言われてるの。この程度の相手なら何度やってもワタシ達の勝ちよ!」
ソーニャ「だから言ったでしょう? 間違いはいつか正されるし、ベルトは自分にふさわしい持ち主を自ら見つけるものだって。次は無差別級シングルをもらうわ。当然文句はないわよね」


ラブリーベル 「悔しいですわ! この借りはVWGP代表者決定戦で返して差し上げます! 覚えていなさいディアナ、ソーニャ!」

 川部は薄目状態で引き上げてくる。
川部雪江 「ソーニャさんのファンデーション目つぶしが…。視界を奪われたのでなければ、こんなに簡単に負けることはなかったんですけど、かなりきつく入ってしまいまして…。ベルさんと同じく、VWGP代表決定戦でリターンマッチさせて頂きます」